今年も冬の入り口になる11月を迎えました。

 朝晩の気温も次第に低くなってきて憂鬱な方も多いかもしれませんが、今月末には
いよいよ待ちに待った今年最大の天文現象のアイソン彗星が夜明け前の東天に見えて
来る時期を迎えますので、皆さんも寒さに負けないで今回の大彗星を迎えましょう!!

 アイソン彗星の観察ガイドなど詳しい情報はこちらをどうぞ!!
 http://ison.astroarts.co.jp/

 まだ暗い夜明け前の空で出かける時には、くれぐれも事故やケガなどに気をつけて!!

 惑星では夕方の西空では今月も明るい金星が目立っています。
 22時頃には東の空からふたご座の中で輝く木星も昇ってきて注目を集めそうです。
 そして深夜2時過ぎにはしし座の中で赤っぽく見える火星も昇ってきます!

 月末には夜明け前5時半頃には東南東の低い空で土星と水星も見えてきます。
 この頃でしたら一晩で肉眼で見える惑星5個を全部見られるチャンス!!やってみますか?!

 それではそろそろ11月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆11月 1日(金) 金星が太陽の東側に最も離れる日

東方最大離隔b

 金星は地球よりも内側の軌道を回っている内惑星なので、見えるのは夕方と明け方
の空だけです。
 地球から見た時に、金星が見かけ上太陽から最も離れて見える時期が今シーズンは
11月1日になります。
 その角度は約47度。
 この時、太陽から東側に最も離れて見えるので東方最大離隔と呼んでいます。

東方最大離隔a

 ただ、今の季節で夕方の空では、見かけ上の太陽の通り道である黄道が地平線に対し
寝ている季節なので、夕方の空で見え始める17時頃での高度も約17度程度と
それ程高くありません。
 これから年末にかけて、金星の見える位置がどんな風に変わっていくかを同じ場所
から見ておいて、地上の景色などと一緒に簡単にスケッチしておくと面白そうなので
ぜひお試し下さい。

 金星は望遠鏡では、月のように満ち欠けをしている様子を観察することが出来ます。
 今の時期には・・・何と半月のような感じで見えているはずです。
 金星はこれから次第に地球に追い付いてくるので、見かけ上の大きさもちょっとずつ
大きくなり、それにつれて半月のような形から少しずつ三日月のような形に近付いて
いきますので、その形の変化もぜひ見ておきたいものです。

 今月半ばでしたら60倍くらいの倍率でも肉眼で見る月と同じくらいの大きさで見
ることが出来ますので望遠鏡をお持ちの方はぜひ確かめて見て下さい!

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☆11月 3日(日) 新月 アフリカ方面で金環皆既日食が見られる!!

 日本では残念ながら今回の日食は見れないのですが、アフリカ方面では地球から見
た太陽と月の見かけの大きさがほぼ同じくらいのため、珍しい極めて細い金環日食と
皆既日食を見ることが出来るようです。

 当日の現地の様子をニュースなどで放送されていればぜひ注目してください!!
昨年日本で観られた日食を思い出し、欠け方を頭の中で比べてみたらいかがでしょうか。

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☆11月 6日(水)~7日(木) 夕空で細い月と金星が並ぶ!!

 11月は3日が新月で、6日には夕方の南西の低い空に月齢3のとても細い月が見
えているはずです。
 そして月の左には約1度ちょっと離れてマイナス4.5等級ともの凄い明るさで輝
いている宵の明星の金星がほぼ同じ高さで並んでいる様子が見られそうです!!

 会津では16時40分に日没となりますので17時頃、南西の低い空を眺めてみて。
 次第に空が暗くなる中で明るい金星と細い三日月が並んだ様子と、この時には三日月の
影の部分もうっすら光り丸く見える現象「地球照」も見られるかもしれません!!

 上手く見れたら・・デジカメで並んだ様子を地上の景色と一緒に撮影してみて下さ
い!!
 空の明るさがまだ残っているくらいの時間帯でならコンパクトデジカメでも三脚に
載せるか、安定した場所に置いてセルフタイマー機能などを使って月と金星、そして
夕空の様子をオートモードでも撮影できそうです。

 そしてお天気が良かったら翌日7日の夕方にもぜひ見てみて下さい!!
 7日には上下に並んだ月と金星が見られるようですのでこちらもお見逃しなく!!

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☆11月10日(日) 月面Xが見える

 上弦の月になる10日夜には久しぶりに月面Xが見られそうです。
 これは月の欠け際付近で隣接する2つのクレーターに斜めに光が当たる事でアルファ
ベットの「X」の形が浮かび上がって見える現象です。

 今回は19時30分前後を中心に見やすくなるようですので望遠鏡でぜひ眺めてみ
たいところです。

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☆11月17日(日)深夜~明け方にかけてしし座流星群のピーク

 最近は以前に比べて見られる数が少なくなってしまったしし座流星群ですが、時折
明るい流れ星が見られることがありますので17日の夜中から明け方にかけては
お天気が良ければ見てみたいものです。

 ただし、今年はちょうど満月の夜になるので月明かりの影響が大きいのが残念です。
 寒い季節なのであまり無理せずに、なるべく月明かりの少ない方角の空を中心に眺
めてみましょう!

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☆11月18日(月) 未明の空でアイソン彗星とスピカが接近!

 この頃にはかなり話題になっているはずのアイソン彗星、見える位置も日毎に
変わっていくことや当初の予報よりも明るさがやや下回っていることで、どこに
見えているのかわかりにくいのですが、18日未明にはおとめ座の1等星スピカの
ちょっと上にアイソン彗星があるので、この日は特に見つけ易いでしょう。

 夜明け前の4時半頃、東南東の空ではスピカは約10度くらいの高さ。
 アイソンはこの頃の予報光度はまだ5等級なので、見つけるにはやはり
双眼鏡は必要になりそうです。
 ちょっと早起きしてアイソン彗星を見つけてみてください!!

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☆11月29日(金) アイソン彗星 太陽最接近!!

 注目を集めているアイソン彗星が29日に大陽の側を通りすぎて行きます。
 ただしこれは太陽の近くでの現象ですのでくれぐれも望遠鏡や双眼鏡で太陽を見て
しまわないように注意してください!!

 お勧めはこちらです!
 http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime-images.html

 宇宙から太陽を観測しているSOHO衛星の画像にアイソン彗星も捉えられると
予想されています。
 こちらのLASCO C2とC3をクリックして拡大して太陽のそばを通過して
いく様子を確かめてみて下さい!!