画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/

2022年も2月を迎えました。
暦の上では2月3日に節分、そして4日には立春を迎えますが実際には1年中で最も寒さを厳しい時期ですね。
それでもこの寒い時期を乗り越えれば少しずつ冬の寒さが和らいでいくことが感じられるのではないでしょうか??

そしてこの寒い時期には冬の星たちが最も美しく輝いて見える時期でもあります。
特に月明かりが無く、冬の大三角が南の空に見える頃(2月では4日までの21時頃、20日以降なら20時頃)に全店で最も明るい恒星、おおいぬ座のシリウスを眺めていると肉眼でも星の色がキラキラ輝いて虹色に変化する様子も楽しめます。

下の画像は望遠鏡にカメラを取り付けて、シャッターを開けたまま水平方向に動かしながら撮影したものです。
左~右までの写っている時間はおよそ0.3秒~0.5秒程で2回分の画像です。短い時間に上空の大気の影響でシリウスの明るさが変化したり色が変わっている様子がわかると思います。実際の夜空で確かめてみて下さい!


冬の星座には明るい1等星がたくさん見えているので肉眼で眺めるだけでも楽しめますし、双眼鏡があればオリオン座の大星雲やおうし座のすばる星団、ヒアデス星団等もたくさんの美しい星たちが見えてきて寒さを忘れるほどです。しっかりと寒さ対策をしてこの時期ならではの星空をお楽しみください!

夕方の空では低い空に見えていた木星も2月初めには見納めとなってしまいます。
代わりに明け方の空では赤っぽく光る火星、明けの明星として眩しいほどの輝きを見せてくれる金星が次第に見やすくなってきます。月初めから月末に向けて時々眺めておくといて座の中で火星と金星の見かけの位置が変わっていく様子もわかるはずです。さらに今月17日に西方最大離隔を迎える水星も明け方の低空で見えて来るので早起きして見ておきたいところです。

明けの明星として見えてきている金星は9日には最大光度を迎えます。
この時にはマイナス4.6等星とかなりの明るさになるので、きれいに晴れた時なら日中の青空の中でもポツンと白く光っている金星を肉眼でも見ることが出来るチャンスとなります。会津では9日前後には9時20分頃に南の空(高度は36度)に来るのでこの頃を狙うのが良さそうです。最初から肉眼で見つけるのは難しいので最初は双眼鏡を使って見つけてから肉眼で見えるかどうか確かめるという手順が良さそうです。
但し太陽が南東の空にありますので間違って双眼鏡では絶対に見ないように気を付けて行ってください!眼で見る場合でも空に太陽があるとわかりにくくなるので金星を捜すときには南の空が見えて、太陽は建物等で日陰になっているような場所で行ってください!

またこちらも肉眼では無理ですが、今月半ばにはおうし座の散開星団すばるの近くを準惑星ケレスが接近するという現象もあります。
標準レンズ~望遠レンズで連続で撮影すると日毎に位置を変えていく様子がわかるはずです。寒い時期ですが風邪などひかないようにしっかりと防寒対策を行って冬の星空を楽しんでみて下さい!

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

新しいこちらのページでは次のミッションに向けての地球と「はやぶさ2」,そして目標となる小惑星との位置関係が変わっていく様子もわかりやすくなっています。まだ見ていない方はぜひじっくりとご覧ください!
現在「はやぶさ2」は地球を先行して進んでおり、さらに今の軌道では地球よりもずっと太陽に近いところを航行中となっています。太陽に近ければそれだけ多くの熱を受けることになるのでそれに応じた運用も必要になってきます。こちらにも運用レポート資料がありますのでご覧ください!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/status/

そういえば昨年12月に「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星りゅうぐうのかけらが入ったチャンバーの画像が公開されていましたね。
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20201225_samples/index.html

そして先月13日にはカプセルのチャンバーに入っていた小惑星りゅうぐうのサンプルを1個ずつカタログ化された資料が公開されました。
http://ur0.work/WYHm

こちらにはサンプルを取り出す作業を行っている様子の動画もありますのでご覧ください!とても貴重なサンプルを慎重に扱っている様子がよくわかります。そして記者説明会の動画はこちらになります。
https://www.youtube.com/watch?v=4DlL7ydS9fA

それにしてもカタログを見るとあの「はやぶさ2」は実に沢山のサンプルを持ち帰って来てくれたことに改めて驚きと感動を覚えました。そしてこのサンプルから小惑星りゅうぐうの研究が進んで、地球が誕生した46億年前の太陽系の状況がわかって来るかもしれないと思うととてもワクワクしてしまいます。3月に発表される予定の大きな研究成果が今から待ち遠しいですね!

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2022年2月、会津での月の満ち欠けは以下のようになっています。
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月相   日付     時刻
新月  1日(火) 14時46分
上弦  8日(火) 22時50分
満月 17日(木)  1時57分
下弦 24日(木)  7時32分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて)

今月は1日が新月なので3日頃までと21日以降ぐらいが概ね月明かりの影響が少ないようです。
明るい1等星が集まっている賑やかな冬の星空をじっくり眺めてみたいですね!月明かりが無ければ冬の大三角の中を流れる天の川も見られます。お天気の良さそうな時に街明かりの少ない場所でぜひ確かめてみて下さい!

会津での2月の日の出、日の入り時刻を先月の1月と比べてみると以下のようになりました。
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 月  日   薄明始まり    日の出      日の入り     薄暮終了
1月 1日  5時 21分  6時 52分  16時 36分  18時 06分
2月 1日  5時 15分  6時 42分  17時 07分  18時 34分
2月28日  4時 47分  6時 11分  17時 35分  19時 00分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)

2月は冬本番といった時期ですが上記の表からわかるように日の出や日没時刻は1月中の変化はあまり大きくありませんが2月の1ヶ月ではずいぶんと変わっていきます。時間があればそれぞれ昼の時間を計算してみて下さい!このように2月は春に向けて昼の時間も着実に伸びて行きますので寒さに負けずにこの冬も元気に過ごしましょう!!

それではそろそろ2022年1月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 2月 1日(火)~3月初め頃  早起きして、明るくなっている明けの明星を眺めてみよう!

2月と言えば1年中で最も寒い時期とも言われたりしますが、今年はこの時期に夜明け前の低い空に金星が明けの明星となって見えてきています。
金星の明るさは太陽と月を除けば肉眼で見える星の中では1番明るく見えますが、太陽との位置関係によって多少明るさも変化します。そんな金星が今月9日には最も明るく見える最大光度を迎えます!その明るさはなんと「マイナス4.6等星」にもなります。2月初めなら5時半頃には東南東の方角で高度も10度程になるので眩しいほどに輝く金星の姿を1度は眺めてみて下さい!
金星の少し右には9度ほど離れて赤っぽい色の火星も見えていますのでこちらも明るさに注目してみて下さい!金星と火星の位置関係も少しずつ変化していきますのでそんな様子も確かめてみて下さい!

そして金星がこのように最も明るくなっている時期は1日だけでなく1月末から3月初めまでとしばらく続きます。ですので明け方の空が夜明けで明るくなってからも場所さえ見失わなければ肉眼でも青空の中で見ることが出来る程になります。冬場は空気が乾燥して透明度が良い日が他の季節より多いのでお天気の良さそうな日を選んで、金星が青空の中で肉眼で見つかるかどうかチャレンジしてみたいですね!
見つけやすいのは金星が真南に来る頃です。今ならスマホの星空アプリを使うと日中でも金星のある方位や高度がおおよそわかるので是非うまく活用してみて下さい!会津での金星が南に来る南中時刻と高度は下を参考にしてください!

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日付     南中時刻   高度
2月 1日  9時42分  36度
2月10日  9時17分  36度
2月20日  9時00分  36度
3月 1日  8時52分  36度
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青空の中にある金星を捜すときには双眼鏡を使うと簡単に見つかりますが、その際には必ず日陰に入った場所で行ってください!

日中に双眼鏡や望遠鏡を使う場合には危険ですので絶対に太陽には向けないようにご注意下さい!
 間違って一瞬でも見てしまうと場合によっては失明することもありますので!!

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☆ 2月 2日(水) チャレンジ 月齢1.1の月は見えるかな??

今月1日に新月となった月が2日夕方には西南西の超低空に見えて来ます。
但し月齢1.1の糸のように細い月は低空の空に靄などがあるとすぐに見えなくなってしまうので実際に見られる確率はかなり低そうです。今回は月のほぼ真上の空に木星があるので良い目印になってくれそうなのでもし低空まで透明度が良かったら双眼鏡を使えばもしかしたら見ることが出来るかもしれません。会津ではまだ空の明るさが残っている17時半頃でも月の高度は6度程と低く、18時頃には沈んでしまうのでとにかく西南西の低い空まで見渡せる場所が必要になりそうです。かなり低い空で見られる確率は低いですがお時間あればぜひチャレンジしてみて下さい!

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☆ 2月 3日(木) 夕方、西南西の低空で細い月と木星が接近!!

3日夕方にはそろそろ見納めとなってしまう木星に月齢2.1のかなり細い月が6度程まで接近した様子が見られそうです。倍率が低めの双眼鏡なら細い月と木星とを一緒に眺めるチャンスになります!2月に入って、木星は夕方の空でだいぶ低くなってきています。この時期を逃すとあとは太陽の近くになってしばらくの間見ることが出来なくなってしまいますのでお天気が良ければこの機会に眺めておいてください!

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☆ 2月 6日(日) うお座の5等星が月に隠れる!!

6日夜にはうお座にある5等星が月齢5.2の月に隠される星食が見られそうです。
こちらは月のすぐそばでの現象なので見るには双眼鏡か望遠鏡が必要になります。会津での月に隠される時刻予報は20時20分頃に月の欠けている左上から入り込み、21時26分頃に右下から再び星が姿を見せてくれます。今回は双眼鏡なら比較的見やすい5等星の星食なんですが、月の高度は隠れ始めが24度、出現の頃だと西の空で12度程とちょっと低目なので西側が開けている場所で見ておきたいところです。月齢5.2の月はまだ半月前の月なので、夜空の透明度が良ければ月の欠けている部分がうっすらと見える地球照がわかるので月の裏側に隠れるタイミングはわかりやすそうです。消えていくのは一瞬のタイミングなので見逃さずに見てみて下さい!

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☆ 2月 8日(火) 上弦の月!

8日には月がほぼ半分の形となる上弦となります。
今回はちょうど上弦となる時刻がまだ月が見えている22時50分なのでこの時間に月を眺めればほぼきれいな半分の形となった月の姿が見られます。この時刻の月は西の空で高度が18度程ですがもし双眼鏡をお持ちでしたらこの時間帯の月の様子をじっくりと眺めてみて下さい!普段は上弦とか下弦の日でも前後数時間~半日くらいずれていると形が微妙に凹んでいたり膨らんだりしていることが多いので。望遠鏡で拡大して撮影すれば夕方とこの時間帯でも欠け際の様子が少し変化している様子がわかるはずなので確かめてみたいですね。

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☆ 2月 9日(水) 明け方の空で金星が最大光度!!

月初めの方にも書いてありますが、明け方の空で明るく輝いている金星が9日に最大光度となります。
実際には来月初めのころまでこの明るい状態が続いていますが望遠鏡で見た金星の大きさや形はここ1ヶ月ほどでも意外と変化していきますのでそうした違いも見ておきたいところです。
金星は地球よりも太陽に近い軌道を回っていて、先月9日にはほぼ太陽と同じ方向となる内合(実際には太陽よりも北側を通過していきました)となり、地球からの距離も約4000万km弱で見かけの大きさも月の約29分の1と大きくなっていました。(実際には月の新月と同じ状態なので見ることはできませんが‥)
今の時期は内合を過ぎて次第に太陽からの見かけの距離が離れていくと共に地球からも次第に遠ざかって行くわけです。最大光度となる9日には地球から約5800万kmと離れてしまっていますが、金星の見かけの形で光っている部分が多くなる関係で内合から約1か月後となるこの頃が地球から見た時では1番明るくなるようです。
下の画像は最大光度の頃の金星の形になります。

最大光度を過ぎると金星の形は月と同じように少しずつ膨らんで見かけの大きさも小さくなっていきます。
望遠鏡をお持ちの方はぜひ明け方の空に見える金星に向けて時々形や大きさがどのように変化して行くのかを確かめてみて下さい!

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☆ 2月 11日(金) 明け方の空で水星が見られる!!

今月は夜明け前の東の空では金星と火星が見えていますが、11日前後には金星の左斜め下に約13度程離れて水星も見えて来ます。
この時期の水星は明け方の空だとあまり高くならないのでなるべく東南東方向が開けた場所でないと見るのは難しそうです。
時間の目安は5時30分前後からになりそうですが、2月でも次第に夜明けの時刻が早くなってきていますので金星を目印に見つけられると良さそうです。
なかなか見るチャンスの少ない水星なのでお天気が良ければ早起きして見に出かけてみて下さい!

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☆ 2月 15日(火) 準惑星のケレスがすばる(M45)に接近!

15日には準惑星ケレスがおうし座の散開星団すばる(M45)に4度弱まで接近するようです。
準惑星ケレスと言ってもあまりなじみが無いかもしれませんね。
元々は火星と木星の間にある小惑星帯の中で直径約940kmと最大の大きさとなる小惑星ケレスは現在では分類上は準惑星となっています。
この大きさでも地球からの距離が遠いので見かけの明るさは8.4等星と暗い上に見かけ上は普通の小さな
恒星と変わりありませんのですぐに見分けるのは難しいのですが、デジタル1眼レフカメラに望遠レンズを
使えば絞り開放・ISO3200くらいで5秒くらいの固定撮影でも多少星が流れますが写ってくれそうです。
下の画像は15日20時頃のすばるとケレスの位置関係です。
薄いラインの枠内がフルサイズで200mm望遠レンズの画角になります。

撮影も1日だけだとどれかわかりませんが、前後数日撮影して左上方向に移動している星が見つかればそれがケレスのはずです!!
1日でも移動して行く様子はわかるので可能なら数日間撮影できると良さそうです。

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☆ 2月 17日(木) 満月!!

17日には満月を迎えます。
今月の場合、満月となる時刻が17日の1時57分なので16日の夜半過ぎにちょうど満月となります。
なので満月の少し前になりますが16日の19時頃には東の空に昇った明るい月の姿が楽しめそうです。この時には月はしし座の顔になるはてなマークを裏返した形の付近に見えているはずです。2月の満月はスノームーンとも呼ばれるようで寒いこの時期にぴったりの呼び名ですね!
そこから時間と共に空高くなっていって、日付が変わるちょっと前の23時58分頃には南の空で高度70度くらいのところに見えているようです。双眼鏡や望遠鏡をお持ちの方は19時頃と深夜、そして満月を迎える2時前の頃で見比べてみると欠け際の様子の変化がわかるので面白そうなのでぜひ確かめてみて下さい!

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☆ 2月 24日(木) 昇って来る下弦の月を見よう!

24日に月は下弦を迎えます。
今回の下弦になる時刻は24日の7時32分なのでちょうど半分の形になっている月を見るのは明け方が良さそうです。そして会津では23日夜半過ぎ、24日になって0時29分に月が東南東の空から昇ってきます。1時過ぎると段々と高度が上がって見やすくなって来るのでお天気が良ければ見てみて下さい!下弦のような半分の月が山から昇ってくる様子は時間的にもなかなかお目にかかれませんのでこの機会に是非どうぞ!!

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☆ 2月 27日(日) 夜明け前の空で細い月と金星、火星が集合!!

27日夜明け前の南東の空では月齢25.6と細くなってきた月が金星、火星の近くに見られそうです。
今回は月と金星の間隔が約11.5度程とすぐそばに並ぶといったほどではありませんが近くに火星も見えているので肉眼で眺めるにはちょうど良さそうで、うまい具合に3天体が集まったかのような見え方をお楽しみください!5時頃には南東の空で月も13度くらいの高度があるので比較的見やすいようです。ちょうど日曜日なのでぜひ早起きして眺めてみて下さいね!

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☆ 2月 28日(月) 夜明け前の空で月齢26.6の細い月を見つけよう!!

28日未明には27日よりさらに細くなった月が金星と火星の下に見えるようです。
位置的には金星のほぼ真下にあるので良い目印になってくれそうです。月の位置は金星から約12度程低い空なので5時くらいにはなるべく南東の低い空まで見渡せる場所で月が昇って来るのを待ちたいところです。2月も月末になると夜明けの時間も早くなって来るので今回の月の姿も空が少し明るくなってから見つけることになるかもしれません。ですので今回も双眼鏡は必需品になりそうです。お天気に恵まれて細い月の姿が見られると良いですね!!

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