画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/

2023年も2月を迎えました。
暖冬気味だった今年の冬ですが先月下旬には全国で強烈な寒波が訪れてかなり気温の低い日が続いていました。2月は1年中でもっとも気温の低い真冬のイメージがありますが今月も引き続き寒さへの備えは必要になりそうです。この時期の会津地方は夜に晴れてきれいな星空が見られる日も少ないので週間天気予報を参考に月明かりのない時期を選んで比較的お天気の良い日が多めの太平洋岸方面に遠征してみるのも良いかもしれません。また、田村市の星の村天文台では冬の時期でも積雪がそれほど多くなければ予約制ですが夜の公開も行うそうなので福島県最大の望遠鏡での観察も出来ますから少し遠くても出かけて見る価値は大きそうです。
https://www.city.tamura.lg.jp/life/3/40/139/

冬場の寒さは星を見る上では防寒対策などと面倒なことも多いのですが夜空の方は透明度が増して小さな星の光も他の季節に比べ見やすいのでお天気の良さそうな日を選んで短い時間でも見上げてみて下さい!そんな様子は肉眼よりも双眼鏡を使った時のほうがわかりやすいのでお持ちの方はぜひお試し下さい!
2月の注目は今月始めに地球に接近して4等級まで明るくなりそうなZTF彗星ですね。肉眼だと厳しい感じですが双眼鏡を使えば1月後半でも丸くぼんやりとした姿を捉えることが出来ていたので国立天文台の記事を参考に双眼鏡を使って捜してみて下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/01-topics07.html

そしてもう一つが夕方の西空で月末に向けて接近していく木星と金星の姿を追いかけてみましょう!
この時期の金星はマイナス4等星、そして木星がマイナス2等星でどちらもかなり明るくて夕方の西空で1番星と2番星となって見えています。
18時頃になれば他の星よりも先に見えてくるこの2つの星、月初めにはまだ30度ほども離れているのが日毎に少しずつ接近していって月末の28日には僅か2度くらいまで接近していきます。毎日は無理でも晴れた夕方の西空をたまに見ておけば前に見たときよりも近くなっている様子がきっと分かるはずです。24日頃になれば両者の間隔も6度を切るのでぜひ双眼鏡で眺めてみたいですね!金星と木星の最接近は3月2日なのでこちらも楽しみです。
こちらの接近していく様子は肉眼だけでも十分に見ることができますので是非親子で観察してみて下さい!
夕方の空でまだあまり暗くならない時間帯にならスマホでも撮影し易いのでぜひチャレンジしてみて下さい!また撮影が難しい場合には地上の景色と一緒にスケッチブックに描いておくのも変化がわかって面白そうです。この時には地上の方位と日付や時刻も端に記入しておきましょう!
他には今年最小の満月などの話題もありますので後半でご紹介したいと思います。

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昨年10月から国際宇宙ステーションで昨年10月から国際宇宙ステーションで長期滞在を行っている日本人宇宙飛行士の若田光一さんの話題も
ニュース等で流れているので関心をもつ方も増えているでしょう。
半年に渡る長期滞在期間もそろそろ終わりの時期が近づいてきています。国際宇宙ステーションでの滞在生活は地上に比べてかなり危険な面もありますが私達の住む地球を外から見ることで私達人類がこれからもっと未来にわたって地球上で活動を続けて行くためにどのようなことが必要なのかということも見えてくるはずです。夜空を見上げながら宇宙から見た地球の姿を想像してみるのもいいかもしれませんね。

JAXAの特設サイトはこちら
https://astro-mission.jaxa.jp/wakata/
滞在中のミッションレポートなどの情報も時々アップされますのでチェックしてみてください!
https://astro-mission.jaxa.jp/wakata/report/

若田宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーションは明け方か夜明け前の時期に肉眼でも明るく光りながら夜空を移動していく姿を肉眼でも観察することが出来ます。以下のサイトで国際宇宙ステーションが見える日時や方向などの予報がありますのでこちらもチェックしてみてください!
https://lookup.kibo.space/observation/kitakata/
こちらの予報では観察地点を喜多方に設定してありますので会津方面ではほぼこちらの予報で大丈夫ですが、たまに行われるISSの軌道修正などの影響で予報が変わることがありますので観察する前にはもう一度予報を再確認しておきましょう!

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/
こちらにあるはやぶさ2関連のニュースでは運用状況報告やはやぶさ2壁新聞などもありますのでぜひ
チェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/
https://twitter.com/haya2_jaxa

Twitterでも紹介されていましたが2月6日にある小惑星の掩蔽観測のことが紹介されていました。
はやぶさ2が2026年7月に近くから観測を行う予定の「小惑星2001 CC21」ですがこれまでまだ詳しい観測が少なくはやぶさ2を小さな小惑星に確実に接近・観測を成功させるためにはこの観測対象の小惑星の軌道を精密に知る必要があります。そのための絶好のチャンスが2月6日に日本で起こります。小さな小惑星が遠くにある恒星の手前を通過することで短い時間ですが遠くの星が消える掩蔽という現象です。こうした観測をいくつもの地点で観測を行うことでより精密な軌道を求めることが出来たり小惑星の大きさやある程度の形状についての情報が得られるわけです。現在の予報計算では西日本を中心に星が隠されるものと見られていますが現在の小惑星の軌道にはある程度の誤差が含まれているために実際にはかなり広範囲での観測が必要になります。
http://hal-astro-lab.com/asteroid/2303_2001CC21_index.html
http://hal-astro-lab.com/asteroid/20230206_2001CC21_Map3.html

観測には天候の影響もありますので無事に観測が成功することを祈っております。先月は大きなニュースはありませんでしたがはやぶさ2のTwitterなども時々チェックしてみてくださいね。

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2023年2月での月の満ち欠けは以下のようになっています。
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満月  6日(月) ※今年最小の満月
下弦 14日(火)  
新月 20日(月)  
上弦 27日(月)  
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新月前後の数日間は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!

会津での2月の日の出、日の入り時刻を先月の1月と比べてみると以下のようになります。
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月   日   薄明始まり     日の出      日の入り      薄暮終了
1月 1日  5時 21分   6時 52分   16時 35分   18時 06分
2月 1日  5時 15分   6時 42分   17時 06分   18時 33分
2 28日  4時 47分   6時 12分   17時 35分   18時 59分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)
 
これからまだ本格的な冬は続きますが上記の表を見てみるとこの1ヶ月の間に夜明けや日暮れの時間もだいぶ変化して昼の時間が伸びています。
特に仕事帰りの時間に暗くなる時間が遅くなっていることで実感として感じられそうです!昼の時間が伸びていることで気分的には少しだけでも着実に春の季節に近づいていることを知ることでこの寒い冬を乗り切りましょう!!しっかりと防寒対策をして今月もゆったりした気分で星空を楽しんでくださいね!

それではそろそろ2023年2月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆2月 1日(水)~月末  夕方の一番星を見つけよう!!

 夕方の西空で1番星となって次第に目立ってきている宵の明星の金星を見つけてみましょう!
 金星も2月になると夕方の空で見える高度も少しずつ高くなってきていますので本来の1番星らしさを感じるようになってきています。 せっかくなので皆さんの家の近くから見える方角や高さを確かめておいて翌日以降に少し早目の時間から捜してみて下さい! 昔は1番星捜しといって誰が最初に見つけられるかを競っていた星遊びもありましたので。 予め金星の見える方角や高さなどの予備知識があればむやみに探すよりもずっと早く見つけられそうなのでその時の場所や天候、そして見つけた時刻などをノートやスケッチブックなどに記録しておくと後々まで楽しめそうなのでお試し下さい!
 夕空の金星は2月初めの今はまだ地球~太陽までの距離の1.5倍ほど離れていますがこれから次第に地球に接近して5月初めの頃には夕方の空での高度がもっとも高くなり見やすくなります。 地球に接近してくるに連れて夕方の空での見える方角も少しずつ変化していきますからそうした変化も同じ場所からずっと追いかけていきたいですね! その間に月や他の惑星への接近もありますからそちらも楽しみです!

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☆ 2月 2日(木) 夜明け前の空でZTF彗星が地球に最接近!!

昨年3月に発見されていたZTF彗星が2日夜明け前に地球への距離が最も近くなる最接近を迎えます。
今回は最接近と言っても地球からの距離は約4,300万kmもありますから特に地球への影響は無さそうです。彗星自体も今回の軌道だと太陽にもっとも接近したのが先月12日で地球よりも少し離れた距離なのでそこまでほうき星らしい姿は期待できませんが今回の地球接近で双眼鏡なら見える4等星くらいになることで期待されています。実際に1月後半でもほぼ予報通りの明るさで北の空で見えていましたので2月半ばくらいまでは街明かりの少ない場所なら双眼鏡でも楽しめそうです。前半でも紹介しましたが国立天文台のサイトにもZTF彗星関連の情報が載っていますので前もってその日に見える位置を調べておいて下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/01-topics07.html

スマホのアプリによっては星空だけでなくこうした明るいほうき星のその時の位置を表示してくれる便利なタイプのものもありますのでぜひ有効活用してみて下さい!彗星は毎日見える場所が変わっていきますがそうした途中で明るい星のそばを通過するときを選べば見つけやすくなるのでそうした情報も今月は入れておきます。

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☆ 2月 6日(月) 夜明け前の空で今年一番小さな満月が見られる!

今月は6日未明の3時29分に満月を迎えます。
2月の満月は寒い季節にふさわしくスノームーンという呼び名もあるようです。秋の季節とはまた違った月の輝きも楽しんでおきたいですね。
そして今回の満月は地球からの距離が遠いために見かけの大きさが2023年の中ではもっとも小さな満月となるようです。スーパームーンと違って小さな満月はあまり注目されませんが、今年8月末にある今年最大の満月と比較するのに撮影しておくと良い比較ができそうです。
今回の満月では月と地球の中心間距離は約40万6千km程になるようです。地球から月までの平均距離は約38万4400kmなのでだいぶ遠くなるわけですね。5日夜深夜での出来事になりますがちょっと見ておきたいですね。3時半頃でしたら西の空で高度もまだ40度くらいありますからこの時間でも見やすいのでお天気が良ければ早起きしてぜひ一目見ておいて下さい!

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☆ 2月 6日(月) 夕方の空でZTF彗星がぎょしゃ座の1等星カペラに接近!!

2日に地球に最接近となったZTF彗星が6日夕方にはほぼ真上近くの空でぎょしゃ座の1等星カペラに約2.5度くらいまで接近となるようです。
この時の彗星の予報される明るさは5等級なので見るには双眼鏡が必要です。オリオン座から少し北の方向へ目を向けると大きな5角形の形が特徴のぎょしゃ座があってその中で1番目を引く1等星のカペラに双眼鏡を向けるとそばにぼんやりとした姿を見つけることができそうです。もし双眼鏡で見つけたならほうき星を視界の真ん中に入れたあと、目線を視野の真ん中ではなく視界の端の方をゆっくりと見回すようにすると真ん中の彗星の姿が見やすくなるのでお試し下さい!ただしこの夜には満月を過ぎたばかりの明るい月があるのでなるべく月があまり高くならない19時頃が見るには良さそうです。このあとZTF彗星はカペラから離れて赤っぽく光る火星へと日毎へ接近して行きます。月の出は1日過ぎると50分くらいずつ遅くなるので、8日以降でしたら19時頃には月明かりの影響を受けないで見られますのでお奨めですよ!この時にはカペラから火星に向けて双眼鏡をゆっくりと動かせばその途中で見つかるはずです!

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☆ 2月 11日(土) ZTF彗星が火星に最接近!!

6日夜にカペラに接近していたZTF彗星は11日夜にはおうし座に見えている火星に約1度くらいまで接近します!
こちらも19時頃が見やすいでしょう!今の火星は地球から遠ざかりつつあって既に地球から太陽までと同じくらい離れていますが独特の赤っぽい色合いと0等級の明るさでまだまだ目立つ存在です。この頃のZTF彗星は6等星と少し暗くなっては来ていますがちょうど月明かりも無くなった時期なのでわかりやすい火星のそばにあるということで双眼鏡があればすぐに見つけられそうです。火星とZTF彗星の最接近は11日夜ですが前後1日くらいはまだ火星と一緒に眺められそうなのでお天気が良かったら続けて見ておくと彗星の一晩での動きがどれくらいあるのかがわかります。

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☆ 2月 15日(水) ZTF彗星がおうし座の1等星アルデバランに最接近!!

15日夜にはZTF彗星がおうし座の右目で赤く光る1等星アルデバランに約1.6度くらいまで接近するようです。
ちょうどこの付近にはヒアデス星団と呼ばれる双眼鏡でも楽しめる散開星団がありますので淡いほうき星の姿と小さな星粒が散らばった星団を一緒に眺めた様子はまた印象的かもしれません。この頃の彗星の予報では7等星くらいなのでこちらは少し大きめの双眼鏡か望遠鏡で見てみたい接近ですね!

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☆ 2月 18日(土) 夜明け前の空で細い月を見つけよう!!

今月の月は20日に新月を迎えますが、その前に夜明け前の空で細い月を探してみましょう!
チャンスは2日前の18日の明け方で5時30分頃から南東から少しだけ北寄りの低い空を双眼鏡で探せば見つかりそうです。月の見える高さは5時30分の時点では約3度くらいになっているはずです。この時の月齢は27.0とかなり細いので空が明るくなり始めると急に見えにくくなってしまうのでなるべく低い空まで見渡せる場所がお奨めですね!冬の夜明けの空は寒いですがとても美しいのでそうした景色も一緒に楽しんでみてください!

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☆ 2月 22(水) 夕方、西の低空で3天体の集合!!

22日の夕方の空では次第に見える高さを上げてきている金星が月齢2.1の細い月と約2.3度まで接近した様子が見られそうです。(細い月は金星の斜め左下)明るい金星と細い月の組み合わせは肉眼ではもちろん、双眼鏡で眺めると格別の美しさを楽しめます!今回は金星の上にも約8⃣度ほど離れて木星も見えているので肉眼ではこの3天体が集まっている様子が印象的でしょう!18時頃に西と西南西の間くらいの場所を見ると金星が最初に見えるかもしれません。少し時間が過ぎれば木星と細い月も見えてきますし空が少しずつ暗くなる中で3天体が集まった様子が時間とともに印象が変わっていく様子も楽しんでみて下さい!

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☆ 2月 23日(木) 夕方の空で4日月と木星が接近!!

23日夕方には西の空で4日月と木星が約5.3度まで接近した様子が見られそうです。
この時には上から4日月、木星、金星の3天体がほぼ同じくらいの間隔で並ぶ様子にも注目ですね!視界の広い双眼鏡では月と木星、そして木星と金星をそれぞれ一緒に眺められますので空が少し暗くなりかけた時間で眺めるとまた印象的でしょう!明日以降は更に1日毎に木星と金星が接近していくので可能でしたら来月初めの頃までそんな様子も双眼鏡で追いかけてみたいですね!

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☆ 2月 26日(日) 夕方の空で月齢6の月がすばると接近!!

26日夕方には西南西の空で月齢6の月がおうし座の明るい散開星団のM45、通称「すばる」に約4.5度まで接近した様子が見られそうです。
これくらいまで月とすばるが接近するチャンスはなかなかありませんので双眼鏡でゆっくりと眺めてみたいですね!空の明るさが残っているとすばるの星たちが見えにくいので今回の接近では19時頃がおすすめになりそうです。

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☆ 2月 27日(月) 夕方に上弦を迎える月!!

27日には夕方の17時6分に上弦を迎えます!
この時間の月は南南東の空で割と高い空に見えているはずです。会津では17時34分が日没なのでその頃になら肉眼や双眼鏡でもほぼきれいな半分の月が見られそうです。まだ空が明るい時間帯では青空の中で白っぽく見える月の色が次第に本来の月の色に変化していく様子も楽しんでみて下さい!今回のように夕方の時間帯でちょうど上弦となるチャンスはあまりありませんから双眼鏡をお持ちの方はじっくりと眺めてみて下さい!

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☆ 2月 28日(火) 夕方に南の空で月と火星が接近!

2月の最後、28日夜には18時30分頃に南の空で月齢8の月と赤っぽく光る火星が約2.7度まで接近した様子が見られそうです。
空が少し暗くなってきたこの時間帯に丁度見やすい南の比較的高い空での接近なので肉眼でも楽しめそうです。そして双眼鏡では火星の赤みを帯びた色合いと月の色の比較もしっかりと確かめて下さいね!

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☆ 3月 2日(木) 夕方の空で金星と木星が最接近!!

2月の後半では夕方の西空で次第に接近してきていた金星と木星が3月2日に約0.5度までの大接近となります。
この間隔はほぼ月の大きさと同じなので夕方の空で1番星と2番星となっている明るい2つの星がここまで接近した姿はなかなか見られませんから肉眼とそして双眼鏡でしっかりと見ておきたいですね!まだ空の明るさが少し残る時間帯ならスマホのカメラでも接近した様子が写せるのでお試し下さい!!暗くなってからだと露出オーバー気味になったり、背景が真っ暗になってしまうので空が少し明るさの残っている頃から設定を変えながら色々と試して撮影してみましょう!

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