201612chart
画像提供 アストロアーツ astroarts.co.jp

早いもので今年も12月を迎え、2016年も残りあと1ヶ月となりました。
今年は11月にも各地で雪が降ったりしていましたので雪の降る回数や量が気になるところです。
多少寒くなっても、あまり大雪にはならないと良いのですが・・。

冬というと会津ではあまりお天気の良い日が多くないイメージがありますが、それは夜も同じですね。
これまでの季節に比べて曇りや雪の日の割合が多くなってしまうことが多いようですが・・きれいに晴れた夜空が見えたとしたらしっかりと寒さ対策をして、ぜひ四季の中で最も賑やかな冬の星座たちを眺めてみて下さい!!

他の季節よりも圧倒的に明るい1等星が多いことに加え、寒くなると上空の水蒸気も少なくなって透明度が良くなるため、星からの光もあまり弱められずに地上まで届くのでより賑やかに感じられることでしょう。

さらには上空の気流の影響が激しい場合には星のキラキラと瞬く様子も目立ってきます。
特に目立つのがオリオン座の三つ星を左下に伸ばしていった先で明るく輝くシリウスですね!
おおいぬ座のシリウスは全天の1等星21個の中で最も明るいマイナス1.4等なので特に気流の激しい時にはキラキラと瞬きながら虹色に色が変わってとっても美しく見えることもありますのでこの冬に実際に確かめてみて下さい!
中国ではそんな強烈な輝きから別名「天狼星」とも呼ばれているそうです!

ところで、なぜ星が瞬いて見えるのかというと・・星座を形作っている多くの星は太陽のように自ら光を放っていますがあまりにも遠いので(地球から比較的近い先ほどのシリウスでも光で8.6年程もかかってしまう遠さ!!)地球に届く光は殆ど針の先のような細くなっているので上空の風の影響等で大気の密度が短時間で変化すると光が僅かに曲げられたりといったことを繰り返して・・あんな風に瞬いて見えるそうです。

明るい星の方が瞬きは目立つのかなと言うと・・じつは普通の星と惑星ではちょっと事情が違ってきます。
先月くらいから見やすくなってきた夕方の西空には宵の明星の金星がマイナス4等とシリウスよりも更に明るい輝きを放っていますがこちらも瞬き具合を観察してみて下さい!。
低くなると多少瞬きは感じますが先のシリウスなどと比べるとずっと控えめに見えるはずです。
太陽系内の惑星である金星や木星等は小さいながらも望遠鏡では面積体となって見えるために、針の先ほどの普通の星の光に比べると気流の影響で弱められる度合いが比較的小さいので明るくても瞬き具合は控えめなんですね。

最近のプラネタリウムでは星の瞬き具合も再現しているそうですが・・本物の星空をじっくりと眺めてプラネタリウムの星空でどこまで再現されているか見比べて確かめてみて下さい!!

地上では各地でもクリスマスイルミネーションを見かける季節ですが、それらの元になった本物の星空もぜひ眺めてみて下さい!
木々の葉が落ちた今頃の季節にちょっとした山の中でそんな冬の星空を眺めると・・・星たちが木々に飾られた美しいイルミネーションのように見えることがあるのでそんな様子をぜひ親子で楽しんでみて下さい!
また、クリスマスと言えばモミの木の上に大きな☆を飾ったりしますが、あれってどんな由来で飾っているのかもぜひ調べてみて下さい!
意外なところで星にまつわるお話しがあったりしますので楽しめますよ!

今月は話題になりそうなふたご座流星群や月と惑星が並んだりといった肉眼でも楽しめそうな天文現象もいくつもあるのでぜひこちらの星空案内を参考にして冬の星空を精一杯楽しんで下さい!!

12月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
 上弦: 7日(水)
 満月:14日(水)
 下弦:21日(水)
 新月:29日(木)

月明かりの無い夜が天の川や流れ星を楽しむのに適していますので目安にしてみて下さい!

主な月の満ち欠けは上に書いてありますが・・星を見るのが日課になってくると気になるのが月齢なんですね!
12月でもまだ本屋さんなどにはカレンダーを販売していると思いますので是非毎日の月の形が載っているカレンダーをひとつ入手してお部屋の目立つところに飾っておいてみて下さい! 便利ですよ!!
※月の満ち欠けのカレンダーも最近は多数出回っていますが・・中には月の形が??なものも混じっていますので選ぶ際にはご注意ください!

毎月恒例の会津での12月の日の出、日の入り時刻を比べてみると以下のようになりました。
  —————————————————–
     月   日    日の出        日の入り
    11月  1日  6時  2分    16時 45分 
    12月  1日  6時 33分    16時 25分 
    12月 21日  6時 48分    16時 29分 ※ 冬至!
    12月 31日  6時 52分    16時 35分 
   —————————————————–
11月でも夕方暗くなるのがずいぶん早くて・・なんて思っていましたが・・21日には冬至を迎えるので12月後半に向けて日が沈む時間もどんどん早くなってしまう感じもしますが、こうして比較してみると意外なことに12月1日と冬至では冬至の方が日の入り時刻が実は遅いということがわかります。

調べてみると・・会津で1年間で最も日の入りが早いのは12月1日~12月12日頃なんですね!
でもその代りに日の出の時刻は12月30日~1月13日頃が最も遅くなっています。
なので1日の昼の時間を計算すると・・やはり冬至の頃が1番短くなるようですね。
会津での冬至の昼と夜の時間がいったいどれくらいになるかは上の表からぜひ計算して確かめてみて下さい!!

こうした冬の日没などの時間は緯度によって違っていてもっと北に行くほど昼の時間は短くなって北極圏では一日中太陽が昇らない極夜の地域もあります。
時間があればそうしたことも調べてみて下さい!!

それではそろそろ2016年12月の主な天文現象を見ていきましょう!!

===============================
☆ 12月 1日(木) 夕方、南西の超低空で細い月と水星が接近!!

1日夕方17時過ぎに南西と西南西のほぼ中間の超低空に水星が見えてきます!
この日は水星の右斜め上には月齢1.8のかなり細い月もありますのでお天気が良かったらぜひ探してみて下さい!!
但し、水星の地平線からの高度は17時の時点でも4度弱とかなり低いので南西の空がなるべく低い所まで見渡せる場所でなおかつ低空に雲などが無ければ双眼鏡を使って何とか見つけられるくらいの難物ですのであとは当日のお天気次第といったところでしょうか??

水星は17時半前には地平線に沈んでしまいますが、細い月の方はこの時点でも高度が4度程ありますのでこちらだけでも見れたらラッキーでしょう!

お天気が良くて17時過ぎに西空が見える場所にいられるなら・・これから毎日月が少しずつ膨らんでいく様子と位置が変わっていく様子を確かめることが出来ますので眺めるだけでも見てみて下さい!!

———————————————————-
☆ 12月 3日(土) 夕空で金星と月齢4の月が接近!!

3日夕方には南西の空で眩しい輝きを放っている宵の明星の金星のそばに月齢4の月が接近している様子が見られそうです!

こちらも夕空が濃いブルーに染まる17時過ぎから17時半ごろの時間帯が狙い目になりそうです!
ちょうど土曜日の夕方なので空の色が次第に濃くなってくる中で両者の見え方の変化が実に興味深く楽しめるはずなのでぜひ忘れずに眺めてみて下さい!
今回の接近では両者の間隔が5.5度くらいになるので視界の広い双眼鏡でなら一緒に美しい姿を眺められそうです!!
 
 ——————————————————–
☆ 12月 5日(月) 月齢6の月と火星が接近!!

5日夕方には南南西の空で月齢6の月と火星が2.4度まで接近する様子が見られそうです。
ここまでの接近しているなら双眼鏡でも同時に見れますのでお持ちの方はぜひ向けて見て下さい!
火星の赤っぽい独特の色合いは双眼鏡などで月と一緒に見ることで意外とわかりやすくなるのでお試しください!

火星が地球に接近したのは今年の5月末でしたので12月になってもまだ見えているの??って思ってしまいそうですが・・夕方暗くなり始めた頃だと南南西の空でやぎ座のしっぽ近くに0.7等級で見えているんですね!
秋の星座には明るい星は少ないのでやぎ座の火星は意外と夜空の中ではまだまだ目立つ存在ですね!

そしてこの日には火星から月に向かって右斜め上へ延長したライン上で火星―月までの約2倍の距離の位置には、なんとあのはやぶさ2が小惑星「Ryugu」に向けて飛行中です!
遠くなりすぎているので望遠鏡を使っても見ることは出来ませんが2018年夏の到着を目指して長い旅を続けている「はやぶさ2」の事を思い出しながら夜空に向かってぜひ応援して頂ければと思います!

星図201612051720
 ——————————————————–
☆ 12月  7日(水) 18時3分に上弦の月!!

月を見ていると毎日その形が変わっていきますが、7日18時3分にはほぼ半分の形の上弦の月を迎えます。
上弦の頃の月は夕方には南の空で見やすい位置に見えていて、特に今月はその頃に上弦を迎えるので双眼鏡などでもきれいな半分の形を楽しめそうです。
ぜひ18時前後の頃に眺めてみて下さい!
双眼鏡でもなるべく手振れの影響が少ないようにテーブルや手すりなどに肘を載せて体を安定させると欠け際の大きなクレーターの様子なども意外と見えて来るのでこちらもお試しください!
その際には左右の眼のピントもきちんと別々に合わせてみるのがポイントになります。
その辺の左右の視度調整についても双眼鏡の取説に載っていますので今一度確かめてみて下さい!

 ——————————————————–
☆ 12月 13日(火) 深夜から明け方にかけてふたご座流星群がピーク!!

年間3大流星群のひとつであり、実は最近ではペルセウス座流星群よりも見やすいと注目されているふたご座流星群が13日の深夜から14日未明にかけてピークを迎えます。
今年の極大は日本時間の14日9時頃と予想されていること、今の時期には深夜にふたご座が天頂付近に来るのでこの日を中心に可能なら前後数日間は注目しておきたいものです。

ふたご座の星座はオリオン座の左上に位置していて、二人の頭になる場所にあるカストル、ポルックスの明るい二つ星が並んでいるのが特徴の見つけやすい星座のひとつです!
ふたご座流星群は流れ星が流れる方向を逆に延長して交わる放射点の位置がぎょしゃ座のカペラ側にあるカストルの近くになるので流星群かどうかの区別もしやすいようです。

ところで今年のふたご座流星群ですがタイミングが悪くちょうど満月の夜になってしまうことやその満月がふたご座の隣のおうし座からオリオン座付近にやってくるのでかなり月明かりの影響を受けてしまいそうです。
そうはいってもせっかくのふたご座流星群ですのでなるべく明るい月を見ないように月の反対側の空を中心に眺めてみて下さい!

寒い時期なのであまり無理せずに温かい飲み物を用意して時々休憩しながら美しい流れ星を楽しんで下さい!

 ——————————————————–
☆ 12月 14日(水) 未明の大きな満月! 

ほぼ1ヶ月前の満月は68年ぶりの大きな満月スーパームーンということでテレビニュースなどでもだいぶ注目を集めていたようですが・・全国的にお天気に恵まれなかったので見れなかった方も多いと思います。
もし見えていれば見かけの大きさが34.1分角の大きな満月が楽しめたはずでしたが・・。
今年3月の満月が29.7分角だったことを考えると同じ満月でも意外と大きさが違っていますね!

実は12月14日の満月も33.9分角程になるので先月のスーパームーンに次ぐ大きさの満月となるのでお天気が良ければぜひ見て、可能であれば望遠レンズでも撮影してみて下さい!!
見かけの大きさが大きな満月だと明るさも普段よりも明るくなるはずなのでこちらもぜひ確かめてみて下さい!
大きさの違いよりも明るさの違いの方がきっと分かりやすいかもしれませんので!
但し今月の満月になる時刻は日本時間で14日の9時過ぎになるので14日未明の頃の方がより満月に近い状態になります。
ふたご座流星群を眺めていたらぜひこのことも思い出してちょっとだけの時間でも大きな満月を楽しんでみて下さい!

———————————————————-
☆ 12月 21日(水) 未明の空で下弦の月 & 冬至

今年も21日に冬至を迎えます。
1年の中で一番昼の時間が短い日とも言われています。
でも前半のところに書いたように夕方の日没時間は12月前半の頃よりも既に少し遅くなり始めているということもぜひこの機会に知って頂ければと思います。

この頃の太陽は真南に来た時(会津の冬至の日では11時38分頃)でも地平線からの高さが会津では29.1度にしかならないので時間があればそんな様子もお昼頃に確かめてみるのも良さそうです。
ただし、くれぐれも太陽をじっと見つめるのは目を傷める危険性もあるので注意してくださいね!

また、冬至の日には日の出や日の入りの位置が最も南寄りになる日でもあります。
この頃の太陽が昇ってくる方角は真東から約30度程も南寄りになるようです。
会津での日の出は6時48分、日の入り時刻は16時29分なのでこの時刻を目安にお住いの場所でどの辺から日が昇るのかや日が沈むのかを確かめておくのも面白そうですよ。
冬至の頃に一度確かめておいて、他の季節の頃と比較すると沈む方角の違いがずいぶん変わることがわかりますので!

 ——————————————————–
☆ 12月 23日(金) 明け方の空で月と木星の接近!

実際には22日の夜中過ぎになりますが・・日付が変わって23日2時頃には東の低い空で月と木星が接近した様子が眺められそうです!!
木星はこのところお目にかかっていませんでしたが・・実は夜明け前の空にはおとめ座の中でマイナス2等級の明るい姿で見えています!

そんな木星のそばに月齢23の月が2度くらいまで接近した様子はなかなかのものになりそうです。
月と木星が地平線から昇ってくるのは1時頃ですので2時くらいになればまだ低い空で並んだ様子が楽しめそうです。
また、夜明け前の空で空が少し明るくなりかけた5時半ごろの様子もぜひご覧になってみて下さい!
濃いブルーに染まった空に並んだ様子もきっと印象的な眺めになるでしょう!!

================================