新年あけましておめでとうございます。
本年もこちらの星空案内をご覧いただいて様々な天文現象や美しい星空に関心を深めて頂ければ幸いです。

画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp
画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

2014年を改めて振り返ってみると、やはり12月3日に「はやぶさ2」が小惑星1999Ju3へ
向けて6年にも及ぶ長い旅に出発したことがつい昨日のことのように思い出されます。
「はやぶさ2」は、しばらくの間地球から少し離れますが、2015年12月には再び地球に追いつき
地球のすぐそばを通過して加速をするスイング・バイを実施する予定となっています。

会津そらの会で行なっている、「はやぶさ2」を応援する企画=「88232折り鶴プロジェクト」
「はやぶさ2」が地球に帰還する2020年12月までに88232羽の折り鶴を集めることを目標に
進めて参ります。
これまでに全国の「はやぶさ2」を応援する皆さんから送って頂いた折り鶴の数は1万5千羽を超えています。
皆で「はやぶさ2」ミッションの成功を願う気持ちを折り鶴に込めてJAXAのはやぶさ2ミッションを担当しているプロジェクトの方々に届けましょう!!
詳しい内容は会津そらの会ブログをご覧ください! http://goo.gl/lY3pdq

他にも「だいち2」、「ひまわり8号」の打ち上げもありましたし、天文現象では10月の皆既月食や流星群の話題等々なかなか賑やかな1年でしたね。

それではこの辺で2015年に見られそうな主な天文現象について見ていきましょう!

惑星では、今年特に見やすくなりそうなのが金星ですね。
昨年は明け方の低い空であまり目立たなかった金星ですが、1月中旬頃からは夕方の低い空で明るい輝きを放つ姿が見やすくなってきて、5月初めの頃には夕方のかなり高い空で眺めることができそうです。
それ以降も少しずつ低くなっていきますが、8月初めの頃までは宵の明星として夕方の空を飾ってくれそうです。
また、月に1度くらいずつ夕方の空で三日月と一緒に見られる日があるのでこちらも楽しみです。
他にも7月初めには明るい木星と金星がすぐそばに並んで見えるという素晴らしい現象もあるそうですよ!

金星は8月に入ってからは太陽の近くでしばらく見えなくなりますが、8月後半になると今度は夜明け前の空で明けの明星として楽しめそうです。
今年の場合には9月に入るとどんどんと高度を上げて行って年末まで明るく輝く姿を見せてくれそうです。

木星は2月に入って衝(※地球から見て太陽と正反対方向に位置にくること)を迎え、この後しばらくの間見頃を迎えます。
会津そらの会で開催している観望会(春から開催予定です)でも、7月頃までは望遠鏡を使って縞模様や衛星の並んだ姿などを観察できそうです。

土星は5月後半になって今年の見ごろを迎えます。
昨年よりも環が少し開いた状態になって見えてくるはずなので、昨年見ていたという方はぜひ今シーズンの土星を見て違いを確かめて見て下さい!!
観望会でも大人気の土星は10月初め頃までが見やすい時期となります。

2015年の天文現象の中でも大きな話題となりそうなのが4月4日の皆既月食ですね。
今回も昨年10月の場合とほぼ似たような感じで日本からも夕方から見やすい時間帯に起こりますので是非親子で一緒に楽しんで頂ければと思います。
今回の皆既月食を見逃してしまうと次回は約3年後の2018年1月末まで日本では見られませんのでぜひお見逃しなく!!

また、9月の中秋の名月が今年はスーパームーンになりそうだという話題もあります。
ぜひゆっくりと秋の名月を楽しみたいものです。

流星群では8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群に注目が集まりそうです。
今年は特にどちらも極大日付近の頃には月明かりの影響がほとんど無いようなので、いつも以上にたくさんの流れ星が見られるかもしれません。
事前に街明りの少ない場所を選んでおいて、ご家族で一緒に出掛けて見られると良いですね。

惑星探査機関連では、金星に向かっていた「あかつき」が今年11月に再び金星周回軌道投入へ向けてチャレンジを行うそうなので、こちらもぜひ注目したいですね。 http://goo.gl/TBZRxW
さらにNASAが2006年に打ち上げて冥王星へ向かっていたニュー・ホライズンズ探査機は7月中旬ごろに冥王星に最接近する予定のようです。
2月頃から観測を開始するそうですので、こちらもどんな画像を送ってくれるか楽しみです。

他にもまだまだありそうですが、そちらは毎月の星空案内でご紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!

冬の寒い時期はまだしばらく続きますが、1月に入ってからは特に夕暮れの時間が日毎に少しずつ遅くなり日が伸びていきます。
 会津での1月の日の出、日の入り時刻を昨年の冬至と比べてみると以下のようになりました。  

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 月   日   日の出      日の入り  
12月 22日  6時49分    16時29分 ※冬至
1月   1日  6時52分    16時35分    
1月  31日  6時43分    17時05分 
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寒さの厳しい時期ですが明るく前向きに冬の季節を楽しみながらお過ごしください!
それではそろそろ2015年1月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 1月 1日(木) 初日の出  
新年が明けて・・といえば一般的には「初日の出」ですよね。
会津での元旦の日の出時刻は6時52分ですが、東に山などがありますので実際に山から姿を見せてくれるのはもう少し遅れそうです。
日の出は毎日見ることはできますが、やはり新しい1年の最初の日の出というのはやはり特別なものですよね?
初日の出を見ながら新年を無事に迎えられたことに感謝をすると共に、今年の抱負や目標に向けての気持ちを新たにスタートしたいですね。
くれぐれも太陽は見つめ過ぎませんように!!

また、元旦の夕方17時頃、南西の低い空には宵の明星の金星が見え始めているはずです。
こちらも低空の雲などの状態によりますが、うまくいけば今年初の金星が見られるかもしれませんので、お天気が良さそうでしたら双眼鏡片手に捜してみて下さい!

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☆ 1月 2日(金) 月とアルデバランの接近  
2日夜にはおうし座の赤く輝く1等星アルデバランのそばに月齢11の月がすぐ近くに見られそうです。
20時頃でしたら1度くらいまで接近しますので双眼鏡などで眺めると普段よりもアルデバランの赤っぽい色合いもグッと見やすくなるでしょう。
どんな色合いで見えるかぜひ確かめてみて下さい!

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☆ 1月 3日(土) おうし座119番星が月の北側を通過!
前日におうし座の1等星アルデバランの近くに見えていた月は3日夜にはおうし座の角付近に移動します。
21時頃に月齢12の月に双眼鏡を向けて見ると月の少し東側に4等星のおうし座119番星が見えているでしょう!
時間をおいて、時々見てみると・・次第に月に接近して行って21時50分頃には月の北側をゆっくりと移動していく様子が見られそうです。

実はこの時に北関東よりも南では月の後ろに隠される星食が起こっています。
会津では残念ながら少し離れたところを通過になってしまいますが、月の近くを通過していく様子は十分に楽しめますのでぜひご覧ください!
おうし座119番星は別名「ルビースター」とも呼ばれています。
双眼鏡などで月と一緒に見た時には普段よりもその赤い色がわかりやすいと思いますのでそんな様子にも注目してみて下さい!!

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☆ 1月 4日(日) しぶんぎ座流星群が極大!!!
 年間3大流星群のひとつのしぶんぎ座流星群が4日未明に見られそうです。
ただし、今年のピーク予想時刻は日本時間の4日午前11時頃になりそうなので活発な出現はもしかしたら日本では空が明るくなった後になってしまう可能性があります。
更に、4日未明には満月前の明るい月が夜空を明るく照らしているので条件はあまりよくありませんが月明かりの目立つ方向をなるべく避けてどれくらい出現があるか確かめてみましょう!

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☆ 1月 5日(月) 今年最初の満月

5日夕方には今年最初の満月を眺められそうです。
この日の満月になる時刻は14時頃なので、夜に見る時には満月を少しだけ過ぎた月になります。
また、今回の満月ですが月までの距離は平均よりやや遠いくらいなので見かけの大きさもいつも通りの月のようです。
会津では17時過ぎに東北東の空から昇ってくるはずです。
この夜の満月はふたご座付近にありますので20時頃に眺めてみると冬の賑やかな星空と満月とを一緒に楽しめそうです。 

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☆ 1月11日(日) 夕方の空で金星と水星が大接近!!

明るい宵の明星のすぐそばになかなかお目にかかれない水星がすぐそばに並んで見られるという珍しい様子が見られそうです。
17時過ぎ頃、双眼鏡で南西から10度くらい北寄りの空で見えているはずです。
いつもはなかなか見られるチャンスが少なく、しかも見えていてもどれが水星なのかわかりにくいことも多いのですが・・今回はとても目立つ金星がすぐそばにあって見つける良い目印になってくれますので見逃せません!
金星との最接近は11日ですが、その前後数日間も見ておくと位置関係が日毎に変化していく様子もわかりますのでそうした様子もぜひ眺めてみて下さい!
並んだ様子は双眼鏡で美しく眺められることでしょう!

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  ☆ 1月22日(木) 夕空の三日月と金星ツーショット!!

 今月になってようやく夕方の低い空に宵の明星が見えるようになって来ています。
 そんな中、22日夕方にはその金星のそばに三日月が並んだ様子が眺められそうです。
 今回はすぐそばにという風にはなりませんが久しぶりのツーショットなので双眼鏡片手にそんな様子をじっくりと楽しんで下さい!
 17時半頃からの時間帯がお奨めになりそうです!!
 チャンスがあればぜひ翌日も眺めてみて下さい!
 たった1日で月の見える位置がずいぶんと動いていく様子がわかりますよ!

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