画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/
6月の、上旬は21時頃、中旬は20時頃、下旬には19時頃このように見られます

2021年も6月を迎えました!
今年の春は全国的に桜の開花時期がだいぶ早かったことが記憶に残っていますが、どうも今年は梅雨入りも早いようで沖縄や奄美地方は5日~7日程早いだけでしたが九州から近畿、東海地方までは平年に比べて20日前後も早かったようです。
もしかすると東北地方の梅雨入りも早まってしまうかも知れませんね。

毎年恒例の梅雨の季節ですがどちらかというと梅雨は嫌いだという方が多いようです。
過ごしやすい5月の気候に比べるとシトシトと降る雨がずっと続くようなイメージがありますし、洗濯物が乾かないなど生活面でも不便なこともあったりします。
星の好きな天文屋さんにとっては更に深刻で人によっては星が見えない日がずっと続くと禁断症状が出てしまう等といったお話しも聞くことがあります。
普段の年ならプラネタリウムに出かけたりして気を紛らわせたりといったところですが今年は福島県内でも新型コロナ感染者数が増加しているのでなかなな出かけにくいところです。
そんな時にはゆっくりと星の本を読んだり、スマホの星空アプリを使って夜空に向けて雲の上では今どんな星空が見えているのかをチェックしたりするのも良さそうです。
なかなか星の見えない梅雨の季節の間に意外と見える星座も変わっていますので。

そんな憂鬱な梅雨の時期ですが、そこで見逃せないのが「梅雨の晴れ間の星空」です。
梅雨のように長く雨が続くと上空を漂う沢山の小さなチリが雨と一緒に落ちて、そのおかげで空の透明度が凄く良くなります!
雲間からちょっとだけでも星が見えるようなときにはぜひ双眼鏡で眺めて見て下さい!
小さな星たちまで普段よりもずっと明るく、そして星の色がいつもよりもわかるといったことが感じられますし、しばらくぶりに眺めるとそれだけでいつも以上に美しい印象を楽しめるはずですので!

これからの時期に是非注目して頂きたいのが夕方の西空で徐々に見やすくなって来ている「宵の明星・金星」ですね!
まだ見ていないという方はなるべく梅雨入り前に見ておいて下さい!
6月初めの頃なら19時半頃に西北西の低い空に見えるので捜してみて下さい!
最初は双眼鏡があったほうが見つけやすいかも知れませんね。

明け方の空で見えていた木星と土星も今月になると夜半前に東南東の空に昇って来るようになります。
薄明が始まる前の2時半頃にならだいぶ高度も上がってくるので望遠鏡で見ておきたいところです。

そして宇宙関連のニュースではNASAの火星探査機「パーサヴィアランス」関連、そして中国初の火星探査機「天問1号」も無事に着陸成功したということで話題になっていました!
これからの探査の成果が楽しみです。

また、日本人の話題では国際宇宙ステーションに長期滞在中の星出彰彦さんのニュースもありました。
4月23日にアメリカのケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーションに向けて出発し、約半年間の宇宙滞在予定です。
星出宇宙飛行士の特設サイトもオープンしましたのでぜひご覧下さい!
https://astro-mission.jaxa.jp/hoshide/
こちらで毎週ウィークリーレポートも更新されていきますのでこちらも時々チェックしてみて下さい!
星出宇宙飛行士のTwitterも要チェックですね!
https://twitter.com/aki_hoshide

国際宇宙ステーションの予報はこちらから!
https://lookup.kibo.space/
皆さんがお住まいの地点から好条件で見られる日時をチェックして星空の中を移動していくISSを見上げながら星出宇宙飛行士を応援して下さいね!!

☆はやぶさ2関連情報
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

JAXAはやぶさ2ミッショントップページには次のミッションに向けて旅立ったはやぶさ2から地球までの距離が表示されています。
1秒ごとに更新されていますのではやぶさ2が今どれだけ離れた場所を航行中なのかも時々確かめてみましょう!!

5月25日には再びイオンエンジンを点火して運用中との情報も入っています!
https://twitter.com/haya2_jaxa/status/1397028741772050441

また、JAXAのはやぶさ2のページにはコンテンツやギャラリーも徐々に追加されていますので時間のあるときに隅々までチェックしてみて下さい!
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/enjoy/
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/galleries/

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2021年6月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  2日(水) : 下弦
10日(木) : 新月
18日(金) : 上弦
25日(金) : 満月
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梅雨に入ってしまうと普段に比べて月を見る機会も減ってしまいがちです。
雲間からちょっとでも見えそうなときには双眼鏡で眺めてみて下さい!

会津での6月の日の出、日の入り時刻を5月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
5月  1日  3時 08分    4時 43分    18時 33分    20時 08分
6月  1日  2時 31分    4時 18分    18時 58分    20時 46分
6月 30日  2時 29分    4時 20分    19時 08分    20時 59分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市での時刻)

今年は6月21日に夏至を迎えるので今月は夜の時間がずいぶんと短くなっていることが上の表からわかります。
夏至は1年の中で最も昼の時間が長いことで知られていますが、実際には日の出と日の入りではピークになる時期が少しずれています。
会津でのデータで調べてみると・・日の出が最も早いのは会津の場合6月8日~6月19日頃で4時16分。
そして日の入りが最も遅いのは6月21日~7月5日頃で19時8分になるようです。
それぞれ、その時期を過ぎるとまた少しずつ夜の時間が長くなっていきます。
平年なら6月12日頃が東北南部での梅雨入りなのでお天気が悪いと日の出や日の入り時刻もわからない事が多いかと思いますがこうした時間の変化のことも頭の隅に覚えておいて下さい!

それではそろそろ2021年6月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 6月 1日(火) 夕方の西空で低空にある金星を見つけよう!!

ここしばらく太陽のそばにあってなかなかお目にかかれなかった宵の明星の金星がようやく夕方の西空に見えるようになってきています。
但し今のところまだ金星が見える高度は低めで夜空が暗くなった頃には沈んでしまいますのでなるべく西空が低いところまで見渡せる場所が必要になりそうです。
20時での金星の高度は6月初めで約3度、中旬頃だと約6度程。
今月末頃になってようやく7度ちょっとになるくらいです。
あまり低くならない19時30分頃に西北西の低い空を双眼鏡で捜せば見つかるはずですので出来れば梅雨入りになる前にせめて1回は見ておきたいところです。

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☆ 6月 2日(水) 夜明け前の空で下弦前の月が木星に接近!!

2日夜明け前の空では下弦になるちょっと前の月が木星に6度程まで接近するようです!
この頃の薄明が始まるのは2時30分頃なので可能ならこの時間帯に見ておけるとみずがめ座の中で接近しているという様子もわかります。
木星から右手側に18度程離れたやぎ座には0.5等級で輝く土星も見えています。
今シーズンの木星と土星の位置関係を梅雨入り前に確かめておけると良さそうです。

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☆ 6月 12日(土) 夕方の西空で細い月と金星が大接近!!

12日19時50分頃に西北西の低い空で月齢2.0の細い月と-4等星の「宵の明星」金星がわずか1.5度程の間隔で上下に並んだ様子が見られそうです。
先月末になってようやく低い空に見えて来た金星ですが今シーズンは今のところなかなか高度が上がって来ない状態ですが今回の大接近は低空での現象ながら見応えがありそうです!
高度は5度以下となってしまいますが20時過ぎになって空が少し暗くなりかけてきた頃にも是非見てみたいものです。
こちらも双眼鏡で眺めるのがお奨めです!

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☆ 6月 13日(日) 夕方の西空で細い月と火星が接近!!

前日に金星との大接近となった月が13日には火星に6度弱まで接近します。
この頃は火星も地球からずいぶんと離れてしまって(約3.5億km)明るさも2等星になってしまっているのですが双眼鏡で眺めればあの独特の赤みを帯びた色合いは健在なのでこちらも見ておきたいところです。
月齢3の細い月はふたご座のカストルとポルックスの左にあって空が少し暗くなれば横に並んだ様子も楽しめそうです。
月と1等星ポルックスとの間隔は4度ちょっとなのでもしかしたら火星と月の接近よりも目立っているかも知れませんね。

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☆ 6月 17日(木) 半月の欠け際に月面Xが見られる!!

今月は18日に上弦を迎える月ですが、17日夜には今年3回目の月面Xが見られそうです。
しかも今回は比較的条件が良くて21時頃を中心とした時間帯が見やすいようです。
同じ月面Xといってもその時の気象条件や気流の具合、そして微妙な太陽高度の違いによって見たときの印象は様々変わってきますので梅雨の時期ですが何とか見ておきたいものです!
月面Xの観察には望遠鏡が必要になりますが300mmクラスの望遠レンズをお持ちでしたら撮影にチャレンジしてみて下さい!
ちょうど欠け際付近から少し影側に入った位置なので露出を何段階かに変えながら撮影すれば確認出来るかも知れません!
ぜひお試し下さい!

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☆ 6月 23日(水)~24日(木) 西空の低空で火星がプレセペ星団に最接近!

地球からもだいぶ離れて明るさも1.7等になってしまっている火星がかに座の散開星団M44プレセペ星団付近を通過して行く様子が見られそうです。
ただし、こちらは夕方の低空での現象なので見るには最低でも双眼鏡が必要になります。
かに座は明るい星が少ないのでどちらかというと目立たない星座ですが、4等星と5等星で作る台形の形は双眼鏡で見ると意外とわかりやすいようです。
そしてその真ん中付近には小さな星たちが沢山集まって見えるのがM44プレセペ星団になります。
火星は21日頃に台形の中に入り込み、23日~24日にかけて最接近となります。
火星の位置は1日毎に動いていって25日頃までは台形の中で近くに並んだ様子が楽しめそうです。
またカメラをお持ちの方は望遠レンズで狙ってみるのも面白そうですね。

下の1枚目の画像は以前に80mmで撮影したもので中央付近にプレセペ星団が写っています。
2枚目は200mm望遠レンズで撮影してプレセペ星団付近をアップで捉えてみました。
今回の接近ではここに火星が加わるのでどんな風な印象になるか楽しみです!


☆ 6月 25日(金) 6月の満月:「ストロベリームーン」 

先月の満月は3年ぶりの皆既月食でした。
しかも今年で最も大きな満月スーパームーンと重なるのはかなり珍しい出来事のようで次回はなんと12年後になってしまうそうです。
今月の満月は見かけの大きさとしては2021年では3番目になるそうですのでこちらもしっかりと見ておきたいところです。
可能なら先月のスーパームーンと同じ条件で撮影して比較してみたいところです。

会津での月の出は比較的遅くて19時51分になるようです。
22時頃になれば南東の空で見やすくなりそうです。
この日の満月はいて座にあって、ちょうど南斗六星のひしゃくの上に乗っているような感じになりそうです。
月明かりが眩しいかも知れませんが双眼鏡をお持ちの方はそんな様子もぜひ確かめてみて下さい!

そういえば、夏場の満月は比較的低い空に見えると言われていますのでお天気が良ければ(梅雨なのでなかなか難しいとは思いますが、ぼんやりとでも月の位置がわかるくらいに見えれば)月が南の空に来たときに見える高度を確かめてみたいものです。
計算上は会津ですと26度になるようですが実際に見てみたいものですね。
満月が真南に来る時刻は24時37分頃になるようです。

また、6月の満月は「ストロベリームーン」とも呼ばれる別名あるそうです。
こうした月毎の満月の呼び名はアメリカの先住民の方々が昔から使われてきたそうです。
日本でも毎月の呼び名(満月ではありませんが)がありますので似たような意味合いかもしれませんね。
ちなみに6月は水無月ですね。

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☆ 6月 27日(日) 深夜に土星と月が上下に並んだ様子が見られる!!!

27日22時頃には東南東の低い空で月齢17の月と土星が上下に並んだ状態で昇って来る様子が見られそうです。
この頃の間隔は約5度程なので双眼鏡でも一緒に眺められそうです。
低い空に並んだ様子は高い空に見える時よりも地上の景色等も相まってより印象深く見えることがありますので東から南が開けた場所でぜひ双眼鏡を使って眺めて見て下さい!
23時から24時頃になると高度が上がって更に見やすくなりそうです!

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☆ 6月 28日(月) 夜明け前の南の空で木星が月と接近!!

28日23時頃には東南東の低い空で月齢18の月と-2.6等と明るく輝く木星が6.4度程まで接近した様子が見られそうです!
こちらは双眼鏡はもちろん、木星が明るいので肉眼でも並んだ様子が楽しめそうです!
そして、月と木星は夜半頃には高度が20度程になるのでだいぶ見やすくなります!
月と木星との間隔も時間と共に徐々に接近していって薄明前の2時半頃には5.5度くらいまで接近するようなので時間をおいて何度か確かめてみて下さい!

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