星空案内の前に、声を大にしてお知らせしたい。
12月3日、いよいよ「はやぶさ2」が地球スイングバイの予定です!
地球最接近は19時8分7秒!
画像提供 今井智大様
日本上空を正午ごろに距離約14万kmで通過、19時8分ごろ太平洋上空で地球スイングバイを行う際は距離なんと
JAXAはやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/
東京基準で18時45分ごろ北極星の近くを通過するような軌道だそう。観測情報はこちら
日本惑星協会
http://planetary.jp/
お知らせが間近になり大変申し訳ありませんが、一人でも多くの方にこの情報が届くことを願って・・。
夕方18時のニュースはテレビユー福島さんほかで取り扱いがあると思います。慌ただしい時間帯ですが、テレビはつけたままで!
また会津地域の皆様へ、当会の活動情報をお知らせします。
会津若松市神明通りのレオクラブガーデンスクエア3階(TUTAYA上階)で「はやぶさ2」応援展示を開始しました。
約1ヶ月間、10時から18時無料でご覧いただけます。是非見にいらしてくださいね!
お待たせしました。それでは12月の星空案内をご覧ください!
今年も とうとう残り1ヶ月となり、師走の慌ただしい中で過ごしていると、いつのまにかもうすぐ年末??となってしまうかもしれません。
今年1年にはどんな星空との思い出があったでしょうか??
そんなことも振り返りながら12月の天文現象をチェックしてみると、なんといってもやはりふたご座流星群が注目されます。
寒さの厳しい時期ですが、今年は月の影響も殆ど無く、日本時間でまだ夜明け前にピークを迎える等ほぼ最良の条件で楽しめそうです。
唯一気になるのはやはりお天気ですがやはり今年1年の大きな天文現象の締めくくりとして見逃せませんよ!
場合によっては週間天気予報などでチェックして、ちょっと遠征して見るというのも十分に出かける価値はありそうです!!
暗くなってくると東の空から賑やかな冬の星座たちが姿を見せてくれます。
寒い時期ですが、星の輝きがとっても美しく感じられる季節なので、しっかりと寒さ対策をして星空を楽しんでみて下さい!
また、クリスマスの頃には夕方暗くなった頃にはまだ白鳥座が西の低い空に見えていて、北十字と呼ばれる巨大な十字架が西の山に立っているように見える様子もこの時期ならではのものです。
また、夏の大三角が西の空に低くなって隠れてしまうタイミングと東の空から冬の大三角が昇ってくる時、はたして「夏と冬の大三角が同時に夜空に見えるのか??」ということもぜひ今年の冬に確かめてみて下さい!!
(大三角の星がどれかひとつでも沈んで見えなくなってしまうと同時には見えていないことになります)
そして私たち「会津そらの会」が最も注目しているのが12月3日夜に予定されているはやぶさ2の地球スイングバイです!!
小惑星「Ryugu」に向かう軌道へと一気に加速して向かうはやぶさ2を、みんなで応援して行きましょう!
JAXAのサイトでは皆さんからのはやぶさ2応援メッセージ募集を行っておりますのではやぶさ2のこれからのミッションの成功を祈念して素敵な応援メッセージを送ってみて下さい!!
http://fanfun.jaxa.jp/odai/detail/6016.html
はやぶさ2のツイッターも日々更新されていますので忘れずにチェックしてみて下さい!
https://goo.gl/BYHsO8
今月は続けて7日には金星探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入再チャレンジが行われます。
こちらもぜひ忘れずにチェックしてみて下さい!
http://goo.gl/Rd411T
また、国際宇宙ステーションにて5か月にも及ぶ長期滞在中の油井宇宙飛行士の地球帰還も今月11日に予定されています。
それまでに国際宇宙ステーションがいつ見えるのか予報をチェックして上空を通過して行く様子を見上げながら油井宇宙飛行士を応援して下さい!!
http://goo.gl/Xc3Dxw
今月もいつものように会津での12月の日の出、日の入り時刻を11月初めと比べてみると以下のようになりました。
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月 日 日の出 日の入り
11月 1日 6時 01分 16時 46分
12月 1日 6時 32分 16時 25分
12月 22日 6時 48分 16時 29分 ※ 冬至
12月 31日 6時 51分 16時 34分
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今月は22日に冬至を迎えます。
1年でもっとも昼の時間が短いこの時期ですが、「夜が長くなって星が見られる時間が長い」という風に前向きに捉えれば楽しみも増えそうです。
冬至の時には会津では昼の時間と夜の時間が一体どれくらいになっているのかを計算してみて下さい!
その差が意外と大きいことにちょっとびっくりされるかもしれませんよ!
それではそろそろ12月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 12月 3日(木) 夕方、はやぶさ2の地球スイングバイ!
昨年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられたはやぶさ2は地球の後方を飛行しながら地球スイングバイに備えた軌道を順調に航行中です。
ちょうど1年後となる今月3日夜には再び地球のそばを通り抜けながら小惑星「Ryugu」に向けた軌道変更と速度アップを行う地球スイングバイを決行する予定です。
地球からの距離は地上から3,100kmとのことですがこの数値を見て皆さんどんなイメージを持たれるでしょうか??
数値だけを見れば意外と大きいので遠くを通過して行くように感じるかもしれませんが・・地球の大きさからすれば直径の約1/4程のところを通過することになるわけです。
皆さんの家などにある適当なボールなどを地球に見立てて直径の1/4くらいのところがどれくらい離れた場所なのかを確かめてみて下さい!!
思ったよりも近くを通過していく事がわかるかと思います。
また、はやぶさ2が地球に最接近する時刻は日本時間で19時7分ごろになると予想されていますが、この時には太平洋の上空付近を通過して行くようです。
日本からだと18時45付近には北極星付近を通過して行くそうなので、眼では見えませんが夜空に向かってぜひはやぶさ2が無事に「Ryugu」へ向かえるように皆さんも応援してあげて下さい!
この日のニュースなどでも話題になるはずなのでもし見かけたらじっくりと見てみて下さいね!
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☆ 12月 4日(金) 明け方の空で木星と下弦過ぎの月が接近!!
夜明け前の5時頃、早起きして東の空を眺めてみると明るい金星、そしてしし座には木星がとても目立って見えています。
先月に比べて木星も日毎にちょっとずつ早く昇ってきているので金星との距離もだいぶ離れてしまいましたが・・今の時期の方が上から木星、火星、金星と並んだ様子もなかなかのものです。
そんな中、4日未明には下弦を過ぎた月が木星のお隣に並んで見える様子が見られそうです。
今回の両者の間隔は4.7度程なので普通の双眼鏡なら楽に一緒に眺められるほどになります。
月はこの後1日毎に移動して行って火星や金星の横を通り過ぎていって11日に新月を迎えます。
明るい惑星と並んだ様子は意外に目を引きますのでぜひ早起きしてそんな様子も追いかけてみて下さい!
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☆ 12月 5日(土) 明け方の空で金星の近くにカタリナ彗星が見えてくる!!
このところしばらくは明るいほうき星はなかなか出現してくれなかったのですが・・今から2年ほど前に発見されたカタリナ彗星が明け方の空に5等級の明るさで見えてきそうです。
5等級の彗星で、しかも東の低い空だと最初はなかなか見つけるのに時間がかかりそうですが・・今回は5日前後には近くに明けの明星の金星があるので比較的簡単に探すことが出来そうです。
この時期にはまだ明け方の空に月はあるものの日毎に細くなってきて影響もさほど無くなってくるのでこの頃からが比較的見やすいチャンスになりそうです。
カタリナ彗星の明るさは5等級と予想されているので肉眼ではちょっと厳しいのでやはり8倍40mmクラスの少し口径の大きめの双眼鏡があると見やすくなりそうです。
夜明け前の4時半頃、最初に金星を見つけたら金星の左斜め下に6.5度程離れた付近に双眼鏡を向けて見て下さい!
実視界が7度ある双眼鏡ならぎりぎりですが一緒に入るはずです。
もしカタリナ彗星が見つかったら視野の中で少し視線をそらすようにして見てみると意外と見やすくなりますのでお試しください!
もしかしたら淡い尾が右斜め上方向に少し延びているかもしれませんね。
なかなか予想通りにならないのがほうき星の難しさであり、また楽しみでもあります。
いったいどんな姿を見せてくれるか今からわくわくしています。
このあとカタリナ彗星は金星に対して少しずつ高度が上がって8日明け方には両者の間隔は4.3度程まで接近するようです。(この時には月と金星とカタリナ彗星が双眼鏡で一緒に見れそうです)
そのあとも11日くらいまでは金星の左上方向に7度以内の距離にありますのでまだ見つけられるチャンスは続きます!!
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☆ 12月 6日(日) 明け方の空で火星と月の接近!
4日の月と木星接近に続いて、6日未明には月齢24の月と火星が2.5度くらいまで接近します。
火星はまだ地球から遠く離れているので明るさも1.5等級とさほど明るくはありませんが双眼鏡で眺めてみると独特の赤い色合いははっきりわかるはずです。
さらに今回のような月と並ぶときに一緒に眺めるとその赤っぽい色が普段よりも更に強調されて見えるようです。
あまり派手さはありませんが、来年に再び地球接近となる火星の姿を今のうちに見てみて下さい!
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☆ 12月 7日(月) 金星探査機 あかつきの再挑戦!
2010年12月7日、金星探査機「あかつき」は金星周回軌道への投入に失敗してしまいましたが・・・あれから5年が過ぎてここにきてようやく再チャレンジのタイミングがやってきました。
今度がラストチャンスになりますが無事に金星を回る軌道に入れるように皆さんも応援しながらあかつきを見守ってあげて下さい!
7日明け方には早起きして金星を見ながらすぐ近くにいるはずの「あかつき」を応援して下さいね!
金星探査機「あかつき」についてはJAXAのサイトをご覧ください!
http://goo.gl/FgwVJ2
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☆ 12月 8日(火) 明け方の空で金星と細い月の接近!
夜明け前の空にて明けの明星の金星と月齢26の細くなってきた月が並んだ様子が見られそうです。
お奨めの時間は5時前後でしょうか?
眩しいほどに輝く金星と細くなってやさしい光を放つ月が並んだ様子はとても素敵な景色となって眺められそうでとても楽しみです。
また、今回は月と金星の並んだ場所のすぐ左側には5等級のカタリナ彗星も見えているはずです。
実視界が7度くらいの双眼鏡なら金星、月、カタリナ彗星まで一緒に見ることができます。
このときカタリナ彗星が実際にどれくらいの明るさになっているかぜひ確かめてみて下さい。
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☆ 12月 14日(月) ふたご座流星群の極大の夜!!
三大流星群のひとつでもあり、今年最も期待できるのが14日夜から15日未明にかけてピークを迎える
ふたご座流星群です。
12月半ばと本格的な寒さを迎える時期ですが月も早い時間に沈んでしまうので月明かりも全く気にせずに一晩中流れ星を楽しめる等、ここ数年の中ではほぼ最高の条件で見られそうです。
数が多くなる夜半過ぎなら街明りの影響などがなければ1時間に50個くらい見えるのではないかと期待されています。
ふたご座流星群の場合には流星のもとになる粒が地球にぶつかってくる速度は夏のペルセウス座流星群の場合よりもずっと遅いので見え方も「シュッ」ではなくてどちらかというと「スーッ」と流れて行くように感じられると思います。
今回のふたご座流星群は流れてきた方向を逆に伸ばしていくとふたご座のα星カストルの近くになるのが特徴です。
流れ星をたくさん見るにはふたご座付近だけでなくなるべく空全体を広く眺めていることがコツになります。
なのでなるべく視界に邪魔な建物や木などが無い場所を選んで低い空まで見渡せる場所に寝転んで眺めるのがお奨めになります。
もちろん夜なのでひとりでなくご家族などで一緒に見に行くなど、くれぐれも安全面に考慮して場所を選んでください!
念のため明るいライトや防犯ブザー等もあると良いかもしれません。
また、寒い時期なので体が冷え切ってしまわないうちに時々休憩したり、温かい飲み物などを準備して流れ星を楽しんでみて下さい!!
ふたご座流星群はピークの日を過ぎても20日頃までは徐々に数は減るもののまだ見られるチャンスはありますので極大日のあともお天気が良ければまた眺めてみて下さい!
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☆ 12月 16日(水) 夕方の西空でやぎ座λ星が月に隠される!!
16日夜、19時38分頃にやぎ座のλ星(5.6等星)が月齢5の月に隠される現象が見られそうです。
やぎ座λ星が月に隠されるのは月の影になっている左側ですが、このくらいの月齢なら透明度が良ければ影の部分も地球照でうっすらと見えているので時間とともにじわじわと接近して行って、最後にスッと消えて行く様子が見られるでしょう。
隠れる時の月の高度は18度とちょっと低くなっているので西南西の方角で低い空まで見える場所がおすすめとなります。
今回は星がちょっと暗いので双眼鏡か望遠鏡が必要になります。
双眼鏡でもなるべく三脚に固定しておいた方が見やすいでしょう。
再び星が月の左下から姿を見せるのは20時11分頃になるはずですが、この頃だと月の高さも10度ちょっとと低いので出現が見られるかどうかは当日の空の状態次第となりそうです。
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☆ 12月 18日(金) 今年最後の月面X!
月の欠け際には望遠鏡で見てみると無数と言ってよいほどの大小さまざまなクレーターがあります。
これらのクレーターは月が誕生して以来数十億年の間に月面へ隕石などが衝突して作られたと考えられています。
そんなクレーターの縁に太陽の光が当たって一時的にアルファベットの「X」の形に見えるのが月面Xと呼ばれる現象です。
位置は半月の下(南)から1/3付近の欠け際に見えるようです。
太陽の光が斜めから差し込んでクレーターの縁だけに光が当たっている時間帯だけに見える現象なので、ちゃんとXの形になって見えているのはほぼ1時間前後、しかも今年もチャンスは数回ほどありましたが・・まだ明るい昼の時間帯だったり月が昇っていなかったりなどで意外とチャンスは少なくて・・日本から見やすい時間帯に月面Xが見られるのは今年では今回が最も好条件のようです。
18日の月は月齢7で上弦の月の少し手前になります。
お奨め時刻は18時30分頃を中心として前後30分ほどになるようです。
15倍組立望遠鏡でもきちんと三脚に固定してピントをきちんと合わせてあげれば見えるはずなのでお持ちの方はぜひ望遠鏡を向けて見て下さい!
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☆ 12月 22日(火) 冬至!!
22日には冬至を迎えます。
1年で最も昼の時間が短いことというのは良く知られていますが、冬至にはもう一つ最も南寄りから太陽が昇って南寄りに沈むことになります。
会津での冬至の日の日の出時刻は6時48分頃なので皆さんの家の付近から見てどの付近から太陽が昇ってくるのかをぜひ確かめてみて下さい!
そして時間があれば夕方の日没の場所も確かめてみましょう!
会津での日没時刻は16時29分頃になります。
日の出と日の入りの場所を地上の目印になるような木や建物などと一緒に簡単にスケッチしてみて下さい。
方位磁石があればその時の方位も一緒に書き込んでおくと良さそうです。
このスケッチを次の春分や夏至の時と比較してみると1年間の日の出の位置がどれくらい変わっていくのかを確かめることができます。
少なくても半年がかりの観察になりますので是非今回の冬至に記録してみて下さい!
もしお天気が悪くても日の出の方角は数日間ならそれほど変化しませんから諦めないで別の日にチャレンジしてみて下さい!
くれぐれも太陽をじっと見つめ過ぎないように気を付けて観察して下さいね!
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☆ 12月 25日(金) 満月!
2015年最後の満月は25日夜の20時11分になります。
お天気が良ければこの満月になる時刻に双眼鏡や望遠鏡などでゆっくり眺めてみて下さい!
また、満月が東の空から昇ってくるのは16時半頃なので仕事帰り等で17時過ぎ頃、低い空に見える月の姿もチャンスがあれば眺めてみて下さい!
その時、月の中に見える模様はどんな形に見えるでしょうか??
日本では餅つきうさぎの姿が一般には知られていますが・・先入観を捨てて眺めて見るのも時には良いかもしれませんね。
(M・T)