画像提供アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/
東京で月初は21時ごろ、15日の20時ごろ、月末は19時ごろ南に向かって見上げたときこのような星空が見られます。

2021年も7月を迎えて後半に入りました!
先月19日には東北南部も梅雨入り宣言が出されて以来曇りや雨の日が増えて梅雨らしいお天気が続いています。
そんな梅雨の季節でもこまめに天気予報をチェックしているとたまに短い時間でも夜空に星が見える場合があります。
お天気によっては夜中だったり明け方の時もありますが・・。
そんな梅雨の晴れ間の星空はとっても貴重ですので出来るだけ見逃さないようにしましょう!
雲が流れていて、そして雲間から明るい星がちょっとでも見えたら・・滅多に満天の星空が見られないこの季節ではいつもよりも星の輝きが何割増しも美しく感じられますので。
特にお奨めは手軽な双眼鏡ですね。
梅雨の時期には雨が続くおかげで上空のチリなどが減って透明度が良くなっているおかげで双眼鏡を使うと多少薄雲越しであっても小さな星までもがいつもよりも明るく、キラキラと星が瞬く様子はずっと眺めていたくなります。

上の画像は6月26日夜に撮影したものですが全天に広がった雲の一部が切れて30分程でしたが夏の大三角が見えていました!
是非皆さんもこんな風に夏の星座を一足先に見つけ出してみて下さい!

夕方の空では西空で見やすくなっている金星が6月よりも見える位置が少しずつ真西寄りになってきている様子にもご注目下さい!
金星が見えている位置を地上の景色と一緒に覚えておくと8月に向かって更に移動して行く様子がわかりますので同じ場所から写真撮影やスケッチしておくとあとから確かめることが出来ますのでお試し下さい!

7月初めの頃には金星の左上に7度程離れて見えている火星も日毎にちょっとずつ間隔が近くなっていく様子も追いかけてみたいですね。
3日以降ならば両者の間隔が6度程になるのでこれ以降しばらくは双眼鏡でも金星と火星を一緒に眺めることが出来そうです。
12日には近くに細い月がやってくるので火星と金星と細い月が集まった様子も見てみたいものです。
梅雨の季節ですが晴れて欲しいですね!

明け方の空で見えていたイメージのあった木星と土星も7月になると見えて来る時間もだいぶ早まってきます。
7月初めには土星が20時53分、木星が21時50分に地平線から昇ってきますが、7月末になると土星が18時49分、木星が19時46分と1ヶ月で約2時間も早く見えて来ることになります。
特に木星は-2.7等と明るいので7月初めの頃なら23時頃には東南東の低い空でかなり目立って見えていそうです!
土星はやぎ座の真ん中付近にあって0.4等と木星に比べるとちょっと控えめな明るさですが明るい星の少ない秋の星座たちの中にあるのでいつもの年よりは見つけやすいでしょう。
木星を見つけたらその少し右上方向に20度弱(手をいっぱい伸ばして、握りこぶし2個分程)くらい離れてポツンとクリーム色っぽい、そしてあまり瞬かない星が見つかればそれが土星です。
今シーズンの土星は環の傾き具合がまさに「土星!!!」っていうちょうど良いバランス感覚で見えている時期なのでぜひ大きな望遠鏡で見て頂ければと思います。

このところ毎年4月~11月頃にかけてリオンドール滝沢店駐車場で毎月行ってきていた会津そらの会での「星を見る会」は福島県内でも新型コロナ感染者数が多くなっていたことで今年は残念ながらまだ開催出来ていませんが、土星が早い時間に見やすくなってくる夏後半~秋にかけて県内の感染状況が落ち着いてきたらもしかすると再開出来るかもしれません。ご期待下さい!

☆はやぶさ2関連情報
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

JAXAはやぶさ2ミッショントップページには次のミッションに向けて旅立ったはやぶさ2から地球までの距離が表示されています。
1秒ごとに更新されていますのではやぶさ2が今どれだけ離れた場所を航行中なのかも時々確かめてみましょう!!

先月、ニュースで話題になっていたのが「はやぶさ2が地球に持ち帰ってきた小惑星りゅうぐうのサンプルが各方面で分析が始まった」でした。
マイナビニュース⇒https://news.mynavi.jp/article/20210619-1907151//
東京工大⇒https://www.titech.ac.jp/news/2021/061161
朝日新聞デジタル⇒https://www.asahi.com/articles/ASP6K5J5JP6KULBJ00G.html

小惑星りゅうぐうのサンプルを調べることで46億年前の太陽系の成り立ちや生命の元になった材料が地球以外にどれ程存在したのか等々・・。
どんな解析結果がわかるのか今からとても楽しみです。

はやぶさ2は拡張ミッションに向けて順調に運用中のようです。
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/news/status/

JAXAのはやぶさ2のページにはコンテンツやギャラリーも徐々に追加されていますのでまだご覧になっていない方は時間のあるときに隅々までチェックしてみて下さい!
楽しむ(こちはや漫画など)⇒https://www.hayabusa2.jaxa.jp/enjoy/
ギャラリー(画像など)⇒https://www.hayabusa2.jaxa.jp/galleries/

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2021年7月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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 2日(金) : 下弦
10日(土) : 新月
17日(土) : 上弦
24日(土) : 満月
31日(土) : 下弦
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7月は下弦が2日と31日に2回あります。
月の満ち欠けの周期は平均すると約29.5日程になるので月初めに下弦になるとその月にもう一度下弦が見られるといったことが起こります。

会津での7月の日の出、日の入り時刻を6月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
6月  1日  2時 31分    4時 18分    18時 58分    20時 46分
7月  1日  2時 29分    4時 20分    19時 08分    20時 59分
7月 31日  3時 00分    4時 41分    18時 52分    20時 32分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて 会津若松市での時刻)

本格的な夏の季節はこれからですが、6月21日の夏至を既に過ぎているのでこれからは昼の時間が少しずつですが短くなっていきます。
その分夜空が暗くなる時間も早くなってきますので星の好きな人にとっては嬉しいですね。
そして今の季節は梅雨明けがいつになるのか気になってしまう時期ですね。
今年の東北南部の梅雨入りは6月19日頃と平年に比べて1週間程遅くなっていました。
梅雨明けは平年なら7月24日頃のようですが昨年は8月2日と少し遅かったのが気になります。
今年は平年並みに梅雨明けになってもらいたいですね!
そして梅雨の時期に見られなかった分をゆっくりと星空を眺めて見たいものです。

それではそろそろ2021年7月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 7月 2日(金) 明け方の空で今月1回目の下弦の月!!

7月には珍しく明け方の空で半分の形となって見える下弦の月が1ヶ月の中で2回あります。
その1回目が2日未明の空で見ることが出来そうです。
実際に下弦を迎える時刻は朝の6時過ぎになりますが、この朝の月は5時44分に真南の空に見えているので晴れていれば肉眼でも青空の中に浮かぶ白い月の姿を確かめることが出来るでしょう。
また、夜明け前の2時半頃ならまだ暗い空の中で見ることが出来ますのでちょっと早起きして双眼鏡で眺めてみるのも良いですね。
暗い空ではくじら座の尻尾近くに月が見えている様子もわかるはずですので。

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☆ 7月 3日(土) 夕方の西空低空で金星がプレセペ星団に接近!

3日夕方にはに西北西の低い空で明るい金星がかに座の散開星団「プレセペ星団」に0.2度程までの大接近となるようです!
但しまだ空の明るさが残っている20時でも既に高度は7度程になるので低空の雲などがあると見るのは難しいかもしれません。
見るのには最低でも双眼鏡が必要ですがこちらもなかなか珍しい出来事ですので前後の日も含めて何とか見られると良いですね。

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☆ 7月 6日(火) 夜明け前の空で細い月がすばるに接近!

6日未明には月齢25.3の細い月がおうし座の散開星団M45、すばるに7度弱まで接近した様子が見られそうです。
2時半頃なら東北東の空で高度も10度を超えているのでお天気が良ければ肉眼でも楽しめることでしょう。
この時期には夜明け前に冬の星座おうし座も見えて来ているので一緒に見ておけると良さそうですね。

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☆ 7月 7日(水) 七夕?

7月7日というと一般的には「七夕」となる訳ですが、本来の七夕は旧暦の暦で7月7日になります。
今年の旧暦の暦をチェックしてみると8月14日(土)になるようです。
今の暦と旧暦ではおよそ1ヶ月程日付がずれているので本来の七夕からすればずいぶんと早い時期に行うことになってしまう訳です。
東北南部の梅雨明けの時期は平年ですと7月24日頃になるので7月初めの頃はまだ梅雨真っ盛りの時期ですので夜に晴れてきれいな星空が見られる確率はかなり低いことでしょう。
また、今の暦では日付と月齢の関連性がありませんから年によっては月が見られなかったり、満月の場合もあったりすることになります。
今年の7月7日は月齢が27になるので月明かりの影響はありませんのでもし運良く晴れれば街明かりの少ない場所でなら彦星と織り姫星の間を流れる天の川も見られるかも知れません。
薄明が終わる21時頃には東の空に彦星と織り姫星も見やすい位置に昇ってきていますので小さなお子さんに星空への関心を持ってもらえる機会のひとつだと捉えて、もし晴れたら親子で家のそばからでも東の空を見上げてみてはいかがでしょうか?
その時にはぜひ旧暦の七夕が8月にもう1回あることを教えてあげて下さい!
 
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☆ 7月 12日(月) 夕方の西空で細い月と火星&金星が接近!!

12日夕方、西の低い空で月齢2.4の細い月が金星と火星に接近する様子が見られそうです。
下の画像は1ヶ月前の6月12日に見られた月と金星が接近した様子を星の村天文台で撮影したものですが今回はここに火星も加わります。

今回の接近では金星と火星は約0.8度程離れて金星の左にほぼ同じ高さで見えているはずです。
そして月と金星の間隔は約2.5度程で金星の少し右上に細い月が並ぶようです。現在の火星は地球からだいぶ遠ざかってしまっているので(地球~太陽までの約2.5倍弱)見かけの明るさは2等星と少し暗くなってしまっていますが、双眼鏡でならまだ火星特有の赤みを帯びた色合いはまだしっかりわかりますので西北西の方角で低い空まで見渡せるような場所で空が少し暗くなる20時くらいに見てみたいところです。時期的にはまだ梅雨の最中ですがもし運良く西空に晴れ間があれば双眼鏡で3天体が集まっている様子をじっくり眺めて見たいものです。

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☆ 7月 13日(火) 夕方の西空で金星と火星が大接近!!

夕方の空で目立ってきている金星とその近くに見えていた火星が13日夕方の空で月の見かけの大きさとほぼ同じ0.5度までの大接近となるようです。
こちらの様子はまだ空の明るさが残っている時間帯で西の低い空での現象なのでなるべく双眼鏡か望遠鏡で見てみたいものです。金星は-4等級で2等星の火星と比べると見かけの明るさはずいぶんと違いますが、地球のひとつ内側の軌道を回る金星と外側を回る火星がこれだけ接近して見える出来事はかなり珍しい出来事ですので梅雨の時期ですが何とか見られると良いですね。金星と火星はこのあとまた離れて行ってしまいますが、14日には約0.7度、15日でもまだ1.2度程なのでまだしばらくは双眼鏡で近くに見えている様子が確かめられるようなのでこのあとも続けて追いかけてみたいところです。

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☆ 7月 17日(土) 夕方に上弦の月を迎える!!

今月17日には月齢7.4となりタイミング良く夕方の19時11分に上弦の月となるようです。
この時間だとまだ太陽が沈んだばかりですが、月は南南西の空でまだ高度も40度程ありますので是非双眼鏡などでちょうど半分となった上弦の月の姿を見て頂ければと思います。双眼鏡ならきれいに半分の形になっている様子がわかりやすそうです。
また、この時の月の少し下側にはおとめ座の1等星スピカが5度くらいまで接近しているようです。少し空が暗くなってきた20時過ぎには肉眼で見てもわかるはずです。双眼鏡なら薄雲さえ無ければ美しい青白い輝きを持ったスピカの色合いが普段よりもわかりやすいはずなので是非確かめてみて下さい!

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☆ 7月 22日(木) 夕方の空で金星がしし座のレグルスに接近!!

22日夕方には夕方の西空で目立っている金星がしし座の1等星レグルスに1度ちょっとの距離まで接近した様子が見られそうです。
少し高度は低くなりますが空が少し暗くなってくる20時前後が見やすいでしょう。目立っている金星のすぐ下にレグルスが見えている様子は13日にあった火星と金星の接近よりもレグルスが1等星なのでお天気が良ければ肉眼でも楽しめそうです。双眼鏡があればそれぞれの色合いの違いにもご注目下さい!

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☆ 7月 24日(土) 7月の満月:「バックムーン」 

今月24日には11時37分に満月を迎えます。
この日の会津での月の出時刻は19時24分になるようで21時頃には南東の空で明るく輝く姿を見ることが出来そうです。また月の左上には5.6度程離れて0.4等で輝く土星の姿も見られるはずです。
明るい満月と土星は一般的な双眼鏡なら一緒の視野に見ることが出来そうでこのあと時間と共に両者の間隔は少しずつ近付いていって25日未明の3時頃には4.4度程まで接近するようです。月と土星はやぎ座の真ん中付近にありますがあまり目立たないやぎ座なので月明かりの影響で周りの星はあまり見えないかもしれません。
代わりにこの夜の満月は夜半過ぎの0時21分頃には真南に見える南中を迎えます。夏場の満月は南中でもあまり高く昇らないと言われていますのでお天気が良ければその辺も確かめてみて下さい!ところで7月の満月はアメリカ先住民の昔からの呼び名では「バックムーン」と呼ばれているようです。この呼び名のバックは牡鹿の意味があるそうですが日本ではあまり馴染みが無いですね。いろんな国で月がどのように見られて来たのかという文化の違いも面白そうです。

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☆ 7月 25日(日) 満月過ぎの月と明るい木星が並ぶ!!

25日21時頃には東南東の低い空に満月を過ぎた月齢15.4の明るい月と-2.8等の木星が約10度程離れてほぼ同じ高さに昇って来ている様子が見られそうです。
今回も月と木星との間隔は時間と共に少しずつ近くなり深夜0時には8.8度、未明の3時頃には7.7度程となる見込みです。
今回の月と木星が並ぶ様子は両者がすぐそばに見えるという程の大接近ではありませんが木星が明るいので肉眼でも十分に楽しめそうです。
時間と共に間隔や並ぶ向きが変化していく様子をお楽しみ下さい!

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☆ 7月 30日(金) 夜明け前の空でみずがめ座δ南流星群が極大を迎える!!

7月末~8月にかけて秋の星座であるみずがめ座~やぎ座付近を放射点とする小流星群がいくつも活動が見られます。
そんな中で30日にはみずがめ座δ南群、そしてやぎ座α群が30日に極大を迎えると予想されています。
ピーク予報時刻は15時頃の予報でしたので29日夜半~30日未明頃が狙い目となりそうです。
この日は月齢20の月がうお座にあって月明かりの影響が気になりますが、比較的出現数の多いみずがめ座δ南群以外にも出現時期が重なっている小流星群の出現もありますので月明かりを避けて広い空を見て頂ければトータルで時間辺り10個前後の出現は見られるかも知れません。
この頃には梅雨も明けてスッキリとした星空で見られる事を期待しています。

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☆ 7月 30日(金) 夕方の西空の超低空で火星がレグルスに接近!!

30日夕方、金星の右斜め下9度程離れたところでそろそろ見納めとなる火星がしし座の1等星レグルスに約0.7度程とかなりの大接近となる様子が見られそうです。
但しこちらは19時45分でも高度は3度程とかなりの低空での接近なので見るには双眼鏡使用が前提としても低空まですっきりと晴れていないと難しいかも知れません。梅雨が明けて良い条件で何とか見てみたいものです!

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☆ 7月 31日(土) 7月で2回目となる下弦の月!!

今月31日には7月2日に続いて7月で2回目となる下弦の月が見られます。
ちょうど下弦となる時刻は22時16分ですが、会津での月の出時刻が22時54分なので下弦を迎えた時間にはまだ月が昇っていません。23時頃になってようやく東北東の方角から少し東寄りの空から姿を見せてくるようです。
せっかく7月中で2回目の下弦の月を見られるチャンスなので8月になってしまう夜半前に是非しっかりと下弦の姿を見ておいて下さい。夜半過ぎには東北東の空から月より少し遅れてすばる星団も見えて来るのでこちらも忘れずに見ておきたいですね!

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