画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/
2023年も3月を迎えました。
この時期は年度末ということもあって忙しい方も多いと思いますがそろそろ季節も冬から春に移り変わる時期なので皆さんの家の周りでも春の兆しを感じたりすることも段々と増えてくることでしょう。そして夜空も次第に東からは春の星座たちが見え始めてきているので疲れたときには短い時間でも夜空を見上げてみて下さい!同じ時間に見える星空もゆっくりと移り変わっていくので毎年見ていると星空だけでも季節感を感じるようになってきますので。

そして夕方の西空では月始めから明るく輝く金星と木星の共演が楽しめますのでぜひご注目下さい!3月2日に最接近となった後も日毎に少しずつ離れていく様子はどちらも明るい星だけに肉眼でも、そして街中からでも楽しめますので!8日頃までなら双眼鏡でも一緒に眺められるくらいの間隔なのでお持ちの方はぜひ向けてみて下さい!

1番星となっている金星は5月頃まで徐々に夕方の空に見える高度が上がっていくのでこれからの時期更に目立ってきそうです。空の明るさがまだ残っている時間帯ならスマホでも意外と撮影できるのでお試し下さい!
同じ夕方の金星でも見るときの地上の景色が変わればまた印象が違ってきますのでたまにはいつもと別の場所から撮影してみるのも面白そうです。それとは逆にずっと同じ場所から同じくらいの時間に撮影しておくことで夕方の空での金星の見え方の変化も追いかけることができそうです。また写真だけでなく地上の目立つ景色と一緒にスケッチで残す手法もお奨めです。見るだけでなく実際にスケッチブックに描くことで気がつくことも色々とありますので。明るさの違いだったり、瞬き具合だったり、月に1度位ある月との接近等など気がついたこともメモ書きで空いたスペースに記入しておくと・・あとから見たときにもその時の景色が思い出しやすくなりますので。
このような星空スケッチはお子さんだけでなく大人の方にもお奨めです。


上の画像は2月22日と23日の夕方に撮影したものです。
一晩だけで月の位置が左上方向へ大きく変わっていく様子もわかりますね!24日には金星と細い月の接近がまたあるのでこちらもお楽しみに!!

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昨年10月から国際宇宙ステーションで長期滞在を行っている日本人宇宙飛行士の若田光一さんの話題もニュース等で流れているので関心をもつ方も増えているでしょう。
半年に渡る長期滞在期間もそろそろ終わりの時期が近づいてきています。国際宇宙ステーションでの滞在生活は地上に比べてかなり危険な面もありますが私達の住む地球を外から見ることで私達人類がこれからもっと未来にわたって地球上で活動を続けて行くためにどのようなことが必要なのかということも見えてくるはずです。夜空を見上げながら宇宙から見た地球の姿を想像してみるのもいいかもしれませんね。

JAXAの特設サイトはこちら
https://astro-mission.jaxa.jp/wakata/

滞在中のミッションレポートなどの情報、2月に新しくアップされた情報もありますのでチェックしてみてください!
https://astro-mission.jaxa.jp/wakata/report/

若田宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーションは明け方か夜明け前の時期に肉眼でも明るく光りながら夜空を移動していく姿を肉眼でも観察することが出来ます。以下のサイトで国際宇宙ステーションが見える日時や方向などの予報がありますのでこちらもチェックしてみてください!
https://lookup.kibo.space/observation/kitakata/

こちらの予報では観察地点を喜多方に設定してありますので会津方面ではほぼこちらの予報で大丈夫ですが、たまに行われるISSの軌道修正などの影響で予報が変わることがありますので観察する前にはもう一度予報を再確認しておきましょう!

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

こちらにあるはやぶさ2関連のニュースでは運用状況報告やはやぶさ2壁新聞などもありますのでぜひチェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/
https://twitter.com/haya2_jaxa

先月24日にははやぶさ2が地球に持ち帰ってきた小惑星りゅうぐうの分析結果でまた新しい報告がニュースとなりました。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1480871.html
https://mainichi.jp/articles/20230223/k00/00m/040/088000c

他にも小惑星リュウグウからのサンプル分析結界についてサイエンス誌において記事が載ったというニュースも入っていました。
https://mainichi.jp/articles/20230223/k00/00m/040/243000c

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2023年3月での月の満ち欠けは以下のようになっています。
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満月  7日(火)
下弦 15日(水)
新月 22日(水)
上弦 29日(水)
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新月前後の数日間は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!

会津での3月の日の出、日の入り時刻を2月と比べてみると以下のようになります。
そして3月21日は春分の日ですね!
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 月   日   薄明始まり    日の出     日の入り     薄暮終了
 2月 1日  5時15分  6時 42分  17時 06分  18時 33分
 3月 1日  4時46分  6時 10分  17時 36分  19時 00分
※3月21日  4時16分  5時 41分  17時 55分  19時 20分
 3月31日  4時00分  5時 26分  18時 04分  19時 31分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)
 
3月に入ってもたまに寒の戻りなどで冬に戻って雪が降ることもありますが上の表を見ても着実に昼の時間が長くなってきていますので春の訪れも近いことがわかります。21日には春分の日を迎えますのでこの日を境に昼と夜の時間が逆転します。賑やかな冬の星座たちも少しずつ西の空へ移っていく季節なのでこの時期ならではの地上の景色と星座の傾き具合などにも注目してみると面白そうですね!

それではそろそろ2023年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 3月 2日(木) 夕方の空で金星と木星が最接近!!

2月の後半では夕方の西空で次第に接近してきていた金星と木星が3月2日に約0.5度までの大接近となります。
この間隔はほぼ月の大きさと同じなので夕方の空で1番星と2番星となっている明るい2つの星がここまで接近した姿はなかなか見られませんから肉眼とそして双眼鏡でしっかりと見ておきたいですね!まだ空の明るさが少し残る時間帯ならスマホのカメラでも接近した様子が写せるのでお試し下さい!!暗くなってからだと露出オーバー気味になったり、背景が真っ暗になってしまうので空が少し明るさの残っている頃から設定を変えながら色々と試して撮影してみましょう!3日以降には再び離れていきますがそんな様子もしばらくは追いかけてみたいですね!夕方の空での木星は次第に見える高さが低くなっていくのでいつまで見えるのか確かめてみるのも面白そうです!
 
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☆ 3月 7日(火) 満月! ワームムーン!

今月は7日夜の21時40分に満月を迎えます。
3月の満月は別名ワームムーンとも呼ばれているみたいです。春が近づいてきてそろそろ虫の姿も見かける時期に見られる満月という意味らしいですね。会津での月の出は17時19分ですがだいぶ日が伸びてきているので日没後の18時頃に東の空を見ると山から昇ってくるような満月の姿が楽しめそうです。
たまに低い空に見える満月や沈むちょっと前の太陽が(太陽の光はとても強いので低い空でも直接見ないようにご注意下さい)異様に大きく見えることがありますがあの現象は目の錯覚ということでした。
もし満月が大きく見えることがあったらぜひ5円玉を使って確かめてみましょう!
お財布に5円玉があったら手に持っていっぱいに腕を伸ばします。そして片目で見ながら5円玉が満月に上手く重なるように微調節すると・・・。どんな風になるかは実際に確かめてみてくださいね!月が高く昇ってからもう一度同じように5円玉を使って低い空に見えていた月と見える大きさ比べをしてみてください!

そういえば眼で見たときに感じる満月の大きさとスマホで撮影したときの大きさの差がずいぶん違って感じることもありますね。スマホの最新機種では望遠カメラできれいな月の姿も撮影できるタイプも有るようなので手持ちのスマホで月がどれくらい写せるかこの機会に試してみてくださいね!

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☆ 3月 21日(火) 春分の日!!

今月21日には春分の日を迎えるので身の回りでも春も近いなと感じる機会が増えそうです。
天文学的には冬至の時の地球と太陽の位置関係からちょうど90度回った位置を地球が通過する瞬間のことなので今年は日本時間だと朝の6時24分になるようです。普段の生活の上ではこの日を境に昼と夜の時間が逆転するということや寒い時期を抜けて過ごしやすい季節に向かう意味合いもありますね。春分の日での会津での日の出、日の入り時刻は前半部分に載せてありますのでお時間ある方は昼と夜の時間を試しに計算してみて下さい!

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☆ 3月 23日(木) 夕方の空に細い月を見つけよう!! 

今月の月は22日に新月を迎えて、その翌日なのですがとても細い月が見られる可能性があるのでお天気が良かったらぜひ捜してみて下さい!
ただし、こちらは双眼鏡で見ることが必要になるのでお持ちの方限定になります。普段なら見つけることが難しい月齢1.7の細い月なのですが今回は明るい金星が良い目印になってくれるので。時間は18時30分頃、ほぼ西の空に見えている金星を最初に見つけます。最初に金星を双眼鏡で捉えてからそのまま視界の2個分くらい下にゆっくりと下げていくと細い月が見つかるはずです。低空まで晴れていれば月の下には木星もあって、双眼鏡ではぎりぎり一緒に見えるくらいなのでこちらも忘れずに!木星はそろそろ見納めの時期ですのでこのチャンスにもう一度見つけてみてくださいね!

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☆ 3月 24日(金) 夕方の西空で細い月と金星が大接近!!

今月一番の注目の天文現象は24日夕方に西の空で見られる細い月と金星の大接近ですね!
夕暮れの次第に色が濃くなっていく夜空で月齢2.7のかなり細い月とマイナス4等星の眩しい金星がわずか1.4度くらいとすぐ近くで上下に並んだ様子はお天気さえ良ければ素晴らしい景色となって眺められそうです。日没後30分くらい過ぎた18時30分頃には西の空に金星と月が見えているはずなのでぜひ捜してみましょう!双眼鏡を持っている方はぜひ向けてみて下さい!月は欠けた部分だけでなく暗い部分も地球からの太陽光の反射を受けて薄っすらと丸く見えている地球照と呼ばれる現象も双眼鏡だとよりわかりやすいのでしっかり確かめてみて下さい!
今回のような細い月と金星の接近は月に1度くらいの頻度で見られますがここまで近くになって見えるチャンスはなかなかありませんので絶対に見のがさないように!!そして空がまだ明るい状態から次第に暗くなるにつれて見たときの印象も変化していきますのでゆっくりと眺めてみるのも良さそうです。
会津から見た月と金星は上下に並んで見えていますがずっと南の沖縄方面では金星が月に隠されてしまう金星食が見られるそうです。夜のニュースにも登場するかもしれませんのでお見逃しなく!

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☆ 3月 28日(火) 夕方の超空で木星と水星が接近!

4月12日に夕方の西空で東方最大離角を迎える水星がそろそろ見えてくる時期を迎えています。
とはいってもまだ空の明るさが残っている時間帯で西の空の超低空での接近なので今回の接近を見るにはこちらも双眼鏡が必需品になります。
今回も18時30分頃、最初に金星を見つけます。双眼鏡で金星を捉えたらそこからまた地平線付近に向かってゆっくりと視野を下げていくと木星と水星が横に並んだ姿が見つかるはずです。このときの木星の高度はわずか3度くらいですが双眼鏡を使えばまだなんとかぎりぎり見えるチャンスがあるのでお天気が良かったらぜひ捜してみて下さい!夕方の水星はこれ以降次第に高度が上がって見つけやすくなりますのでこの日だけでなく時々双眼鏡を使って捜してみて下さい!

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☆ 3月 28日(火) 上弦前の月が火星に接近!!

28日夜、空が暗くなった19時30分頃に上弦前の月が火星に接近した様子が見られそうです。
この時間だと月は西の空にあって高度もまだ60度ほどあるので見やすい位置にあります。月と火星の間隔は2.7度程なので肉眼で見ても並んだ様子はわかりやすいでしょう!そして双眼鏡を使えば近くに並んだ姿がより楽しめそうです。この頃の火星は地球からも離れてきているので明るさも普通の1等星並になっていますが双眼鏡なら火星特有の赤みを帯びた色あいがわかりやすいので月と並ぶ様子はなかなか興味深く眺められそうです。

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☆ 3月 29日(水) 昼前に上弦を迎える月!! 午後には月面Xも!

今月29日には月が昼前の11時32分に上弦を迎えます。
ただしこの時間では会津体と月がまだ昇ったばかりの時間なので見ることはできません。実は29日には久々に月面Xが見られるみたいなのですが今回の見やすい時間が14時30分頃を中心とした前後1時間位になるようです。月面Xを見るには望遠鏡が必要で、しかも平日の午後からなのでお仕事があったりすると難しいかもしれませんがこの時間の月は東の空で高度も45度を超えているので条件的には良さそうです。この日の月は18時過ぎには南の高い空に見えるので良かったら肉眼か双眼鏡で半分をちょっと過ぎたばかりの上弦の月の様子をぜひ眺めてみて下さい!

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☆ 3月 30日(木) 夕方の空で金星と天王星が大接近!

今月末になって夕方の空で一番星となっている金星の近くに天王星が接近する様子が見られそうです。
ただし天王星の明るさは6等星なので金星の明るさと比べると1万倍以上の差があります。ですのでこちらは双眼鏡を使って空が暗くなってきた19時15分過ぎに下の画像を参考に捜してみて下さい!星図内の丸い円は一般的な双眼鏡の視界の広さで7度の範囲を示してありますので参考にしてみて下さい!普段はなかなかお目にかかれない天王星を金星に接近したこのチャンスに捜して自分の目で確かめてみましょう!