画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/
東京で月初は21時、中旬20時、月末に19時ごろの星空です。

2020年も前半最後の月になる6月を迎えました。
今年はせっかくのGWも新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐ為に出来るだけ外出を控えるようにということで楽しみにしていた方にとっては本当に残念な出来事でしたが、その成果のおかげでこのところ県内での新たな感染者は出ていないようです。
福島県での緊急事態宣言も先月15日には解除されていますが、感染拡大の収束を1日も早く達成できるようにもうしばらくはなるべく感染防止の心がけを続けて行きたいですね。

ところで6月に入るともうすぐ梅雨の季節かなって思ってしまいがちですが、平年の梅雨入りの時期を調べてみると東北地方南部では6月12日頃のようです。
梅雨入りが平年並なら6月前半はそんなに雨ばかりでは無さそうです。

ちなみに昨年はちょっと早めで7日頃に梅雨入りとなったようです。
梅雨明けは7月25日頃ですのでこうしてみると梅雨の時期って意外と長いですよね。
毎年ながら梅雨の季節は憂鬱になってしまう方も多いかも知れませんが・・もうすぐ暑い夏を迎える日本にとってはこの梅雨の季節というのは植物にとっても私たち人間にとってもとても大事な存在なんです。
何故かというと・・ヒントは暦、そして夏至がいつになっているかですね!
今年の夏至は6月21日になります。
ちょうど梅雨の時期ですね。
夏至といえば1年中で最も太陽が高くなる日で、会津では太陽が真南に来たときの高度は76度にもなるようです。
もし梅雨が無かったら・・6月からぐんぐん気温が上がって夏のような季節を迎えてしまうでしょうから7月や8月の真夏の時期の気温は今よりもずっと気温が高い日が多くなってしまいそうです。
また、夏場だと一気に大雨が降ってまた晴れ間が続くようなことが多いですが、こうした急な大雨というのは意外と水不足にはあまり効果が得られないようです。
夏を迎える前の梅雨の時期がいかに私たちにとっても大事かということをこの機会に改めて考えて頂ければと思います。

星の好きな方にとってはなかなかまともに星空を見られないという嫌な季節かも知れませんが、ここはちょっと気持ちを切り替えて、今年の夏に楽しみたい星空についていまのうちにネットや本などで調べておいてという準備期間に充てるのも良さそうです。

あとは6月前半、梅雨入り前の貴重な晴れ間にはしっかりと星空を楽しんでおきましょう!
そして見逃せないのが梅雨の晴れ間ですね!!
梅雨のような雨が続くと上空の小さなチリなども雨と一緒に落ちてくるので雨が続いたあとの星空は星の輝き具合が違って見えて来ます!
雲の合間から星が時々見えるようなことがあったら是非双眼鏡で眺めて見て下さいね!
小さな星までキラキラと瞬く様子は梅雨の時期ならではの美しさを感じられますので!

夕方の空で明るく目立っていた金星も今月は太陽に接近して見えなくなってしまいます。
その代わり、4日に東方最大離角を迎える水星が10日頃まで見やすくなっています。
また、これまで明け方に見ることが多かった木星と土星も夜中には南東の空に見えて来ていますのでこちらも注目ですね!

さらに今月は6日未明に半影月食、21日には部分日食といった珍しい天文現象も続きますので今からとても楽しみです。
今のうちに日食メガネを準備しておきましょう!

今月は6月26日に会津そらの会での観望会を予定しております。
今回は19時半頃~月齢5の月を中心に見て頂く予定です。
梅雨の時期ですが晴れると良いですね!

☆はやぶさ2関連情報
2020年末頃に地球に帰還予定のはやぶさ2も広大な太陽系の中を地球に向かって長い長い旅を続けています。
そんな中、嬉しいニュースが入って来ています。
先月、5月25日にははやぶさ2が宇宙に飛び立ってからなんと2000日目を無事に迎えたそうです!
https://twitter.com/haya2_jaxa/status/1264773858042626048/photo/1
小惑星りゅうぐうから地球までの帰り道も半分を超えたそうで順調に飛行中とのことでした!

このところあまり話題にはなっていませんが時々サイトをチェックして、皆さんからの応援メッセージを届けてあげてください!
https://twitter.com/haya2kun

「頑張れ! はやぶさ2!!」
これからもみんなで応援していきましょう!

2020年6月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
-----------------
  6日(土) : 満月 ※明け方に半影月食!
 13日(土) : 下弦
21日(日) : 新月 ※夕方に部分日食!
28日(日) : 上弦
-----------------
日食や月食は地球と月、そして太陽のが一直線に並ぶ時に見ることが出来る珍しい現象です。
月食は満月、そして日食は新月の時に起こります。
せっかくの機会ですので改めて地球に対して太陽や月がどんな位置関係になった時に見えるのか確かめてみて下さい!
頭の中でイメージするよりも紙に簡単な絵を描いてみるとわかりやすくなりますよ!

会津での6月の日の出、日の入り時刻を先月の5月と比べてみると以下のようになりました。
————————————————————————————         
月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄暮終了
5月  1日  3時 07分    4時 43分    18時 32分    20時 09分
6月  1日  2時 30分    4時 18分    18時 59分    20時 47分
6月 21日  2時 25分    4時 17分    19時 08分    20時 59分
6月 30日  2時 29分    4時 20分    19時 08分    20時 59分
————————————————————————————
(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

6月21日には夏至を迎えるので今月は昼の時間がずいぶんと長いことがわかります。
実際に会津での日没時刻を調べてみると6月21日~7月5日頃までが19時8分で1年で最も遅い日没になるようです。
この頃では21時ぐらいにならないと夜空がすっかり暗くなりません。
こちらの表を活用して星空を眺めるときの目安にしてみて下さい!

それではそろそろ2020年6月の主な天文現象を見ていきましょう!!
==================================
☆ 6月 1日(月)~ 夕方の空で水星が見頃を迎えている!

水星って実際に見たことあるでしょうか??
金星とか火星や木星、そして人気の土星などは時期を選べば夜空で見つけるのは案外簡単です。
これらの惑星たちは一度見やすくなってくれば数ヶ月間はそのまま見やすい状態が続きます。
でも水星だけは太陽に最も近い惑星のため殆どの場合は太陽に近くて見ることは出来ません。
年に数回、1週間~10日程のチャンスを狙わないとなかなかお目にかかるのは難しい天体です。
条件さえ良ければ肉眼でも見えるのですが、今回のチャンスでも夕方の短い時間だけしか見ることが出来なかったりということで本物の水星はまだ見たことが無いという方も多いことでしょう。

そんな方にお薦めなのが6月初めからだいたい10日頃までが狙い目になります!
ただし、夕方のまだ空の明るさが残っているような時間帯で西北西の低い空ということもあるので出来れば双眼鏡を使って見つけるのがお奨めとなります。
1日頃なら19時45分半頃に西北西の空で地平線から約10度程の高さでポツンと白っぽく輝く姿が双眼鏡なら見つかるはずです。
空がまだ明るくても水星は0.3等級と普通の1等星よりも明るいくらいなので意外と目立っています。
空がちょっと暗くなった頃だと肉眼でも見えそうですので試してみて下さい!
もし見ることが出来たら地上の何か目立つような目印を覚えておくと次に捜すときにだいぶ楽になります。
10日頃までの間で何回見られるか是非チャレンジしてみて下さい!
ちなみに6月4日には水星が東方最大離角を迎えて太陽から離れて見やすい時期になることがわかります。
この頃を過ぎると徐々に水星の明るさが落ちていくのでなるべく早めの時期がお薦めです!

————————————————————————————————-
☆ 6月 6日(土) 満月&明け方の空で半影月食!!

今年は日本から月食が3回も見られるという珍しい年です。
ですが・・その3回とも半影月食というのが惜しいところです。
半影月食の場合には肉眼で見ても普通の部分月食のようにはっきりと欠けていく様子はわかりませんが写真
撮影を行ったり、気象条件が良ければ双眼鏡でも部分的に暗くなった様子がわかりますので6日明け方の頃の
月をぜひ眺めて見て下さい!
今回の月食は明け方なので西の空で低くなってしまうので西の方角が低空まで見渡せるような場所がお薦め
です。
半影月食の始まりは2時43分頃、最も影に深く入るのが4時25分頃になるようです。
ですが・・夏至が近いので会津だと2時半頃を過ぎると徐々に空が明るくなり始めてしまいます。
なので半影に入っている3時前後で月の左下が少し薄暗くなっているかどうか確かめてみて下さい!
それ以降になると空が明るくなって来るので確認は難しくなりそうです。
望遠レンズを付けたカメラをお持ちの方は月本体が露出オーバーにならないような露出加減で撮影してみて
下さい!

————————————————————————————————-
☆ 6月 8日(月) 夜半前、木星と土星に月が接近!

8日、23時頃に南東の空では月齢17の明るい月が木星に3.4度まで接近した様子が見られそうです!
木星のすぐ左下には0.3等の土星も見えているのでなかなか賑やかな様子が楽しめそうです。
特に月と木星は双眼鏡でも一緒に見ることが出来るくらい近くにあるのでお持ちの方は是非向けてみて下さい!
月は徐々に星空の中を東に向かって動いていきますので時間をおいて眺めると木星との間隔ももう少し近くなった様子が見られそうです。
3時頃なら木星と月に加えて土星も一緒に双眼鏡で見ることが出来そうなのでお天気が良ければこの頃の時間にも見てみて下さい!
明るさの違いや色の違いをこの機会に確かめてみて下さい!

————————————————————————————————-
☆ 6月 13日(土) 夜明け前の空で月と火星が接近!

13日未明には下弦前の月と火星が5度くらいまで接近した様子が見られそうです。
1ヶ月前にはやぎ座とみずがめ座の間ぐらいに見えていた火星ですがいつの間にかだいぶ東に移動して木星や土星からもだいぶ離れてきました。
そしてこの頃の火星は-0.2等と少しずつ明るくなって来て独特の赤っぽい色合いと相まって夜空でだいぶ存在感を感じるようになってきています。
今年の秋には再び地球に接近して見やすくなるので今から楽しみです。
この時期ではまだ地球からの距離が地球から太陽までの距離よりもちょっと近い程度なので見かけの大きさはまだまだ小さめですが、望遠鏡だと南極付近に白っぽい極冠が目立って見えているようです。

そして、この火星の少し左上には1.7度程離れて海王星も見えています。
ただし海王星の明るさは8等級で明るい月がそばにあるのでこの時に見るのはちょっと難しいかも知れません。
月が火星に接近する前かあとを狙った方が良いかもしれません。
200mm望遠レンズで火星を真ん中に入れて撮影すれば海王星も左上に写るくらい近いのでお天気が良かったら撮影してみようと思います。

————————————————————————————————-
☆ 6月 21日(日) 新月&夕方の空で部分日食!

21日夕方には会津からも太陽がかけていく部分日食が見られそうです!
時期的には梅雨に入っている頃なのでお天気がちょっと心配ですが、ちょうど日曜日なのでもしどこか晴れそうなところがあればちょっと遠出してみても良いかもしれませんね。
会津での日食の始まりは16時11分頃、食の最大が17時8分頃、終了が18時頃になる予報です。
会津での職分は0.43なので太陽の半分弱まで欠けた様子は日食メガネでもなかなか見応えがありそうです。
日食メガネがどこかにあるという方は今のうちに捜しておいて下さいね!
日食中でも太陽を直接見てしまうと場合によっては眼を痛めてしまう場合もありますので古い日食メガネを使う場合にはフィルムやシートが切れたり変形していないことをきちんと確かめてからお使い下さい!

————————————————————————————————-
☆ 6月 23日(火) 夕方、西空の低空で細い月を見つけよう!

21日に日食を起こした月が太陽から離れて23日夕方には西北西の低い空に見えて来ます!
この時の月齢は2.2なのでまだまだかなり細い月ですね!
19時半頃には高度が15度程あるので比較的見やすいでしょう!
せっかくの細い月なのでもし見ることが出来たら双眼鏡や小型望遠鏡でじっくりと観察してみて下さい!

————————————————————————————————-
☆ 6月 26日(金) 会津そらの会 観望会!

毎月恒例の会津そらの会での観望会を26日、19時30分頃から開催予定です。
会場はいつものリオンドール滝沢店、北側駐車場になります。
この日は月齢5の月を中心に望遠鏡を使って見て頂く予定です。
迫力ある月面のクレーターを是非ご覧下さい!

参加は無料ですがお子さんは必ず大人の方と一緒にお出かけ下さい!
また、感染拡大防止の為にマスクの着用をお願いいたします。

————————————————————————————–
☆ 6月 28日(日) 上弦の月!

今月は28日17時16分に上弦を迎えます!
晴れていればまだ明るい空でも月は見えていますのでぜひ空で月を捜してみて下さい!
この日の月は会津だと17時48分に南の空に見えているはずです。
ちょうど半分の月の形を双眼鏡で見ると欠け際付近には大きなクレーターなども見えて来ますのでお持ちの方は是非月を見てみて下さい!
手持ちだと手ぶれの影響も目立ちますので手すりや適当な台などに双眼鏡を持った肘を載せて使うとかなり見やすくなりますのでお試し下さい!

================================================