https://www.astroarts.co.jp/

2022年もとうとう12月を迎えました!
今年もあと1ヶ月で終わりかと思うと月日の流れはずいぶん早いものだと改めて感じてしまいます。だからこそ1日、そして今のこの時間を大切に過ごしていきたいですね。12月は師走といって忙しいとあっという間にクリスマス、そして年末になってしまうので。

そんな12月もたくさんの楽しみな天文現象がやってきます。
今月は何と言っても月初めに地球に最接近を迎える火星でしょう!先月くらいから夜になると東の空に異様に赤みを帯びた明るい星が見えているのに気がついた方も多いはずです。今月始めなら空が暗くなる18時頃には東北東の空でマイナス1.8等星として明るく輝いている姿を見つけることが出来るはずです。今回の火星接近では地球から火星までの距離が8145万km程になるそうです。この数字だけを見るとずいぶん遠く感じてしまいますがこのくらいまでの接近なら望遠鏡で100倍くらいの倍率で眺めると肉眼で見た時の満月とほぼ同じくらいのサイズになるので表面の薄暗い模様も十分見えてきます。そうなるとやはり天文台の大きな望遠鏡で見たくなりますね。

あぶくま洞の隣りにある星の村天文台ではこの火星最接近に合わせて12月1日(木)~3日(土)に特別観察会を開催予定なのでお天気が良さそうな日を選んで見に行くのも良さそうです。
 https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/yakankoukai.html
こちらの火星観察会には事前予約が必要みたいなので問い合わせてみて下さい!
田村市 星の村天文台 TEL 024-778-3638

ただし火星の場合には最接近は12月1日ですがこの頃だと19時でも火星の高度はまだ25度くらいなので火星の高度が高くなってくる12月中旬頃の方が表面の模様が見やすくなってくるのでお奨めです。今月は火星以外にもまだ土星、木星が見やすい時期ですし月末にかけて夕方の空では金星と水星も西の低い空に見えてくるのでこちらも楽しみです。
そして12月には見逃せないふたご座流星群もあります。
年間3大流星群の1つで月明かりがない条件なら1時間に50個前後の流れ星が見られますので期待したいですね。今年は月齢21の下弦前の月がしし座の付近にあるので月明かりの影響は少しありますがなるべく月明かりを目に入れないように西を中心とした夜空を眺めていればかなり期待できるのではと思います。寒さの厳しい時期なので防寒には十分過ぎるくらいに対策をしてたくさんの流れ星を楽しんでみて下さい!

10月から国際宇宙ステーションで長期滞在を行っている日本人宇宙飛行士の若田光一さんの話題もニュース等で流れているので関心をもつ方も増えているでしょう。

JAXAの特設サイトはこちら
https://astro-mission.jaxa.jp/wakata/
滞在中のミッションレポートなどの情報も時々アップされますのでチェックしてみてください!

若田宇宙飛行士が滞在中の国際宇宙ステーションは明け方か夜明け前の時期に肉眼でも明るく光りながら夜空を移動していく姿を肉眼でも観察することが出来ます。以下のサイトで国際宇宙ステーションが見える日時や方向などの予報がありますのでこちらもチェックしてみてください!
https://lookup.kibo.space/observation/kitakata/
こちらの予報では観察地点を喜多方に設定してありますので会津方面ではほぼこちらの予報で大丈夫ですが、たまに行われるISSの軌道修正などの影響で予報が変わることがありますので観察する前にはもう一度予報を再確認しておきましょう!

☆はやぶさ2関連情報

☆JAXAはやぶさ2ミッショントップページ
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/

こちらにあるはやぶさ2関連のニュースでは運用状況報告やはやぶさ2壁新聞などもありますのでぜひチェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/
https://twitter.com/haya2_jaxa

そして先月末には小惑星りゅうぐうからはやぶさ2が持ち帰ったサンプルからまた新しい発見があったというニュースが話題になりました!

東京工業大学
はやぶさ2が持ち帰ったコンテナからガス成分が検出された成果の発表
https://www.titech.ac.jp/news/2022/065193

朝日新聞デジタル はやぶさ2特設サイト
 https://www.asahi.com/topics/word/%E3%81%AF%E3%82%84%E3%81%B6%E3%81%95%EF%BC%92.html

はやぶさ2用に開発された技術がNASA向けにも 佐藤精機
 https://news.yahoo.co.jp/articles/4c5e8fa5be880e0192c8c0478bd87b18d6e228b0
はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2022年12月での月の満ち欠けは以下のようになっています。
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満月  8日(木)  
下弦 16日(金)  
新月 23日(金)  
上弦 30日(金)  
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新月前後の数日間は月明かりの影響が少ないので純粋に星空を楽しむには良い時期になります。星見に出かける計画を立てるときにはこの頃がお奨めなので毎月新月の日はチェックしておきましょう!
会津での12月の日の出、日の入り時刻を先月の11月と比べてみると以下のようになります。
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  月  日   薄明始まり    日の出      日の入り     薄暮終了
 11月 1日  4時36分  6時02分   16時45分  18時 11分
 12月 1日  5時03分  6時33分   16時25分  17時 55分
※12月22日  5時17分  6時49分   16時29分  18時 00分
 12月31日  5時21分  6時52分   16時35分  18時 05分
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(StellaNavigator11/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)

12月22日には1年で最も昼の時間が短い冬至を迎えます。
上の表から冬至を迎える22日で昼の時間を計算してみると9時間40分になりました。1日24時間の中で9時間40分というのはずいぶん短く感じますよね。お時間があれば夜の時間や他の日でも昼と夜の時間や時間差も計算してみて下さい。
こうした昼の時間の短さというのは同じ日本でも北と南ではだいぶ違ってきますし北緯67度以北では1日中太陽が昇らない極夜を迎えることになります。興味があればそうしたことも調べてみると面白そうです。冬は気温も下がって空気中の水蒸気量が減るおかげで上空の透明度が良い日が多くなって美しい星空を楽しむには絶好の季節です。しっかりと防寒対策をして今月もゆったりした気分で星空を楽しんでくださいね! それではそろそろ2022年12月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 12月 1日(木) 火星が2年2ヶ月ぶりに地球に最接近!!
 
今月最初から大きな天文現象ということで火星が最接近となります。
実際には地球が火星に追いついて、追い越して行くイメージでしょうか?今回の接近では火星までの距離が8145万kmくらいということで、これは地球から太陽までの距離のおよそ半分ちょっとくらいになります。ですが火星の大きさは地球の約半分ほどなので今回の最接近でも見かけの大きさは肉眼で見たときの満月に比べると1/100程くらいしかありません。逆に言えば望遠鏡で100倍くらいで見た時には肉眼で見た満月サイズに見えるということなのでこのような接近したときが火星の模様を確かめることが出来る貴重なチャンスになります。実際に火星を望遠鏡で眺めてみると100倍でもやはり小さく感じるので通常なら200~300倍くらいで見たいところですが冬場は上空の気流の影響で高倍率で落ち着いて見えることが少ないので火星が見えていたら毎日くらい確かめて少ないチャンスを見逃さないようにしたいですね。
望遠鏡を持っていない方はこの時期でしたら田村市の星の村天文台がおすすめですね!
福島県最大の望遠鏡で私も接近中の火星を1度見てみたいものです。望遠鏡なら火星の薄暗い地形の模様と共に火星の北極付近に白っぽく光る極冠も見られるかもしれません。

そして望遠鏡がなくても今回のような接近した火星は楽しめます。
月初めなら空が暗くなった18時頃に東北東の低い空に赤く光る星が見えればそれが火星です。まだ火星の正体がわからなかった昔は今回のような接近時にはあの赤い色が血の色を連想されるということで夜空に火星が明るくなって見える時には何か災いが起こる前触れだと言われていた時代もありました。最近はまた新型コロナの感染が全国でも増えて来ていますが火星の接近は無関係なのでご安心下さい!

先月末に火星付近を撮影した画像がありますので参考にして下さい!周囲の星と比べて火星の明るさが際立っている様子がわかります。そして月末に向かって次第に地球から遠ざかっていくので暗くなっていく様子も追いかけてみたいですね!

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☆ 12月 2日(金) 暗くなった頃に南の空で月と木星が接近!!

2日夜、空が暗くなった18時頃に南の空を眺めると月と木星が近くに寄り添って並ぶ様子が見えているはずです!
このときの月齢は8.4で半月を少し過ぎた月と木星の間隔は4.4度くらいなので双眼鏡でも余裕で一緒に眺められるので、お持ちの方はぜひ向けてじっくりと観察してみて下さい!木星が明るいので月明かりに負けずに光る様子はなかなか見事ですので!

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☆ 12月 8日(木) 衝を迎えた火星が満月と並ぶ!!

8日夜にはちょうど太陽の反対側になる衝を迎えたばかりの火星が満月に3度程まで接近した様子が見られそうです。
ちょうど満月になる時刻は8日13時過ぎなので夕方には満月を少し過ぎていますが接近中の赤い火星が満月と並ぶチャンスなんて滅多にないでしょうからこちらはぜひ見て頂きたいですね!ちなみに12月の満月は別名コールドムーンとの呼び名があるみたいですね。寒い冬の季節にピッタリの名前ですね!
今回の接近で見てみたい時刻は最初は17時30分前後で空が暗くなりかけている東北東の低い空で並んだ様子は肉眼でもとても印象的な様子で見えるでしょう!そして18時~19時頃には高度も上がって並んだ様子は夜空でもかなり目立つので普段はあまり夜空を見上げない人でも注目するはずです!ぜひ周りの方にも教えてあげて下さいね!

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☆ 12月 14日(水)~15日(木)未明 ふたご座流星群が極大を迎える!!

毎年楽しみにしているふたご座流星群が今年は14日夜~15日明け方にかけて極大を迎えるようです。
今年のピーク予報では14日22時となっているので日本からも好条件で一晩楽しめそうです。ふたご座流星群は下の星図を参考に見てもらえるとわかりますがふたご座のカストルという星の少し上に放射点があって、実際の夜空ではこのカストル付近を中心に夜空の全天に流れるのでなるべく広く夜空を見渡しながら観察するのがお奨めです。
月明かりが無ければ1時間に50個前後の流れ星が見られるふたご座流星群ですが今年は月齢21の月が22時前に東北東から昇ってきますので月が昇ってきた後は月の反対側の空を中心に眺めているのがお奨めです。かなり寒い時期なので防寒対策はしっかりして楽しみたいですね。広くて安全な場所ならキャンプ用のちょっと厚めのアルミマットを敷いて寝転んで見れたら首も疲れなくて楽に眺められそうです。寒い時期なのであまり長い時間だと大変なので適度に休憩したり、暖かい飲み物を飲みながら美しい流れ星をゆっくり楽しんでください!!

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☆ 12月 15日(木) 夕方、西空の低空に水星が見えてくる!!

今月22日に西の空で東方最大離角を迎える水星が15日頃から見えてきます。
17時過ぎに南西から少し北寄りの低空に見えてきます。この時点でも高度は5度くらいなので出来るだけ低い空まで見渡せる場所で双眼鏡を使って捜してみましょう!水星の明るさはマイナス0.6等星で比較的明るいもののまだ空の明るさが残っていることやかなり低空だということもあって最初に見つけるには双眼鏡が必須になりそうです。そして17時30分頃には地平線近くまで低くなってしまうので見られる時間も短いのでお天気の良さそうな日を選んで捜してみて下さい!今月は年末の31日くらいまでなら比較的見やすい状態が続きますので普段はなかなか見るチャンスが少ない水星がこの半月間に何回見られるかチャレンジしてみて下さい!

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☆ 12月 20日(火) 夕方の西空低くに宵の明星が見えてくる!

ここしばらく太陽の傍にあって見ることが出来なかった金星が20日頃から南西の低い空に宵の明星となって見えてきそうです!
20日の日没時刻が16時28分なので出来れば16時45分頃に南西と西南西の間付近を双眼鏡で探せば金星が見つかりそうです。そして17時をすぎれば金星の左上に水星も5.7度ほど離れて水星も見えてくるので低空まで雲がなければ双眼鏡を使って同時に水星と金星を眺めることができそうです。金星はこの後日毎に少しずつ高度が高くなってくるので年末頃には肉眼でも見られそうなので楽しみです。

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☆ 12月 25日(日) 夕方の低空で月と水星、金星が接近!!

夕方の南西の低い空では水星と金星が次第に近づいて行く様子が見えていますが、25日にはそこに月齢1.9の細い月が加わってにぎやかな様子が見られそうです。このときの金星と水星は約4度ほどの間隔なのでこちらは双眼鏡で同時に眺められます。細い月は水星の左斜め上に8.2度ほど離れているので残念ながら双眼鏡で3天体を同時にとは行きませんが17時以降に空が次第に暗くなってくれば3天体が集まった様子が肉眼でも見られそうです。

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☆ 12月 26日(月)~27日(火) 夕方の南西の空で月と土星が接近!

前日には水星の近くにあった月が26日夕方には土星の下にやってきます。
そして27日には土星の左斜め上に並んだ様子が見られそうです。今回は月と土星の間隔が8度~9度程なので肉眼で眺めるのが良さそうです。
少し空が暗くなってきた17時半頃の時間がおすすめになりそうです。そしてそろそろ今シーズンの土星も見やすい時期はあと少しになりそうです。

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☆ 12月 29日(木) 夕方の西空低空で金星と水星が最接近!!

夕方の南西の低空で見えていた金星と水星が29日には1.4度まで接近した様子が見られそうです。
こちらも双眼鏡を使って探せば17時頃の時間帯以降が見やすそうです。なかなかお目にかかれない水星と金星がこれくらいまで接近して見えるチャンスも滅多にありませんので見逃せません。そして最接近の前後にも見ておければ1日で金星と水星の見かけの変化がたった1日でだいぶ変わる様子もわかるのでお天気が良かったら連続で見ておきたいですね!

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☆ 12月 29日(木) 夕方の空で月と木星の接近!!
 
 29日夕方の空では月齢6の月と明るい木星が3.7度程まで接近した様子が見られそうです。
このくらいの間隔なら肉眼では勿論、双眼鏡で眺めるのに良さそうなのでお持ちの方は17時半頃の少し空の明るさが残っている時間帯から眺めてみて下さい!この頃の時間帯のほうが付きの眩しさもそれ程感じなくて並んだ様子も見やすいでしょう!そして上弦の1日前の月は双眼鏡を使えば月の欠けた部分が薄暗く見える地球照も冬場の透明度の良い空なら見られそうなのでぜひそんな様子も一緒に眺めてみて下さい!

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