画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/
南に向かって見上げた空。月初は21時ごろ、15日の20時ごろ、月末は19時ごろ

2020年もいよいよ10月に入りました!
今年も残り3ヶ月となりましたが、これから本格的な秋を迎えて過ごしやすい季節になりますね。朝晩はちょっと肌寒く感じられる時期ですのでちょっとした上着などを羽織って美しい秋の星空を見上げてみてはいかがでしょう?

10月は星空の方も話題が豊富です!!1日夜には早速「中秋の名月」がやってきますね。そして6日には2年2ヶ月振りに地球に最接近となる火星も大きな話題になりそうです!さらにはひと月の中に満月が2度あるという珍しい出来事もありますね!
詳しい内容は後半の方で書いておきますので最後までご覧下さい!

最近は夕暮れの時間もだいぶ早くなり、そして少し暗くなった南の空には1番星となっている明るい木星がいち早く見えて来ます。18時30分頃になると空も急に暗くなって来てたくさんの星たちが夜空に見えて来ます!明るい木星の左には少し離れていて座にある土星も見えていて夕暮れの時間帯だとまだまだ夏の星座も楽しめます。
木星は約12年、土星は約30年程かかってお誕生日の星座をぐるっと一回りしていきますので1年でも夜空の中での木星の位置はだいぶ変わっていきます。
下の画像は2019年の夏に撮影したものですが、この時にはまだ夏の天の川を挟んで木星と土星はこれくらい離れていました。


こちらの画像は今年の夏に撮影したものです。
両方に写っている南斗六星の位置を目印にしてみると約1年程で木星はもちろん、土星も東側へ見えている位置が変わっているのがよくわかります。

地球は1年で太陽の周りを1周していますが、太陽の周りを1周する年数は太陽から離れた遠く惑星程長くなり木星は約12年、土星は約30年ほどかかります。地球が1年かかって再び夏の星座が見やすい時期に来たときに木星と土星もそれぞれ約30度、約12度ほど公転している関係で地球から見たときの星座の中の位置が東に移動しているわけです。こんな様子を太陽系の広大な空間を太陽を中心として地球や木星、そして土星などが回っている姿を頭の中で想像して考えてみるのもなかなか楽しいものですね!

そして6日に地球へ最接近となる火星は月初めの頃だと19時頃にはほぼ真東の低い空に見えて来ています。この時点でも明るさはマイナス2.5等で木星のマイナス2.4等を超えているのでぜひお天気の良さそうな日に実際の空で見ておきたいものです。少し遅い時間になると明るい星が少ないうお座の中でかなり目立って見えているはずなので晴れたら実際の夜空で見上げてみて下さい!火星は明るいだけでなく、あの独特の赤みを帯びた色をしているのでもし双眼鏡をお持ちの方は火星と木星、そして土星の明るさや色合いもじっくりと見比べてみて下さい!

夜明け前の空では今月も眩しい金星が目立っています。東の空には既に春の星座たちも見えて来ていますが、3日明け方にはしし座の1等星レグルスと金星が大接近となる様子も見逃せません!是非早起きして眺めて見たいですね!

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☆会津そらの会からのお知らせ

4月から毎月1回開催されていました会津そらの会での観望会ですが、最近の会津でも新型コロナウイルスでの感染者が出ている為に、万が一の感染リスクを避ける為にも今年の観望会は開催予定を見送ることになりました。場所をお借りしているリオンドールさんとご相談させていただきました。
本当に残念ですがご了承下さい。

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☆はやぶさ2関連情報

はやぶさ2は12月6日に帰還カプセルを地球に届ける計画に沿って現在も順調に航行中とのことです。こちらのページ左に表示されている地球からの距離も時々チェックしてみて下さい!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

現在は秋の星座アンドロメダ座の方角に見えているそうです!


https://twitter.com/haya2_jaxa/status/1305462485995069442
そして先月、ひとつの大きな節目を超えました!
小惑星りゅうぐうへの長い長い旅、そして地球への帰り道をずっと支えてくれたイオンエンジンの運転が計画通り順調に進んだおかげで9月17日未明に無事に運転終了となったそうです。
https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200925_IonEngine/

今回は目立つ故障も無く順調に旅を続けてきたはやぶさ2ですが、こちらの記事を読んでいくと・・私たちが見えない裏側では運用されている方々にはかなりの苦労をされていたようです。このあと、地球へのカプセル投下までの軌道修正の微調整は化学推進スラスターによって行われる予定になるそうです!

更に嬉しいニュースではやぶさ2の新たな目標の天体が決定したそうです!その星の名前は「1998KY26」!
直径約30m程の小さな小惑星ですが自転周期がとても早く10分ちょっとで1周しているそうです。到着予定は2031年7月ですのでこれからまた11年もの長旅に出かけることになります!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/enjoy/material/press/Hayabusa2_Press_20200915_ver9.pdf

更に今回は長い旅の途中、2026年7月には「2001CC21」と呼ばれる小惑星の近くを通過する時に観測を行うという情報も入っていますので楽しみです。これからもまた活躍が期待されるはやぶさ2を皆さんと一緒に応援して行きましょう!

地球帰還に向けてはやぶさ2への応援メッセージがこちらに紹介されています!

http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200914_message/

まだまだ募集中とのことですのでぜひ一言でもメッセージを送ってみて下さい!こちらに「はやぶさ2トークライブイベント」のライブ配信などの情報もありますので是非ご覧下さい!

https://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200108_talklive/

「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2020年10月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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 1日(木) : 中秋の名月
2日(金) : 満月
10日(土) : 下弦
17日(土) : 新月
23日(金) : 上弦
31日(金) : 2回目の満月(ブルームーン)& 2020年最小の満月!
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今月は中秋の名月もありますので晴れていたらぜひお月見をしてみて下さい!満月を過ぎて1週間も過ぎると月の出時刻は真夜中頃になりますので星を見るときの参考にしてみてください!

会津での10月の日の出、日の入り時刻を先月の9月と比べてみると以下のようになりました。
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月  日   薄明始     日の出      日の入り   薄暮終了
9月 1日 3時39分  5時08分  18時12分  19時41分
10月 1日 4時09分  5時33分  17時26分  18時50分
10月31日 4時36分  6時02分  16時46分  18時12分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

9月22日には秋分の日を迎えて以降は日毎に少しずつ夜の時間が長くなってきています。上の表を見ていくと1ヶ月でもだいぶ違ってくる様子がわかりますね。これからは夜が次第に長くなって比較的過ごしやすい気温になってくるので星空を眺めるには良い季節を迎えます。こちらの星空案内情報を元にゆっくりと星空を見上げてみて下さいね!

それではそろそろ2020年10月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 10月 1日(木) 中秋の名月

今年は10月初日に中秋の名月を迎えます!昨年は9月13日でしたのでいつもの年よりも今年は中秋の名月を迎えるのが遅いな~って思う方もあるかも知れません。元々中秋の名月は旧暦の8月15日に行われて来ました。その年の月の巡りによって旧暦の始まりが違ってくるので今年はちょっと遅めになりましたがじっくりと月の美しさを楽しんでみて下さい!

秋の頃に見られる月は夏場の水蒸気の多い夜空で見る頃よりもすっきりと明るく見えることが多いのと昔から秋の収穫に感謝するお祭り的な意味合いも中秋の名月にはあったようです。この日の月は会津では17時26分に東の空から昇ってきます。せっかくの中秋の名月ですのでご家族で見上げてお月見をして頂けたらと思います!

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☆ 10月 2日(金) 明け方に見える今月1度目の満月!

10月はひと月に2度満月が見られる珍しい月になります。1回目の満月は2日朝6時過ぎに起こりますが、この時間だと月が既に沈んでしまっています。なるべく満月に近い状態で見てみたいという場合には朝方早起きして4時~5時頃に西の方角が開けた場所でご覧下さい!特に夜明けの空に見える月の模様の向きにもちょっと気をつけて見てみると・・いつもと違った印象で眺めることが出来ますので!

この日の夕方に見える時にはもう満月を少し過ぎているのでちょっとだけ欠け始めている様子を見ることが出来ますので双眼鏡や望遠鏡をお持ちの方は確かめてみて下さい!

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☆ 10月 3日(土) 明るくなって来ている火星と月の接近!

3日夜にはもうすぐ地球に最接近となる火星が満月を過ぎたばかりの明るい月と並んだ様子が見られそうです!この時期の火星はマイナス2.5等とずいぶん明るくなっていますし、火星特有の色も夜空ではかなり目立っています。そんな火星と月齢16の明るい月が3.8度くらいまで接近した様子ですので肉眼でもかなり楽しめそうです。19時頃に東の低い空で並んだ様子は是非見たいところです。20時頃になれば高度もだいぶ上がって見やすくなりますのでじっくりと眺めて見て下さい!

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☆ 10月 6日(火) 火星が地球に最接近!

今月6日深夜には2年2ヶ月振りに火星が地球に約6207万km まで接近するそうです。
この時の火星の見かけの大きさは「22.6秒角」になるようです。月の見かけの大きさはおよそ「30分角=1,800秒角」なので地球に接近してもずいぶんと小さく感じてしまうかも知れません。前回大接近となった2018年では「24.3秒角」でしたのでその時に比べると今回は約93%の大きさですが・・これからしばらくの間は2年2ヶ月毎の接近時での大きさは徐々に小さくなって行くので見逃せませんよ!ちなみに次回の接近では2022年12月1日で見かけの大きさは最大でも「17.2秒角」になるようです。

地球~太陽までの距離が約1億5千万km、地球~月までの距離が約38万km程ですので広大な太陽系の中ではこれでもかなりの接近になります。火星の直径は地球の約半分程なのでこうした接近の時でないと火星表面の様子等はなかなか見えて来ません。せっかくのチャンスなので是非望遠鏡でも眺めて見て下さい!
今年の火星大接近については国立天文台の特設サイトにも詳しい案内が載っていましたので是非ご覧下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/feature/mars2020/

情報ですが星の村天文台では「火星が地球最接近!!」特別台観察会を10月3日(土)、4日(日)に開催するようです。
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/hosihomura-yorunotenmondai.html

現在は入場者人数制限の関係で予約制となっているようですが機会があれば大型の望遠鏡で火星を見てみたいものですね。

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☆ 10月 14日(水) 未明の空で細い月と金星が接近!

14日未明には月齢26の細くなってきた月が明けの明星の金星に約5度まで接近した様子が見られそうです!最近は日の出の時刻も遅くなってきましたので見頃の時間帯は4時半頃になりそうです。徐々に明るくなって来る色付いた空に並んだ様子はなかなか見応えがありますので是非早起きして見ておきたいですね!今回はちょうどしし座の中での接近なのでそんな様子もゆっくりと眺められたら素敵でしょうね!

もしお天気が良さそうでしたら前後1日も見てみて下さい!1日毎の月の動きの様子もわかりますのでお奨めですよ!

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☆ 10月 15日(木) 明け方に火星が衝を迎える!!

6日に地球と最接近となった火星が15日未明に太陽―地球―火星が並ぶ衝を迎えます。火星と地球の軌道は楕円軌道の為に衝を迎える時と最接近の時ではこのように少しずれが生じます。今後次第に地球が火星を追い抜いて離れていく訳ですが望遠鏡ならあと1ヶ月程は十分に火星面の様子を楽しめそうです。また、衝を過ぎてからの火星はうお座の中を逆行して少しずつ西へ動いていきますので星座早見や星空アプリを使ってうお座の形を覚えておいて、このあと火星が星座の中をどんな風に移動していく様子も追いかけてみて下さい!またこれから明るさも徐々に下がっていきますがそうした変化も注目して見ていくのも楽しめそうです。

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☆ 10月 16日(金) 夜明け前の細い月を見つけよう!

16日の夜明けには月齢28.4のとっても細い月が東の低い空に見えて来ます。(月は真東から2度程南側)但し今回は空がもう明るくなっている5時頃になっても月の高度は僅か3.5度と条件的にはかなり厳しいので東の低い空まで雲が無くて、双眼鏡を使えば何とか見られるかも?といった感じです。秋も深まって透明度が良い時でしたら是非チャレンジしてみて下さい!

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☆ 10月 18日(日) 夕方の空に二日月を見つけよう!

17日に新月を迎えた月が18日夕方、西の低い空に見えて来ます!新月の翌日なのでこの時に見える月は二日月になります!この時の月齢は1.5ですので16日夜明けの空に見える月よりホンの少しだけ太くなっていますがこちらも滅多に見られないくらい細い月なのでお天気が良ければ捜してみて下さい!17時40分頃ではほぼ西北西の方角で高度が4.6度程になるようです。見つけるには双眼鏡が必要そうですが、もし見ることが出来ましたら是非こちらにコメントをお寄せ下さい!

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☆ 10月 20日(火)夜~22日(木)未明 オリオン座流星群を見てみよう!!

今年もオリオン座流星群の時期がやってきます。流星群の元になっているのはGW明けに出現するみずがめ座流星群と同じであの有名なハレー彗星になります。実際には10月半ば頃から見え始めて11月初めの頃まで出現しているようですが、今年の極大予報では21日15時と予想されていますのでこの日を中心とした前後数日間は見ておきたいですね!この時期のオリオン座は21時半頃になると東の空から昇ってきます。オリオン座流星群の放射点は棍棒を振り上げた右手付近にありますので概ねこの頃から少しずつ出現し始めるでしょう。
実質的にはオリオン座の放射点の高度が上がってくる23時頃~明け方が狙い目になりそうです。
今年は幸いにも21日でも月齢5の月は早めに沈んでしまいますのでほぼ月明かりの影響は無い夜空で楽しむことが出来そうです。オリオン座流星群は平年ですと1時間に5個前後とそれ程たくさん出現する流星群ではありませんが、過去には2006年に突然夏のペルセウス座流星群並の出現を見せたこともありますので今年も注目してみましょう!夜中はもうだいぶ冷え込む季節ですのでしっかりと寒さ対策をして流星群を楽しんでみて下さい!

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☆ 10月 22日(木) 南の空で月・木星・土星が並ぶ!!

22日18時頃に南南西の空では月齢5.6の月と木星、そして土星がほぼ同じくらいの間隔で西から並んだ様子が見られそうです!!この時、月と木星は約5.7度程の間隔ですので双眼鏡でも一緒に眺めることが出来そうです。木星と土星との間隔は約6度程なのでそれぞれ木星と一緒に眺めて見比べてみるのも面白そうです。明るさの違いや色の違いにもちょっと気をつけて見てみるとそれぞれの特徴が見えて来そうです!
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☆ 10月 23日(金) 南の空で上弦の月と土星が接近!!

23日18時頃にはもうすぐ上弦を迎える月齢6.6の月と土星が約4度程まで接近した様子が見られそうです。前日には西から月・木星・土星の順番でしたが、一晩過ぎると月が東に移動して土星の左下に見えるようになるようです。木星も近くにあるので夜空の中でちょっと横に長めの三角形が出来そうです。双眼鏡をお持ちの方は是非月と土星を眺めて見て下さい!土星の落ち着いた色合いがいつもよりもきっとわかりやすく見えるはずですので!

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☆ 10月 29日(木) 十三夜のお月見!!

1日は中秋の名月でしたが、そのほぼひと月後になる旧暦9月13日の夜には古来から「十三夜のお月見」が行われて来ました。どちらかというと中秋の名月では純粋に月の美しさを楽しむような意味合いに対してこちら「十三夜のお月見」の方は実りの秋に感謝の気持ちを持って月を見上げるような雰囲気があります。中秋の名月の方はほぼまん丸の満月の頃に対して十三夜の月は満月のほぼ2日前なので肉眼で見てもまだ欠けている様子がよくわかります。見方によってはこの月の形が何となく栗の形に似ている為か栗名月とも呼ばれているそうです。是非お団子などを供えてご家族でお月見をお楽しみ下さい!

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☆ 10月 31(土) 今月2度目の満月 & 今年最小の満月!!

満月から次の満月になるまでの日数はおよそ29.5日なのでカレンダー上での月の巡りによっては稀にひと月に2回も満月が見られる場合があって、今年は10月が2度の満月が見られる月になります。前回は2018年3月でしたのでこうした事例は久し振りの出来事になります。一部では同じ月に2回満月が見られる場合に2度目の満月をブルームーンと呼ぶようなこともあるそうですがそんな風に呼ぶ慣習は何となく素敵だと思ってしまいます。
そして今回の満月は日付が変わる少し前に満月を向かえますが、2020年の満月の中では今回が見かけの大きさが一番小さな満月になるそうです。ちなみに今年最大の満月は4月8日でした。大きさの違いですが、今年の最大と最小では見かけの直径で約12%程違って見えるそうです。
肉眼では直接比較できないこともあってパッと見た感じではわからないかも知れませんが望遠レンズなどで撮影して比べると意外と大きさも変化するということがわかります。もし4月8日のスーパームーンを撮影されている方は是非同じレンズで今回の満月を撮影して大きさ比べをしてみて下さい!

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