画像提供  https://www.astroarts.co.jp/

皆様、新年明けましておめでとうございます。
いよいよ待ちに待った2020年がやってきました!
一般的には東京で開催されるオリンピックで話題になるということはもちろんですが、はやぶさ2を応援している
会津そらの会としては、もう今から今年12月の地球への帰還が待ち遠しくて仕方ありません。
一昨年、そして昨年とリュウグウでの探査、そして小惑星表面の予想外の状態からかなり困難と思われた2度のサンプル採取を無事に終え、昨年11月中旬には地球へ向けて帰路の長旅をスタートしています。
とにかく今は無事に帰ってきて欲しいと願うばかりです。

先日まで開催されていた〝さよならリュウグウ〟キャンペーンへのメッセージ募集もたくさん集まったようです。
お時間ありましたら是非ご覧下さい!
https://twitter.com/hashtag/sayonara_ryugu
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20191228_SAYONARA_messages1/
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20191228_SAYONARA_messages2/

星空の方ではやはり2020年に見られる天文現象が気になりますね。
主なものをピックアップしてみましょう!

まず日食ですが、日本では6月21日に部分日食が見られます。
台湾方面では金環日食になるそうです。
先日12月26日の部分日食は全国的にお天気に恵まれなかったのでこちらは是非見ておきたいところです。
時期的に梅雨に入ってしまわなければ良いのですが・・。
会津からでは2020年の日食の次は2030年までしばらく見られませんので無事に見られますように!

月食では今年は3回も見ることが出来ます!
但し今年は惜しいことに3回共「半影月食」なんですね。
1回目は年明け早々1月11日明け方なので双眼鏡で部分的に薄暗くなっているのがわかるか確かめてみたいものです。
写真だと露出加減で暗くなっている様子は肉眼よりも分かりやすいのでカメラで狙ってみる方が良さそうです。
今年は6月6日、そして11月30日にも半影月食があるので楽しみです。

惑星ではなんといっても宵の明星の金星が夕方の空で圧倒的な存在感を見せています。
今年も5月中旬頃までは夕方の空で見やすい状態が続きます。
仕事帰り等でも見上げる機会が多くなるでしょう!
5月頃に向かって夕方の空で見えている方角も少しずつ変化していきますのでそんな様子にも注目してみて下さい!
5月末には太陽の近くになっていったん見えなくなる金星は7月初めの頃になると再び夜明け前の東の空で美しい輝きを見せてくれるようになります。
2020年はこのあと年末まで明けの明星として楽しめそうです。
そして木星と土星ですが今年も夏の夜空で一緒に眺められる珍しい年になりそうです。
どちらも今シーズンは夏の星座いて座の中に見えているので梅雨明け頃からは観望会などでも眺められそうです。
そして今年注目したいのが10月に準大接近を迎える火星です!
一昨年夏に15年ぶりの大接近を迎えて話題になった火星ですが、あのときには火星全面を覆うような大きな砂嵐が発生して大接近の割には表面の模様が殆ど見えない状況が続いて残念な思いをしましたので今年の火星には大いに期待したいですね!
天王星はおひつじ座、海王星はみずがめ座に見えているので秋以降の季節に天文台に出かけて大きな望遠鏡で見てみたいですね!

流星群ではやはり注目は8月のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群ですね!
今年はどちらも月明かりの影響が少ない好条件で見られそうなので今のうちから予定に入れておくのも良さそうです。
他にも毎月注目の天文現象がたくさんありますのでその都度こちらの星空案内をご覧下さい!

2020年1月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  3日(金) : 上弦
 11日(土) : 満月
 17日(金) : 下弦
25日(土) : 新月
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星を眺めるにはやはり月明かりの影響が大きいので星見へ出かけるときの参考にしてみて下さい!
満月を過ぎて数日過ぎれば月の出も遅くなってきますので今月後半はきれいな星空を楽しめそうです!

毎月恒例の会津での1月の日の出、日の入り時刻を先月の12月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり    日の出       日の入り     薄明終了
12月 1日  5時 03分   6時 33分  16時 25分  17時 55分
1月  1日  5時 21分   6時 52分  16時 35分  18時 06分
1月 31日  5時 16分   6時 43分  17時 05分  18時 32分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

本格的な冬を迎えるのはまだこれからですが、1月に入ってからは日の入り時刻も日毎に少しずつ遅くなっているのがわかります。
寒さに負けずに星空をゆっくりと楽しみたいですね!

それではそろそろ2020年1月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 1月~ オリオン座のベテルギウスに注目してみよう!

オリオン座の右肩(オリオンはこちらを向いているので向かって左側が彼の右半身)で、橙色に明るく輝いている1等星のベテルギウスが先月頃からいつもよりも暗くなっているのが話題になっています。
ベテルギウスといえば太陽の直径のおよそ1千倍もの大きさを誇る赤色超巨星として知られていてそろそろ星の最後を迎えてもおかしくない時期を迎えていると言われています。
以前から星の大きさが変化することで明るさが変わって見える脈動型変光星でしたが、今回はその減光具合が眼で見てもはっきりとわかるくらいになっていると言うことで注目を集めています。
いつもはオリオン座の三つ星を挟んで反対側で輝く1等星リゲルと同じくらいの明るさで見えていたのが最近ではオリオン座の左肩にあるベラトリックスとほぼ同じくらいまでになっているようです。
今後再び以前のように明るく見えるようになるのかまだわかりませんので晴れていればオリオン座のベテルギウスの明るさを周りの星と見比べてみて下さい!


上の画像は2019年12月24日に撮影したものですが、この画像でもリゲルと比べてベテルギウスが明らかに暗くなっているのがわかります。
今後どのように変化していくかぜひ注目してみて下さい!

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☆ 1月 3日(金) 上弦の月!

今月は3日の13時45分に上弦の月となります。
18時ちょっと前頃に南の空に月が見えているはずなのでこの頃の時間にぜひ双眼鏡で眺めてみて下さい!
8倍くらいの双眼鏡でもピントをしっかり合わせて、さらに手ぶれの影響が少なくなるように双眼鏡を持った肘などを適当な台に乗せて見れば欠け際にある大きなクレーターの様子等が意外と良く見えてきますのでお試し下さい!

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☆ 1月 4日(土) しぶんぎ座流星群が極大を迎える!

年間3大流星群のひとつでありながら、あまり話題にならないのはピークの時間帯が僅か数時間程という短時間で多くの出現が終わってしまう為なのでしょう。
日本から見たときのピークが昼の時間帯だとその年は殆ど見られないことがありますので。
気になる今年のピーク予想は日本時間で4日17時になるそうです。
日本からだと放射点の位置は北の空でかなり低くなっていてこの時間での出現は殆ど期待できないでしょう。
放射点が再び北北東の空に昇って来るのは22時過ぎなので実際には23時頃から夜半過ぎの頃に北の空を中心に眺めてみましょう!
下の画像は会津での1月4日23時での北の星空になります。
しぶんぎ座流星群の放射点は北斗七星の柄の部分を伸ばした先にあります。

運が良ければ北の低い空から飛び出すような流れ星が見られるでしょう!
あまり期待しすぎずに眺めてみて下さい!

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☆ 1月 11日(土) 満月&未明の空で半影月食!

今年3回ある半影月食の1回目が11日未明に見られます。
時間的には10日(金)の夜半過ぎになるので日付を間違えないようにしてご覧下さい!
今回は半影月食としては比較的好条件なのでぜひ見ておきたいですね!
半影月食の見られる時間と会津での月の見える高度は下記のようになります。
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半影月食の始まり 2時 8分  55度
半影月食最大   4時10分  32度
半影月食の終わり 6時12分   9度
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月の影は周辺ほど薄いので上記の始まりや終わりの時間はあくまで目安にしてみて下さい!
時間的には月が半分程影に入った3時頃が見ては分かりやすいのではと思います。
デジタルカメラでは月が露出オーバーにならないようにして撮影してみて下さい!
適正露出よりも気持ち抑え気味の方が影で暗くなっている部分が分かりやすいかも知れませんね。
寒い時期なのでしっかりと防寒対策をして楽しんでみて下さい!

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☆ 1月 17日(金) 下弦の月 深夜の月の出を見てみよう!

今月は1月17日、21時58分に下弦の月となるようです。
でもこの時間にはまだ月は地平線の下になっています。
会津で実際に下弦を過ぎたばかりの月が昇って来るのは夜中を過ぎた0時4分になるようです。
実際には1時頃になれば東南東の空で月の高度も10度近くなるので、なかなか見る機会の少ない低い空にある半分の月の姿をこの機会に眺めてみてはいかがでしょう?
見慣れた月でもだいぶ印象が違って見えそうですので。
こんな時には是非双眼鏡でも見てみると面白そうです。

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☆ 1月 21日(火) 夜明け前の空で火星と細い月が接近!

今年10月に地球に接近する火星が夜明け前には南東の空に見えて来ています。
まだこの時期は地球からも遠く離れているので火星の明るさも1.4等級とそんなに目立つ程ではありませんが21日未明には月齢25.6の細くなってきた月と僅か1.8度まで接近するそうなので是非早起きして
見てみたいですね!
見やすい時間帯は5時頃になりそうです。
双眼鏡で見れば火星独特の赤っぽい色がはっきり見えるでしょう!
火星の少し右斜め下にはさそり座の1等星アンタレスも見えています。
視界の広い双眼鏡ならアンタレスと火星も一緒に眺められるので明るさや赤い色の色合いの違いなどもぜひ確かめてみて下さい!

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☆ 1月 26日(日) 西の低い空で細い月を見つけよう!

25日に新月となった月が26日夕方には西南西の低い空に見えて来ますので双眼鏡を使って捜してみましょう!!
この時の月の月齢はなんと1.5なのでまだかなり細い形です!
この日は17時頃に日の入りとなりますので太陽が沈んだ場所(西南西)の付近を地上の目印で覚えておいて、太陽が見えなくなってから双眼鏡で日が沈んだ場所の少し左上付近を捜してみて下さい!
17時35分で地平線からの高度は5度くらいなので低空に雲などが無ければ肉眼で見見えるかも知れませんね。
滅多に見られない細い月の姿ぜひご覧下さい!

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☆ 1月 27日(月) 西の低い空で海王星と金星が大接近!

夕方の空で見やすくなってきている宵の明星の金星に遠ざかりつつある海王星が27日に大接近します。
その間隔は僅か0.5度で見かけの月の大きさとほぼ同じになります。
この頃の海王星の明るさは8等星なのでしっかり確認するには望遠鏡が必要になりますが、望遠レンズで金星に向けて接近の前後数日を狙って撮影すると移動していく海王星の姿が捉えられるかも知れません。
最接近の27日には金星のほぼ真上に0.5度程離れて見えているはずです。
空が少し暗くなった頃の時間帯に見てみたいですね。

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☆ 1月 28日(火) 西の低い空で細い月と金星が接近!

先月に続いて28日夕方には細い月と金星の並ぶ姿が見られそうです!!
夕方の空が暗くなる時間がちょっと遅くなってきているので17時半頃がお奨めの時間帯になりそうです。
この日の月は月齢3.5とまだ細めなので見応えがありそうです!
月と金星の間隔は約4.5度程と先月よりも少し広めですがこれくらいの間隔だと双眼鏡でも見応えがありそうです。
1月末になると金星の高度も年明けの頃に比べて上がってきて更に見やすくなってきています。
多少空の明るさが残っている時間帯から見始めておくと・・徐々に空が暗くなるにつれて空の色の移り変わりや細い月の見た目の印象も変化していくのでゆっくりと眺めてみて下さい!
せっかくの素敵なツーショットなのでぜひ周りのお友達にも教えてあげてみんなでご覧下さい!

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☆ 1月 30日(木) 西の低い空で水星を見つけよう!

2月10日に東方最大離角を迎える水星が1月末頃になってようやく見えるようになってきます。
位置は西南西の方角で17時半頃には高度が5度程になっているはずです。
この頃の水星はマイナス1等星と比較的明るいので低空の多少明るさが残っている空でも双眼鏡なら見つけられるはずですのでぜひ見つけてみて下さい!
なかなか見る機会の少ない水星ですが、今回は2月10日過ぎまで見やすい状態が続きますのでお天気が良い日を狙って何回見られるかチャレンジしてみて下さい!

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