今年も早いものでもう3月を迎えました!
3月と聞くと、季節的には冬から春へ移り変わる時期というイメージを多くの方が持っていると思います。
実際には3月でもまだ雪が降ったりすることもありますが、星空を眺めて見ると同じ時間に見える星座も着実に移り変わって来ていていつの間にか春の星座がずいぶんと見やすくなってきていることに気がつくことでしょう。
毎年星空を眺めていると同じ時間帯に見える星座の位置を段々と覚えてきて、いつの間にか気がつくと星空から季節感を感じられるようになってきます。
そんなことも思い出しながら春の星座を今シーズンはまたいくつか覚えていって頂けると良さそうです。

ところで、このところ毎日発表されている新型コロナウイルスによる感染者数も2月後半になってきて次第に減少傾向となってきています。
可能ならこのまま収束に向かって行って欲しいところですが、今の状況をこのまま維持する為にはもうしばらくの外出自粛等や一人一人の感染拡大防止への心がけが大事になってきます。
先月から日本でもワクチン接種が始まってきていますが、一般の方々が接種出来るまではまだもう少し後になりそうなのでまだしばらくの間は感染対策を意識しながらの生活になりそうです。
1日も早く以前のような生活が出来る日が来て欲しいですね!

そして今年の3月11日にはあの東日本大震災から10年目を迎えます。
そんな時期をようやく迎えようとしたその矢先、先月13日深夜には福島県沖を震源とする震度6強の大地震が発生しました。
幸いにも津波の発生は無かったものの、県内でも多くの建物の被害が発生してしまいました。
今回の地震でもあの東日本大震災の時と同じように地震の揺れが長く続き、それが段階的に強い揺れになっていったことで10年前の大地震での出来事が思い出され、余震が続く中眠れないまま朝を迎えました。
ニュースなどの報道では今回の大地震も10年前の余震だと考えられること、しばらくの間はまた強い地震があるかも知れないので備えをしておくことの大事さなどを伝えていました。
今回の大地震を教訓に、あの東日本大震災の出来事を後世に伝えていくことの重要性を改めて感じています。

そして3月20日には春分を迎えます。
この日を境に昼と夜の長さが逆転することになるので夜明けの時間や夕方の仕事帰りの時間でずいぶんと昼の長さが長くなってきたことを実感できるのもこの頃です。
春は黄砂の影響などで夜空もちょっと霞んで見えることもありますが、雨上がりの後などでは意外ときれいな
星空が見えたりすることもあります。
天気予報をこまめにチェックして春の夜空を楽しみましょう!
この時期は日中との気温差も大きくなり、夜になると思ったよりも体感温度が寒く感じられることもあるので
まだまだ防寒対策も大事です。

夜空では火星がいつの間にかおうし座に入っていて,4日前後にはあのすばる星団に接近する様子も見られそうです。
双眼鏡があればしっかりと楽しめそうですね!
すばるとの接近を過ぎた後も火星の動きにはまだまだ注目していきたいですね。

また、明るい星が目立つ冬の星座たちも夕方ならまだまだ見やすい状態です。
ちょっと遅い時間にはあまり見る機会の無い冬の星座たちが西に傾いた様子等も見られますのでぜひこの時期に見ておいて下さい!
明け方の空では秋の星座のやぎ座には土星が見えていて、その後に昇って来る木星と水星が5日頃には大接近するなどの様子も楽しめそうです。

日本人宇宙飛行士野口聡一さんが滞在中の国際宇宙ステーションがいつ見られるかの予報が出ているサイトは
こちらです。
https://lookup.kibo.space/
皆さんがお住まいの地点から好条件で見られる日時をチェックして星空の中を移動していくISSを見上げてみてください!

そして野口宇宙飛行士が滞在するISSでのミッションに関する情報もこちらにたくさん紹介されていますので是非ご覧下さい!
https://astro-mission.jaxa.jp/noguchi/

☆はやぶさ2関連情報
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

JAXAはやぶさ2ミッショントップページからは次のミッションに向けて旅立ったはやぶさ2までの距離が表示されています。
新たな追加ミッションに向けて地球から徐々に離れて行くはやぶさ2の様子を時々チェックしてみて下さい!
そういえば、今月12日~16日にあのはやぶさ2帰還カプセルの実物展示を神奈川県相模原市博物館で開催するそうです。
いつかあのはやぶさ初号機の時のように全国各地での展示が行われると良いですね!近くで開催されればぜひ見に行きたいものですので。

そしてJAXA宇宙研のある相模原市では今回のはやぶさ2が無事に帰還したことでの記念に新たにはやぶさ2と相模原市のキャラクター「さがみん」をデザインしたマンホール蓋が出来たそうです。
https://www.townnews.co.jp/0303/2021/02/11/561588.html
こちらもいつか実物を見に行きたいですね!

はやぶさ2は2020年1月5日にイオンエンジンを点火し、次の目標となる「小惑星2001CC1」に向けて出発しています。
https://twitter.com/haya2kun
「小惑星2001CC1」に接近となるのは5年後の2026年になる予定だそうです。
これからもまたはやぶさ2の旅を応援して行きたいですね!

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2021年3月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
-----------------
  6日(土) : 下弦
13日(土) : 新月
21日(日) : 上弦
29日(月) : 満月
-----------------
3月は下弦を迎える6日頃~16日頃までは月明かりの影響が少なく星見には適した時期になります。

会津での3月の日の出、日の入り時刻を先月の2月と比べてみると以下のようになりました。
—————————————————————————————————          
月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
2月  1日  5時 14分    6時 41分    17時 07分    18時 34分
3月  1日  4時 45分    6時 10分    17時 36分    19時 01分
3月 20日  4時 17分    5時 42分    17時 54分    19時 19分
3月 31日  3時 59分    5時 25分    18時 04分    19時 31分
—————————————————————————————————
(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市での時刻)

今月20日には春分を迎えます。
上記の表を見ると1ヶ月間の変化が意外と大きいことに気がつきます。
時間があればそれぞれの日付で昼と夜の時間を計算してみて下さいね!

それではそろそろ2021年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!
==================================
☆ 3月 4日(木) 夕方の空で火星がすばる星団と大接近!! 

昨年秋に地球に接近した火星は地球よりも遠い軌道を回っている為に地球に追い抜かれて次第に離れて行っています。
この頃の火星までの距離は地球から太陽までの約1.5倍の約2億2440万km程になっています。
そんな火星に先月19日にはアメリカNASAの新しい探査車「パーサヴィアランス」が無事に着陸を行ったというニュースが入りました。
「パーサヴィアランス」で検索すると着陸の時の動画や着陸してから撮影されたパノラマ画像、そして火星の音なども公開されていますのでお時間のある時に是非ご覧下さい!
遠い惑星へ探査機を送り込む技術はかなり困難がありますが,実現した時の成果はとても大きいので日本の
はやぶさ2での次のミッションもぜひ成功させて欲しいものです。
JAXAでは火星の衛星からのサンプルリターンを行うMMX計画を準備中です。
http://mmx.isas.jaxa.jp/index.html

火星は地球から遠ざかっていて明るさも他の1等星と同じくらいになってしまいましたが,そんな火星がおうし座の散開星団すばるに4日夜に2.7度程まで大接近する様子が見られそうです。
見るには空が暗くなった19時過ぎがお奨めです。
出来れば双眼鏡で眺めると寄り添っている様子がよくわかりそうです。
双眼鏡で眺める火星とすばるの様子は12日頃までならまだ大丈夫そうなのでお天気が良かったら時々見てみて下さい!
火星の動いていく様子が確かめられますよ!

————————————————————————————————-
☆ 3月 5日(金) 夜明け前の空で水星と木星が大接近!!

5日の明け方、東南東の低い空で水星と木星が0.5度程まで上下に並んで接近した様子が見られそうです。
水星は今月6日に西方最大離角を迎えるのでこの機会に明け方の水星も見つけてみましょう!
木星の明るさは-2.0等、水星は0.2等とどちらも明るいので月の大きさ程まで接近した様子はなかなか面白そうな接近です。
但し、このところ夜明けの時間が早くなってきていますのでなるべく低い空まで開けた場所が必要となります。
また、会津では空が少し明るくなって来ている5時15分でも水星と木星の高度はまだ3度くらいですので双眼鏡が必要になりそうです。
このように実際に見るには条件はちょっと厳しめですが今回のような水星と木星の大接近はなかなか珍しいので是非早起きしてご覧下さい!

木星と水星の右上には少し離れて土星も見えているので(こちらは双眼鏡で一緒に見るには少し離れすぎていますが)確かめておいて下さい!
土星の明るさは0.7等星で木星からは右上方向で8.5度くらい離れたところにあります。木星と土星は今年はやぎ座の中にありますので秋の頃には一緒に楽しめそうですね。

6日の明け方には木星と水星が5日よりホンの少し離れて横に並んだ様子も見られそうなのでお天気が良ければこちらもご覧下さい!

————————————————————————————————-
☆ 3月 8日(月) 小惑星ベスタが衝を迎える!

先月の星空案内でもご紹介した小惑星ベスタが今月8日に衝を迎えて見やすい状態が続いています。
先月はしし座のしっぽにあるデネボラの近くに見えていましたが、その後少し位置が移動して8日には後ろ足の付け根にある3等星のθ星から少し北側に見えています。
3月に入ってしし座も見やすくなってきましたのでこの機会にもう一度小惑星ベスタの姿を捜してみて下さい!ベスタの明るさは衝を迎えて6.2等になっていますので位置さえわかれば双眼鏡でもしっかり見えるはずです。
双眼鏡は手持ちだと視界が揺れて小さな星を見る時には見えにくくなったりするので、もし出来れば三脚に固定するか、双眼鏡を持った両肘を手すりや何か台のようなものに載せておくと手ぶれの影響が少なくなってかなり見やすくなるので試してみて下さい。

下の画像は8日21時の夜空になっています。
1枚目の画像でしし座全体の様子を確かめて、腰のところで光っているθ星を双眼鏡で捉えれば、θ星の少し左上にベスタ(矢印の下)が見つかるはずです。


枚目の拡大画像を参考に捜してみましょう!
前後数日間ならさほど大きくは移動しないのでお天気の良さそうな日を選んで探してみて下さい!

————————————————————————————————-
☆ 3月 10日(水) 夜明け前の空で細い月が土星と接近!

10日の未明には東南東の低い空で月齢26の細くなった月が土星と4.8度程まで接近します。
このくらいの間隔なら双眼鏡でも一緒に見やすいでしょう!
5時頃が見やすいみたいですのでちょっと細くなった月と土星の姿を早起きして是非ご覧下さい!
土星の左下には木星と水星も見えているはずなのでこちらも捜してみましょう!
細くなった月は13日(土)に新月となります。

————————————————————————————————-
☆ 3月 15日(月) 夕方、西の空で細い月を見てみよう!

今月13日に新月を迎えた月が夕方の空に見えて来ます。
新月から数えて3日目なのでこの時に見える姿が本当の三日月になります。会津では18時30分頃なら真西から少し南寄りの高度10度程のところにかなり細い月の姿が見えてくるでしょう!
この時の月齢は2.0なのでまだまだ細い月の姿が夕方の空で色が濃くなる頃に眺めるとかなり印象的な景色になりそうです!双眼鏡を使って眺めればより細い姿をしっかりと見ることが出来そうです。
また、個のように細い月では欠けた部分も地球からの照り返しによってうっすらと見える地球照という現象も見やすくなるので確かめてみて下さい!!

望遠レンズの付いたカメラがあれば空があまり暗くなる前に地上の景色と一緒にぜひ撮影してみて下さい!。

————————————————————————————————-
☆ 3月 19日(金) 月と火星が接近!!

19日の夕方には月齢6の月がおうし座に見えている火星に5度程まで接近します。
今回は月の位置がおうし座の散開星団すばるとヒアデス星団のほぼ真ん中付近に見えていますので標準レンズから100mmくらいの望遠レンズで撮影すればふたつの散開星団と月、そして火星までを一緒に捉えることが出来そうです。今回の接近はお天気が良かったら少し夜空の暗い場所肉眼でも眺めて見たい現象ですね!

————————————————————————————————-
☆ 3月 21日(日) 火星とおうし座のアルデバランが接近!

赤っぽい色で輝く火星がおうし座の1等星アルデバランに約7度程まで接近します。
双眼鏡で一緒に眺めるにはちょっと遠いのですが、どちらも赤みを帯びた色合いが特徴で明るさ的にも近いのでこの機会に双眼鏡を使ってそれぞれじっくりと交互に見比べてみて下さい!
恒星の赤い色合いと火星の赤みを帯びた姿は普段だとどちらも一緒にされがちですが・・実際に見比べるとやはり違うものなんだと納得して頂けるはずですので。
双眼鏡で眺める時にはすぐそばのヒアデス星団の様子も是非お楽しみ下さい!

————————————————————————————————-
☆ 3月 23日(火) 好条件の4等星の星食が見られる!!

月を毎晩見ていると夜空の中を東へと移動していく様子がわかります。
目立つ惑星に接近した時が特にわかりやすいですね。
2,3日続けて見ていくと・・一晩でも結構移動していくことがわかります。
これは月が地球の周りを約1ヶ月程かかって回っている為に見える現象です。
そんな月が夜空を移動していく間に時々遠くにある星を隠してしまう現象が起こります。
これは星食や掩蔽と呼ばれる現象で時間と共にじわじわと星が月に接近していくように見え、ある瞬間に
パッと星が消えてしまう様子を見ることが出来ます。
こうした星食は時々起こっているのですが、隠される星が暗い場合や月の高度が低かったりすると見えにくいので普段はあまり気がつかない現象です。
そんな中で今月23日にはちょうどふたご座にある3.6等星の星が月齢10の月に隠されて行く様子,そして再び月の後ろから出現する様子を好条件で見ることが出来るチャンスになります。
今回は比較的明るい3.6等星の星が隠れる好チャンスですが、月が半月を過ぎているので見るにはやはり
双眼鏡や望遠鏡が必要です。
会津では月の欠けた側に隠れるのが18時57分、月の明るい西側から出現するのが20時27分頃となる
予報です。
見る場所が会津市内から離れてしまうと時刻も変わってしまいますので予報は目安程度に思って、実際に隠れるタイミングを確かめて見て下さい!
今回の星食ではやや月が明るいもの月の高度が70度程と高いことやあまり遅い時間にならなくて出現まで見られるという好条件なのでぜひご覧下さい!

————————————————————————————————-
☆ 3月 29日(月) 今年3度目の満月! ワーム・ムーン!

今月は29日3時48分に満月を迎えます。
今月は日付が変わって明け方に満月となるので実際に夜空で眺めた時には28日の夜空で見た時の方が満月に近い状態になります。
お天気が良かったら28日の夕方と29日の夕方の月を見比べてみて下さい!
会津での月の出時刻は28日が17時19分、29日が18時32分になるようです。

下の画像は先月27日深夜に撮影した満月です。
この時も17時過ぎに満月を過ぎているので画像の月の縁を良く見ていくと西側が既に少し欠け始めている様子がわかります。
肉眼だと違いはわかりませんので次の満月で双眼鏡や望遠鏡で確かめてみて下さい!

また、同じ満月と言っても実は月は地球に対してぴったり同じ面を向けている訳では無く,多少上下左右にふらついているので実際には月の表面の59%が見えていることになるそうです。
月の模様がどれくらい縁にあるかなどで違いがわかりますので何度か満月の時に撮影して写真で比較してみて下さい!

ところで3月に見られる満月をワームムーンと呼ぶ言い方があるそうです。
ワームというのは虫ですので3月を迎えてそろそろ冬眠から覚めた虫たちが姿を見せる時期という意味合いがあるのでしょうけれど・・今年は暦の関係で満月が月末頃に来ているので実感としては少しズレがあるように感じてしまいますが・・。