画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/
15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。

2021年が始まってもう1ヶ月が過ぎました。
皆さんはどんな新年を迎えられたでしょうか??

1月に入ってからも新型コロナウイルスによる感染は全国的にも多く広がっている中で福島県でも不要・不急の外出は出来るだけ控えるようにとの要請も発表されていて今後が心配されます。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/covid19-portal/covid19-taisaku0113-0207.html
こうした状況ですので,今後効果的な薬の開発やワクチン接種が一般的にも行われるようになるまでは一人一人が自覚を持って感染を拡大させないようにする普段の生活での配慮が大切になります。感染防止に関するサイトなども色々とありますので参考にしながらこの局面を乗り越えていきましょう!

ところで、今年の節分は珍しく2月2日になっているそうですね!
今年の暦では立春が2月3日(いつもの年では2月4日ですね)になっていたので、立春の前日になる節分も1日早くなっているみたいです。暦関連の資料を見てみたら124年ぶりのことになるそうですのでかなり珍しいみたいですね。ちなみに来年の立春は2月4日に戻るみたいです。

最近は寒い中、外出自粛等でずっと家で過ごしている時間が長くなってくると気分的にもなんとなくもやもやとしたすっきりしない気分になってしまうこともあるでしょう。
そんな時にはぜひ窓からでも空を見上げてみて下さい!夜空の星だけでなくても昼の青空や雲、あるいは雪の降っている時でも、人は空を見上げることで気持ちを切り替えたり出来るものですので。それが美しい星空や明るい月等ならなおさら効果的です!でもやっぱり2月の時期は1年中で最も寒さの厳しい時期というイメージがあるかと思いますが、星たちの輝きは寒い程に美しく感じられるものなので是非実際の夜空で確かめてみましょう!

風邪などひかないようにしっかり寒さ対策をして家のそばからでも見上げてみて下さい!
2月は27日が満月となるので下弦を迎える5日以降は月の出も遅いので2月半ばくらいまでは夕方暗くなった頃には月明かりの影響も無くてお天気さえ良ければきれいな星空が楽しめそうです。冬場にはなんといってもオリオン座を中心とする賑やかな星座がまとまっていて多少街中でも十分見つけられます。2月初めの頃なら19時くらいにはオリオン座の1等星ベテルギウスを中心に周囲にある1等星6個を結んで巨大な冬のダイヤモンドを描くことも出来ますので!その時には見るだけじゃ無く夜空に手を伸ばして指で大きな六角形を描いてみて下さいね!

また、夕方暗くなった頃には天頂から少し西寄りの高い空で赤っぽく光る火星の姿もまだ目立っています。
2月初めの頃の明るさはまだ0.5等級なのでパッと見上げた時でも意外と目立ちます。この火星が月初めにはおひつじ座のお腹付近から月末にかけて次第におうし座方向に星空の中を移動していく様子も時々チェックしてみて下さい!3月初めの頃には火星がすばるの近くに接近する様子も見られそうなので楽しみです。

夕方の空で見えていた木星と土星、そして明け方の金星もこのところ太陽の近くに移動してきたのでしばらくは見られません。月末になってくれば明け方の空でかなり低い空に土星と木星が昇って来るようになりますので来月がまた楽しみです。

さて、日本人宇宙飛行士野口聡一さんが滞在中の国際宇宙ステーションがいつ見られるかの予報が出ているサイトが12月末に新しいページにリニューアルしたようです。
https://lookup.kibo.space/
お住まいの地点から好条件で見られる日時をチェックして星空の中を移動していくISSを見上げてみてください!
そして野口宇宙飛行士が滞在するISSでのミッションに関する情報もこちらにたくさん紹介されていますので是非ご覧下さい!
https://astro-mission.jaxa.jp/noguchi/

また、日本が次世代機として開発中のH3ロケットに関する情報もこちらにありますのでご覧下さい!
https://news.mynavi.jp/article/20210124-1668911/
いつかはロケットの打ち上げも実際に見てみたいものですね!

☆はやぶさ2関連情報
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

JAXAはやぶさ2ミッショントップページからは次のミッションに向けて旅立ったはやぶさ2までの距離が表示されています。新たな追加ミッションに向けて地球から徐々に離れて行くはやぶさ2の様子を時々チェックしてみて下さい!

はやぶさ2は2020年1月5日にイオンエンジンを点火し、次の目標となる「小惑星2001CC1」に向けて出発しています。
https://twitter.com/haya2kun
「小惑星2001CC1」に接近となるのは5年後の2026年になる予定だそうです。
これからもまたはやぶさ2の旅を応援して行きたいですね!

そういえばつい先日ですが、ちょっと懐かしい映像を見ましたのでご紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=IIMqG4fDu1c
タイトルと内容は見てのお楽しみということで,お時間ある時にぜひご覧になってみて下さい!

NHKのはやぶさ2 特設サイトにも詳しい情報がたくさん載っています。まだ見ていないという方は是非1度ご覧下さい!
https://www3.nhk.or.jp/news/special/hayabusa2/

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます。
「頑張れ! はやぶさ2!!」

これからもみんなで応援していきましょう!

2021年2月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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 5日(金) : 下弦
12日(金) : 新月
20日(土) : 上弦
27日(土) : 満月
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2月は下弦を迎える5日頃~16日頃までは月明かりの影響が少なく星見には適した時期になります。冬ならではの美しい星空をじっくりとお楽しみ下さい!

会津での2月の日の出、日の入り時刻を先月の1月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
1月  1日  5時 21分    6時 52分    16時 36分    18時 06分
2月  1日  5時 14分    6時 41分    17時 07分    18時 34分
2月 28日  4時 47分    6時 11分    17時 35分    19時 00分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市での時刻)

寒い冬の季節はまだまだこれからですが、2月になると昼の時間も徐々に延びて行きます。
特に日の入り時刻や空が暗くなる時間が遅くなってきたことを実感できるはずです。
お時間があれば上の表を使ってそれぞれの日付で昼と夜の時間を調べてみて下さい!
季節は少しずつ春に向かっていますので冬の星空を楽しみながら春の訪れを待ちましょう!

それではそろそろ2021年2月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 2月 3日(水) 立春 

今年は2月3日に立春を迎えるそうです。
寒さはまだしばらく続きますがテレビの気象情報などで立春の声を聞くと春が待ち遠しく感じられますね。

地球から飛び出して宇宙空間へ移動したとすると・・地球の少し後ろから見た太陽は下の画像にある黄色いラインで描かれている黄道上を1年かけて巡っていきます。
今年の立春となる2月3日に太陽がどの方向に見えるのかを再現してみると・・この時はやぎ座の背中付近にあります。

視野を少し広くして下の図を見ると左端の方には黄道と赤道が交じる春分点があります。
現在の暦ではこの春分点から東回りに角度を区切っていって,15度毎に二十四節気を割り当てています。立春では太陽の位置が春分点から315度の位置に来た瞬間を含む日としているようです。実際に昼の青空の中では太陽が眩しすぎてこんな風に星空は見ることは出来ませんが・・1年かかって太陽の周りを巡っている事をこの機会に少しでも感じて頂ければ幸いです。

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☆ 2月 5日(金) 2時37分に下弦となる月を見てみよう!

会津では2月4日の夜半過ぎ、日付が5日に変わって0時15分に月の出を迎えます。
この夜の月はこのあと2時37分にちょうど半分となる下弦を迎えます。この時刻だと月は南東の方角で高度もまだ22度程とあまり高くは昇っていませんが、前日の明け方に2月中では地球と月の距離が最も近くなる頃になっている為に今回の下弦の月はスーパームーンに近い大きさで見られるはずなんです。寒さの厳しい時期ですが深夜にちょっと起きて下弦を迎えた月を眺めて見るのも良さそうです。双眼鏡があればきれいな半分の姿をじっくり楽しめそうです!

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☆ 2月 6日(土) 小惑星ベスタがしし座のデネボラ近くで見やすい!!

明るい小惑星のひとつ「ベスタ」がしし座のしっぽで光る2等星デネボラの近くで見やすくなっています。
明るさはこの時期では6.8等星とベスタとしては明るく見やすくなってきています。とはいっても肉眼では無理で、最低でも双眼鏡は必要な明るさです。約7等星の明るさですが、普段だとこのくらいの星は周囲にたくさんあって見つけるのもなかなかやっかいだったりするのですが・・今月6日にはしし座のしっぽで光る2等星デネボラの近くに見えているので捜しやすいという好機を迎えています。しし座は春の星座なので出来れば23時頃のある程度空高くに昇った頃が見やすいでしょう。
下の図は会津での6日23時頃の空の様子になります。春の星座の中ではしし座は比較的形もたどりやすい星座ですのでこちらの星図を参考に、しし座のしっぽの星デネボラを最初に見つけます。

次に下の拡大図から小惑星ベスタを捜してみましょう!
丸い円は双眼鏡の視界を表していて広さは7度に設定してあります。デネボラを視野から少し左にずらした状態で右上の方を探せば見つかるはずです。双眼鏡も手持ちだと手や身体の揺れの影響で小さな星が見えにくくなったりするので、適当な台などに双眼鏡を持った肘を載せる等で揺れを減らしてから視界の中をゆっくりと、そしてぐるりと見渡してみて下さい!
小さく光る小惑星ベスタは地球から太陽までの約1.5倍も遠くにあって直径540km程の小惑星の姿を見ていることになります。前後数日間ならさほど大きくは移動しないのでお天気の良さそうな日を選んで探してみて下さい!

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☆ 2月 9日(火) 夜明け前の空に細い月を見つけよう!

今月は12日に新月を迎えます。
その前、9日明け方には月齢26.8の細くなった月の姿が見られそうです。夜明けの時刻も少しずつ早くなってきていますので9日の明け方5時半頃に南東から少し北寄りの低い空を捜してみて下さい!会津からは高度6度ほどの空にだいぶ細くなった美しい月の姿が見られるはずです。この時の月はちょうどいて座の南斗六星のそばにあるので空がまだ暗さが残っている時間帯なら一緒に見られるかも知れませんね。10日未明では会津での月の出時刻が5時39分なのでこちらはちょっと難しそうです。寒い時期ですが明け方のお天気が良さそうでしたらぜひ早起きして南東の低い空が見渡せる場所でご覧下さい!

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☆ 2月 13日(土) 夕方、西の低空で細い月を見てみよう!

今月12日に新月を迎えた月ですが、翌日13日の夕方にはかなり細い姿を見つけられそうです。
18時頃に西南西から少しだけ北寄りの低い空を双眼鏡で捜してみて下さい!高度は6度程のはずですが,低い空に雲や靄などが無ければ肉眼でも見えてくるはずです。この時の月は月齢1.6とまだかなり細い形なので条件が良ければ冬場の透明度の良さと相まってかなり印象深い姿を見せてくれそうです。新月の翌日なので2日月となります。望遠レンズの付いたカメラがあれば地上の景色と一緒にぜひ撮影しておきたいところです。

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☆ 2月 19日(金) 夕方の空で今年最初の月面Xを見つけよう & 月と火星が接近!!

月面Xと言うのをご存じでしょうか??
近年は以前に比べてわりと広く知られるようになってきましたが、実際にご覧になられた方は少ないかも知れません。ちょうど上弦の少し前の頃、月の欠け際の夜側に1時間程の間だけ小さな「X」の文字が浮かび上がって見える現象です。小さいので肉眼では無理ですが、双眼鏡でもしっかり固定してピントをきっちりと合わせてあげれば「X」の形は小さいながら確認できます。望遠鏡を使って倍率を上げて見るとぐっとわかりやすくなってきます。
これは月面にたくさんあるクレーターの盛り上がった縁の部分にいち早く太陽の光が当たって見えているだけなのですが・・ここは4個程のクレーターの隣り合った部分の高さが絶妙な出来具合で月面の名所のひとつになっています。
ですが、光の当たり具合の関係で毎月見られる訳では無く普通の年なら1年に1,2回、それぞれ1時間程のチャンスになるのでなかなか珍しい現象になります。それが運良く今年は偶数月毎になんと6回もチャンスがあるという幸運な1年になります。その1回目が2月19日にやってきます。
ぜひ17時頃~18時の時間帯に月面Xを捜してみて下さい!場所は月の欠け際の真ん中から少し南寄りの場所になります。
実際に見てみると良くあんな風に見えるものだと感心してしまいます。まだ見たことが無い方は是非今年のうちにご覧になってみて下さい!

またこの夜は上弦前の月と火星が接近して双眼鏡でも一緒に見られるチャンスでもあります。
今回の接近では月と火星の間隔は5.7度くらいなので大接近と言う程ではありませんが、双眼鏡で火星の色がわかりやすいはずなのでこの機会に是非また見てみて下さい!

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☆ 2月 24日(水)~ 火星とおうし座の散開星団M45が接近中!

赤っぽい色で輝く火星がおうし座の散開星団M45,通称「すばる」に接近していく様子が見られます。
最接近となるのは3月4日頃ですが、2月24日頃には両者の間隔が5度くらいまで接近して来るので双眼鏡でもなかなか良い感じで眺められそうです。27日が満月なので多少月明かりは気になるところですが、満月を過ぎれば月の出も遅くなりますのでお天気の良さそうな時にしっかりと見ておきたいものです。 火星の動きは意外に速く,1日毎に見ても間隔が近くなっていくのがわかるはずです。 来月4日の最接近まで眼が離せませんよ!

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☆ 2月 27日(土) 今年2度目の満月!

今月は27日17時17分に満月を迎えます。
会津からの月の出は17時20分頃になるのでなるべく早めの時間で月がまだ低いうちに見ておけると良さそうです。
月が昇って来る方角は東北東から少し南よりになるようです。19時頃になれば空も暗くなってしし座のおなか付近で眩しく輝く月の様子も見やすくなりそうです。しし座といえば春の季節を代表する星座のひとつです。2月も残り少なくなって星空も次第に東の空から春の星座が次々と昇ってきて春の季節が近いことを教えてくれます。
そんな星空からの季節感も大切にしながら感じてみたいものですね!

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【お知らせ】
会津若松・神明通りレオクラブガーデンスクエアにて開催していました「はやぶさ2」パネル展示を1月31日撤収いたしました。ご来場の皆様、誠にありがとうございました。コロナ禍で無人の展示であり、感想など伺えなかったことが残念です。機会がありましたら是非ご感想などお寄せいただければ嬉しいです。そらの会メールフォーム、メールアドレスに声をお送りください。
会場をお貸しくださった株式会社リオン・ドール コーポレーション様、いつも本当にありがとうございます。会津そらの会発足当時より応援頂いて、皆さんと宇宙の懸け橋になれることが本当にありがたいです。天体観望会が再開できることを心より願い、コロナ終息のため気を引き締めて過ごします。