https://www.astroarts.co.jp/

2023年も早いもので4月を迎えました。
4月になり新年度を迎えて新しい生活になる方も多い時期ですね。そして本格的な春を迎える季節でもあります!春は黄砂などの影響で遠くの景色が霞んでしまうことが時々あります。こんな時期には太陽や月が低い空にある時に普段目にするときと違ってだいぶ赤っぽい色で見えることがありますので機会があれば見てみてください!※ただし太陽は高度が低くなっても眼で感じるよりも光が強烈なのでじっと見つめたりすることは眼に良くないのでご注意ください!
これは低い空で太陽や月からの光が地球の大気の層を斜めに長く通過することで青い光の成分が多く散乱して失われて、比較的通過しやすい赤い色の成分が多めになるのであんな風に赤っぽく見えるようです。仙台市天文台の展示室にはその減少がわかりやすい展示品もありますので機会があればぜひご覧ください!

4月の暗くなる頃には南の空を境い目にして西側に冬の星座、そして東側に春の星座が見えていて夜空の方でも季節の移り変わる様子を楽しむことが出来ます。
月初めなら19時30分頃、中旬なら19時50分頃、そして下旬では20時過ぎに薄明が終わって星空が見やすい時間を迎えます。この時期の注目は見慣れた冬の星座たちが西の空へ次々と沈んでいく前の様子ですね!たくさんある1等星を持つ冬の星座が見慣れない傾きで沈む様子はこの時期が一番見やすいのでお天気の良さそうな夜を選んで確かめてみてください!そのときには見るだけでなくスケッチも残しておくと良い記録になるでしょう!
絵の得意な方でしたらそんな星空と地上の景色を絵で描いてみても面白そうです。簡単なスケッチだけでも見るだけの場合よりもずっと星の配置などの記憶が残りますのでお試しください!その時には日付と時刻、方角、地上の目印になるような景色、そしてその時にが感じたことを見て感じたことを簡単に空いたスペースにメモしておくと良い記録となります。

北東の空には多くの方が見つけることができる北斗七星も見やすくなってきています。手軽に使えるスマホアプリなどを使って春の星座を捜すのも面白そうです。意外な星座も隠れていますのでゆっくり捜してみましょう!
西の空といえば今月も宵の明星の金星がまだ空の明るさが残っている時間帯から見えてきています。今シーズンの金星は先月よりも少し高く見えるようになってきています。12日前後には金星がおうし座のすばる星団の近くに見えたり、23日には細い月との接近もあるので双眼鏡を使って楽しめそうなイベントもあります。もちろん肉眼でも夕方の少し暗くなっていく景色と一緒に眺めて見るだけでも美しい輝きを楽しめるので仕事帰りや自宅から眺めるのを日課にしても良さそうです。
夕方の空では今月12日に東方最大離角を迎える水星も低い空に見えてきます。今月は見つけやすい金星が近くにあるので普段よりも捜しやすいのでおすすめです!見やすい時期については後半をご覧ください!

今月20日には千葉から九州方面の太平洋側付近で部分日食が午後から見られます。
会津では残念ながら見られませんがネットの中継もあるかもしれませんのでチェックしてみてください!20日夕方のニュースでも放送されそうなのでこちらもご注目ください!次回に会津で見られそうな日食は2030年なのでだいぶ先になりますね!

流星群は1月初めのしぶんぎ座流星群のあとは目立った活動があまりない期間が続きますが4月22日前後にはこと座流星群の出現がありますのでこちらも楽しみです。出現数はそれほど多くはありませんが今年は月明かりの影響も殆ど無さそうなので注目してみたいですね!

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☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

こちらにあるはやぶさ2関連のニュースでは運用状況報告やはやぶさ2壁新聞などもありますのでぜひチェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/
https://twitter.com/haya2_jaxa

先月20日にははやぶさ2が地球に持ち帰ってきた小惑星りゅうぐうの分析結果がほぼ出揃ったというニュースがありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230320/k10014014351000.html

はやぶさ2が小惑星りゅうぐうから持ち帰った貴重なサンプルからはこれまで全くわからなかったような大きな発見が多数もたらされましたがそこからまた新たな謎も見つかっています。今年9月にはNASAの小惑星探査機オシリス・レックスが小惑星ベンヌからのサンプルを地球に届けてくれる予定です。別の小惑星のサンプルと比較することでまた新しい成果も見つかる期待もありますので今後も注目して行きたいですね!

20日の毎日新聞ニュース 
https://mainichi.jp/articles/20230320/k00/00m/040/300000c

そのあと22日には産経新聞ニュースに新しい記事がありました!
https://www.sankei.com/article/20230322-UAV4ZDELENIQHIGNQU3U644DOU/

はやぶさ2の過去の話題を振り返りたい方向けにどうぞ!
毎日新聞 はやぶさ2特集
https://mainichi.jp/hayabusa2

はやぶさ2の旅は次の小惑星観測を目指してまだまだ続きます。
一緒に応援していきましょう!!
「頑張れ! はやぶさ2!!」
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2023年4月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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満月  6日(木)
下弦 13日(木)
新月 20日(木)
上弦 28日(金)
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新月前後の数日間は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!

会津での4月の日の出、日の入り時刻を3月と比べてみると以下のようになります。
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 月  日  薄明始まり    日の出     日の入り     薄暮終了
3月 1日 4時 46分  6時 10分  17時 36分  19時 00分
4月 1日 3時 58分  5時 25分  18時 05分  19時 32分
4月30日 3時 10分  4時 45分  18時 31分  20時 07分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)
 
3月21日の春分の日を過ぎてから昼夜の時間は逆転して日毎に昼の時間が伸びています。上の表を見ても4月の時間の変化が大きいことがわかります。お時間あればそれぞれの昼と夜の時間を計算してみてください!!それではそろそろ2023年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!

☆ 4月 1日(土)~月末  夕方の空で輝く金星を見つけよう!!

今月も夕方の西空では宵の明星と呼ばれる金星が1番星となって輝いています!
今シーズンの金星は6月4日に東方最大離角を迎えますので今月中も少しずつ夕方の空での見える高度も高くなっていきます。パッと見た時に金色に輝くその姿は本当に星なのかな?っていうくらいに明るいですよね。金星の4月初めの明るさはマイナス4等星!これは通常の1等星の100個分の明るさになるのであんなに輝いて見えるんですね!現在の金星までの距離は地球~太陽までの距離の1.2倍ほどあるので130倍の望遠鏡で見た時にようやく肉眼で見る月のサイズと同じくらいに見えます。
金星も惑星なので月と同じように満ち欠けをしていきますので天文台へ出かけて今の金星のかけている様子を確かめてみるのも面白そうです。
どんな姿に見えるかは実際に見てのお楽しみですね!会津からでしたら、あぶくま洞の隣りにある星の村天文台が比較的出かけやすい場所になります。夜の公開は通常では毎週土曜日、GWは特別夜間公開も開催されるようです。現在は予約制なので前もって天文台のサイトをチェックして早めに申し込んでみてください!
https://www.city.tamura.lg.jp/life/3/40/139/

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☆ 4月 2日(日)~22日(土)  金星の右下に見えている水星を見つけよう!!

夕方の西空では今月12日に東方最大離角を迎える水星が見えてきます。
2日以降になると西の空が少し暗くなりかけてくる18時50分頃の水星の高度が5度を超えて来るのでそろそろ見やすい時期を迎えます。水星の明るさはマイナス1等星と明るめですが春の季節の低空でまだ空の明るさが残っているので見つけるには双眼鏡が必要でしょう!この頃の時間に金星を目印にして右下の低い空を双眼鏡で探せば小さくポツンと光る水星が見つかるはずです。今シーズンの水星の見頃は22日頃までになりそうです。なかなかお目にかかれない水星をこのチャンスに見つけてみてください!!春の夕方の空に見える水星は比較的見やすい期間が長めなのでこの間に何回見られるかトライしてみるのも面白そうです。

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☆ 4月 6日(木) 満月! ピンクムーン!

今月は6日午後の13時35分に満月を迎えます。
4月の満月は別名ピンクムーンとも呼ばれているみたいです。本格的な春を迎えて様々な花が見られて華やかな季節に相応しい呼び名ですね!
会津での月の出は18時11分ですがその数分前に太陽が沈んだくらいのタイミングですのでまだ明るい空での月の出になりそうです。月が昇ってくるのは真東から7度ほど南寄りのようです。月の出から1時間近く過ぎた19時ころなら高度も10度くらいなので昇ったばかりの低空の満月がどんな色で見えるのか確かめてみたいですね!そして今夜の満月を肉眼でじっと見てみると月の少し下にポツンと星が見つかるはずです。
その星はおとめ座の1等星スピカです!満月とスピカの間隔は5度弱なので双眼鏡でも一緒に眺められそうです。スピカは別名真珠星とも呼ばれる青白く輝くとても美しい星です!月と一緒に見た時にスピカの色合いがどんなふうに見えるかじっくり確かめてみたいですね!

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☆ 4月 20日(木) 新月、インドネシア~太平洋方面では皆既日食も!

今月20日には午後から日本の南方面で皆既日食が起こります。
日本では沖縄や石垣島等の地域では直径の15%程がかける部分日食が見られそうです。福島県では見られないのが残念ですね。今回の部分日食については国立天文台のサイトにも情報が載っていましたのでご覧ください!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/04-topics02.html
インドネシア方面では皆既日食になるのでライブ中継もあるかもしれないので情報をチェックしてみてください!

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☆ 4月 22日(土) 夕方の空に細い月を見つけよう!! 

今月の月は20日に新月なので22日の夕方に見える月はちょうど三日月になります。
19時頃なら金星の右下で地平線との間くらいに見えているはずなので双眼鏡で捜してみてください!まだ空の明るさの残る空にかなり細い月はなかなか印象深い姿に見えるでしょう。翌日には金星の近くに移動するのでこの機会に一晩での月の動きも確かめてみましょう!

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☆ 4月 22日(土)深夜~23日(日)未明 こと座流星群がピークを迎える!

1月初めのしぶんぎ座流星群以降はしばらく目立った流星群の活動がありませんでしたが、今月は22日の深夜から23日の未明にかけてピークが予想されること座流星群の活動があります。
今年のピーク予報では日本時間の23日10時となっているので23日の明け方頃が狙い目になりそうです。流星群の場合には流れ星が飛ぶのを目撃したら、その経路を反対方向に延長していくとほぼ同じ場所から四方八方に見えていることがわかります。今回のこと座流星群の場合にはその放射点となる場所が夏の大三角の1つであること座のベガの近くにあることからそのように呼ばれています。実際にはこと座とヘルクレス座の境界付近に放射点がありますが大まかに こと座のベガ方向から飛んでいればこと座流星群で間違いないでしょう。
こうした流星群の夜でもたまに流れた方向がこと座と全く関係ない散在流星もありますので流れ星の数を数える時には区別しておいたほうが良さそうです。普段のこと座流星群の出現数は多い年でも1時間に10個前後とそれほど多くはありませんが意外と明るい流れ星が見られる特徴がありますので安全な場所でのんびり寝転んで夜空を広く眺めるような感じで見るのがおすすめですね。ただし4月でも明け方には意外と冷え込む場合もあるので防寒対策は冬と同じつもりで準備しておくほうが安心です。一晩で何個くらい数えられるかチャレンジしてみてください!!

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☆ 4月 23日(日) 夕方の空で細い月と金星が並ぶ!

23日には夕方の空で月齢3.2の細い月と金星が2度くらいまで接近した様子が見られそうです!
4月後半になるとだいぶ日も伸びて19時頃でもまだ空の明るさは意外と残っていますがぜひこの時間帯に西空で並ぶ金星と細い月のツーショットを捜してみてください!今回は両者の間隔が2度くらいなので双眼鏡をお持ちの方はぜひゆっくりと空の明るさが減っていく中で見える印象の変化もお楽しみください!せっかくの月と金星の接近なのでスマホでも望遠モードで並ぶ姿を撮影してみてください!ポイントはまだ空の明るさが残っている時間帯が狙い目という点と手ブレに気をつけて撮影してみてください!空が暗くなってからもまた印象がだいぶ変わるのでぜひ20時頃の様子も眺めてみてくださいね!この頃のほうが金星と月の間隔が夕方よりも近くなっていますので!

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☆ 4月 26日(水) ふたご座の真ん中で月と火星に接近!!

26日夜には月齢6.3の月と火星がちょうどふたご座の真ん中で4.3度くらいまで接近します。
火星は地球からもだいぶ離れて明るさも1.3等星とあまり目立たなくなってきていますがこの月との接近のチャンスにもう一度双眼鏡で見ておいて欲しいですね!双眼鏡で月と一緒に眺めることで火星特有の赤っぽい色合いはまだまだ健在だってことがわかりますので!そして火星の夜空での動きも意外と大きいので時々火星の見える位置をチェックしてみてください!今はちょうど形がわかりやすいふたご座付近になりますので。
5日おきくらいでもデジタル一眼かミラーレスで撮影、もしくは周囲の星の配列とともにスケッチしておくと星座の中を移動していく様子がはっきりとわかりますよ!この後の火星は次第に金星へと接近していきますのでそんな様子も追いかけてみてください!

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☆ 4月 28日(金) 朝に上弦を迎える月!! !

今月の月は28日朝の6時20分に上弦を迎えます。
実際には会津での月の出が11時頃ですので東の空から昇って来る頃には上弦を少し過ぎています。上弦の月は日中だと意外と眼にする機会が少ないかもしれませんがお昼には東北東の空に見えてきています。平日ですが昼休みに東方面お空が開けた場所があれば捜してみてください!15時の休憩時間には東の空で高度も45度近くなるので少し時間があれば青空の中でも白く見える月を見つけてみてください!そして月がちょうど真南に来る18時26分にもぜひ見ておいて欲しいですね。この時間に月がどれくらいの高さに見えるのかをぜひ皆さん自身の眼で確かめてみてください!
ちなみにこの日の月は今月の中では地球から最も遠くなるようです。その距離は40万4299km!!平均距離が38万4400km程なので意外と大きく変わりますね!

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