《 2015年 4月 の 星空 》  

長かった冬の時期もようやく過ぎて、本格的な春の季節を迎えました。
春になり、過ごしやすい季節を迎えて私たちの身近な場所でも様々な草花や虫たちも活動を始めていますが、夜空の方もすっかり春の星座が見頃となっています。
去りゆく冬の星座たちの沈んでいく様子を見送りながら、穏やかな春の夜空を楽しんで頂ければと思います。
時にはちょっと寒さが戻る時期もあるかと思いますので上着などを準備しておいて夕方の帰り道や帰宅後のちょっとした合間に夜空を見上げて星空の移り変わりを確かめてみて下さい!!
夕空では宵の明星の金星と木星が一番星と2番星となって競い合っているような様子も見えています。
どちらが先に見つけられるかぜひお試しください!
また、4月4日に今年最大の天文現象である皆既月食もありますので今からとても楽しみですね!

 
会津での4月の日の出、日の入り時刻を3月と比べてみると以下のようになりました。  
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 月   日   日の出      日の入り       昼の長さ      夜の長さ
3月  1日  6時10分    17時36分    11時間26分   12時間34分
4月  1日  5時25分    18時 5分      ??        ??
4月 30日  4時45分    18時31分      ??        ??
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こうして見てみると日暮れの時間もずいぶんと遅くなってきていますね。
お時間がありましたら4月になってからの昼の時間と夜の時間も計算してみて下さい!

それではそろそろ2015年4月の主な天文現象を見ていきましょう!!
今月もたくさんの見逃せない天文現象がありますのでこちらの情報をいつも見れるカレンダーや手帳等に書き込んでお見逃し無いように!!

starchart

画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp

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☆ 4月 4日(土) 夕方からの満月が皆既月食になる!!

皆既月食というと昨年10月にあったことを思い出される方も多いと思います。
あれから半年後にまたあるの??って聞かれることも多いのですが・・日本から今回のように見やすい皆既月食というのは次回はなんと3年後の2018年1月末になってしまうようです。
このように毎年見られるわけではないので・・今回は幸いにも土曜日の夕方ということなので前日からお天気予報等をチェックして場合によってはちょっと遠出をしてでも見ておきたいところです。

気になる月食の見られる時間ですが今回は次のような予報が出ています。
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                     地平線からの月の高さ(会津)
 半影月食開始 午後 6時頃        1度
 部分月食開始 午後 7時15分頃    14度
☆皆既月食開始 午後 8時54分頃    31度
☆皆既月食終了 午後 9時 6分頃    33度
 部分月食終了 午後10時45分頃    44度
 半影月食終了 午前 0時頃       46度
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会津では月の出が午後5時52分なので月が山から昇って見えてくる頃には既に地球の薄い影に入り始めていることになります。
実際には部分月食が始まる時間帯でも肉眼ではちょっと端の方が薄暗くなっている様子がわかるかもしれませんので午後7時くらいから見始めても良さそうです。
月食の開始から見ようとすると月がまだ空の低い位置にあるので東南東の方角でなるべく低い空まで見渡せるような場所を見つけておくことが大事ですね。
ところで4月4日の皆既月食は上記の予報時間を見てわかるように月が完全に影に入っている時間が約12分程と短いのが特徴です。
さらに皆既月食中の月は赤っぽい色合いになると言われますが・・今回は地球の影の縁の方を横切っていくのでもしかしたら皆既月食になっている間も明るさが部分的に偏った様子が見られるかもしれませんし、その時の月の赤さ具合いや明るさがどのくらいになるのかは毎回違ってくるのでその辺りを実際に確かめてみることも楽しみのひとつになります。

皆既月食で月が地球の影に入って次第に欠けて行く様子は肉眼でも十分に楽しむことができますが、手軽に使える小型双眼鏡などがあるとそうした変化がずっと見やすくなりますのでお奨めですね。
他には家庭用のビデオカメラなどでもピントを無限遠に設定して、月の欠け具合に合わせて明るさをマニュアル調整してあげると・・意外と簡単に撮影することができますのでお試しください!

お子さんにはぜひ時間と共に欠けていく様子や皆既月食になったころの色合い等をスケッチされることをお勧めします。
ちょっとした台とペンライト、それにスケッチ用紙、色鉛筆等を準備しておいてその時の時刻や感じたことなども一緒に書き込んでいくと貴重な記録となりそうです!

皆既月食になっている月が見えているのはおとめ座付近になります。
月の少し下には日本では昔から真珠星とも呼ばれてきた美しい1等星スピカもありますので時間に余裕があれば双眼鏡を向けて色合いを確かめて見るのも良さそうです。

4月初めだと夜には多少冷えることもあるかもしれませんので防寒対策をしっかりとして温かい飲み物などで時々休憩しながらゆっくりと楽しんでみて下さい!

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☆ 4月 9日(木) 深夜の月と土星の接近!

さそり座の左上で輝く土星の近くに月齢19の月が並んだ様子が見られそうです。
両者の間は2.7度程なのですぐお隣に見えることになります。
土星の明るさは0等級でさそり座の1等星アンタレスよりも明るいのでさそり座の形もいつもとちょっと印象が違って見えています。
見頃はさそり座が南の空になる9日の2時~3時頃が良さそうです。
この日の月を目印にして土星を見つけておいて今年の夏に見やすくなる土星の場所を一足先にしっかりと確かめておいてください!!

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☆ 4月12日(日) 夕空で金星とすばるが最接近!

夕方の空で明るく目立っている宵の明星の近くにおうし座のすばる(プレアデス星団)が並んで見えるようです。
双眼鏡で見ればすばるだけでも賑やかな様子を十分に楽しむことができますが、今回はさらに明るい金星も加わってきますのでどんな様子になるか実際に見て確かめてみたいですね!
西空がまだ少し明るさの残っている19時過ぎの時間帯から双眼鏡で見ていくと印象が変わっていく様子も楽しめそうです!
12日が最接近で両者の間隔は約2.6度程になりますので双眼鏡なら余裕で一緒に捉えることができそうです。
また、最接近の12日だけでなくその前後数日で連続して見ていくと金星とすばるの位置関係が日毎にどんどんと変わっていく様子もわかりそうです。
そんな様子を望遠レンズで撮影してみたり、スケッチしてみると日毎の変化がわかりやすくなりますのでお試しください!

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☆ 4月20日(月) 低空の細い月を見つけよう!

20日夕方には月齢1.6のかなり細い月が見られるかもしれません。
空が少し暗くなり始めた19時20分頃に金星のほぼ真下で地平線から6度くらいの高さにあるはずなのでその少し前くらいの時間から金星を目印に捜してみて下さい!
低空なので双眼鏡があると見つけやすいでしょう!
滅多に見れない2日月の姿をこの機会にぜひ捉えてみて下さい!!

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 ☆ 4月21日(火) 宵の明星と細い月が接近!

夕方の西空で宵の明星の金星と月齢2.6の細い月が近くに並ぶ様子が見られそうです。
今回も先月と同様に21日と22日の2日間かけて金星の近くを月が通り過ぎて行きます

月と金星の間隔は9度近くでちょっと離れていますが、細い月の左上にはおうし座の1等星アルデバランもあるので少し空が暗くなったころに双眼鏡で月を眺めれば細い月とアルデバラン、そしてヒアデス星団の星たちも一緒に楽しめそうです。

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☆ 4月22日(水) 宵の明星と細い月が接近 その2!

昨日の接近から1日後の22日には月齢3.6の細い月がまだ金星の近くにあって左右に並んだ様子が見られそうです。
両者の間隔は10度ちょっとになりますが・・相手が明るい金星なのでこれくらい離れていても十分素敵な景色となって見られそうです。
空が少し暗くなってくれば付近には冬の星座たちが見えていますので主役の細い月&金星だけでなく付近の明るい1等星なども一緒に見えてさらに賑やかな様子をぜひ楽しんでみて下さい!

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☆ 4月23日(木) こと座流星群の極大!

極大予想は23日9時となっていますのでこと座が高く昇ってくる深夜から23日未明にかけてが狙い目となりそうです。
この時間帯ですと全く月明かりに邪魔されないで見ることができそうです。
こと座流星群の特徴は比較的ゆっくりと流れることと明るい火球クラスの流れ星がたまに見られるので

普通の年であれば1時間に10個程の出現が見られるようですが過去に何度か急に出現数が多くなったこともありますので、平日の明け方になってしまいますが今年の出現がどれくらいなのかを確かめたいところです。

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☆ 4月25日(土) 夕方の空に水星が見えてくる!

惑星の中では太陽のそばにいることが多くなかなかお目にかかれない水星ですが、4月下旬から5月上旬にかけて今年一番の見やすい時期を迎えます。
25日頃になると19時20分頃に西北西の低い空にマイナス1等級の明るさで見れそうです。
夕方の空には明るい金星が見えているので、最初に金星を見つけてそこから地平線方向へ目線を下げてさらに10度くらい(手を伸ばした握りこぶしひとつ分)北寄りの空を捜すと見つかるはずです。
春は黄砂などの影響で低空だと霞んで見えることもありますので最初はやはり双眼鏡があった方が見つけやすいでしょう!
この日以降は1日毎に見える高さも高くなってくるのでお天気の良さそうな日を選んで見つけてみて下さい!

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☆ 4月26日(日) 上弦の月と木星が接近!

ちょうど半月となった月がかに座で明るく見えている木星に6.4度くらいまで接近する様子が夕方から見られそうです。
木星も金星ほどではありませんがマイナス2等級とかなり明るいので半月と並んだ様子は目を引きそうです。

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☆ 4月30日(木) 夕空の低空で水星とすばるが接近

今月12日には夕空で金星とすばるの接近がありましたが、30日から5月1日頃にかけては水星がすばると接近する様子が見られそうです。
ただし今回は水星が低めの空にあることや金星よりも明るさが落ちることなどからあまり派手さはありませんが双眼鏡でも一緒に見えるくらいまでの接近はやはり珍しいので見ておきたいところです。
こちらも見るには双眼鏡が必要のようですが19時半ごろに西北西(金星の右斜め下)付近を捜してみて下さい!!

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