2022年も早いもので6月を迎えました。
6月というと梅雨のイメージがありますが平年ですと東北南部の梅雨入りは6月12日頃みたいなので、今月21日に夏至を迎えることも併せてしばらくは星が見られる時間が少なくなってしまいそうです。沖縄では5月4日に既に梅雨入りしているそうですから地域によって随分違いますね。
6月になってからは徐々に梅雨前線も北上してきそうですのでなるべく梅雨入り前に晴れ間があれば貴重な星空を逃さないようにしておきたいものです。

梅雨は星の好きな人にとっては特に嫌われることが多いのですが、様々な面で日本の夏には欠かせないものだということは知って置いて頂けると良さそうです。
日本ではちょうど夏至の時期に梅雨が訪れるのでもし太陽高度が最も高く地上が受ける熱量が多い時期に梅雨が来ないまま夏になってしまうと7月、8月の気温は今よりもずっと高い状態になってしまいそうです。また、夏前に程良い雨がある程度の期間降るということは植物にとっても、そして私たちの生活に欠かせない水源にも貴重な恵みとなっているわけです。毎年やって来る梅雨にも実は大事な役割がまだまだあるということを頭の隅に置いてこの時期を過ごしてみたいものです。

また、梅雨のような弱い雨が長時間降ることで上空に浮かんでいる小さなチリが雨の核となって落ちて来るので、たまにやって来る梅雨の晴れ間の時には信じられないくらい美しい星空が見られるチャンスもあるわけです。梅雨の時期なのでスッキリ晴れるという日は少ないと思いますが、雲の切れ間から少しでも星が見えるような時があればぜひ双眼鏡を夜空に向けてみて下さい!時には冬場よりも美しい星の輝きを見ることが出来るかもしれませんので!!

6月は梅雨の時期ですが注目はやはり明け方に並んで見えている惑星ですね!
特に6月16日に西方最大離隔を迎える水星も20日前後には加わって太陽系の惑星+月が下の図のように並んで見えるという珍しい様子があります。(下記画像は6月22日3時20分の様子)
実際には天王星と海王星は暗いので肉眼では見えませんし、水星も低空で薄明が始まっているので双眼鏡で何とか見つかるかな?といった感じですが月を含めてここまで集まっている様子はなかなか無いので明け方もし晴れたら見ておきたいですね。時期的には梅雨に入っているのでお天気が一番難しそうですが・・・。

東から火星、木星、少し離れて土星の3惑星は薄明が始まる前に2時頃にならまだ暗い空で肉眼でもしっかり見ることが出来るのでこちらもお奨めです。月末にはこの惑星の近くを月が通り過ぎていく様子もあるので見れるといいですね!

そして、明け方に惑星が勢ぞろいしている様子を太陽系の北側から見下ろしてみると・・・下の図のような配置になっているようです。確かに惑星が同じような方向に集まっているのがわかりますね。太陽系の惑星はそれぞれの軌道で太陽の周りを1周する時間が違っているのでなかなかこのような配置になるのは珍しいですね。

そして6月19日(日)には会津稽古堂にて「はやぶさ2が届けた 小惑星リュウグウのサンプル(JAXAが作成したレプリカになります)展示会を開催致します。
詳しい内容はこのあと会津そらの会HPやFacebook、Twitterにて公開いたしますので是非お出かけください!!

また、6月に入って3日(金)~5日(日)にかけては田村市にある星の村天文台で星まつりも開催されるようです。
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/entry.html
望遠鏡メーカーや販売店等のブースも出店があるようなのでお時間があればぜひお出かけください!

会津そらの会でこれまで開催してきた観望会ですが、今のところまだ福島県内での感染者数が多めなのでもう少し様子を見ることになりそうです。会津そらの会スタッフメンバーも1日も早く新型コロナ感染が収まって以前のような観望会が開催できることを待ち遠しく思っています。

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

新しいこちらのページでは次のミッションに向けての地球とはやぶさ2,そして目標となる小惑星との位置関係が変わっていく様子もわかりやすくなっています。まだ見ていない方はぜひじっくりとご覧ください!

現在のはやぶさ2は地球を先行して進んでおり、さらに今の軌道では地球よりも太陽に近いところを航行中となっています。太陽に近ければそれだけ多くの熱を受けることになるのでそれに応じた運用も必要になってきます。こちらに4月に入った拡張ミッション運用状況報告レポート資料がありますのでご覧ください!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/status/

そしてこちらもぜひ見て頂きたい動画がはまぎんこども宇宙科学館が企画して行ったトークライブ
「リュウグウのサンプルが語り始めたこと」シリーズです。4月から始まったこのトークライブは6月~7月にも開催予定となっています。
https://www.yokohama-kagakukan.jp/kidsscience2022/talkevent

ここからこれまでに開催された配信の内容を見ることが出来ますのでお時間のある時に是非ご覧ください!
https://www.yokohama-kagakukan.jp/past_movie/haisinevent

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2022年6月での月の満ち欠けは以下のようになっています。
---------------------
上弦  7日(火) 23時 48分
満月 14日(火) 20時 52分
下弦 21日(火) 12時 11分
新月 29日(水) 11時 52分
---------------------
(StellaNavigator11/AstroArts.にて)

新月前後数日は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。
星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!今月は晴れたら「しし座、おとめ座、てんびん座」等の夕方から夜の時間で春~夏の初めに見やすいお誕生日の星座も捜してみてください!!視界の広い超広角双眼鏡があると星座の形をたどるのもやり易くなります。その時には星座図鑑と赤色ライト等と一緒に使うと便利です!

赤色ライトは一部のヘッドランプにも組み込まれている製品もありますが、一般的な小型LEDペンライトの先端に100円ショップで売っている赤セロファンを適度な明るさになるように何枚か重ねて輪ゴムで留めれば簡単に作れます。LEDペンライトもホームセンターや大型家電店に行くと種類がたくさんあるので迷ってしまいますがお奨めは単4電池2本タイプが軽くて使いやすいですね。
夜、星見に使う用であれば明るさの目安になる数字(ルーメン等)は小さめでも十分です。それよりも使用時間が長いタイプ、そして先端にレンズを組み込んであって均一に照らせるタイプがいいですね!単3や単4電池1本タイプのはもっと短くて便利ですが電池の持ちや耐久性の点で星見に使うには少し不向きかなと思います。そして電池はニッケル水素電池のような充電タイプが良さそうです。最初は電池代が高めだったり充電器も必要なのでちょっと割高かな?と思いますが長く使えばトータルでは安く済みそうです。いざという時の為に予備電池も買っておきましょう!

会津での6月の日の出、日の入り時刻を先月の5月と比べてみると以下のようになります。
—————————————————————————————————          
 月  日   薄明始まり   日の出      日の入り     薄暮終了
5月 1日  3時08分  4時 43分  18時 32分  20時 08分
6月 1日  2時31分  4時 18分  18時 58分  20時 46分
6月21日  2時25分  4時 17分  19時 08分  20時 59分
6月30日  2時29分  4時 20分  19時 08分  20時 59分
—————————————————————————————————
(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)

6月21日に夏至を迎えるのでここしばらくは夜の時間もだいぶ短くなってしまって、梅雨の時期も重なるので余計に星を見る時間が少なくなってしまいます。
天気予報を毎日チェックして、もし貴重な梅雨の晴れ間が有ったなら逃さないようにしてこの時期を乗り切ってくださいね!実際には会津での日の出時刻が最も早くなるのは6月8日~6月20日頃で4時16分。そして日没時刻の方は少しずれて6月21日~7月5日頃で19時8分くらいになるようです。そこを過ぎると夕方の日没時刻も少しずつ早くなっていきます。また、夏至の頃では会津よりも北に行くと昼の時間がもっと長くなるのでその辺もお時間があれば調べてみて下さい!

それではそろそろ2022年6月の主な天文現象を見ていきましょう!!
==================================
☆ 6月 7日(火) 上弦の月!

今月は7日23時48分に上弦の月を迎えます。
但し、この時間では月はそろそろ沈んでしまう時間なのでお奨めは空が暗くなる少し前の20時頃でしょうか?この時間ではまだ空の明るさは残っていますが、もうすぐ半分の形となる月が西南西の方角でまだ高度も45度程あるので肉眼でも双眼鏡でも見やすいでしょう!この夜の月はちょうどしし座の1等星レグルスの近くにあって双眼鏡なら一緒に眺められそうです。視野を少し動かせばたてがみの星や首元の星も月と一緒に入るので試してみて下さい!また、双眼鏡でも手振れの影響が少なくなるように肘を手すりや台に載せてピントをきっちり合わせて見れば月の欠け際にある大きなクレーターも上弦の頃だと見やすいのでお試しください!

————————————————————————————————
☆ 6月 14日(火) 満月/ストロベリームーン!

14日20時52分には満月を迎えます。
会津での月の出時刻は19時2分ですので1時間ほど過ぎた時間帯の20時頃くらいに見れると良さそうです。
この時の満月はちょうどさそり座の尻尾の少し上にあるので月の少し右斜め上には赤っぽく光るさそり座の1等星アンタレスも捜してみましょう!夏前後の満月は見かけの高度が低い特徴があるので晴れていたら満月過ぎの月が南の空に来る23時48分頃にもう一度眺めてみて下さい!会津若松市から眺めた月の高度は計算上は25度ちょっとにしかならないみたいですが、実際の夜空で確かめることが出来るといいですね!

————————————————————————————————
☆ 6月 18日(土) 月齢19の月と土星が最接近!!

18日夜半前の23時頃に東南東の低い空を見ると肉眼でも月の少し左上に少しクリーム色っぽい星がポツンと見えるはずです。その星は土星です。見かけは普通の星と同じようですが、じっと見ていても他の明るい星と比べて瞬き具合が少ないのですぐにわかるはずです。
この時の月と土星の間隔は約5度くらいなので双眼鏡でも一緒に並んだ様子を見ておきたいものです。
今シーズンの土星はちょうどやぎ座の尻尾付近にあってこの頃だと0.6等星の明るさで見えているようです。今年の秋には空が暗くなった頃に見やすい位置にあるので昨年よりも少し環の傾きが少なくなってきた土星の姿を望遠鏡でじっくりと眺めてみたいですね!

————————————————————————————————
☆ 6月 22日(水) 月齢22の月と木星が接近!!

21日の深夜、日付が変わって22日1時頃に東の低い空で月齢22の月と木星が上下に並んだ様子が見られそうです。この時の間隔は約3.3度程なので双眼鏡でも楽に一緒に眺められそうです。この時間ではまだ月の高度は低めですが低い空で見た時の方がパッと見た時の印象が大きいかなと思います。2時くらいになれば高度が上がってずっと見やすくなりそうですし3時頃の少し空が明るくなりかけの空で見れたらいいですね。梅雨の時期なので見れたらラッキーくらいの感じで早起きしてみてください

————————————————————————————————
☆ 6月 23日(木) 月齢23の月と火星が接近!!

23日未明には月齢23の細くなってきた月と火星が約2度くらいまで接近した様子が見られそうです!こちらも1時過ぎれば東の空に見えて来ますので2時くらいなら十分に見やすい位置まで昇ってきます。火星の明るさはこの頃でまだ0.5等ですが月と一緒に双眼鏡で眺めれば赤っぽい色がだいぶわかりやすくなってきているはずです。こちらも梅雨の時期なので見れるといいですね!

————————————————————————————————
☆ 6月 24日(金) 明け方の空で金星とプレアデス星団が最接近!

24日未明には明けの明星の金星とおうし座のプレアデス星団(M45)が6度くらいまで接近した様子が見られそうです。
東北東の低空なので東~北東の方角がなるべく見晴らしの良い場所でないと見えて来る頃には空が明るくなって来るので難しいかもしれません。低空なので双眼鏡があったほうが良さそうです。目安の時間は3時前後くらいが良さそうです。また、前後数日間は十分に近くにあるのでお天気の良さそうな時に見られるといいですね!

————————————————————————————————-
☆ 6月 26日(日) 明け方の空で金星とプレアデス星団&細い月が集合!!

24日の天文現象にも書きましたが、今の時期には東北東の低空で明けの明星の金星とプレアデス星団が接近中となっていますが26日未明にはここに月齢26の細くなった月がやってきてちょうど3角形の形に並んだ様子が見られそうです。
下記の図は26日の明け方3時の様子で丸い円が双眼鏡の視界で約7度になります。金星と月の間隔は約5.3度程になるようですので双眼鏡で月と金星は一緒に見られますがプレアデス星団まで一緒に見ようとすると少し間隔が広いようです。
もし運良く晴れたらですが、もう少し早めの時間の方がプレアデス星団は見やすいようです。
この時間だと薄明が始まっていて徐々に暗い星から見えなくなっていきますので。

————————————————————————————————-
☆ 6月 27日(月) 未明の空で金星と細い月が接近 その2!

27日未明には金星の左側、やや下に月齢27のかなり細い月が6.1度くらいまで接近した様子が見られそうです。
3時過ぎにならないと高度が低く、薄明も始まっているので細い月は双眼鏡でないと見るのは難しいかもしれません。
26日の時とは月と金星の位置関係がガラッと変わっているのでこちらも見てみたいですね。

また、細い月の下には水星もあるのですが、この時期の水星は黄道が地平線に対しての角度が浅めで水星の高度がはあまり上がらないためこちらもちょっと厳しそうです。

================================================