4月22日(日)會津稽古堂で行われました渡部潤一先生(現国立天文台副台長)の「會津稽古堂開館一周年記念講演」に行って参りました!

「25年振りに日本で見られる金環日食は、人口の7割が集中している地域で見られるのが大きな特徴です。計算では、東京のレインボーブリッジを中心線が通るようで、もしかすると当日封鎖になるかもしれませんね(笑)」

…そんな話で渡部先生の講演が始まりました(笑)

まずは、今年イチオシの“金(キン)”の現象といえば、5月21日朝の金環日食ですね。
「前回は1987年8月沖縄金環日食、次回は2030年の北海道金環日食です。今回は会津若松市で食分0.934の部分日食。天文ファンは天邪鬼が多いので、限界線で面白い姿を狙う方も多いと思います。」
まさにその通り!当会の観測班(?)も下郷方面に遠征予定です。観測班はクマに気をつけてね!
そして、金環日食を観測する上で、安全な観察方法を説明されました。
・太陽を直接見ないこと!
・適切な観察用具を用いて(工夫して)適切な方法で楽しむこと
※2009年のときも20人くらい眼科のお世話になったとのことです。
事故の7割は恒久的な網膜障害+視力障害。特に日食網膜症は子どもがなりやすいため特に注意が必要です!大人は色々なことで濁ってますが、子どもの眼はきれいに澄んでいて奥まで光が届きやすいのだそうです。たしかにその通りですね。

具体的な観察方法として、
●日食観察専用のグラスを用いる
●ピンホール法で楽しむ
●木漏れ日で見る
●鏡での投影法
●もし曇ったらテレビやインターネット中継を楽しむ
●天文上級者は望遠鏡投影法で楽しむ
ことをオススメされておりました。

「(今回の金環日食は)子供さんに見ていただきたいが、通学途中は一番危険。安全に見るには登校を1~2時間遅らせる。または学校で観察させたい。通学時間をずらせないか、関係者に期待…」
と、未来を担う子ども達のことをしっかりと想っていらっしゃいました。
「日食のなかで最も感動的な皆既日食は、一度見ると何度でも、となる“日食病”にかかる人がいるほどです。どんな状況においても冷静に話すアナウンサーでさえ「あー、きれい」としか言えなくなるくらいです。NHKオンライン「46年ぶりの皆既日食・太平洋上」がYoutubeで見られますが、有給休暇だったのに仕事になった私とアナウンサーさんとのかみ合わない会話を楽しんで下さい。次の皆既日食は2035年9月2日で、その次は2063年8月24日です」


1987年9月23日の金環日食 画像:千葉清隆氏撮影 撮影地:沖縄
 

続きまして2つ目の“金”(キン)は、6月6日昼の金星の太陽面通過です。
「数時間をかけて太陽の前を通過する金星の姿が、日食グラスを用いて肉眼で見ることが出来ます。日本では130年ぶりの2004年が曇りで観測出来ず、これが21世紀最後です。極めて稀有な現象です。次はなんと105年後になってしまいます」


2004年6月8日 金星の太陽面通過 画像:国立天文台 天文情報公開センター
 

最後3つ目の“金”(キン)は、8月14日明け方の金星食です。月が金星を隠し、また現れる。まるで“しずく”のような美しさ!
「明ける前の午前2~4時はペルセウス流星群の最盛期。是非そこからそのままご覧になってください」


1989年12月2日の金星食 画像:佐藤幹哉氏撮影
(左上から右上:潜入の様子、左下から右下:出現の様子)
 

続いて彗星のお話。
「これから明るくなると思われる彗星は2013年3~4月のPANSTARS彗星です。周期彗星はほとんど正確に予測できます。例えば2061年8月のHalley(ハレー)彗星」
そこで突然、私の娘を指さし、
渡部先生「そこのあなた何歳ですか?」
私の娘「えっ、私?じゅ、十歳です」
渡部先生「(ハレー彗星を)見たら思い出してくださいね。渡部なんとか先生の話を聞いたこと」
笑いつつも少し寂しさを感じてしまいました。

「季節ごとの趣が異なる星空は「地球そのものがメリーゴーランド」。そこで今、同じ天文現象を観察できるのは奇跡に近いことかもしれません」

広い宇宙を実感するお言葉です。130年ぶり、次回は105年、46億年…など、宇宙の時間の単位は本当に長いものですね。
会津若松副市長がおっしゃっていた「會津稽古堂は開館一年で60万人。会津地域全体の学び・交流・文化の拠点」というお言葉。
多くの人が利用されている稽古堂。そこで行うイベントが、水面にひろがる波紋のようになることを願わずにはいられませんでした。