暑かった夏も過ぎてこれからは比較的過ごしやすい季節になってきますね。
夏から秋に向かう途中の季節なので時期によってはちょっと梅雨空のようになることもありますが、夜中や夜明け前などには夏場よりもすっきりした星空が見えて来る時期でもありますのでお天気予報をこまめにチェックして見上げてみて下さい!
特に夜明け前の空ではもう既に冬の星座たちも見えて来ています。
ちょっと季節を先取りして楽しむのもお奨めですよ!

そんな時、気をつけたいのが寒さ対策ですね。
夏の暑さに慣れていた身体には夜に少し気温が下がっただけでも意外と寒く感じることもありますので、ちょっとした上着などを用意しておくのが安心です。
くれぐれも星を見ていて風邪をひいてしまったということの無いようにご注意ください!

せっかくなのでこの夏の星との思い出をちょっと振り返ってみましょう!
皆さんはどんな星空との思い出ができたでしょうか??
印象に残っているものがあればぜひこちらのコメント欄にも書き込んでみて下さいね!

この夏なんといっても話題になったのは今年の大きな天文現象のひとつで8月12日前後の「ペルセウス座流星群」ですね!!
今回は割と明るめの流れ星の出現が多くここ最近では当たり年だったように感じました。
国立天文台のキャンペーンページには全国の皆さんから報告を集計してまとめた結果が公開されています。
http://www.nao.ac.jp/news/topics/2016/20160824-perseids.html
実際に皆さんが見られた結果とも比較してみて下さい!
また見られた方の感想などもぜひ参考にして今年の冬のふたご座流星群を見る時に役立てて下さい!

また8月後半では南の空で明るく目立つ火星と土星、そしてさそり座の1等星アンタレスで作る小さな三角形が注目を集めていました。
特に先月24日夜には火星とアンタレスが久々の大接近、そして土星と火星、アンタレスがほぼ一直線に並んで見えているなど目立った様子も楽しむことが出来ました。
今回の今年限定の夏の小三角は9月になってからもまだ形が逆になって少しずつ変化していく様子が楽しめますのでまたお天気の良さそうな夜に注目してみて下さい!
月末にはいて座付近まで離れて行くので星座の中を日毎に移動して行く様子もしばらく追いかけてみるのも面白そうです。

今年5月頃からしし座の中でしばらく楽しめていた木星も夕方の空で低くなって来ていて今月はもう見るのは難しくなってしまいました。
しばらくは見れなくなってしまいますが、来年春になるとおとめ座に移動した明るい木星の雄大な姿を観望会でも見ることが出来ますのでお楽しみに!

夏場はまだ西空のかなり低い空で目立たなかった宵の明星の金星はようやく今月くらいから少しずつ夕方の空で見やすくなってくるのでこちらも楽しみです。
でもこれくらいの時期だと時々UFOと見間違えて天文台などにも電話が相次ぐことがあるそうです。
そんな時には周りの方にもぜひ教えてあげて下さいね!
また、これからは月に1回くらい月と接近することがあるのでこちらも楽しみです。

環の大きく開いた今年の土星は夕方のまだ早い時間でしたらもうしばらくは楽しめそうです。

9月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
新月: 1日(木)
上弦: 9日(金)
満月:17日(土)
下弦:23日(金)

月明かりの無い夜が天の川や流れ星を楽しむのに適していますので目安にしてみて下さい!

毎月恒例の会津そらの会で開催している観望会ですが、今月は2回予定しております。
いつものようにリオンドール滝沢店で9日(金)、10日には七日町広場で開催となるキャンドルライブ会場の一角で開催予定です。ぜひお出かけ下さい!
今月も上弦の月と土星、火星等を中心に望遠鏡で見て頂く予定です。
参加の際には小さなLEDペンライトとスケッチブックかノート、筆記用具などを準備されると実際に観察した様子などを忘れないうちに記録できますのでぜひご用意ください!

もし万が一星が見えないお天気の場合には、9日は2階キッズコーナーにてこの夏注目となる星空の話題などのお話し会を開催予定です。(10日は、見えない場合には観望会はお休みです)
今年は珍しくお天気に恵まれて4月から8月まで連続5回で観望会を開催できています。
9月も晴天に恵まれると良いですね!

また観望会のすぐあとになりますが、11日(日)午後2時から会津出身の渡部潤一先生(国立天文台副台長)の講演会が開催されます。

会場・会津若松市文化センター文化ホール   申込み不要・入場無料 定員400名
演題・「会津と宇宙の深い関係~日新館天文台から小惑星AIZUまで」

今回も貴重なお話しが聞けると思いますのでぜひお出かけ下さい!

さらに24日(土)には場所が郡山になってしまうのですが「ボーイングSTEMプログラムinふくしま」という企画展(要申込み)が開催となるそうです。
詳しくはもう少し近くなってからお知らせしたいと思いますのでお楽しみに!
                                                    
そして時々チェックしておきたいのが大西卓哉宇宙飛行士が搭乗中の国際宇宙ステーションですね。
会津からの予報は以下のサイトから確認できます。
http://goo.gl/C4osxD
予報の中で黄色の日時が見やすい条件なので予め自宅付近で見やすい場所を選んで、さらにその場所での方角を確かめておいて捜してみて下さい!
条件が良ければ木星くらいの明るさになるので肉眼でも十分に見ることができます。
もし見れたらこちらにもぜひ様子などを書き込んでみて下さい!

毎月恒例の会津での9月の日の出、日の入り時刻を8月初めと比べてみると以下のようになりました。
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 月   日   日の出        日の入り    
8月  1日  4時 42分    18時 51分 
9月  1日  5時  8分    18時 12分     
9月 30日  5時 32分    17時 28分 
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今月22日には秋分の日を迎えますのでそれ以降は1日の中で夜の時間の方が長くなっていきます。
後半になると日の暮れるのが早くなったなあと感じられるかもしれませんが、仕事帰りなどにもちょっと夜空を眺められるようになってくるので楽しみですね。

それではそろそろ2016年9月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 9月 1日(木) 1日=新月 今月は珍しく旧暦と同じように!

9月は1日がちょうど新月なので今月は旧暦の頃と同じように日付と月の満ち欠けの形がそろっていきます。
昔から三日月や十五夜等という言葉が残っているように旧暦では月の満ち欠けを使ってカレンダーにしていたのですね。
新月の日を1日と決めて3日の夜に見えるのが三日月みたいな感じですね。
そうすると夜空に月が見えていればおおよそ今日は何日かってことがわかってしまうので便利だったわけですね。
また、大きなお祭りなどの時にも夜はなるべく月明かりのある頃の方がやりやすいのでその年の年間予定を組むのにも便利なわけです。
今のカレンダーは太陽と地球の位置関係をもとにして季節のずれが少なくなるように作られていますので月の満ち欠けとは全く無関係になってしまうのでわざわざ今日の月齢はいくつだったかなとか調べる必要があるわけですがカレンダーによっては毎日の月の満ち欠けの形まで載せてあるタイプも市販されていますので来年のカレンダーはぜひそんなタイプをひとつご用意ください!

今年は珍しく10月も同じように1日が新月なのでこの日付=月の形の関係は2ヶ月連続で楽しめそうです。
ぜひ夜空に月が見えたなら今日は何日だったのかを思い出して、この機会にそれぞれの日付の時の月の形をしっかりと覚えてみて下さい!

また、1日にはアフリカ方面で金環日食が起こっています。
日本から見れないのは残念ですが、もしかしたら現地からの映像が届くかもしれませんので期待しましょう!!

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☆ 9月 1日(木)~ 今年限定・・夏の小三角の変化にまだまだ注目ですよ!!

夏の代表的な星座のさそり座付近にはここしばらく火星と土星が見えていて、近くにあるさそり座の1等星アンタレスとでできる小さな三角形が目立っています。
8月24日には土星―火星―アンタレスがほぼ一直線に並んで、その後は火星が更に東へと日々少しずつ移動して行ってそれまでと反対向きに出来る小さな三角形の形が次第に変化していく様子はぜひ追いかけて行ってみたいものです。

お天気が良ければ同じレンズで毎回撮影しておくと変化の様子の良い記録となりそうです。
また、カメラが無くても小三角の形とさそり座の目立つ星並びとをいくつか加えてスケッチしておくという手法もお奨めです。
星座早見盤か本のさそり座付近を拡大コピーして、その夜の土星と火星の位置をプロットして記録というのも簡単ですが手軽にできそうですのでお試しください!

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☆ 9月 3日(土) 夕方の空で月齢2の月と金星の大接近!!

先月まではずっと西の低い空であまり目立たなかった金星ですが、3日夕方には月齢2の月と大接近となり見逃せないチャンスとなります。
今回の月と金星の間隔はわずかに1.3度!!と狭いことや月齢2のとても細い月と一緒に並んだ様子は双眼鏡や小型望遠鏡で素晴らしい眺めとなりそうです。

まだ明るさの残っている時間帯だとこんなに細い月はなかなか見つけにくいのですが・・今回はマイナス4等級のとても明るい金星がすぐそばにいるので双眼鏡があればすぐに見つけられそうです。

会津では18時半ぐらいから西のなるべく低い空まで見渡せるような場所で真西からほんの少し南寄りの空を捜してみて下さい!

こんな大接近は1日限りなのでできれば前もって今の時期に金星が見える場所と時間を確かめておくのが良さそうです。
地上の景色で金星の見える方向の近くに目立つものを見つけておくと簡単に捜せますよ!

また、今回はもし地平線付近まで雲などが無ければ双眼鏡でなら月と金星の右斜め下方向にぎりぎり木星も見えるかもしれませんのでこちらも捜してみて下さい!

このような月と金星との接近も1日だけで次の日になると月が東側に移動してしまうのでずっと離れてしまいます。
4日の日にもし晴れていたら月と金星が一晩でどれくらい離れたかもぜひ確かめてみて下さい!

 
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☆ 9月 8日(木) 月と土星、火星が並んで見える!!

8日夕方には南の空で月齢7の月と土星、そして火星が同じような間隔で(火星~土星間の方がちょっと広いけれど)ほぼ一直線に並んだ様子が見られそうです。
それぞれの距離はまるで違っていますが、地球から見た時にこんな風に並んで見えることの偶然をじっくりと見ておきたいものです。
今回の様子は空が暗くなり始めてくる19時前後が見やすいでしょう。

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☆ 9月 9日(金) 上弦&4星の集合 会津そらの会観望会 リオンドール滝沢店

1日前にはほぼ一直線上に並んでいたのが9日夜には夏の小三角の上に上弦の月が加わって4角形を作っている様子が楽しめそうです。
ちょうどそのタイミングで今月の観望会が開催となりますので晴れたら賑やかなさそり座の様子を楽しみながら望遠鏡でそれぞれの様子をさらに詳しく見て行くといった感じで楽しめそうです。
アンタレスと火星の赤さや明るさ比べもまだ興味深いですし、なんと言っても魅惑的な環を持つ土星の姿を見やすい今のうちにしっかりと記憶に焼き付けておいてもらえたらと思っております。
観望会は19時から21時までになる予定です。
雨天や曇天で見れない場合にはツタヤ2階のキッズコーナーで今の季節に見える星のお話などを1時間ほど開催いたしますのでお天気に関係なくお出かけ下さい!

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☆ 9月 10日(土) キャンドルライブ会場 観望会 18時~

このところ毎年恒例となっているキャンドル・ライブが今年は9月10日に開催となります。
 goo.gl/lO0bw8
今回は場所を七日町広場に移して、これまでよりもちょっとコンパクトな会場で行うことになりますので付近はちょっと混雑が予想されています。
観望会の開催時間は18時からでまだちょっと空が明るい時間帯は半月を中心に、空が暗くなってきた頃に火星や土星を望遠鏡でご覧頂く予定です。
こちらの観望会への参加は無料なのでお気軽にお出かけ下さい!

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☆ 9月 15日(木) 中秋の名月!

旧暦8月15日にあたる9月15日は中秋の名月を楽しむ日になります。
普段から忙しい生活を過ごされている方もすっかり秋を感じるこの時期ですので昔の人になった気分で美しい中秋の名月をゆっくりと眺めてみてはいかがでしょう??

会津での月の出は17時ちょっと前ですがまだまだ空が明るい時間帯なので中秋の名月をじっくりと楽しむには19時前後の時間がお奨めとなりそうです。
なお、15日の月齢は14.0で今年の中秋の名月はまだ満月前で少し欠けた状態です。
もし庭などでお月見をされる場合には是非家の明かりを消して月明かりを感じてみて下さい!!

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☆ 9月 17日(土) 満月&未明の半影月食!!

中秋の名月から2日後の夜明け前には満月を迎える月が地球の影に隠される半影月食が起こります。
欠け始めが深夜1時53分、最も深く影の中に入るのが3時54分、そして5時56分に終了となります。
いつもなら半影月食ということなので普段なら食が最も深くなる4時前の頃が狙い目となるはずですが、今回は月の高度が段々と低くなってしまいますので出来れば3時頃から見てみて、月の右上付近が少し薄暗くなっているかどうかを確かめてみて下さい!!
肉眼ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、双眼鏡を使って月を眺めてみると薄暗い部分が比較的わかりやすくなるでしょう。

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☆ 9月 21日(水) 深夜の星食@ヒアデス星団!!

21日の深夜~22日にかけておうし座のヒアデス星団付近を月齢20.3の月が通過していく様子がみられそうです。
注目は明るさ3.7等星のおうし座γ星で会津付近では23時25分頃に月の東側から月に隠されて、0時23分頃に再び月の夜の部分から姿を見せるようです。
明るい月のそばでの現象なのでなるべく双眼鏡が、もし可能ならば望遠鏡での観察がお奨めです。

今回はヒアデス星団の中を月が通過して行くような現象なので夜明け頃までの間で周囲に見える小さな星たちとの位置関係が次第に変わっていく様子もまた楽しめそうです。

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☆ 9月 23日(金) 18時56分 下弦の月!

 今月は23日の夕方に下弦となるようです。
 でもその時間帯にはまだ月は見れませんのでその前の22日か23日の夜明け前、ちょっと早起きしてほぼ半分の形になっている月の姿をぜひご覧ください!

 双眼鏡や小型望遠鏡でも大きなクレーターの見え方などが同じ半月でも上弦の月の時とずいぶん違っている様子もこの機会に確かめてみてください!

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☆ 9月 29日(木) 未明の空での月と水星の接近!!

29日に西方最大離隔を迎える水星が夜明け前の空で月齢27.4の細くなった月と6度くらいまで接近する様子が見られそうです。

今月22日頃から夜明け前の空で比較的見やすくなってきている水星はほぼ真東の空でしし座のおなかの下付近に4時半頃には見え始めています。
なるべく東の地平線付近まで見渡せるような場所で双眼鏡で捜してみて下さい!!
今回の水星は夜明け前の高度が今年では最も高くなるチャンスですのでこの機会に早起きしてぜひ見てみて下さい!
水星はこのあと10月6日頃まで見やすい状態(水星としては)が続きますのでお天気の良さそうな日に何度か見てみて下さい!!

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