画像提供アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/
月初は21時ごろ、中旬は20時ごろ、月末は19時頃の南に向かって見上げたときの星空です。

2021年もいよいよ5月を迎えました!
いつもの年なら大型連休を使って遠出の旅行等予定が満載のこの時期なのですが・・今年はGWを前に新型コロナ感染拡大を押さえ込もうということで先月25日から3度目の緊急事態宣言が東京・大阪・兵庫・京都に出されました。
福島県内でも4月は感染者数が再び増加傾向にあるのでGWのような人出の多くなるこの時期をどのように過ごすかによって今後の増加傾向が大きく変わってきますのでなるべく不要不急の外出は避けておきたいところです。そんな状況なので今の時期は出来るだけ家の近くから星空を楽しんで頂ければと思います。家の近くで方角によって見晴らしの良さそうな場所をチェックしたり、街灯などの影響もホームセンターや100円ショップなどに売っている黒い色のシートやマット等を上手く活用して直接目に光が届かないように遮ると・・意外と家からでも星がたくさん見えていることに気が付くはずです。
更に小型の双眼鏡を使えば見える星の数もかなり増えるのでゆっくりと眺めるだけでもずいぶんと気持ちがスッキリとなるはずです。家でずっと過ごしているとどうしても色々とストレスが溜まりがちなのでそんな時には星空を楽しんでみて下さい!
5月には今年の注目の天文現象のひとつ「スーパームーン&皆既月食」が26日夕方にあります。
皆既月食の様子は国立天文台のサイトにも様々情報が載っていますので予めこちらを先に見ておいて準備万端でこの珍しい皆既月食に備えて下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2021/05-topics03.html
更に今月後半にはまだ低い空ですがあの宵の明星の金星が再び夕方の空で見えるようになってきます!
他にもGW明けに極大を迎えるみずがめ座流星群も楽しめそうです。
また、夜中には賑やかな夏の星座たちも見やすくなってきていますし、早起きすれば南東の空で目立っている木星と土星を一足先に見ることが出来ますのでこちらの星空案内等を参考にしてご家族一緒に眺めて見て下さい!
そして宇宙関連の話題では先月23日に日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんがアメリカのケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーションに向けて出発しました。国際宇宙ステーションには半年前から長期滞在を行ってきている野口聡一さんもいますので野口さんが地球に帰還する28日までは日本人宇宙飛行士が2人も滞在するという珍しい状況でした。
星出宇宙飛行士はこれから半年間の宇宙滞在予定です。JAXA特設サイトもオープンしましたのでぜひご覧下さい!
https://astro-mission.jaxa.jp/hoshide/

星出宇宙飛行士が搭乗中の国際宇宙ステーションがいつ見られるかは下記のサイトに予報が載っていますので時々チェックしてみて下さい!
https://lookup.kibo.space/
皆さんがお住まいの地点から好条件で見られる日時をチェックして星空の中を移動していくISSを見上げながら星出宇宙飛行士を応援して下さいね!!

☆はやぶさ2関連情報
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

JAXAはやぶさ2ミッショントップページからは次のミッションに向けて旅立ったはやぶさ2までの距離が表示されています。
5月に入って地球~はやぶさ2までの距離はとうとう1億kmを超えました!
地球~月までが約40万km弱、地球~太陽までが約1億5千万kmですのでそうした距離と比較しながらはやぶさ2の旅の様子を思い描いてみて下さい!!
また、過去の記事になりますがはやぶさ2の機体を開発したNECのサイトにあるはやぶさ2関連の記事もまだ見ていない方があればこの機会にゆっくりとご覧になってみて下さい!
https://jpn.nec.com/ad/cosmos/hayabusa2/index.html

はやぶさ2は2020年1月5日にイオンエンジンを点火し、次の目標となる「小惑星2001CC1」に向けて出発しています。
https://twitter.com/haya2kun

「小惑星2001CC1」に接近となるのは5年後の2026年になる予定だそうです。これからもまたはやぶさ2の旅を応援して行きたいですね!はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2021年5月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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 4日(火) : 下弦
12日(水) : 新月
20日(木) : 上弦
26日(水) : 満月 スーパームーン&皆既月食!!
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今年のGWでは月の出時刻が遅いので空が暗くなった頃からしばらくはきれいな星空が楽しめそうです。
せっかくの大型連休なので夜中の遅い時間にいつもと違った印象の月の姿を眺めてみるのも面白そうです!そして5月の満月が今から待ち遠しいですね!

会津での5月の日の出、日の入り時刻を先月の4月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
4月  1日  3時 57分    5時 24分    18時 05分    19時 32分
5月  1日  3時 08分    4時 43分    18時 33分    20時 08分
5月 31日  2時 31分    4時 19分    18時 58分    20時 45分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市での時刻)
6月に夏至を迎えるので5月後半には夜の時間がずいぶんと短くなっていることが上の表からわかります。それぞれの時期で昼と夜の時間がどれくらい違うのかを試しに計算してみると意外な数字にちょっとビックリするはずです。時間のあるときにちょっと計算してみて下さい!
この時期は星を見るには寒さもあまり気にならなくなってきているのでゆっくりと眺めていたいところですが夜の時間が短くなってきていると言うことでお天気の良さそうな夜には予定をしっかりと立てて有意義に過ごしたいものです。気がつくと東の空がいつの間にか明るくなって来ていたなんてことがあるのもこの時期では意外にありますので。
それではそろそろ2021年5月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 5月 3日(月) 夕方の西空低空に水星が見えてくる!!
今月17日に東方最大離角を迎える水星がこの頃から少しずつ条件が良くなってきます。
夕方見える水星の場合には最大離角前の頃の方が明るいので多少高度が低めでも意外と見つけやすい場合がありますので西の低い空がきれいに晴れているときに双眼鏡を使って低い空を捜してみて下さい!
まだ明るさの残っている空に白くポツンと輝く姿が見つかるはずです!
水星の位置は3日頃でしたら19時20分で西北西の方角、高度は5度程になります。
今月半ばになれば水星の下に見えてくる金星も徐々に高度が上がってくるのでいつ頃から金星が見られるかにも挑戦してみて下さい!
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☆ 5月 4日(火) 夜明け前の空で下弦の月が土星に接近!!
4日明け方の空では南東の空でちょうど半分の形になった下弦の月が土星に5度弱まで接近した様子が見られるようです!
現在の土星はやぎ座のほぼ真ん中にあって0.5等の明るさで見えています。
肉眼でも月の少し左斜め上にポツンとクリーム色っぽい土星の姿がわかるはずです。
双眼鏡でも良い感じで眺められそうです。
この日には3時3分頃から薄明が始まりますのでこの頃の時間帯から眺めていると少しずつ明るくなる空の
中で見える印象が変化していく様子も楽しめそうです。
そして下弦を迎えた月の様子にもご注目下さい!
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☆ 5月 5日(水) 夜明け前の空で下弦過ぎの月が木星に接近!!
前日の月と土星の接近に続いて5日未明には下弦を過ぎた月がみずがめ座で-2.2等で明るく輝く木星に6度弱まで接近した様子が見られそうです。
今回の接近ではすぐそばに並ぶと言う程にはなりませんが、木星が明るいので肉眼でも十分に楽しめそうです。もちろん双眼鏡があれば並んだ様子がとても印象的な様子が見られますのでお持ちの方はぜひ向けてみて下さい!
こちらも3時頃から眺めてみたいですね。
このところ夜明け前の天文現象が続きますがちょうどGW中なので早起きして多少寝不足になっても大丈夫そうですので目覚まし時計をセットして是非ご覧下さい!
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☆ 5月 6日(木) 明け方にみずがめ座流星群が極大を迎える!!
毎年GW最後の天文イベントとして恒例となっているのがみずがめ座流星群です。夜空に一瞬の光を残して消えてしまう流れ星は昔から人々の関心を引きつけてきました。そんな流れ星がたくさん見られるのが流星群です。
今回のみずがめ座流星群の場合には1986年にやってきたハレー彗星が残して行ったチリが彗星の軌道上に無数に散らばっていて、地球が毎年その軌道を横切って行く時に小さなチリや砂粒のようなものが地球にぶつかってきて流れ星となって見ることが出来る訳です。
その年に流星群となる流れ星がどれくらい見られるかはチリなどが濃い部分を地球が通過して行くタイミングでなるべく放射点となる位置が高い空にあることが条件になります。今年の予報ではピークとなる時刻が日本時間の6日11時頃と予想されていますので狙い目はやはり6日明け方になりそうです。
会津ではみずがめ座流星群の放射点が昇って来るのが6日だと1時12分頃ですのでそこから夜明けまでがチャンスとなりそうです。3時過ぎには薄明が始まってしまうので実質2時間もありません。
更に今年は月齢22.6の月が同じみずがめ座で輝いているということもあって流れ星を見るには良くない条件です。
みずがめ座流星群は日本からでは元々見られる数はさほど多くは無いのであまり期待しすぎないでのんびりと夏から秋の星座が見えている夜空を眺めながら流れ星が見られたらラッキーみたいな気持ちで見た方が良さそうです。それでもたまに明るい流れ星も出現するので期待したくなりますね。
みずがめ座流星群は数はだいぶ少なくなりますが5月中旬頃までは出現するようです。
この時期でも明け方は冷え込むことがありますのでくれぐれも風邪などひかないようにしっかりと寒さ対策をして臨んで下さい!
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☆ 5月 13日(木) 夕方の西空で水星と月、金星を見つけよう!!
今月17日に東方最大離角を迎える水星が日没後の西北西の低い空に見えています。
13日に夕方には月齢1.6の細い月が水星の5.2度程下に見えてくるはずです。

会津からでは19時30分頃では水星が西北西の空で10度程の所に0等級で見えているようで、そのほぼ真下を双眼鏡で捜せばもの凄く細い月が見つかるはずです。 そしてその細い月から更に右斜め下方向に4.6度程離れて-4等で輝く金星も見えるかも知れません。金星の高度がまだ低いので双眼鏡をお持ちでしたら19時過ぎくらいから西北西の低空を捜してみた方が早く見つかるかも知れません。
金星はこれから少しずつ夕方の空で見やすくなってくるので今から楽しみです。

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☆ 5月 17日(月) 夕方の西空で水星が東方最大離角を迎える!

夕方の低い空に見えている水星は今月17日に東方最大離角を迎えます。この頃が夕方の空では水星の高度が最も高くなります。会津からでは19時30分でも水星の高度は11.2度もあります。
この頃だとほぼ西北西の方角に見えているので最初に双眼鏡で見つけておいて、空が少し暗くなってきたら肉眼でも水星が見えるかどうか是非確かめてみて下さい!水星の右下方向に約8度程離れて光る金星も捜してみましょう!金星の高度は19時30分では約4度程になります。
このあと日毎に高度を少しずつ上げて来ますのでこの日以降も時々夕方の低い空を確かめてみて下さい!

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☆ 5月 26日(水) 5月の満月:「フラワームーン」 & 皆既月食 & スーパームーン!

今月26日の20時14分に満月を迎えるのですが,この夜の満月は今年最大のスーパームーンであることに加えて夕方からは日本全国から見られる月食が始まり、20時11分には皆既月食を迎えるというかなり珍しい様子を見ることが出来そうです。今回のように好条件で見られる皆既月食は約3年半ぶりの出来事なのでぜひご家族そろって楽しんで頂ければと思います。

皆既月食の様子は国立天文台のサイトにも情報がありますので予めこちらを見ておいて準備万端でこの珍しい皆既月食に備えて下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2021/05-topics03.html

この日の会津からの月の出時刻は18時40分になります。
今回の皆既月食の進行時刻と会津での月の高度は下記のようになります。

本影による月食の始まり 18時45分   0度
皆既月食の始まり    20時11分  13度
皆既月食の終わり    20時26分  15度
本影による月食の終わり 21時52分  25度
半影による月食の終わり 22時51分  29度

今回の皆既月食は比較的早めの時間に全経過が見られるという好条件でしかも寒くない時期ですのでお天気が良ければ最後まで見ておきたいところです。月の高度が少し低めですので東南東~南東の方角が開けた場所で見たいですね。今回の月食の様子は肉眼でも十分に楽しむことが出来ますが、小型の双眼鏡があると更に欠けた様子がわかりやすいのでお持ちの方は是非使って観察してみて下さい!

そして皆既になっている時間が約15分程しか有りませんのでこの時間をなるべく有効に活用したいところです。皆既中の赤っぽい不思議な色合いや明るさが落ちた満月の周囲に見える小さな星の様子も楽しめますので。
普段の満月では月明かりの影響で周囲の星は殆ど見えにくくなってしまいますが、月が暗くなる今回のような皆既月食では周囲の星空との様子にも注目しておきたいところです。
皆既を迎える頃の月はちょうどさそり座の付近に見えていて,月の少し下にはさそり座の赤っぽく光る1等星アンタレスもありますのでそこからさそり座の形を捜してみたいものです。

また、5月の満月は「フラワームーン」とも呼ばれる別名あるそうです。
本格的な春を迎え、様々な色の花が見られるこの時期にとても相応しい呼び名ですね!

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☆ 5月 29日(土) 夕方の空で金星と水星が大接近!!

夕方の低い空で徐々に高度を上げて来ている金星と下がりつつある水星が29日夕方に0.5度くらいまでの大接近となるようです。
但しこの頃には水星は地球からも離れ、かなり細く欠けてきているので夕方のまだ明るさが残っている空の中ではどれほど見えるのかは実際に見てみないとわかりません。
場所は金星の左斜め下になりますので双眼鏡か望遠鏡を使って見えるかどうか確かめてみたいですね。
19時40分頃では西北西から少し北寄りの空、高度は5度程になります。
金星は-4等級ととても明るいので最初に金星を見つけてから水星を捜してみましょう!

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