画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/

今年もいよいよ5月を迎えました。
例年なら過ごしやすい時期ですし、GWでまとまった休みを利用して楽しい旅行やイベントなど盛りだくさんで充実した時期を過ごしていたはずだったのですが・・新型コロナウイルスによる感染が全国で広がっている状況の中、緊急事態宣言が全国にも出されてしまいました。
感染拡大を広げないためには人と人の接触をなるべく避けるようにとのことから不要不急な外出はできるだけ避けて家で過ごすことを求められています。

こうした時期なので多くの方が時間を持て余して家で何をすれば良いのかな?と考えているあなたにお奨めなのがお家で出来る星空観察ですね!
ずっと家の中で過ごしているとストレスや運動不足もあって健康にも良くないでしょうから気分転換を兼ねて家の庭先から、あるいは窓からでも外の景色や夜の星空を是非眺めて見て下さい!
街中で星なんてあまり見えないよという方も月や宵の明星の金星、そして明け方に見えている明るい惑星たちなら純分楽しむことが出来ますのでとにかくお天気の良さそうなときには夜空を見上げてみて下さい!
でもどんな時間にどの方向を見れば良いのかわからない・・という場合には星座早見盤やスマホなどでも使えるプラネタリウムアプリがお奨めです。
特に最近のスマホアプリではスマホを空にかざすとその方向に見えている星座や星の名前が画面に表示されて教えてくれるような便利なものもありますのでおおいに活用してみましょう!

私たちの住む世界ではとてつもなく大変な出来事が起こっていますが、自然や星空は今年も変わりなく本格的な春の季節を迎えています。

今月前半ならまだ夕方の西空には冬の星座たちが名残惜しそうに見えています。
一時期2等星にまで暗くなっていたオリオン座のベテルギウスもいつの間にか明るさも赤っぽい色合いもだいぶ以前のような状態近くまで復活してきているようです。
見えなくなってしまう前にぜひ今のうちに皆さん自身の目で確かめてみて下さい!

また、夕方の空でひときわ目を引いていた宵の明星の金星も今月に入ってから日毎に見える高さが低くなってしまうようです。
ですので今月前半の見やすい時期にしっかり見ておいて下さい!
夕方に見える高度は低くなってきてしまいますが金星が地球に近付いてくる関係で見かけの大きさも大きくなって双眼鏡でも三日月状に欠けた姿がわかるようになってきます!
望遠鏡や双眼鏡をお持ちの方は是非金星に向けてみて下さい!
見るときには普通に手持ちよりも双眼鏡を持った肘を何か台などに乗せると手ぶれの影響が少なくなってピントも合わせやすくなり金星の形が わかりやすくなりますのでお試し下さい!

金星の見やすい時期は今月中くらいまでになってしまいますが、代わりに月末頃には水星が見やすくなってきますのでこちらも是非見ておきたいですね!
今月後半には金星と大接近したり、月と金星と水星が集まって見えたりする珍しい現象もありますのでお楽しみに!!

そして明け方では薄明が始まる前の3時頃には木星や土星そして火星も割と高い空に昇ってきていますので
一足先に木星や土星をじっくり見るにも良い時期を迎えています。
火星はまだ地球から遠いので表面の模様を見るのはちょっと難しいですが、今のうちから時々見ておいて秋の接近の頃までに明るさや色合いの変化を是非追いかけてみて下さい!
こうした様子は双眼鏡や肉眼でも出来ますのでお奨めです!

今月は5月1日に恒例の会津そらの会観望会を予定しておりましたが開催場所の関係で今月は残念ながらお休みとなります。
また再開出来るようになれば早めにお知らせいたしますのでお楽しみに!!

☆はやぶさ2関連情報
2020年末頃に地球に帰還予定のはやぶさ2も広大な太陽系の中を地球に向かって長い長い旅を続けています。
このところあまり話題にはなっていませんが時々サイトをチェックしたり、皆さんからの応援メッセージを届けてあげてください!
https://twitter.com/haya2kun

「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2020年5月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  1日(金) : 上弦
  7日(木) : 満月
 14日(木) : 下弦
 23日(土) : 新月
 30日(土) : 上弦

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月の満ち欠けの周期は多少変化しますが平均するとほぼ29.5日くらいになります。
今月はちょうどタイミング良く1日が上弦になった関係で珍しく1ヶ月のうちに上弦の月が2回見られることになります!
同じ上弦でも実際に見るときの上弦を迎えた後の時間から月の欠け際の様子は毎回微妙に異なりますので望遠レンズなどをお持ちの方は撮影してみて見比べてみて下さい!

毎月恒例の会津での5月の日の出、日の入り時刻を先月の4月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄明終了
4月  1日  3時 57分    5時 23分    18時 06分    19時 32分
5月  1日  3時 07分    4時 43分    18時 32分    20時 09分
5月 31日  2時 31分    4時 19分    18時 58分    20時 46分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

6月には夏至を迎えるので5月後半になると暗くなる時間もずいぶんと遅くなるようです。
冬場と違って暗くなる薄暮の時間も長めなので夕方には空の色が次第に移り変わるのを見ながら星空を待つのも良さそうです。
この時期ならお天気の良い日も多いと思いますので星空を眺めてゆっくりと過ごしたいものです。

それではそろそろ2020年5月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 5月 1日(金) 上弦の月が見られる!

5月1日には夕方の空でほぼ半分の形をした上弦の月が見られそうです!そして、実は5月は1ヶ月に上弦が2度起こる珍しい月でもあります。
2回目は今月30日(土)になります。
私たちが普段見上げている月は同じような形を迎える周期(例えば満月から次の満月までの日数)は時期によって多少前後しますが平均するとほぼ29.5日程になります。このため、タイミングによっては1ヶ月の中で今回のような上弦や満月、そして新月などが2回起こる場合もあるわけです。月の満ち欠けがわかるカレンダーをお持ちの方はこの機会に今年の分を是非確かめてみて下さい!
今年は5月以外にもう1回だけ同じ形の月が1ヶ月のうちに2回見られるチャンスがありますよ!1日夜に見える月はしし座とかに座の間にありますので月を見たら形のわかりやすいしし座の形もたどってみて下さい!

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☆ 5月 6日(水) みずがめ座流星群が明け方に極大!!

GWの時期に見られる流星群として毎年楽しみにしているのがみずがめ座流星群です。今年の極大予報では日本時間だと6日5時頃と予想されています。なので今年は月明かりはあっても夜明け前の頃なら1時間に10個程の流れ星は見られるのではないでしょうか?
みずがめ座は時期的には秋の星座なので放射点が地平線上に昇って来るのは1時過ぎになってしまいますさらに今年は惜しいことに満月前の明るい月が夜空を明るく照らしているので流れ星を見る条件としてはあまり良くありません。ですので今回のみずがめ座流星群が見やすい時間は1時半頃~夜明け前の3時過ぎ頃になりそうです。
もちろんお天気が良ければ流星群以外にも散在流星なども出現するでしょうから明るい流れ星にも期待しましょう!
1時半頃には放射点はほぼ東の低い空にあるので、なるべく西の空にある明るい月を見ないように東の空を中心に眺めて見て下さい!

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☆ 5月 7日(木) 満月 & 準スーパームーン!!

今月は7日、19時45分に満月となります。4月の満月は今年の満月では最も大きく見えるというスーパームーンでしたが、今回の満月は1日前の6日に1ヶ月の中では地球と月の距離が最接近となっていた関係で見かけの大きさは先月のスーパームーンに近い状態で見られそうです。
先月のスーパームーンを望遠レンズなどで撮影できた方は7日の満月も撮影して大きさを比べてみて下さい!
また、お天気などの影響や用事があって先月のスーパームーンが見られなかった方はぜひ7日の満月を眺めて見て下さい!
会津での月の出は18時19分ですが、ちょうど満月を迎える19時45分頃になれば東南東の低い空に見えて来ますのでその頃に見たり撮影してみて下さい!!

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☆ 5月 13日(水) 夜明け前の空で月が木星と土星に接近!


画像提供 国立天文台 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/

今の時期には夜明け前、南南東の空には木星、土星、火星の3惑星が見えています。13日未明には月齢20の月が土星に3.5度まで接近した様子が見られそうです。見やすいお奨めの時間は3時頃になりそうです。この時には木星も土星のすぐ右横に見えているので視野が7度くらいある双眼鏡ならなんとこの3天体を同時に眺めることが出来るという贅沢気分が味わえそうです!
この日の月はまだ下弦の前日なのでちょっと明るいですが、双眼鏡を使って見れば木星と土星の色の違いをはっきりと確かめられる良いチャンスになるので見逃せませんよ!

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☆ 5月 15日(金) 夜明け前の空で月と火星が接近!

一昨日の13日未明には土星の近くに見えていた月が15日未明には火星の隣にまで移動して並んだ様子が見られそうです。この時の月と火星の間隔は約5.5度くらいですのでこちらも双眼鏡で一緒に楽しめそうです。こちらも見やすい時間は3時頃になりそうです!
 また、火星も先月よりも少し地球との距離が近くなったためこの時の火星の明るさは0.2等と少し明るくなって来ています。そして明るくなって目立ってくるのがあの独特の赤っぽい色合いですね。 今回のような月と接近したときに双眼鏡などで火星を見ると普段よりもその星の色合いがわかりやすくなるので是非確かめてみて下さい!

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☆ 5月 22日(金) 夕方の西空で金星と水星が大接近!

5月も後半になってくると夕方の空に見えていた金星が段々と低くなってきているのがわかるようになってきます!そんな金星に22日夕方には水星が0.9度まで近付いた様子が見られそうです。まだちょっと空の明るさが残っている19時半頃に双眼鏡で金星を見れば左下に寄り添うような水星が見られるはずです。この頃の水星の明るさは-0.6等と割と明るいので沈んでしまう前に何とか肉眼でも見られるか試してみて下さい!
水星はこのあと6月4日に東方最大離角を迎えるのでこれ以降は来月上旬頃まで夕方の空で見やすくなってきます。23日以降は金星よりも高い位置で見ることが出来るようになってきますので金星と水星の位置関係がどんな風に変化していくのかぜひ追いかけて見て下さい!
意外と1日でも位置関係が大きく変わって行きますので!

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☆ 5月 24日(日) 夕方、西空の低空で細い月と金星、水星が集合!!

24日夕暮れの頃には西北西の空で少し低くなってきた金星が見つかります。そしてこの日には金星の左上には水星、さらに金星の左側に月齢1.7のかなり細い月がちょうど三角形の形に集まった様子が見られそうです。
金星と月の間隔も5度程なので双眼鏡を使えば3天体を一緒に見ることが出来るまたとない機会です!今回の接近した様子を眺めるには日暮れの時間も遅くなっていますのでなるべく早めの時間に双眼鏡で見つけるのが良さそうです。
それと少し暗くなってきた頃にも見ておきたいので西北西の方角がなるべく低い空まで開けた場所を予め確認しておいて下さい!金星と月の接近は夕方の空では今回がラストチャンスになってしまいますし、水星を見る良い機会です。
さらになかなか見られない細い二日月も金星が良い目印になってくれますのでまだそんな月を見たことがないよという方にもお奨めです。

またこの時期の金星は地球に接近してきているので見かけの大きさも55秒角とかなり大きくなってきています。
双眼鏡や小型望遠鏡でも月のように細く欠けてきている姿がわかりますので。
但し暗くなってきてからだと眩しさや瞳が開いてくると眼の乱視の影響も目立ってくるのでなるべく空が明るいうちに見ておくのがポイントになります。
もし見えたらどんな姿をしているのかをスケッチで是非記録しておいてみて下さい!

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☆ 5月 29日(金) 久し振りの月面Xが深夜に見られる!

今年はなかなか好条件で見られる月面Xの機会は昨年に比べると少ないようです。そんな中、29日深夜には久し振りに見ることが出来ますので望遠鏡をお持ちの方は是非月に向けてみて下さい!
但し今回は月面Xが見やすい時間帯が23時頃と予想されています。まだ上弦前の月なので23時には西の空でだいぶ低くなってしまうのでもう少し早めの時間から見ておくのがお奨めです。
月の欠け際の様子は数時間でも思った以上に影の出具合や光の当たり方が変化するので徐々に月面Xの形が浮かび上がっていく様子を追いかけてみるのも面白そうです。

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☆ 5月 30日(土) 5月で2度目の上弦が見られる!

5月には2度の上弦の月が見られると1日のところに書きましたが、その2回目が30日になります。満月の場合だと2度目の月はブルームーンなんて素敵な呼び名があるようですが・・上弦の時には特に無さそうです。
そんな上弦の月ですが欠け際の大きなクレーターなども双眼鏡で見やすい時期なので夕方暗くなった頃に是非眺めて見て下さい!
今回は上弦を迎えるのが12時半頃なので夕方の月はほぼきれいな半月となってみることが出来そうですので!

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<更新担当よりお詫び>
先月の星空案内をお届けできず申し訳ありませんでした。新型コロナウイルス対策の情報、職場での対応に振り回されていました。皆さま、自粛や休業の”要請”により仕事の変化や家に居る時間が長くなったり、気持ちが下を向いてしまいますよね。大丈夫でしょうか?こんなときこそ、星空、でした。しばらくトンネルの中でしたが、今月は空を見て過ごせたらいいなと思っています。
今後とも是非、お付き合い願えれば幸いです。