starchart201510
画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/

今年の9月は台風や大雨などの影響も含めて例年になくお天気が悪い日が続いてしまい、きれいな星空が見られる日が数えるほどしか無かったようなお天気でした。
10月に入って本格的な秋を迎えて、安定したお天気になってくれることを祈っています。

夕方の空では土星もすぐに沈んでしまうようになってしまいましたが、みずがめ座には海王星が、そしてうお座には天王星が見頃を迎えて来ています。
肉眼で見るには難しいので連休等を利用して天文台などに出かけて大きな望遠鏡で眺めてみて下さい!
どちらも遠い惑星ですが、大きな天体望遠鏡なら天王星と海王星の独特の美しい色を確かめることができるはずです!

10月は13日に新月を迎え、その前後では夜空がすっかり暗くなった頃の時間には天の川の流れている夏の大三角がまだ空の真上付近に見えています。
夜空が澄んだ秋の季節では天の川が高い空の夏の大三角を通り過ぎてカシオペヤ座やペルセウス座等・・北西の地平線付近へずっと連なって流れている様子もぜひ確かめてみて下さい!

そして秋の星座たちも見やすい時期になってきました。
明るい星は少ないので見た目にはちょっと寂しい雰囲気もありますが街場から離れた場所でならエチオピア王国の神話に登場する星座たちが勢ぞろいしています。
秋の星座がちょっとわかりにくいかな??と思っている方は最初に福島か郡山等のプラネタリウムで一度星空の様子を確かめてから出かけてみると一層楽しめそうです。

この時期、夜明け前の東の空では明けの明星の金星がだいぶ高い空で見えるようになってきています。
近くには火星と木星、そして中旬ごろにはさらに水星も加わって賑やかな様子が楽しめそうです。

また、日本人宇宙飛行士の油井亀美也(ゆい きみや)さんが先月から長期滞在中の国際宇宙ステーションも引き続き注目してみて下さい!!
もし見られましたら地上からも油井宇宙飛行士の姿を思い出して応援して頂ければと思います。
会津若松市からの予報は下記のサイトから見られますのでブックマークに登録しておいて時々チェックしてみて下さい!

http://goo.gl/Xc3Dxw

今月もいつものように会津での10月の日の出、日の入り時刻を9月初めと比べてみると以下のようになりました。
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   月   日    日の出      日の入り
  9月  1日  5時 07分   18時 13分
 10月  1日  5時 32分   17時 27分
 10月 31日  6時 00分   16時 47分
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先月21日が秋分の日でしたが、こちらの表を見てみると10月になると夕暮れの時間もずいぶんと早くなってくることがわかります。 
時間があればそれぞれの昼の時間と夜の時間を計算してみると面白そうですね。
お天気が良ければ仕事帰りのちょっとした待ち時間に星をちょっと眺めて見る・・そんなひと時も楽しみたいものです。
見上げる時には「安全な場所で立ち止まって」をお忘れなく!!
くれぐれも宙を眺めながら歩いて躓いたりしないように気をつけてくださいね!

それではそろそろ10月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 10月 2日(金) 月に隠された1等星アルデバランの出現!

会津では2日夜、21時18分頃に東の低い空で月齢19の月に隠されていたおうし座の1等星アルデバランが出現する様子が見られそうです。
もっと月の出が早い地域ではアルデバランが月に隠される様子も見られるようですが・・会津からはまだ月がぎりぎり昇る前の時間のようです。

アルデバランが出現する時での月の高度はまだ約7度と低いのですが、月の欠けた上側から急に明るい星が見えてくる様子はめったに見られない出来事です。
今回の現象では月が明るいので見るには双眼鏡がお奨めですね。
倍率15倍の組み立て式望遠鏡でも三脚にきちんと固定してあればとても見やすいでしょう!

アルデバランが出現した後も月のそばに明るい星が見えている様子や時間とともにちょっとずつ月が動いて離れていく様子も見ておきましょう!
アルデバランは肉眼でも赤っぽく輝く色がわかりやすい1等星ですが、月と一緒に見ると普段よりも色合いが強めに感じられると言いますのでそうした点も確認してみて下さい!

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☆10月 9日(金) 明け方の空で月と金星が大接近!!

今月の見逃せない天文現象のひとつが9日未明の東の空で見られる月と金星の接近ですね!
金星は明けの明星として先月くらいから夜明け前の低い空で見えて来ていましたが、先月半ばからは日毎に高く見えるようになってきています。
この頃ですと3時には東の空で10度くらいの高さで見えています。
その明るい金星が9日未明には月齢26の細くなった月とわずか1度くらいまで接近します。
昨年から今年の夕方の空で何度か見られた月と金星の接近では毎回ちょっと離れて・・みたいなことが多かった印象がありました。
ですので今回は久々の大接近になるのでぜひご家族で早起きしてご覧ください!
当日起きて金星がどこに見えるか慌てて探すことの無いように数日前に下見をしておくこともお奨めですね。

また、月と金星が接近した様子はデジカメで撮影しておくと良い記録にもなります。
少し空が明るくなってきた頃だとコンパクトデジカメのオートモードでも撮影しやすくなるのでお奨めです。

4時頃になれば金星の少し下にはしし座の中で赤っぽい火星とマイナス1.7等級も見えてきますのでこちらも見ておいてください!

また、今の時期は金星がマイナス4.5等級と明るくなっていますので夜明けの後でも月のそばで徐々に離れていく様子も楽しめます。
今回は月が金星を見つける時の良い目印になってくれますので金星が何時頃まで見えているか確かめてみて下さい!!
位置確認用に双眼鏡があると見つけやすくなりますね!

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☆ 10月 9日(金)夕方の空で10月りゅう座流星群!

ジャコビニ流星群とも呼ばれていて過去には何度か大出現を見せてくれた流星群が9日昼過ぎ頃にピークとなるようです。
普段の年だと1時間に数個の出現なので流星群という感じにはなりませんが、ゆっくり流れてふわっと消えていく様子が印象的です。
夕方暗くなった頃から夜半くらいまでが狙い目となりそうです。
ちょうど月明かりも無い時期なのでゆっくりと秋の星空を楽しみながら、運が良ければ流れ星も見れるくらいの気持ちで眺めてみて下さい!

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☆ 10月 10日(土) 明け方の空で月・木星・火星が接近!

前日に金星と月の接近がありましたが、1日後の10日未明には1段細くなった月齢26.5の月と木星、そして火星が三角に並んだ様子は視界の広い双眼鏡なら一緒に見ることができるほどに接近します!!
火星はまだ地球からの距離も遠いので1.8等級と木星に比べてまだ小さな印象でしょうけれど・・独特の赤っぽい色合いが特徴なのでぜひ一緒に見てあげて下さい!

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☆ 10月 11日(日)明け方の低空で月と水星の接近!

11日の夜明け前には月齢27.5のかなり細くなった月と低い空で0.5等級でポツンと輝く水星が上下に並んだ様子が見られそうです。
両者の間隔は6.5度くらいなので視界の広い双眼鏡でしたら月をぎりぎり視野の上に入れてあれば下の方に水星が入ってくるくらいです。
水星はまだかなり低い空なのでほぼ真東の方角で4時半くらいから見えるかどうか捜してみて下さい!
こちらも双眼鏡があると見つけやすいでしょう!
なかなか見れない明け方の細くなった月の様子にも注目ですね!
   
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☆ 10月 18日(日)夜明け前の東天で木星と火星が大接近!

 10日には月との接近がありましたが、こちらは惑星同士での接近になります。
 火星がまだちょっと暗めなのでまだそんなに目立つほどではありませんが、火星と木星の間隔は18日には僅か0.5度までの大接近となります。
 こちらも双眼鏡で、できれば望遠鏡で見ておきたいものです。

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☆ 10月22日(木) オリオン座流星群が極大!

 オリオン座流星群はあの有名なハレー彗星が起源の流星群で22日前後にピークを迎えそうです。
 月明かりが無ければ平年で1時間当たり10数個の出現なのでふたご座流星群などと比べると数は少ないですが・・時々明るい流れ星が出現することや明るい流れ星が消えた後にも雲のような痕が残ったりすることがあるのでやはり見逃せません!
 見頃の時間はオリオン座とふたご座の境界付近にある放射点がある程度高くなってくる23時以降から明け方が狙い目となります。
 今年は前日が上弦の月なので夜中過ぎには月も沈んでしまうので夜明けまでは月明かりに邪魔されないで流星群を見ることが出来そうです。
しっかりと防寒対策をして冬の星座たちと一緒に流星群を楽しんで下さい!!

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☆ 10月23日(金) 会津そらの会観望会 「月齢10の月を見てみよう!!」

23日には会津そらの会で毎月行っている「星を見る会」をいつものリオンドール滝沢店駐車場で開催予定です。
今回もメインは月齢10の月を中心に見て頂く予定です!
大きな望遠鏡では大小様々な大きさのクレーターが無数にある月面の不思議な地形を大迫力で楽しんで頂けそうです。
また、お天気が良ければまだ高い空で見えている夏の大三角の付近から選んでいくつか天体を見て頂くこともありますのでぜひお出かけ下さい!
いくつか望遠鏡を準備する予定なので見え方を比べてみるのも面白そうです。
小さなお子さんも大歓迎なので大人の方と一緒に寒くない準備をしてぜひお出かけ下さい!

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 ☆ 10月 25日(日) 十三夜のお月見!

 25日には日本で昔から伝統となっている十三夜のお月見です。
 ちょっと欠けた形が似ているからか?栗名月とも呼ばれます。
 10月後半になり深まる秋を感じながらご家族そろってゆっくりとお月見をされるのも良いですね。
 今年はちょうど日曜日になっていることですし昔のようにススキを飾ったりお団子をお供えしながらお月見を楽しんでみて下さい!

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☆ 10月 26日(月) 明け方の空で金星が西方最大離隔を迎える!

明けの明星として美しい輝きを放っている金星が26日に太陽から最も西側に離れて見える西方最大離隔を迎えます。
金星の軌道は地球の内側を回っているので地球から見た金星は見かけ上太陽からは最大でも約46.5度くらいまでしか離れることがありません。
その日が26日になり、太陽から西側に離れた分早く昇ってきて夜明け前に東の空で見える高さも高く見やすい時期になります。
この日に金星が東の空から昇ってくるのは会津ですと2時9分頃になります。

これ以降、明け方の空で見える金星の高さは少しずつ下がってきますが今年はまだまだ年末頃まで見ることができますのでご心配なく!
 また、金星が夜明け前に見える方角も少しずつ南寄りになっていく様子にもぜひ注目してみて下さい!

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 ☆ 10月26日(月) 夜明け前の空で金星と木星が再び大接近!!
  
夕方の空で6月末から7月初めにかけて接近していた金星と木星が26日の夜明け前の空で再び大接近した様子が見られそうです。
金星がマイナス4.4等、木星がマイナス1.8等と明るい2つの惑星が1度くらいまで接近して並ぶ様子は、想像しただけで見事な眺めになってくれそうです。
この大接近の様子はぜひ双眼鏡や望遠鏡でも眺めておきたいところです。
お持ちの方はぜひお試しください!

また、7月1日の大接近の時にはお天気が悪く見れなかった方も多いと思いますので今回がリベンジということでぜひお見逃しなく!
最接近のこの日だけでなく、数日前から見ておけば1日毎に接近して行く様子も楽しめそうなのでそうした様子もぜひ見ておいてください!

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 ☆ 10月 26日(月) 満月前の月の上に天王星が接近!

 明るい時でも約6等星の天王星は肉眼では限界ギリギリの明るさですし、双眼鏡や望遠鏡を使えば見ることができても普段はなかなかどこにあるのかを捜すだけで大変ですが・・26日にはタイミングよく月の近くにやってきているので月を目印に見つけることが出来そうです。
 月と天王星の位置関係は時間とともに変化しますが20時頃ですとほぼ月の真上1.6度程の距離にあって見つけやすいでしょう!
 26日は満月の1日前になりますので天王星を見るには双眼鏡か望遠鏡は必要になります。
 この日、月の少し上には天王星と同じくらいの星が1個あって、その距離の約2倍ほど離れたところにあるのが天王星になります。
 望遠鏡でも小さく見える天王星ですが実際には地球の4倍もの大きさがある巨大な惑星です。
 そして天王星の光が地球に届くまでには約2時間40分もの長い時間がかかります。
 小さな光の天王星を見つけたら・・そんなことも思い出しながら見てみて下さいね!

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☆ 10月 27日(火) 満月&準スーパームーン?

20150927中秋の名月
画像は、先月の月の様子です。

9月の満月ではスーパームーンとしてだいぶ話題になりましたが・・実は10月27日の満月もそれに次ぐ大きな満月として楽しめそうです。
9月のスーパームーンをもし撮影されていれば27日夜にも撮影して、パソコンに画像を取り込んで並べて比較してみてください!!
27日の満月時刻は21時5分になるのでこの頃に見られるのがお奨めでしょう!

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