1年で最も寒い時期を迎えていますが皆さまいかがお過ごしでしょうか??

 普段の生活は厳しい寒さや積雪などで不便なことも多い季節ですが、星空では冬の賑やかな星座たちが一番の見頃を迎えていますので暖かな服装で夜空を見上げてみて下さい!
 寒いほどに星の輝きは増すとも言います。ぜひ確かめてみて下さい!

画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jo 図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。 月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。
画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jo
図は、15日の午後8時頃に、南に向かって見上げたときの星空です。
月初めは午後9時頃に、月末は午後7時頃に同じような星空になります。

 特にオリオン座の三つ星から左下に辿ったところに輝くおおいぬ座のシリウスには注目ですね!
 このシリウスという名前は「焼き焦がすもの」という意味も有るほどで、寒い時期に見ているとその意味が実感として感じられます。
 また、上空の風の強い日などにキラキラと瞬いている様子をじっと見ていると・・時折星の色が虹のように変化する様子が見えることがありますよ!
 そんな様子もとても美しいので寒さに負けずに見てみて下さいね!
 空のきれいな場所では、オリオン座の上から左側へと流れる冬の天の川が見えることもあるので、月明かりが無い夜に捜してみて下さい!

 肉眼でも明るい星が多い冬の星座たちですので、星座早見盤や星空ガイドブックを頼りに星の名前を確かめたり、星座の形をたどってみるのも楽しそうです。
 1度覚えた星座たちはまた来年の冬に見ると懐かしさを感じたりして・・そうして次第に星空から季節感を感じられるようになりますよ!

 また、夕方の一番星となっている宵の明星の金星が見やすくなってくることや東の空で目立っている木星も見頃を迎えていますので2月も色々と星空を楽しめそうです!
 さらに1月半ばから予報よりも明るく見やすくなっていたラヴジョイ 彗星(C/2014 Q2)は2月に入ってからでもアンドロメダ座にあって、まだ双眼鏡で見ることができそうです。
 なるべく街明りの少ない場所で月明かりの少ない頃に見るのがお奨めです!

 会津での2月の日の出、日の入り時刻を1月初めと比べてみると以下のようになりました。
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  月   日   日の出      日の入り  
 1月  1日  6時52分    16時35分 
 2月  1日  6時42分    17時06分 
 2月 28日  6時12分    17時35分 
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 2月は1年中で最も寒い時期と言われますが、日の出や日の入りの時刻を1月初めの頃と比べてみると意外にも昼の長さも少しずつ長くなっています。
寒さの厳しい時期ですが明るく前向きに冬の季節を楽しみながらお過ごしください! それではそろそろ2015年2月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 2月 1日(日) 夕空で金星と海王星が接近

 1月には金星と水星が夕方の空で並んで見やすい時期がありましたが、2月1日~2日にかけては金星の近くに太陽系最遠の惑星である海王星が月の見かけの大きさの2個分くらいまで接近して見えるようです。

 金星はマイナス4等級の明るさなので、1月に何度か見られた方でしたらお天気さえよければ肉眼でもすぐに見つけられると思いますので18時くらいに西南西の空を眺めてみて下さい!

 太陽系最遠の惑星である海王星はその大きさは地球の4倍ほどもあるのですが、海王星までの距離は地球―太陽間の31倍近くも離れているので、見かけの明るさは約8等級になっています。
 肉眼ではもちろん見えませんし、双眼鏡でもやっと見えるくらいの明るさなので普段だと海王星を捜すだけでも一苦労なのですが・・今回は明るい金星が目印になってくれますね。

 今回の条件では双眼鏡でも見る時間帯が早いとバックの空の明るさに埋もれて見えませんし、金星が低くなってしまうと靄などの影響で見つけるのは厳しい条件になってしまいそうです。

 ですので100~200mm位の望遠レンズとデジタル1眼レフカメラがあれば金星を中心に入れてしっかりとした三脚に載せて、ある程度空が暗くなったころを見計らって10秒くらい露出をかけてあげれば金星の右隣に線状になって写ってくれるはずです。
 撮影出来ればあとでどれが海王星だったか確かめることもできますので。
 2日間撮影ができれば金星との位置関係が変わっていく様子も確かめられそうですね!

 ちなみに海王星は太陽を1周するのに165年もかかるそうです。
 海王星が発見されたのは1846年9月の事なので発見されてから海王星ではようやく1年が過ぎたばかりなんですね。
 
 また、宵の明星の金星は2月に入ってから夕方の空で見える高さが次第に高くなっていきますのでそんな様子も時々確かめてみて下さい!

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☆ 2月 4日(火) 今年2回目の満月! 隣には木星!!

 4日には今年2回目の満月を迎えます。
 実際に満月になる時刻は朝の8時過ぎなので、夜になって月を見上げるころにはちょっとだけ欠け始めているはず?・・双眼鏡ならそんな様子も確認できるでしょう。
 そして今夜の満月ではマイナス2等級で輝く木星もすぐ隣に見えているようです。
 視界が7度くらいある双眼鏡なら一緒に入るでしょうから、月夜のランデブーの様子や時間と共に位置関係が変化していく様子等もぜひ確かめてみて下さいね!

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☆ 2月 7日(土) 木星が衝を迎える!

 しし座とかに座の間で明るく輝いている木星が7日には太陽と反対側の位置にある衝(しょう)を迎えます。
 地球からの距離もこの時期が最も近くなって、マイナス2.6等級と金星に次ぐ明るさになることや一晩中見ることができるので、木星の観察にはこれからしばらくの間が見やすい時期となります。
 
 木星や金星などを眺めていると・・惑星と普通の星座を形作っている恒星とではなんとなく見え方が違うことに気付かれるかもしれません。
 木星が見えているときに特に明るい一等星、例えばおおいぬ座のシリウスとのその輝き具合を見比べてみて下さい!
 惑星だと小さいながらもある程度面積があるので上空の風などの影響が少ないので普通の星に比べて比較的瞬きが少ないように見えるみたいです。
 実際の夜空でそんな様子も確かめてみて下さい!

 他にも木星では小さな望遠鏡や8倍くらいの双眼鏡でもカメラ三脚などにきちんと固定して揺れないようにして見れば・・近くに寄り添うような4個のガリレオ衛星の姿も見えてくるでしょう!
 日によっては並び方が毎回違っていることや2個や3個しか見えない場合もあるので毎日見ているとそうした変化も楽しめます。
 見るだけでなくその日の時刻と一緒に並び方をスケッチしておくともっと面白くなりそうです。
 ぜひお試しください!

 また、今年の木星は地球から眺めてほぼ真横から見ていることになるのでこれらのガリレオ衛星同士が稀に重なって見えたり、衛星の影に隠されてしまうという珍しい現象も何度かあるようです。
 観察には望遠鏡が必要になりますが、予め計算で予報も出ていますので少し早目の時間から接近して行く様子などを観察してみるのも良さそうです。

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☆ 2月13日(金) 夜明け前の空で土星と月が接近!!

13日4時頃には南東の空で下弦を過ぎたばかりの月とその左下に輝く土星が並んだ様子が見られそうです。
土星も0.3等級と肉眼でも明るく見えているので月の左下にある明るい星がすぐに見つかるでしょう!
今年の土星はさそり座の近くに見えていますので、夏休みの頃にはゆっくりとあのリングが取り巻いた不思議な姿を楽しめるでしょう。
会津そらの会で毎月行っている観望会でも6月~9月頃の時期に見て頂けるでしょうから・・今から楽しみですね!
開催日時が決定したら、随時HPブログ、twitterでお知らせしていきますね。
 
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☆ 2月20日(金) 月齢1.4の細い月を見よう!

今月19日に新月を迎えた月ですが、もし20日の夕方、西空の低空に雲などが無ければ月齢1.4のとても細い二日月が見られるかもしれません!

夕方18時頃の西空に明るい宵の明星を見つけたら、そこから右斜め下(時計の文字盤で5時方向)に手を伸ばして作った握りこぶし1個分ほど離れて細い月が見えるはずです!
とても細い月なので空が明るいと肉眼では見つけにくいかもしれませんので双眼鏡で捜すのがお奨めです。
うまくすれば18時半頃には肉眼でも見えるかもしれませんよ!
こうした細い月は冬場の透明度が良い時がチャンスですのでぜひお見逃しなく!!

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☆ 2月21日(土) 夕空で三日月と金星&火星の接近!
21日の夕方の西空では三日月が金星の近くで上下に並んだ様子が見られそうです。
今回は金星のすぐ近くには赤っぽく輝く火星も見えています。
三日月と金星、そして火星は視界が7度くらいある双眼鏡なら一緒に見れるくらいにまで接近しますので肉眼だけでなく双眼鏡でもぜひ見ておきたいですね!
18時30分ぐらいの時間が見やすいようですので、その少し前くらいの時間に明るい金星を目印に月と火星も見つけてみて下さい!
また、時間に余裕があれば一番星捜しということで、金星がどれくらいの時間に見え始めるかお友達と一緒に確かめてみるのも面白そうです。
先月はお天気が悪くて見られなかった地域が多かったので今度こそお天気に恵まれて見れるといいですね!

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☆ 2月22日(日) 夕空で金星と火星の大接近!
 前日にも金星のそばに見えていた火星が22日夕方には金星の隣で見かけの月の大きさよりも近くまで接近する様子が見られそうです。
この時の様子は肉眼でも見ることができますが、双眼鏡や小型の望遠鏡などでもぜひ見ておきたいところです。
空がまだ少し明るさの残っている時間帯でしたらコンパクトデジカメでも撮影できる可能性がありますので22日を中心に前後数日間で撮影できると金星と火星の位置関係が変わっていく様子が良くわかるはずですのでお試しください!

こちらの図は太陽系の北側から太陽を中心として回っている惑星の軌道を描いたものです。
この頃に地球から見て遠くに離れているはずの金星と火星がなぜ同じ方向に見えているのかがわかって頂けるでしょうか??
この時の金星までの距離は地球―太陽間の約1.4倍、火星までは2.2倍も離れていますよ!

20150222金火星