201506starchart
画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp
月初めは午後9時頃、15日の午後8時頃、月末は午後7時頃に南に向かって見上げた星空です。

今年もまた6月を迎えました。
 
 6月には夕方の空で明るく輝いて見える宵の明星の金星と木星は7月1日の最接近に向けてちょっとずつ接近して行く様子を見守ってあげて下さい!
 夕空にまだ明るさが残っている時間帯ですとコンパクトデジカメでも撮影できたりしますのでお試しください!
 また、手をいっぱいに伸ばして、金星と木星の間隔がその日どれくらいになっているのかを、握りこぶしや手の幅、指の幅などを使って測っておくのも良さそうです。
 お子さんと一緒にそんな様子を地上の景色と一緒にスケッチしておくと良い記録になりそうですね。

 ところで、星の好きな方には6月は梅雨の季節ということで、毎年のことながらなかなか星が見れない憂鬱な季節のように感じてしまわれる方も多いかもしれませんが、梅雨の時期ならではの過ごし方も覚えておくと良いかもしれませんね。
 東北南部での梅雨入りの時期は平年ですと6月12日頃のようですが、昨年はちょっと早めの5日頃には既に梅雨入りとなっていたようです。
 ただ、今年の沖縄や奄美地方での梅雨入りは平年に比べて10日前後遅れているみたいなので、もしかしたらこちらでもいつもの年よりも多少梅雨入りが遅れるかもしれませんね。
(今年の沖縄では既に5月20日頃に梅雨入りとなっています)

 なので、6月に入ってもすぐに梅雨入りするわけではないので、なるべく梅雨入り前の晴れた夜に星空をしっかり楽しんでおくのも良さそうです。
 また、たまにやってくる梅雨の晴れ間には長く雨が続いたことで上空の塵などが少なくなったおかげで意外なほどに美しい星空が見られることもあります。
 すっきりと晴れた日でなくても雲間から星がちょっとでも見えたなら双眼鏡などで眺めてみて下さい!
 いつもの時期より小さな星たちまで星の輝きが一段と美しく輝いている様子を楽しむことができますので!

 他にはこの時期にプラネタリウムへ出かけて見るのもお奨めですね。
 今年の夏にはどんな星空が見えているのかを予め知っておくことで梅雨が明けてからの星空を見る楽しみがまた増えてくれることでしょう!
 そしてそして、ついに来月に迫ってきました
7月19日(日)会津大学で「HAYABUSA2」上映と作品の監督である上坂浩光さんの講演、会津大学 寺薗淳也先生のトークを開催!
会津そらの会主催のイベントは、毎回手弁当で地域の皆様に宇宙を身近に感じていただきたいと願って行っているものです。
小惑星探査機はやぶさ2は、昨年12月3日に打ち上げられ、現在地球の軌道近くを進みながら、スピードを蓄えているところ。
今年の12月3日には地球に再度近づき、小惑星への進路へ進みます。ワクワクをご一緒に感じましょう!

 それではそろそろ6月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 6月 2日(火) 金星とふたご座の2つ星が並んで見える!

 先月はふたご座の中で明るく見えていた金星が、2日夕方にはふたご座の頭のところで輝いているポルックスとカストルとほぼ水平に同じような間隔で並んだ様子が見られそうです。
 ふたご座の1等星ポルックスは冬の星座の1等星達の中では一番最後まで見えている星でもありますのでこの機会にまた見ておくのも良さそうです。
 カストルとポルックスはギリシャ神話ではふたご座の兄弟の名前とされていますが、左側に見える弟のポルックスが1等星(1.2等級)、右側のお兄さんカストルがギリギリのところで2等星(1.6等級)となっていますので双眼鏡をお持ちでしたら明るさの違いや星の色の違いを確かめてみて下さい!
 ちなみにこの時期の金星はマイナス4,3等級なのでポルックスを100個分集めたような明るさで輝いているはずですので、そんなこともちょっと思いながら眺めてみて下さい!!

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☆ 6月 3日(水) 満月

 会津での月の出は東南東の方角からで19時18分頃になるようです。
 月が昇るのもまだ空の明るい時間帯ですが、明るい空に昇ってくる満月の様子を眺めてみるのも良さそうです。
 低い空で見える満月が少し赤っぽい色をしていたり、いつもよりも大きく感じたりといったこともありますのでお天気が良ければ眺めてみて下さい!
 21時頃になれば南東の空で地平線からの高さも15度を超えるので見やすくなってくるでしょう!
 小さな双眼鏡などでも月の模様などが見やすくなるのでお持ちの方はぜひ確かめてみて下さい!!

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☆ 6月 7日(日) 金星の東方最大離隔!!

 7日には金星が太陽から東側に最も離れて見える東方最大離隔を迎えます。
 地球よりも内側の軌道を回っている金星や水星などは夕方や明け方などにしか見ることができませんが、この時期には地球から見た金星と太陽の作る角度が45度を超えるくらいになるので、かなり遅い時間まで金星の明るい姿を見ることができます。
 7日での会津で金星が涼む時間を調べてみると22時15分なのでずいぶんと遅い時間まで見えていることがわかります。
 また、この時期の金星は望遠鏡で見てみるとちょうど半月のような形をしています。
 望遠鏡を使って見る機会があればぜひ参加して確かめてみて下さい!

 さらに、これから来月上旬にかけて金星は太陽から比較的離れて見えていることやマイナス4等級以上の明るさで輝いているので昼の空で金星を肉眼で見ることができるチャンスでもあります。
 いきなり肉眼で見つけるのは難しいので金星が南の空で見える頃を狙って双眼鏡で捜しておいて、肉眼でも見えるかどうかを確かめてという手順が良さそうです。

 金星が南の空に見える時刻を調べてみると以下のようになります。
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 6月 1日 14時55分 76度
 6月15日 14時55分 72度
 6月30日 14時42分 68度
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 こちらの時刻を参考に日陰に入った場所から小さな白く光る金星を捜してみて下さい!
 ※金星を捜すときにはくれぐれも間違って太陽を見てしまわないようにご注意ください!
  昼の空の金星を捜すときには必ず大人の方と一緒に安全に気を付けて行ってください

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☆ 6月13日(土) かに座のプレセペ星団と金星の接近!!

 かに座にはプレセペ星団という小さな星たちがたくさん集まっていて双眼鏡で眺めてみるときれいな星の集まりがあるのですが、そのそばを明るく輝く金星が通り抜けていく様子が夕方の西空で見られそうです。

 10日頃から金星に双眼鏡を向けて見るとそばに小さな星がたくさん集まっているところが見つかるはずです。
 日毎に接近して、13日頃に最も近くになりそうです。
 ちょうど月明かりもありませんので空がちょっと暗くなった頃が見やすい時間帯になりそうです。

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☆ 6月15日(月) 九州南端で水星食が見られるかも?

 こちらの現象は昼間の月に水星が隠されるというなかなか珍しい出来事なのですが・・見られるのは九州地方の南端方面でしかも昼の空の出来事なので会津からは見ることはできません。
 九州地方では既に梅雨入りしている時期ですが・・それでももしかしたらどこかで撮影に成功してニュースなどで話題になるかもしれませんね。

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☆ 6月20日(土) 金星&木星&月齢4 三天体の競演!!

 おそらくこちらも梅雨の時期に入っているかもしれませんが・・もし20日の夕方、西空にちょっとでも晴れ間があったら忘れずに目を向けて見て下さい!
 この日にはだいぶ接近してきている金星と木星、そしてさらに月齢4の細い月までが近くに集まっている素晴らしい景色が見られるかもしれません!
 金星と木星、そして細い月がそれぞれ6度から7度ちょっと離れて三角形に並んだ様子はぜひ見ておきたいところですね。
 日暮れの時間が遅くなっているので20時頃が見頃となりそうです。
 幸い土曜日なのでどこか晴れそうな場所があれば予め日中のうちに天気予報を参考にして出かけて見るのも良いかもしれませんね。

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☆ 6月22日(月) 夏至

 中緯度の日本では夏至には昼の長さが1年で最も長くなる日であり、その地点でのお昼には太陽が南の空で最も高く昇って見える日でもあります。
 夏至の日にお昼頃に見える太陽の高さは会津では76度にもなるようです。
 長さのわかっている棒を地面に立てておいて、お昼頃の影の長さを測れば太陽の高さを計算することもできますので1日前の日曜日にでもお時間があればお試しください!
 なお、会津での太陽が真南に来る時刻は11時42分ごろになります。

 会津での6月の日の出、日の入り時刻を5月と比べてみると以下のようになりました。
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   月   日    日の出      日の入り        昼の長さ      夜の長さ 
  5月  1日  4時 44分   18時 32分    13時間 48分  10時間 12分
  6月  1日  4時 18分   18時 58分      ??        ??
  6月 22日  4時 17分   19時 08分      ??        ??
  6月 30日  4時 19分   19時 08分      ??        ??
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 この表から計算してみると・・5月1日では昼の長さが13時間48分もありますから、太陽の出ている時間は1日24時間の中では57.5%にもなります。
さらに夏至の会津ではどれくらいになるでしょうか??
せっかくなので6月になってからの昼の時間と夜の時間、そしてそれぞれの1日の中の割合も計算してみて下さい!

 また、これらの日の出、日の入り時刻は会津若松市での時刻なので、もっと緯度が北に行けばさらに昼と夜の時間差が大きくなります。
 国立天文台のサイト内にある暦計算室では手軽に全国各地での日の出・日の入り時刻などを調べることが
できますので是非ご利用ください!
 http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/

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 ☆ 6月25日(木) 明け方の空で水星の西方最大離隔

 この時期には2時半を過ぎるとちょっとずつ東の空が明るくなり始めますので本当に夜の時間が短く感じられます。
 そんな中、25日には水星が太陽から西側に最も離れる西方最大離隔を迎えます。
 金星よりもさらに内側の軌道を回っている水星の場合には今回のような最大離隔でも太陽からの角度が22.5度までしか離れません。
 さらに今の季節だと水星の軌道が地平線に対してちょっと寝ているために思ったほど明け方の空でなかなか高く昇って来ません。
 それでも22日過ぎには3時40分頃になると東北東の空で高さが5度を超えるようになってきます。
 こんな時間に早起きして見るのもなかなか大変かもしれませんがお天気の良さそうな日があればぜひ見つかるか探してみて下さい!
 水星の明るさは1等級と明るいのですが、低い空で空が明るくなり始めているので見つけるにはやはり双眼鏡が必要になりそうです。

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 ☆ 6月28日(日) 月と土星が接近! その1

 さそり座の頭の上で見頃を迎えている土星の西側に月齢12の月が並んだ様子が見られそうです。
 21時頃になれば南の空にちょうど高くなった頃なので見やすいでしょう。
 両者の間隔は7度ちょっとですので肉眼で眺めるのがお奨めですね。
 今年の土星がどこに見えているのかを確かめる良いチャンスになります。
 月の東側にちょっと離れて0等級の落ち着いた光の明るい星が土星になります。
 土星の左下に連なるさそり座の星並びと位置関係を覚えておけば次からはすぐに見つけられるでしょう!

 今シーズンの土星は15年ぶりに環が大きく開いた様子を眺めることができるチャンスとなります。
 神秘的な土星の姿は梅雨明けから8月頃までがちょうど見やすい時期になりますのでこの時期に大きな望遠鏡のある天文台に出かけて見るのも良さそうですし、会津そらの会の観望会でもお天気さえ良ければ見て頂けそうです。

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 ☆ 6月29日(月) 月と土星が接近! その2

 昨夜の月と土星の接近から1日過ぎて、29日夜には昨夜と比べて月と土星の並び方が入れ替わっている様子が見られそうです。
 一晩が過ぎて両者の間隔は28日夜よりもちょっとだけ近くなって6度程になるので双眼鏡でも一緒に眺められることでしょう!
  日本時間で29日10時頃には月と土星は1度ちょっとまでとかなりの接近となっていますがそうした様子は日本では地平線下なので残念ながら見ることはできませんが・・実はアメリカのニューヨークなどでは夕方の空で見えているはずです。
 また次のチャンスを待ちましょう!
 
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☆ 7月 1日(水) 夕方の西空で金星と木星が最接近!!

 夕方の空で次第に接近していた金星と木星が7月1日にはわずか0.37度まで近づいた様子が見られそうです!!

星図20150701a