2015年も早いものでもう3月を迎えました。
 3月のカレンダーを見ると、春ももうすぐかな?って思ってしまいますが・・実際にはまだ雪が降ったりすることもありますよね?
 それでも、これまでよりもちょっと暖かい日がたまにあったり、また寒くなったりを繰り返しながら段々と春に向かう素敵な季節です。
 賑やかだった冬の星座たちも次第に西空へと移動して行くと・・これまで冬の時期に見慣れた様子とはまたちょっと違ったイメージで見ることができますのでお天気の良さそうな日にはゆっくりと星空を見上げてみて下さい!

 また、東の空からは春の訪れを告げるしし座やおおぐま座のある北斗七星などが段々と高く見える時期になってきていますのでそんな様子も確かめてみて下さいね!

 会津での3月の日の出、日の入り時刻を2月初めと比べてみると以下のようになりました。
 —————————————————–
 月   日   日の出    日の入り     昼の長さ     夜の長さ
2月  1日  6時42分  17時 6分  10時間24分  13時間36分   
3月  1日  6時10分  17時36分  11時間26分  12時間34分
3月 21日  5時41分  17時55分  12時間14分  11時間46分
3月 31日  5時26分  18時 4分  12時間38分  11時間22分
—————————————————–
春に向けて昼の長さも次第に長くなってきていますね。
21日の春分の日には昼と夜の長さがほぼ同じになり、それ以降は昼の時間の方が徐々に長くなっていきます。
 昼の時間が少しだけ長い訳は・・国立天文台の質問コーナーをご覧ください。
 http://www.nao.ac.jp/faq/a0303.html

 3月には日暮れの時間はちょっと遅くなりますが、空が少し暗くなりかけた頃には空には明るい金星と木星がとっても目立っていますので、お天気の良さそうな日にはそんな時間帯に外に出て1番星探しをしてみたり、美しい輝きの競演を楽しんでみて下さい!

 それではそろそろ2015年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!

starchart201503
画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp
図は、1日は午後9時頃、南に向かって見上げた時の星空です。15日は午後8時頃に月末は午後7時頃に同じような星空になります。

==================================
 ☆ 3月 3日(火) 明るい木星と月齢12の月が並ぶ!!

 最近は空が暗くなりかけた頃に東の空にポツンと明るい木星が見えていますが、ひな祭りの夜には明るい月が木星の横に並んだ様子を見ることができそうです。
 先月、衝を迎えたばかりの木星はマイナス2.5等級の明るさですし、3日夜には月と約6度くらいまで接近しますので、夜空でもひときわ注目を集めそうです。
 視界の広い双眼鏡なら一緒に見れそうですのでそんな様子もぜひ見ておいてください!
 こちらも空が暗くなりかけの頃の時間帯がお奨めですね!
 木星はお誕生日の星座のひとつである「かに座」の近くにあるので、普段はあまり目立たない「かに座」を見つける良い目印となっています。
 月が離れた後に双眼鏡で木星の近くの かに座も捜してみて下さい!
 
 ———————————————

 ☆ 3月 4日(水) 夕空で金星と天王星が最接近

 夕方の西空で明るく目立っている金星の近くに太陽系第7番惑星の天王星が接近します。 
 昨年10月にあった皆既月食の時にはタイミング良く月のそばにあった姿を見ることができましたが、今回も天王星を見つける良いチャンスになります。
 天王星の大きさは地球の4倍ほどもあり木星、土星に次いで3番目の大きさの惑星ですが、天王星までの距離は地球―太陽間の21倍近くも離れているので、見かけの明るさは約6等級になっています。
 肉眼ではもちろん見えませんし、双眼鏡で小さく見えるくらいの明るさなので普段だと天王星を捜すだけでも一苦労なのですが・・今回は明るい金星が目印になってくれますね。

 見るためには最低でも双眼鏡が必要になってきます。
お奨めの時間帯は空が暗くなってくる19時頃がチャンスとなりそうです。
 双眼鏡の場合には星にしっかりとピントを合わせることや、手持ちだと視界が揺れて見えにくくなってしまうので三脚に載せるか手すりなどを利用して揺れにくいようにするのがポイントになります。

 今回の条件では双眼鏡でも見る時間帯が早いとバックの空の明るさに埋もれて見えませんし、金星が低くなってしまうと もやなどの影響で見つけるのは厳しい条件になってしまいそうです。
 ですので100~200mm位の望遠レンズとデジタル1眼レフカメラがあれば金星を中心に入れてしっかりとした三脚に載せて、ある程度空が暗くなったころを見計らって10秒くらい露出をかけてあげれば金星の右隣に線状になって写ってくれるはずです。
 撮影出来ればあとでどれが天王星だったか確かめることもできますので。
 2日間撮影ができれば金星との位置関係が変わっていく様子も確かめられそうですね!

 金星との位置関係は1日毎に変化していきますので以下の数字を参考にしてみて下さい。
 自分の使っている双眼鏡の視界の広さを確かめておくと位置関係がわかりやすくなるでしょう。

 2月1日 金星の上 約4度
   2日 金星の上 約2.8度
   3日 金星の上 約1.6度
   4日 金星の上 約0.5度 (11時の方向)
   5日 金星の下 約0.8度
   6日 金星の下 約2度

 ちなみに天王星は太陽を1周するのに84年もかかるそうです。
 海王星が発見されたのは1781年3月13日なので発見されてかもうすぐ発見から234年になるんですね。
 
 また、宵の明星の金星は3月に入ってからも夕方の空で見える高さが次第に高くなっていきますので、そんな様子も時々確かめてみて下さい!
 
 ———————————————

☆ 3月 6日(金) 今年3回目の満月は今年最少!!

 6日未明(3時6分)には今年3回目の満月を迎えます。
 早起きに自信が無いという方は5日夜の満月前の月を見ておいてください!
 今回は前日5日に地球と月の距離が遠い地点となったので2015年中では最も小さな満月となるようです。
 
 国立天文台 天文情報センターの画像で大きさの違いを感じてみて下さい!
 実際に見ただけではなかなかわからないくらいの差なので、この機会に6日の満月をデジカメの望遠レンズなどで撮影しておいて9月にある今年最大の満月と並べてみるのも面白そうです。

201503満月大きさ
画像提供 国立天文台 天文情報センター http://www.nao.ac.jp/astro/sky/

——————————————-
 ☆ 3月13日(金) 夜明け前の空で土星と月が接近!!

13日4時半頃には南の空で下弦前の月とその右隣に6度くらい離れて輝く土星が並んだ様子が見られそうです。
土星も0.2等級と肉眼でも明るく見えているので月の右にある明るい星がすぐに見つかるでしょう!
今回も視界の広い双眼鏡なら月と一緒に眺められそうですね!

まだこの時期だと早起きはちょっとつらいかもしれませんが、季節を先取りして一足先にさそり座と土星を見ておくのも良さそうです!
普段は普通の一等星とあまり変わらなく見えている土星ですが、今回のように月の近くに並んだ時にさそり座の星座の星並びから見えている位置を覚えておけば次からはすぐに土星を見つけられるでしょう!
5時近くになって空が少しずつ明るくなってくる時間帯の夜空もとても美しいのでぜひご覧ください!

今年の土星はさそり座の近くに見えていますので、夏休みの頃にはゆっくりとあのリングが取り巻いた不思議な姿を楽しめるでしょう。
特に今シーズンの土星は地球から見た時のリングの開きが大きく見えるのでお勧めですよ!
会津そらの会で毎月行っている観望会でも晴れれば6月~9月頃の時期に見て頂けるでしょうから・・今から楽しみですね!
——————————————-
☆ 3月18日(水) 夜明け前の細い月(月齢26.8)を見つけよう!

18日の夜明け前の空、5時頃に低い空で月齢26.8のとても細い月が見えているはずです。
空が少し明るくなりかけているので方角と高さを目安に捜してみましょう!
この日の月は5時頃なら東南東の方角で約10度くらいの高さに見えているはずです。
手をいっぱい伸ばして握りこぶしひとつ分くらいがおよそ10度くらいになるので試してみて下さい!
グーの小指の下を地平線に合わせて親指のあたりに月があるはずです。
普段はなかなか見れない「三日月と反対の形の月」の姿を見つけてみて下さいね!
もし見つけたらどんな形だったのかをスケッチしておくのも面白そうです。
双眼鏡だと光っていない部分がうっすらと丸く見える地球照も見えるかもしれませんよ!
このあと20日(金)には新月となります。

——————————————-
 ☆ 3月22日(日) 金星から月齢1.4の細い月を見つけよう!

22日の夕方、西空の低空に雲などが無ければ宵の明星の金星の少し下に月齢2の細い三日月が見られそうです!

夕方18時半頃の西空に明るい宵の明星を見つけたら、そこからほぼ真下に、手を伸ばして作った握りこぶし1個分よりちょっと狭いくらいの低い空に細い月が見えるはずです!

双眼鏡があれば細い形や地球照の様子も見やすくなりますのでお奨めですよ!
空が少し暗くなってきた18時50分頃には肉眼でも見やすくなりそうですので近くの金星と一緒の姿が美しい眺めとなりそうです!
細い月の斜め右下には赤っぽい火星が見えるかも?
そろそろ火星も見納めの時期なのでちょっとだけでも見れると良いですね。
こうした細い月は冬場の透明度が良い時がチャンスですのでぜひお見逃しなく!!
——————————————-
 ☆ 3月23日(月) 夕空で三日月と金星の接近!

前日の22日夕方には金星と三日月が上下に並んでいましたが、その1日後の23日には金星の少し左上に移動した月と金星のツーショットが見られそうです。 
金星と月との間隔は前日よりちょっとだけ近づいて7度くらいになります。
視界の広い双眼鏡ならぎりぎり入るかも?

今回も19時頃が見やすいようですが、時間があればその30分前くらいから見ていると空の色の変化とともに印象もまた変わってきますので是非ゆっくりとご覧になってみて下さい
また、時間に余裕があれば一番星捜しということで、金星がどれくらいの時間に見え始めるかお友達と一緒に確かめてみるのも面白そうです。

 ——————————————-
 ☆ 3月27日(金) 上弦の月 & ミニ観望会

 3月27日にはちょうど上弦の月になるのでお天気が良ければ今年最初の観望会を開催予定です。
 場所は昨年も観望会を行っていましたリオンドール滝沢店北側の駐車場の一角です。

 まだ夜は寒い季節ですし、もしかしたら積雪などの状況によっては室内での星のお話会となるかもしれませんが2015年最初の観望会を19時頃から予定しております。(約1時間)
 お天気さえよければ宵の明星の金星や木星、そして上弦を迎えた月等の姿を天体望遠鏡を使って皆さんに見て頂きたいと思います。
 
 また、4月4日に見られる皆既月食についてのお話しも予定しておりますのでお近くの方はぜひご参加ください!!
 ※開催が決定しましたら、当HPや会津そらの会Facebookページ、Twitterでもお知らせします。
  お店へのお問い合わせはご遠慮ください。
==================================