昨年、奇跡の帰還が話題を呼んだ工学実験探査機(小惑星探査機)「はやぶさ」は、小惑星から
岩石のかけらを持ち帰るという世界初の偉業を成し遂げました。
その後継機「はやぶさ2」計画が、事業縮小・相当の予算圧縮が必要とされることに意義をとなえ、
当初の予定通り一連のミッションが遂行なされることを希望し、この声明を発表します。

「はやぶさ2」計画の推進を願う 

「なぜ必要なのか」という問いには、素人ながら次のように考えます。前回のプロジェクトにおいて
多くの民間企業に新たな技術改革をもたらした事実、宇宙の技術は目の前にあります。
太陽電池、蓄電池。携帯タッチパネル、プラズマディスプレイ。自動車のターボチャージャー、
ジェットエンジンのタービンブレード、熱遮断する塗料。
福島県内でも、多くの企業と学校が協力し、はやぶさプロジェクトを支えました。

「はやぶさ」の壮大な計画および必要な技術は、すべて日本の独創性、創造性によるもので、
計画推進は今までになかったものが出来るきっかけになります。また、新しい独創的な技術は、
日本の宇宙開発の歴史の積み重ねの上にあり、世界トップの位置にある「はやぶさ」の有形無形の
財産を継承することがまず第一に必要で、それは今しかできないことだといいます。
「なぜ行くのか、何があるのか」それは行けばわかること。新たな発見は必ずあるのです。

小難しいことを並べても、大事なのは、宇宙や科学にはまだまだ夢があるという点だと思います。
子どもに刺激を与え夢を持たせることが出来る点において、宇宙は最適ではないかと思うのです。
プロジェクト内部の方は著書で述べられています。
「「はやぶさ」で刺激を受けた子どもたちが、たとえその後、宇宙を目指さなくても、どんなジャンル
でもいいので、新しい知的な挑戦を志すようになってくれれば」。
宇宙だけにとどまらず、宇宙が様々な分野に興味を持つきっかけになりうるのです。

「はやぶさ」を描いた「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」という映画は、探査機しか出てこない
映画ながら臨場感あふれるCGに大人も涙し、科学技術の映画としては異例の10万人動員を記録。
それほどの人たちが心を動かす何かを欲して、日本人としての誇りを感じたくて観に行きました。
(作品は3月に科学技術映像祭にて文部科学大臣賞受賞。7月、児童福祉文化財に選定)
その映画をきっかけに集まった私達「会津そらの会」は、子ども達に夢を、「はやぶさ」をシンボルに
活動を始めました。「できる」という思いは「はやぶさ」がくれたもの。「はやぶさ」が起こした変化は
確かにあると申し上げます。

人類がこれまで歩んできた道をみると、人間が人間であるわけは「考える」ことにありませんか。
数々の発明や知識が、人を人間としてきました。日本が先へ進むためには、ただ毎日をやり過ごし
ただ生きればいいだけではなく、心を動かして人を育てることが大事だと思うのです。過去、会津藩
家老・田中玄宰は、天明の大飢饉のときに天明の改革を行い、藩校日新館を創設しました。
「はやぶさ2」計画は、すぐ結果が見えるものではないけれど、将来の日本を担う子供達に夢を与え
育て、大人には「できる」という自信を与え、日本の礎の確かな助けになると思います。

震災復興が言われているのはもちろん存じておりますし、当地は被災地でもあります。が、こんな状況
だからこそ、同時に希望の灯りが必要であると訴えます。はやぶさ」は確かにブームになりましたが、
それで終わらせては元も子もありません。今こそ日本に宇宙開発分野を確立し、科学技術で世界を
リードする国になってほしいと思います。それが日本の生きる道であればこそ「はやぶさ2」だけでなく
今後の宇宙関連予算の確保も切にお願いしたく思います。

野田総理はじめ政府・与党の皆さんには、将来の日本への投資をご決断くださるようお願いします。
震災と放射能汚染で苦しんでいる福島県から、本計画推進の政策を強く支持する意見を表明します。

  2011年12月13日  会津そらの会一同