このたびの熊本・大分での地震被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
東北の震災から数年、改めて地球上で日本という国のある場所を思ってしまいました。
まだまだ内部が熱い、生きた星のうえに私たちが住んでいるということ。
高速道路が開通したということで、やっと大きく復興へ向かわれるのかと思いますが、
余震の回数が大変多く、大きなものもあるので、まだまだお気をつけてお過ごしください。
皆様が普段通りの生活に早く戻られますようにと願っています。

さて、GWを前に、大きなニュースが飛び込んできました。
会津大学の寺薗先生が編集長を務められている月探査情報ステーションから!
http://moonstation.jp/

【速報】スペースX社、2018年にも宇宙船を火星に着陸させる計画を発表
大変な…あるいは、ひょっとした歴史を変えるかも知れないというニュースが飛び込んできました。少なくとも、宇宙開発の歴史は変えるかも知れません。
民間宇宙ベンチャー企業として数々の技術的な挑戦を成し遂げてきたアメリカのスペースX社が、27日、同社が開発する宇宙船「レッド・ドラゴン」を火星に着陸させるミッションを実施すると発表しました。ミッションは早ければ2018年にも実施されるとのことです。」
月探査情報ステーションは、最近サイトを一新されました!
是非訪れていただきブログをお読みください☆

折しも火星接近の年です。詳細は今回のブログ下部までよくご覧くださいね!
(C)

201605chart

画像提供 アストロアーツ astroarts.co.jp

今年も5月を迎えてとてもさわやかな季節を迎えました。
大型連休に入ってご家族で遠出する機会も多いと思いますので、出かけた先でいつもとちょっと違った星空を眺めるチャンスでもあります。
この季節では夕方暗くなった頃に西の空ではオリオン座などは早目に沈んでしまいますが、ちょうどふたご座が見やすくなる時期でもあります。
東から昇る頃には横向きになっていたふたご座も、西に低くなる頃には仲の良い兄弟二人が寄り添っている様子が良くわかりますし、左右にはこいぬ座のプロキオンとぎょしゃ座のカペラの一等星が見えていて、ふたご座から両手を伸ばして手を繋いでいるようにも見えたりしますので星座早見盤を片手に実際に眺めてみて下さい!

5月のふたご座付近

空が暗くなった頃に南の空を見上げると、しし座の足元でマイナス2.3等級と明るい木星がとても目立って見えているでしょう。
木星は10倍くらいの双眼鏡でも三脚などにしっかりと固定してピントをきちんと合わせて見てみると、4個のガリレオ衛星が寄り添っている様子もわかります。
毎日観察していると並び方が違っている様子等も楽しめますのでお持ちの方はぜひ木星にも向けて見て下さい!
双眼鏡で見ていてももちろん楽しめますが木星はやはり望遠鏡で眺めてみたいものです。

4月から再開した会津そらの会の「星を見る会」が5月も開催予定です。
第2回目は5月13日(金)19時から予定しております。
この日は半月の1日前なので欠け際のクレーターがとても見やすい月と木星を中心に春の星空を観察して行く予定です。
観望会では大きな望遠鏡はもちろん、双眼鏡や小型望遠鏡なども準備してそれぞれの見え方の違いなども比べてみたいと思います。
参加は無料なのでお気軽にお子さんと一緒にご参加ください!
ただし、5月でも日によっては夜はちょっと気温が下がる場合もありますので上着などをご用意してお出かけください。
また、参加の際には小さなLEDペンライトとスケッチブックかノート、筆記用具などを準備されると実際に観察した様子などを忘れないうちに記録できますのでぜひご用意ください!

また今年のGW中は殆ど月明かりの影響を受けないできれいな星空を眺められるチャンスでもあります。
今の季節は春の星座たちも見やすい頃ですね。
北天の高い空に見えている北斗七星が春の星座を見つけて行くときにとても良い目印になってくれますので星座早見盤を片手に実際の夜空でいくつ星座が見つかるか試してみて下さい!

深夜には早くも夏の星座たちも姿を見せ始めて街明りの少ない場所でしたら天の川も見ることができそうです。
6日未明にはみずがめ座流星群もありますので楽しみです。

そして今年のさそり座には今月末に2年ぶりに接近となる火星と人気の土星も加わっていて、いつもと雰囲気がだいぶ違っているので、そんな様子もぜひGW中に見ておいて下さい!!
火星の見える位置もこの5月中でも意外と変化していくので目立つさそり座の星並びの中で火星がどこに見えているかを時々写真撮影かスケッチして比較してみるのも面白そうです。

                                                                   
最近は日暮れ時間もだいぶ遅くなってきていて、ずいぶんと日が伸びてきたというのを感じます。
 毎月恒例の会津での5月の日の出、日の入り時刻を4月初めと比べてみると以下のようになりました。
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  月   日   日の出       日の入り  
 4月  1日  5時 24分    18時 05分 
5月  1日  4時 43分    18時 33分   
 5月 31日  4時 19分    18時 58分 
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夕方の暗くなる時刻もそうですが・・夜明けの時刻もだいぶ早くなってきています。
5月の初めでも3時10分頃には少しずつ東の空が明るくなり始めますので早起きして夜明け前の星空を眺めようとすると早目に休んでおかないと寝不足になってしまいそうです。
もし時間があれば、5月初めと月末とで昼と夜の時間を計算してみて下さい!
きっと意外な数字が出て昼と夜の時間がこんなに違ってくるんだと驚かれるかもしれませんよ!
 

それではそろそろ2016年5月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 5月 4日(水) 夜明け前の細い月を見てみよう!

5月7日に新月を迎える月が4日までなら明け方の東の低い空で見ることができそうです。
5月4日未明の月は月齢26.3で意外と細くなった様子が楽しめそうです。
会津では3時半頃には東の低い空に見えて来てお天気さえ良ければ明るくなりかけてきた空で美しい景色となって眺められそうです。
翌日5日未明にはちょっと条件が厳しくなってしまいそうなのでもし早起きできるようでしたら1日前の3日未明と4日未明に見ておけると月の見える位置がだいぶ変わる様子や欠け具合の変化などもわかるはずです。
この頃の月では双眼鏡などで眺めれば地球照によって欠けた部分も淡く光って丸い月の形がわかるはずなのでその辺も確かめてみて下さい!

もうちょっと早起きして3時頃までなら真夏の星空を一足先に満喫できそうです。
さそり座の火星と土星も見えていますし、運が良ければ流れ星も見れるかもしれませんね!!
 
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☆ 5月 6日(金) 夜明け前のみずがめ座流星群!

毎年GW最後に注目されているのが6日の夜明け前にピークを迎えるみずがめ座流星群です。
周期76年で太陽を巡っている有名なハレー彗星がから零れ落ちた粒子がこの時期に地球にぶつかってたくさんの流れ星となって見えるそうです。
日本からだと流星群の放射点があまり高く昇らないうちに夜明けとなってしまうので実際に見られる数は限られてしまいますが南半球では夏のペルセウス座流星群に匹敵するような大出現が見られるそうなので可能であればオーストラリアかニュージーランド付近の星のきれいな場所で1度眺めてみたいものです。

幸い今年のピークと予想されているのが日本時間で6日5時頃という点や月明かりの影響が無いという好条件なので2時頃から夜明け前までのチャンスにぜひ東の空を中心になるべく夜空を広く眺めてみて下さい!!
放射点が低いと数は少ないものの比較的長い経路の流れ星が見える確率が高くなるので街明りの少ない場所で忘れずに見てみてください!
夜明け前には冷え込むこともありますのでしっかりと寒さ対策をして楽しんで下さいね!

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☆ 5月 8日(日) 夕方の空でアルデバランが月に隠れる!!& 月齢1.6の細い月

8日夕方にはおうし座の1等星アルデバランが月に隠される現象が起こります。
月に隠れるのは会津では18時33分ですが、この時間帯だとまだ太陽が沈む前でまだまだ空が明るいこと、そしてこの日の月は月齢1.6でまだ新月を過ぎたばかりの細い月なのでその時間までに月が見つかるかどうかちょっと心配ですが・・西空で太陽の左上方向22度くらい離れた場所を双眼鏡で捜してみて下さい!
その時にはくれぐれも間違って双眼鏡では太陽を見てしまわないように細心の注意を払って下さいね!

隠れてしまったあとは月が少しずつ星空の中を移動して行って、再び月の右下からアルデバランが見えて来るのが19時28分頃になりますが、この時点での月の高度は7度くらいしかありませんので西北西の空でなるべく低い空まで見渡せる場所で見てみて下さい!

そして低空に雲などが無ければ月齢1.6の細い月の姿にもご注目下さい!

出現してからちょっと時間が過ぎれば今回はかなり細い月なので肉眼でも月のそばにポツンと光るアルデバランの姿が見つかるかもしれませんのでどんな感じで見えるか確かめてみたいものです。

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☆ 5月 13日(金) 会津そらの会 観望会予定!

4月から再開となった会津そらの会の観望会、5月は月の見やすい13日に開催予定です。
今月も見やすい位置にある木星と月を中心に春の夜空を一緒に見上げてみましょう!
街中からも見つかる春の星座捜しや星の質問コーナー等も行う予定です。
詳しい内容等は開催が近くなった頃に会津そらの会のツイッターやfacebookからご案内しますのでお楽しみに!!

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☆ 5月 15日(日) 月と木星の大接近!!

15日夜、空が暗くなり始める頃に南の空を見上げると半月を過ぎたばかりの月と明るい木星が並んだ様子を見ることが出来そうです。
今回の接近では両者の間隔は約2.6度程なので結構近くですね。
木星が明るいので肉眼でも並んだ様子は十分楽しめそうです。
また、この前後の夜にも連続で見ておくと木星と月の距離が一晩毎にずいぶん大きく動いていく様子を確かめるチャンスなのでお天気が良かったらぜひ続けて見ておいてください!

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☆ 5月 22日(日) 火星が衝! & 満月 & 満月と土星の接近

火星軌道
火星軌道

今年はさそり座で赤っぽい色で目立つ火星が5月22日に衝を迎えます。
これからしばらくの間は火星の見頃を迎えることになります。
この時には太陽-地球-火星が一直線に並んだ状態でこの頃に火星が最も明るく見えます。
この頃の火星の明るさはマイナス2.1等級でしし座に見えている木星とほぼ同じ明るさになります。
色の違いはありますが、木星と火星の夜空での明るさがどんな感じに見えるのかぜひ確かめてみて下さい!!
今回の接近では地球と火星の距離が最接近となるのは9日後の31日になるそうです。
そして22日夜は満月で、さらに月と土星、そしてそばの火星が集まって見えるという豪華な夜でもあります。
満月になる時刻は朝6時過ぎなので夜に見える時にはホンの少し欠け始めてはいますが・・。
今回の接近した様子は21時頃、南東の空で見やすくなっているのでぜひご覧になってみて下さい!

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☆ 5月 30日(月) みずがめ座のλ星の星食!

会津では30日夜、1時48分過ぎにみずがめ座のλ星(3.7等星)が月に隠され、約1時間後の2時48分過ぎに再び姿を見せる星食があるようです。
この夜の月は月齢23、下弦を過ぎたばかりの月で、星食が始まるころの時間にはまだ東南東の低い空なので東方面が開けた場所で見るようになりそうです。
月のちょっと南側寄りのところを通過していく様子は双眼鏡でも眺めることが出来そうです。
夜中過ぎの星食ですが比較的明るい星の星食なので見ておきたいところです。

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☆ 5月 31日(火) 火星が最接近!

およそ2年2ヶ月毎に地球に接近する火星ですが、その際の接近距離は下記の図でわかるように火星の軌道が地球などに比べて少し楕円になっている割合(軌道離心率)が大きいために毎回の接近で距離が大きく変わっていきます。
今回の接近では5月31日6時半頃に地球と火星が7528万kmまで近づくようです。
(次回、2018年7月31日には2003年以来久々の大接近を迎えるのでこちらも楽しみです)
軌道を1周する時間は地球が365日、火星が687日(地球時間で)なので実際には地球が火星に追いつき、追い越していくようなイメージを想像してもらうとわかりやすいでしょう。
最接近の頃の火星の見かけの大きさは18.6秒角程なので望遠鏡で100倍ほどの倍率で見れば肉眼で見た時の月の大きさくらいには見えそうです。
今回の火星接近に合わせて田村市の星の村天文台では5月27日~29日までの3日間に火星接近特別夜間も開催予定とのことなので天文台に出かけて大きな望遠鏡で見てみるのも良さそうです。
また6月や7月の観望会等ではまだそれほど遠ざかってしまう前の火星の姿を望遠鏡でも見て頂ける予定なのでこちらもお楽しみに!