画像提供 アストロアーツ  http://astroarts.co.jp
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 5月に入ってお天気も安定して、1年中の中でも過ごしやすい季節を迎えました。

 先月頃は春霞や黄砂の影響などで、晴れていても何だか夜空がぼんやりと明るくなって
いるようなことが多かったのですが、5月になってからはそうした影響も減ってくるので
星空を眺めるにも良い時期です。

 GWに遠くへ旅行したりする機会も多いと思いますので、出かけた先で夜に晴れたら、
いつもとちょっと違った景色で見る星空もぜひ楽しんでみて下さい!!
 見慣れた星空も不思議と新鮮に感じられることでしょう!

 広くて安全な場所でしたら寝転んで見上げてみるというのもお奨めです。
 寝転んだときの頭の向きによっては星座の印象が随分と違ってきますのでぜひ親子で
一緒に楽しんで下さいね!

 寝転んで夜空を見ていると・・時間が過ぎて星の見える位置が変わったと感じる時、
地球が回ったことで見える位置がずれていくということを実感しやすくなりますので、
こちらもお試し下さい!!

 西空で一番星になっている木星、地球から少しずつ遠ざかりつつある火星、そして
東の空からはてんびん座の土星も見やすくなってきていますし、今月半ばから月末に欠
けては水星が今年一番の見頃を迎えます。

 一晩にいくつもの惑星の姿を楽しめる時期ですので、この時期に天文台などへ出かけ
たり観望会などに参加して、望遠鏡で不思議なその姿をぜひ確かめてみて下さい!!

 会津そらの会でも観望会を開催しますのでお近くの方はぜひご参加下さい!
日時 5月9日(金)19:00~20:00ごろまで
場所 リオン・ドール滝沢店 駐車場 ※無料ですのでお気軽にお越しください!

開催のお知らせはフェイスブックやツイッターでも行っています。
https://www.facebook.com/aizusora
https://twitter.com/aizusora

 そういえばこの頃は夕方暗くなる時間も随分遅くなりました。
 会津での5月における日の出、日の入り時刻を調べてみると以下のようになります。
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  月  日   日の出      日の入り
 5月 1日  4時43分    18時32分
 5月31日  4時19分    18時57分
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 来月には夏至を迎えるので、5月になると随分と昼の時間が長くなってきているよう
です。
 もしお時間があればそれぞれの昼と夜の時間を計算してみてください!!
 意外な数字が出てきてちょっと驚かれるかも知れませんよ!

 また昨年11月ISSに到着、3月9日より日本人初のコマンダー(船長)に就任されて
いる若田宇宙飛行士の長期滞在が、早6か月が経ち、今月14日には地球帰還予定です。

 日本から好条件で国際宇宙ステーションが見られるチャンスは1ヶ月の中でもそれ
程多くありませんので以下のサイトから予報を時々チェックしてぜひ見てみて下さい!

「きぼう」を見よう (C)JAXA http://kibo.tksc.jaxa.jp/letsview/visibility1/
 国際宇宙ステーションは条件が良いときには木星くらいの明るさで光って見えます
ので肉眼でも楽に観察出来ます!

 早起きしたり夕方に、地上からみんなで見上げて、宇宙で活躍されている若田さんの
応援をしていきましょう!!

 それではそろそろ5月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 5月 1日(木) 西の低い空に三日月が見える!

 空が少し暗くなり始めた19時30頃の西空には低くなったオリオン座があってそ
の少し北寄り、高度10度付近にはおうし座の1等星アルデバランと月齢2.2のとっ
ても細い三日月が双眼鏡でも一緒に見れるくらいに近くに並んだ様子が見られそうで
す。

 4月29日が新月でしたので、この日はちょうど三日月になります。
 まだ空の明るさが残っているのと低い空になるので双眼鏡で見るのがお奨めです。

 もしうまく見れたら・・「本当の三日月はこんなに細いんだ!!」ということを実
感して頂けるのではと思います。

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☆ 5月 6日(火) 未明の空でみずがめ座流星群の出現

 昨年、予想外の活発な出現を見せてくれたみずがめ座流星群ですが今年はどんな出
現を見せてくれるのか楽しみです。

 GW連休最終日になる6日の明け方、そして翌日の7日の明け方に注目してみてく
ださい。
 みずがめ座にある放射点が昇ってくるのが夜中1時半頃なのでそれ以降の明け方までが
チャンスとなります。

 東の空を中心に夜空を広く見渡すような感じで眺めてみるのがお奨めです。
 今年は月明かりの影響も全く無い好条件なのも嬉しいですね。

 3時過ぎには東から明けの明星が昇ってきて夜明けが近いことを知らせてくれるで
しょう。
 5月と行っても明け方には冷え込むこともありますのでしっかりと防寒対策をして
楽しんで下さいね!

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☆ 5月11日(日) 土星が衝となり見頃を迎える!!

 てんびん座で0等級の明るさで見えている土星がいよいよ見やすい時期を迎えます!

 今シーズンにはおとめ座の火星もまだ明るく見えていて、いつもの春の大三角よりも
火星と土星、そしてうしかい座のアークトゥルスで作る大三角の方がずっと目立ちそう
ですが、そんな様子も忘れずに見て置いて下さい!

 そして土星はやはり望遠鏡で今の姿を見てもらいたいですね!!
 特に初めて見たときの本物の土星の姿は、たとえ小さくてもきっと感動する事でしょう!

 地球から見たときの土星の環の傾き具合は年々変化していくのですが、今の時期は
かなり環が開いた状態なので小型の望遠鏡でも意外と良く見えますよ!

 8月頃までは見やすいので、是非それまでに1度は天文台や観望会へお出かけ下さい!!

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☆ 5月14日(水) 土星と満月直前の月が大接近!!

 見頃を迎えている土星が満月前の明るい月とすぐ隣に並んでいるのが見られそうです!

 今回の接近は20時頃、両者の間隔が1度ちょっとまでになるので低倍率の望遠鏡
なら月と土星を一緒に眺められるほどになります。

 また、夜空の中で土星がどれかわからないという場合でも14日夜なら月のすぐそばの
明るい星を見れば、土星だとすぐに見つけることが出来ます。

 月との接近は一晩限りですが、14日夜に他の明るい星座の星達との位置関係をス
ケッチしておけば次からはすぐに見つけられるはずですよ!

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☆ 5月18日(日) 深夜の恒星食!第1段

 4月にも同じように星が月に隠される現象がありましたが、5月には何と2晩連続
で見られそうです。

 その第1段が5月18日深夜に起こります。

 ただし、隠される星が先月の時と同様に4等星なので、明るい月のそばにある小さ
な星を見るには双眼鏡か望遠鏡が必要になります。

 まだお持ちでない方は星空観察にはもちろんのこと、GWや夏~秋のシーズン等で
旅行されるときにも便利に使えるので8倍40mm(口径)クラスの双眼鏡をお奨め
いたします。

 双眼鏡は手持ちだと長時間はちょっと辛いので小型のカメラ三脚などに載せられる
と楽に見れますし、手ブレもなくなりピントもきっちり合わせ易くなるのでずっと見
やすくなりますよ!

 この日の月は月齢19と明るく、夜半過ぎには南東の少し低い空で見えています。
 月を双眼鏡で24時30分頃に眺めると月の少し左側に小さな星が見つかるはずです。

 その星はいて座ρ星で星座絵ではケイローンのマントの部分に描かれている4等星
になります。
 最初に月に隠されるのが会津では24時45分頃、そして再び月の右側から姿を見
せてくるのが25時57分頃になるようです。

 見る場所によって時間も多少違ってきますので時間には余裕を持って見て下さいね!

 今回の現象は隠れている時間もちょっと長いのですが、夜空の中を月が少しずつ動
いていることを実感できる貴重な機会なので目覚まし時計などをセットしておいて、
ぜひ見てみて下さい!!

ところで、予報時刻で25時○○分などと出てきましたが、これは天文現象が深夜に
起こる場合に日付を間違えないよう、連続して観測を行うときに便利なように使われて
いる30時制の表示になります。

 テレビやラジオの深夜番組などでも同様の表示を見たことがあるかも知れません。
 最初はちょっと戸惑うかも知れませんが・・慣れてしまうと便利なのでぜひ憶えて
みて下さい。

 23時は夜の11時ですね。夜中0時が24時、夜中の1時が25時・・・
 慣れるまでは手書きでも24時制と30時制の対応表を作っておくと便利かも?
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☆ 5月19日(月) 深夜の恒星食!第2段

 前日に続いて星が月に隠される現象が19日深夜にも見られそうです。

 今度は月齢20の月にやぎ座の頭の角にあたる3等星のβ星が隠されます。
 隠れる時刻は会津で25時10分頃、再び見える時刻が25時47分頃の予報です。

 平日の深夜の現象になりますが双眼鏡でも観察できる現象なのでぜひお見
逃しなく!!

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☆ 5月25日(日) 夕方の水星が今年一番の見頃です!

 惑星の中でもなかなかお目にかかれない水星ですが5月半ば~後半にかけては今年
一番のチャンスを迎えます!

 25日の夕方頃が大陽から東側に最も離れて見える「東方最大離隔」を迎えるので
すが、今回は日没後の水星の見える位置が比較的高く、西北西の低い空まで開けている
場所であれば、半月くらいの期間も見るチャンスがあるようです。

 GWの終わり頃にはまだ日没後にも低くて難しそうですが、その頃から日毎に見え
る位置も高くなってくるので、低空の空まで靄などがなければ10日頃には見られるか
も知れません。

 なので10日以降、お天気が良さそうな日を見計らって19時30分頃に西北西の
低い空でまだちょっと明るい空にポツンと光る水星が見つかるかどうか捜してみて下
さい!!

 水星自体はこの時期だとマイナス1等級と明るいのですが空の明るさがまだ残って
いることや低い空なので最初は双眼鏡を使って見ることをお奨めします。

 19時30分頃の水星の見える高さは10日頃は約5度くらい、17日以降は10
度くらいになります。
 この時期には西の空で一番星となっている木星がありますので方向を知る良い目印
になってくれるでしょう。

 もし1回見れたら、今月末までの今シーズン中に何回見れるか?! チャレンジ
してみてくださいね!!

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☆ 5月26日(月) 明けの明星と月の接近!!

 26日の夜明け前、東の低い空で明るく輝いている明けの明星と月齢26の月が並ぶ
様子が見られそうです!
 しかも、今回は4月の時よりもさらに近くに並ぶようです!!

 次のチャンスが6月後半になってしまうので梅雨などで晴れる確率がかなり低くなっ
てしまうので今回の大接近は見逃せませんよ!

 東の低い空まで見渡せる場所から3時頃に見るのがお奨めでしょう!
 そのあとの明るくなりつつある空での見え方の変化にも注目してみてください!!

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☆ 5月31日(土) 西の空で木星と三日月、そして水星も!!

 夕方の西空で見やすくなっている水星の隣に、ちょっと離れていますが月齢2.7の
細い三日月が並んでいる様子が見られそうです。

 今回は少し上に明るい木星もあるので絶好の3ショットになりそうです。
 19時半頃くらいから見えるかどうか捜してみて下さい!!

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