2020年もいよいよ12月に入り、残りひと月を切ってしまいました。
12月は「師走」とも呼ばれるように気がつくといつの間にかもうクリスマスや年末を迎えているといったことが毎年のように起こっていたりするのですが・・なるべく1日1日を大事に過ごしていきたいものですね。

ところで今年は新型コロナウイルスによる感染症の影響が私たちの生活を大きく変えてしまった1年でした!
先月には感染の第3波とも思えるような感染拡大が各地で発生して患者数もかなり増えてきていますので、基本の感染予防対策を一人一人が守って1日も早い収束に繋げていきたいものです。

そして今月の大きな話題といえばやはり「はやぶさ2」ですね!!
今月6日未明(日本時間)に地球へ小惑星りゅうぐうの砂の入ったカプセルを届けてくれる予定ですので今からとても楽しみです!!

はやぶさ2が宇宙へ飛び立ったのは今から2014年12月でしたのでもうあの打ち上げから6年になりますね。会津大で打ち上げの様子をパブリックビューイングで見ていた時のことが懐かしく思い出されます。
はやぶさ2のミッションは初代はやぶさの時と違って一般的には順調そのものに行われていっていると思われていますが・・予想とは大きく異なる小惑星りゅうぐう表面の様子であった故にサンプル採取の為のタッチダウンの難しさ、そして初めてのミッションもいくつもありましたからスタッフメンバーに皆さんも相当苦労されていたことでしょう!
そうした見えない苦労の積み重ねのおかげで今回の帰還を迎えることが出来た訳です。
順調にいけば今月末くらいにはどんな砂が回収されていたのかもわかるはずなので今からとても楽しみです。

天文現象ではなんといっても14日前後に極大を迎えるふたご座流星群が見逃せませんよ!
今年は15日が新月なのでお天気さえ良ければ月明かりの影響も全く無い最高の条件で見られるのでこちらも楽しみです。寒い時期ですが今年もたくさんの流れ星に出会えると良いですね

そして今月も引き続き惑星関連にも見逃せない天文現象があります!
それが12月21日~21日夕方でもにかけてに起こる397年ぶりの木星・土星の超大接近です!!12月初めには両者の間隔は2.2度程ですが、このあと日毎に接近していきます。そして21日夕方にはなんと0.11度までの超大接近となるようです!
ですので双眼鏡はおろか望遠鏡で200倍くらいまで倍率を上げても木星と土星を一緒に見ることが出来るという事になりそうです!月の見かけの大きさは約0.5度程ですから今回の接近がどれほど凄いことなのか感じて頂けるかと思います。ここまで接近するとおそらく肉眼では木星と土星がひとつの星のように見えるかも知れません。
ただしこの頃は日没後1時間後の17時半でも会津での木星の高度は南西の方角で高度は12度程なので冬場の気流状態を考えるとあまり倍率を上げ過ぎない方が見やすいかも知れません。

とても珍しい出来事なのでこのチャンスを生かして
「惑星で星空視力大実験!!! ~木星・土星“超”大接近観測プロジェクト~」が企画されています!!
https://www.nayoro-star.jp/mokuseidosei/jp/index.html

こちらに「観察・報告のしかた」のページがありますのでしっかり読んで、夕方の空で実際に観察したあとに
ここから「見たよ」レポート報告を行ってみて下さい!期間は12月1日~31日までになっているそうなので、ぜひ観察・報告を行ってみて下さいねI!

先月16日に国際宇宙ステーションへ出発した野口聡一さんは約半年間の宇宙滞在を行う予定となっています。
私たちと同じ日本人宇宙飛行士が滞在しているISSを是非見てみましょう!!下記JAXAサイトにISSがいつ見られるかの予報が出ていますのでお住まいの地域から予め好条件の予報日をピックアップして、ぜひ上空を通過していく様子を見上げながら応援してみて下さい!
http://kibo.tksc.jaxa.jp/

国際宇宙ステーションは全体の大きさがサッカー場とほぼ同じくらいのサイズがあり、大きな太陽電池パネルに太陽光が反射して見える時には木星よりも明るく見えることもあり、街中からでも肉眼でしっかり見ることが出来ますのでご家族で一緒に見上げて見て下さい!

☆はやぶさ2関連情報

http://www.hayabusa2.jaxa.jp/
まだまだ先だと思っていたはやぶさ2の地球への帰還が今月6日にいよいよ迫っています!
先月29日から連日開催されている「はやぶさ2帰還・拡大前夜祭! オンライントークイベント」は今月4日(土)まで続きますのでぜひご覧下さい!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20201120_eve/

また、先月発表されたはやぶさ2がカプセルを地球に投下したあとに次の小惑星を目指す「追加ミッションについてのビデオメッセージ」が公開されています。
まだご覧になられていない方はぜひ今のうちに見ておいて下さい!
11年かかって次の小惑星を目指すだけじゃ無い追加ミッション、とても楽しみですね!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20201111_extMission/

先月27日(金)から全国の映画館で「劇場版 HAYABUSA2〜REBORN」の上映が始まっています!!
http://www.live-net.co.jp/hayabusa2reborn_g/

福島市と山形県米沢市の映画館で上映されていますので是非お出かけ下さい!

はやぶさ2の旅はまだまだ続きます!
「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2020年12月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  8日(火) : 下弦
15日(火) : 新月
22日(火) : 上弦
30日(水) : 満月
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12月は下弦を迎える8日頃~19日頃までは月明かりの影響が少なく星見には適した時期になります。
冬ならではの美しい星空をじっくりとお楽しみ下さい!

会津での12月の日の出、日の入り時刻を先月の11月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり  日の出   日の入り   薄暮終了
11月 1日 4時37分 6時03分 16時45分 18時11分
12月 1日 5時03分 6時33分 16時25分 17時55分
12月21日 5時17分 6時48分 16時29分 18時00分
12月31日 5時21分 6時52分 16時35分 18時 06分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)
12月21日には冬至を迎えます。
冬至は1年中で昼の時間が最も短くなる日ですが、日の出や日の入り時刻のピークはそれぞれずれています。
会津での日の出時刻は12月30日~1月13日頃が6時52分で最も遅く、日の入り時刻は11月30日~
12月12日頃が16時25分で最も早くなるようです。
こうしたこともちょっと頭の隅に覚えておくと実生活でも役立ちそうです。

これからの季節、星を見るには寒くて大変だと思いますが長くなってきた夜の時間を上手く活用して星空を
お楽しみ下さい!

それではそろそろ2020年12月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 12月 1日(火)~ 夕方、南西の空で接近中の木星と土星に注目!

夕方の時間帯、南西の空で一番星となっている木星、そして空が少し暗くなってくると木星の左上には土星が見えて来ます。
上の写真のように先月も木星と土星が割と近いなと感じていたのですが・・今月に入って日毎に間隔が縮まっていって、12月21日と22日の二日間はなんと397年ぶりの超大接近となるそうです!
次第に接近していく様は肉眼でも楽しむことが出来ますので今夜はどれくらい近付いたかな??と確かめてみて下さい!

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☆ 12月  8日(火) 明け方の空に下弦の月が見やすい!

8日朝には下弦となる月が夜明け前の空で見やすいでしょう!
薄明が始まる5時頃には南南東の高い空にほぼ半分の月が見えている様子はちょっと早起きして見ておきたいところです。
下弦直前の月はしし座のお腹付近に見えているのでしし座の姿も確かめてみましょう!
また、5時頃なら東南東の低い空には明けの明星の金星も見えているはずです。
年末に向けて金星の見える高さも次第に低くなっていきますのでそんな様子も一緒に確かめてみて下さい!

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☆ 12月 13日(日) 明け方の空で細い月と金星が大接近!!

13日の明け方の空では月齢27.6の細い月と金星が僅か0.5度くらいまで接近した様子が見られそうです。
月の見かけのサイズが約0.5度くらいですので想像しただけでもかなり近く見えることがわかるでしょう!
ここ数ヶ月にも明け方の空で月と金星が寄り添う接近は何度かありましたが、今回は珍しい程の大接近となるようです!
今回の大接近はお持ちでしたら双眼鏡でもぜひ眺めてみたいですね。

5時の会津での金星高度はまだ2.4度程です。
低空に雲などが無ければ東南東の低い空から大接近した月と金星が並んで昇って来る様子が見られるかも
知れませんよ!
下の画像は11月14日未明に月と並んだ水星が山から見えてきた時のものです。
この時の月と水星の間隔は約1.3度でした。
今回は月と金星の距離が近いことや金星が明るいこともあってきっと素晴らしい景色となってみえることでしょう!

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☆ 12月 13日(日)~14日(月) ふたご座流星群が極大を迎える!

流星群としては夏場に見られるペルセウス座流星群に負けない流れ星が飛ぶふたご座流星群が13日~14日頃に極大を迎えます。
今年のピーク予報では日本時間で14日10時頃とされていますのでこの前後数日間は狙い目となりそうです。
特に今年は15日が新月なので月明かりの影響は全く無いと言って良いのでここ数年では最高の条件となりそうです。
ですので13日の深夜から明け方にかけては1時間に数十個もの流れ星が見られる可能性があります!

ふたご座流星群の放射点は下記の画像(12月13日 21時の空)にもあるようにふたご座のお兄さんの頭で光るカストルのすぐ近く(黄色の矢印付近)にあります。
ですので夜空を見上げて最初にオリオン座を見つけてそこから少し北側の方にあるカストルとポルックスの場所を確かめておいて下さい!
ふたご座流星群の流れ星はこの放射点を中心に四方八方へと飛ぶように見られます!
もちろん流れ星は全天どこでも流れる可能性がありますのでなるべく周りが開けた安全な場所に寝転んで
空全体をぼんやりと眺めるようなイメージで見るのがお奨めとなります。

何しろ12月中旬の寒い時期なのでとにかく寒さ対策は事前にしっかりと準備して楽しんでみて下さい!
温かい飲み物があると良いですね!
美しい冬の星空に一瞬の輝きを見せてくれる流星は何度見ても素敵です。
ぜひご家族と一緒に夜空を見上げてみて下さい!