画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/

2022年も早いものでもう9月を迎え、今年も残り4ヶ月となりました。
皆さんは今年の夏をどう過ごされたでしょうか?

楽しみにしていたペルセウス座流星群はタイミングが悪く台風接近の影響でお天気が悪い地域が多かったようで残念です。
流れ星は流星群の時だけでなく普段の星空でも数は少ないものの時々見ることが出来ます。その中には稀に火球と呼ばれるような金星の明るさを凌ぐような大きな流れ星もあります。近年は監視カメラや車のドライブレコーダーの普及で偶然撮影された事例も多くあり、「火球動画」で検索するとニュースで報道されたものなども含めてたくさん見つかるのでぜひ確認してみて下さい。動画のものは高感度カメラの画素数や明るさの飽和などの問題で実際に眼で見た印象とはイメージがちょっと違いますが雰囲気はわかると思います。
普段から夜空を見上げていれば実際に目撃できる可能性もありますのでぜひ頭の片隅に覚えておいてみて下さい!肉眼で見る火球は赤や緑っぽいものなど色もはっきりとわかるものもあるので見た時にはすごく印象に残ります。流れ星は太陽系が誕生した45億年以上も昔に惑星になれなかった小さな欠片が秒速数十kmもの速度で地球の大気に突入したときに見られる現象です。あの一瞬の光はそんな長い時間を過ごしてきた小さな欠片の最後の輝きだからこそ何度見ても美しいと感じるのかもしれませんね。そして今年はまだ12月にふたご座流星群が控えていますのでぜひリベンジしましょう!

朝晩の気温が涼しくなってきて秋の訪れを感じるこの時期には日暮れの時間も次第に早まって来て23日にはほぼ昼と夜の時間が同じになる秋分を迎えます。そして木星や土星の惑星たちも昇ってくる時間が早くなり待ち遠しかった見頃を迎えてきます。9月初めの頃でも夜空が暗くなる19時40分頃には土星は南東の空で高度が23度、木星も東の空に姿を見せて来ています。木星が東の空に見えてくると金星に次ぐその明るさからあの星はなんだろう??と思って天文台に問い合わせが増えてくる時期でもあるのでぜひ皆さんの周りの方にも是非教えてあげて下さい!

下の画像は9月3日(土)20時頃、会津から見た星空です。こちらの図を参考に土星やペガスス座のある秋の四辺形もぜひ探してみて下さい!

火星も23時頃には東の空でおうし座の中で見えています。
近くには赤っぽい色で見えるおうし座の1等星アルデバランもあるので色や明るさの違いを確かめてみるのも面白そうです。おうし座のアルデバランはちょうど右目で光っている星ですが、9月3日~4日頃には火星が左目付近に来るのでその頃に眺められたらおうし座の存在感がいつも以上に感じられるのでは?と。ぜひ実際の夜空で確かめてみて下さい!

下の画像は9月4日0時に会津から見た星空です。

木星や土星が見やすくなってくるので会津そらの会での観望会を再び開催したいところなのですが・・現在のところ県内での感染者数もまだ多い状況にあって9月も開催は難しそうです。

ですが、県内最大の望遠鏡を持つ星の村天文台では予約制で人数制限をしながら夜間公開も開催中のようです。こちらのHPから申込確認をしてみて下さい!
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/hosihomura-osirasee.html

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

こちらにあるはやぶさ2関連のニュースでは運用状況報告やはやぶさ2壁新聞などもありますのでぜひチェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/

はやぶさ2特設サイトも更新されていたのでこちらもご覧ください!
https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/
https://www.jaxa.jp/press/2022/08/20220816-1_j.html

こちらもぜひ見て頂きたい動画がはまぎんこども宇宙科学館が企画して行ったトークライブ「リュウグウのサンプルが語り始めたこと」シリーズです。
https://www.yokohama-kagakukan.jp/past_movie/haisinevent

こちらにはこれまでの動画に加えて、今後のJAXAが計画している新しいミッションについての公演予定もありますのでぜひご覧ください!
https://www.youtube.com/channel/UC3eembhspn88uRjUFom2mrg

先月開催された郡山市ふれあい科学館でのはやぶさ2帰還カプセル関連展示の様子が紹介されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/28243a976407603cf37a49ea9f148f955ea5286b

展示を見に行けた方も行けなかった方もぜひご覧下さい!展示室内での写真やビデオ撮影は不可でした。

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2022年9月での月の満ち欠けは以下のようになっています。
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上弦  4日(日) 03時 08分
満月 10日(土) 18時 59分 ※ 中秋の名月 
下弦 18日(日) 06時 52分
新月 26日(月) 06時 55分
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( StellaNavigator11/AstroArts.にて)

新月前後の数日間は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!

会津での9月の日の出、日の入り時刻を先月の8月と比べてみると以下のようになります。
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 月   日   薄明始まり    日の出      日の入り     薄暮終了
8月  1日  3時 01分  4時 41分  18時 52分  20時 31分
9月  1日  3時 39分  5時 08分  18時 13分  19時 41分
9月 30日  4時 07分  5時 32分  17時 28分  18時 53分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)

9月23日が秋分なのでこれ以降は昼よりも夜のほうが長くなっていきます。
夕方の仕事帰りにちょっとだけでも星が見られるのって良いですよね。少し西空に移っている夏の星座の様子も確かめてみて下さい!西の空に見える時には星座の傾き具合が違ってくるので普段見慣れた星座でも意外と見たときの印象が違ってきますので。お天気が良さそうなら夕飯後とかにちょっとだけでもご家族で夜空を眺めてお話ができたら素敵ですね。

それではそろそろ2022年9月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 9月 3日(土) 夕方の空で月面Xを見よう! ※望遠鏡が必要です
夕方、17時前の時間を中心に久々に月面Xが見られるようです。月面Xとは半月前の頃に欠け際にあるクレーターの高い位置に太陽の光が当たり始め、その形がアルファベットの「X」の形に似ていることから名付けられたようです。丸い形のクレーターが多い中で実際に望遠鏡で見ると確かにXの形だなあと感心してしまいます。見やすい時間は前後1時間ほどと限られることやその時間に日本から月が見られるかに加えて、陽に対して月の南北方向の傾き具合によっても見られるかどうかが決まってくるので好条件で見られるのは年に数回程度あるかどうかなので今回もじっくりと見ておきたいですね。
空が暗くなる頃には次第にクレーターの低い部分に太陽からの光があたってXの形はわかりにくくなってしまいますが、どこの部分がXの形になっていたのか確かめるには好条件です。サイズが小さいのではっきりと確かめるには望遠鏡が必要ですが最近の高倍率デジカメでも露出や手ブレに気をつければ撮影できるかもしれませんのでお試し下さい。17時頃の時間ならまだ日没前で星は見えませんが月は南の空で高度も30度近くあるので条件は良さそうです。
この日の月齢は7.1で空が暗くなってくればちょうどさそり座の頭付近に半月ちょっと前の月が見えているのがわかるはずです。この日はちょうどタイミング良く土曜日なのでそんな様子も見ておきたいですね!

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☆ 9月 4日(日) 欠け際のクレーターが見やすい月を眺めよう!

今月は4日の明け方3時過ぎに上弦の月を迎えるようです。
ですので4日夕方に見える時には半月を少し過ぎた形ですが、この頃の月は欠け際のクレーターがとても見やすい時期になります。7~8倍くらいの双眼鏡でもピントをきちんと合わせ、手ブレの影響を少なくするように双眼鏡を持った肘を適当な高さの台に乗せて安定させるなどの工夫をすれば意外なほどクレーターが見えてきますので双眼鏡をお持ちの方はぜひお試し下さい!また月を眺める際の時間ですが、空が完全に暗くなる前の時間帯のほうがあまり眩しさを感じずにより月の美しさを堪能出来そうです。
ちなみに先月27日が新月でしたので9月は「日付+5日」が○日月になります。なので9月1日は6日月、9月4日には9日月が見られることになります。

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☆ 9月 5日(月) 未明の空でオリオン座とおうし座が向き合う様子を眺めてみよう!

冒頭の星空案内のところでも少しご紹介しましたが今月4日~5日にかけて火星がおうし座のちょうど左目のところで輝いている様子を眺めることが出来そうです。
特に5日未明3時ころになら下の図のようにおうし座がオリオン座と向き合って睨み合っている様子を想像しながら眺めてみるのも面白そうです。この頃の火星はマイナス0.2等星でアルデバランの0.9等星となかなかいいバランスで、しかもどちらの星も赤みを帯びた色合いが肉眼でもわかる上に月明かりもありませんからこの珍しい対決の様子をぜひ眺めておきたいものです。普段のおうし座は右目にはアルデバランが光っているものの片目のおうしの姿として星座絵には描かれていますので今回火星が加わったことでおうし座の存在感がグッと増した様子が感じられそうですので。

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☆ 9月 7日(水) 火星とおうし座の1等星アルデバランが最接近!!

7日深夜には東北東の低い空でおうし座の1等星アルデバランと火星が4.3度程まで接近した様子が見られそうです。
5日にはおうし座の左目で輝いていた火星もその後少し位置が変わって7日23時頃が最接近となって見られるようです。この時間帯だとまだ低い空なのでもう少し遅い24時頃になれば高度も20度くらいになってからのほうが肉眼では見やすいのでこの頃の時間にもぜひ御覧下さい!双眼鏡で眺めるとそばにあるヒアデス星団の星たちも視野に入ってくるのでにぎやかな様子が楽しめそうです。

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☆ 9月 8日(木) やぎ座で月と土星が接近!!

8日夜にはやぎ座の尻尾付近で月齢12の月が土星に4.8度くらいまで接近した様子が見られそうです。
19時頃、南東に見えている月の少し左斜上でポツンと光る星が土星です。今回の接近も双眼鏡で楽に一緒に眺められる間隔なのでまだ空の明るさが少し残った頃と暗くなってからの見え方もぜひ比較してみて下さい!土星はややクリーム色っぽい落ち着いた印象で今回のような接近のときに月と一緒に眺めることで普段よりも土星の色合いがわかりやすくなるのでじっくりと眺めてみて下さい!
まだ今シーズンの土星を見たことがない方には土星がどこにあるのかを確かめる良いチャンスになりますよ!空が暗くなった頃に周囲の星との位置関係などを大まかに確かめてみて下さい!そうすれば月がいなくなったあとでもまた土星を簡単に見つけることが出来ますので!

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☆ 9月 10日(土) 満月 & 中秋の名月を眺めてみよう!

今年9月10日は旧暦では8月15日となり中秋の名月を迎えることになります。
今年はちょうど満月同じ日になり、しかも満月を迎えるのが夕方の18時59分なのでなかなかタイミングが良かったようです。会津からの月の出時刻は18時10分なので18時半頃には東南東の低い空やや北寄りで昇ってきた満月をお目にかかれそうです。20時くらいに慣れば月の高度も20度近くまで昇ってくるのでお月見をするには良さそうな雰囲気を楽しめそうです。今年は月の左やや斜め下には18度ほど離れて明るい木星も見えています。元々中秋の名月は秋の収穫を神様に感謝する意味合いも含まれていたそうなのでぜひ月にお供えしてご家族でお月見を楽しんでみてはいかがでしょうか??

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☆ 9月 11日(日) 明るい木星と月が接近!

11日夜には月齢15の月と木星が4度弱まで接近した様子が楽しめそうです。
木星がマイナス3等星ととても明るいのでこのくらいの間隔なら肉眼ではもちろん、双眼鏡で眺めてみてもかなり迫力ある様子が楽しめそうです。特に19時頃の東の低い空で並んだ様子は肉眼でもかなり目立ちそうです!そして少し高度が上がってきた頃にも見てぜひ見た時の印象の違いを確かめてみて下さい!今夜の場合には月がまだ木星の西側にあるので時間とともに間隔が近づいていく様子にもご注目下さい!深夜0時には両者の間隔は2.5度まで接近しますので!

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☆ 9月 16日(金) ちょっと遅めの時間に月と火星の接近を見よう!

16日22時頃に東北東の低い空では月齢20の月と火星が5.7度くらいまで接近した様子が見られそうです。
月の左下にはマイナス0.3等星と少しずつ明るくなってきた火星が見えているはずです。23時頃なら高度も少し上がって肉眼でも見やすくなりそうです。月と火星の間隔も時間とともに接近していって17日の夜明け前4時頃には4.2度程まで接近するようです。この時間帯なら主な冬の星座たちも見えていますし、東北東の低い空にはしし座も身体半分見えてきているので季節を先取りした星空を楽しめますので早起きして4時頃の星空も楽しんでみて下さい!!

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☆ 9月 18日(日) 明け方の空で下弦を迎える月を見よう!

18日には朝の6時52分に下弦を迎えます。
すでに日は昇っていますが下弦の月ならこの時間でも肉眼でも十分に見つけることが可能ですので青空の中、白い月を探してみて下さい。この頃なら月は西南西の空で高度もまだ70度くらいあるので見つけるのは難しくはなさそうです。月が見つかったら双眼鏡で眺めてみるときれいな半分の月が楽しめそうです。ちょっと早起きして4時頃の星空と一緒の下弦近くの月を眺めておくのも良さそうです。

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☆ 9月 24日(土) 夜明け前の空で細い月を見つけよう!!
 
24日夜明け前4時頃には東北東の低い空で月齢27.4の細い月が見られそうです。
この日は新月2日前なのですが4時の月の高度は6度ほどあるので低空に雲さえなければ肉眼でも見られそうです。まだ星が見えている時間帯なので細い月がしし座のお腹付近にあるのもわかるはずです。空が少し明るくなってきた頃の時間帯にスマホなどでの撮影も試してみて下さい!
スマホでも望遠レンズを選択して手ブレに気をつけて露出補正を少し調整すれば細い月の形もわかるくらいの撮影は出来るはずなので。ポイントはまだ空が暗いうちではなく少し明るくなってきた頃のタイミングで撮影するという点です。もし上手く撮影できたら会津そらの会のTwitterにもアップしてみて下さい! 
 
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☆ 9月 27日(火) 木星が衝を迎える!!
 
太陽系最大の惑星である木星が27日に太陽の反対側に来る衝を迎えます。
衝の時には太陽―地球―木星がほぼ一直線に並ぶので地球から木星までの距離も近くなり観察には適した時期を迎えることになります。地球から木星までの距離は地球から太陽までの距離の約4倍でおよそ6億km弱となります。光でも約33分くらいかかる距離なので・・・やはり太陽系の中もとても広いなと感じてしまいます。
この頃の木星は空が少し暗くなりかけた18時半頃には東の低い空に見えていて、薄明が終わる19時頃には高度も上がりマイナス3等星とかなり明るい光を放っているので夜空ではかなり目立ちそうです。 これからしばらくの間は観望会などでも土星と木星を一緒に眺めることが出来るので公開天文台に出かけて大きな望遠鏡で眺めてみるのも良さそうです。

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☆ 9月 28日(水) 夕方の空に細い月を見つけよう!!
 
今月26日に新月となっていた月が28日の夕方、西南西の低い空に見えてきそうです。
この時の月齢はまだ2.5とかなり細い月になります。18時頃に西南西の低い空を双眼鏡で探してみましょう!低空に雲がなければまだ明るさの残る空に幻想的な細い月の姿が見つかるはずです。18時20分頃になれば肉眼でも見えてきそうですが低空の透明度の影響を受けそうなのでスッキリと晴れて欲しいですね!

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