画像提供 アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/

今年もとうとう12月に入ってしまいました。
昔から師走と呼ばれるように何かと慌ただしい時期でいつの間にかクリスマス、そして年末を迎えてしまうなんていうことも何度も経験していますが、こんな時期だからこそ1日1日を大事に過ごしていきたいものです。
そろそろ寒さも本格的な時期を迎えていますが、この寒い時期ほど星は美しく輝いて見えるものです。
寒さに負けずに賑やかな冬の星空を楽しんで下さいね!

今月は中旬にふたご座流星群、月末近くには部分日食が見られるなど楽しみな天文現象がいくつもあります。
また、夕方の西空では宵の明星の金星が徐々に高度を上げて来て見やすくなってきます。
日没1時間後での金星の高度は12月1日で約7度程ですが、15日には約11度、月末31日には約16度くらいになるようです。
その途中で11日頃には金星と土星の接近も見られそうです!

はやぶさ2関連の最新情報も時々チェックしてみて下さい!
https://twitter.com/haya2_jaxa
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当初の予定では小惑星りゅうぐうを出発するのは今年12月頃となっていたようですが、予定より少し早く、11月13日に小惑星りゅうぐうを離れることになったようです。
http://www.jaxa.jp/press/2019/11/20191113a_j.html

せっかくなのでこの機会にはやぶさ2の活躍をぜひ振り返ってみましょう!

https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/

地球への帰還予定は来年末の予定なんですが・・今からとても待ち遠しいですね!
これからも「はやぶさ2」への応援よろしくお願いいたします!!

2019年12月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  4日(水) : 上弦
 12日(木) : 満月
 19日(木) : 下弦
 26日(木) : 新月
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星を眺めるにはやはり月明かりの影響が大きいので星見へ出かけるときの参考にしてみて下さい!
満月を過ぎて数日過ぎれば月の出も遅くなってきますので今月後半はきれいな星空を楽しめそうです!

毎月恒例の会津での12月の日の出、日の入り時刻を先月の11月と比べてみると以下のようになりました。
今月は冬至を迎えるので22日の分も追加してあります。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄明終了
11月  1日  4時 36分    6時 02分    16時 46分    18時 11分
12月  1日  5時 03分    6時 33分    16時 25分    17時 55分
12月 22日  5時 17分    6時 48分    16時 29分    18時 00分
12月 31日  5時 21分    6時 52分    16時 34分    18時 05分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

昼の時間の長さでは冬至の頃が最も短くなりますが、実際には会津での日の出や日の入り時刻を調べてみると以下のようになりました。

日の出時刻が最も遅い時期  12月31日~ 1月14日頃 => 6時52分
日の入り時刻が最も早い時期 12月 1日~12月13日頃 =>16時25分

このように日没時刻は12月上旬の頃の方が冬至よりも早いことを知っておくと生活の上でも役立ちそうです。

また、冬至の頃には太陽が真南に来たときの地平線からの高さは最も低くなり、会津では29.1度になるようです。( ※12月22日 会津での南中時刻は11時39分 )
実際には冬至を中心として12月19日~25日頃までの間の南中高度は29.1度で殆ど変わらないように見えます。
26日になって南中高度はようやく29.2度になるようですが、冬至の日を知るために僅か0.1度の高さの変化を捉えるのは昔ではとても困難なのでは?と思っていたのですが・・仮に高さが2mの棒を立ててその影の長さを測ったとすると計算上では以下のようになりました。
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南中高度     影の長さ
 29.1度 => 3593.3mm
 29.2度 => 3578.6mm
差 =>   14.7mm
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太陽高度の僅か0.1度の差であっても、影を作る棒の長さが2mもあれば影の長さは約15mmも違ってくるようです。
このくらい細かく高度の違いを測ることが出来れば影の長さを毎日測ることで冬至の日がいつになっているのかを調べることが出来そうですね。
仮に冬至の日がお天気が悪くてもその前後で2週間程影の長さを測定してグラフを描けばそこから冬至の日を決められそうです。

かつて会津藩校・日新館の天文台では「圭表儀」と呼ばれる機器を使って冬至の日を確かめていたという記録が残っています。
冬至を迎えるこの機会に日本天文遺産第1号に認定された日新館天文台跡にも足を運んでみて下さい!

それではそろそろ2019年12月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 12月 1日(日)~ 夕方、西空で並ぶ惑星を見てみよう!!

先月24日に夕方の西空で金星と木星が並ぶ様子が見られましたがそれ以降も日毎に木星、金星、そして土星
の位置関係が変化していく様子が観察できます!
毎日は無理でも17時過ぎぐらいの同じ時間に2,3日ごとに見ていくと並び方の変化がわかってなかなか
面白そうです。
木星はこれからどんどんと沈む時間が早くなるのでもうすぐ見えなくなってしまいますが宵の明星の金星が高度を上げてくるので1番星探しもやりやすくなってきます。
西の低い空に惑星たちが並んだ様子を地上の景色を目印にしてスケッチを描いてみたり、デジタルカメラで記録していくと良い資料ができそうです!
是非親子で観察してみて下さい!

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☆ 12月 4日(水) 上弦の月 & 夕方に月面Xが見える!

今月は4日の15時58分に上弦の月となりますが、ちょうどその頃の時間帯に半分になった月の欠け際を
望遠鏡でゆっくり見ていくと・・中央よりも少し南側の欠け際付近にアルファベットの「X」の文字が浮かび上がった様子が観察できそうです。
これはちょうど月面上で日の出を迎えた頃、クレーターの縁の部分に先に光が当たる時に見られる現象ですが
太陽の高度と月面の南北方向の傾きの関係で毎月見られるわけではありません。
今年は好条件で見られるチャンスが少なかっただけに見逃せません!
「月面X」で検索するとその時の様子を撮影した画像がたくさん見つかるかと思いますがやはり一度くらいは自分の眼で見ておきたいものです。

Xの文字は少し小さいので見るにはやはり望遠鏡が必要になりますが、倍率が15倍くらいの望遠鏡でもわかります!
会津そらの会で開催した組み立て望遠鏡室に参加されて望遠鏡をお持ちの皆さんはぜひ月に望遠鏡を向けてみて下さい!
今回は見やすい時間帯が16時頃となっていますが多分空が少し暗くなる17時頃でもわかるはずなので確かめてみて下さい!
月面Xの場所は徐々に太陽が昇ってクレーターの下の方まで光が当たってしまうとXの文字は見えなくなってしまいますので早めの時間帯がお奨めです。
最近はX以外にも「V」や「L」等の形も話題になることがありますので時間のあるときにゆっくりと月面散歩を楽しむのも良さそうです。
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☆ 12月 11日(水) 夕方の西空で金星と土星が最接近!

11日夕方17時過ぎには南西の低い空で金星と土星が1.8度まで接近した様子を見ることができそうです。
ここ数日は双眼鏡でも一緒に眺められる間隔になっていましたが、これだけ接近すれば望遠鏡でも低倍率なら
同時に見られそうです!
土星の明るさは0.8等級なのでマイナス4等級の金星の明るさに比べるとだいぶ差はありますがここまで接近して見られるチャンスはなかなかありませんので見逃せませんよ!
お天気が良ければこの日だけでなくこのあと数日間程見ておくと次第に離れていく様子が観察できそうです!

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☆ 12月 12日(木) 満月!

今年最後の満月は12日夜になります。
会津での月の出は16時28分頃なので17時頃になれば東北東の低い空に見えて来るのでまだ低い時間帯に昇って来る様子を見てみたいものです。

この日の満月はちょうどオリオン座の上の方に見えていて20時頃になれば神話にあるように月の女神アルテミスと狩人オリオンが一緒に出会っているかのような様子を眺めることが出来そうです。
また、この夜は夜半ちょっと前の23時56分に月が南の空にやってきますが、この頃の月を眺めるとずいぶんと高い空に見えているはずです!
計算上、会津での月の高度は74.4度程になるみたいなのでそんな様子も是非確かめてみて下さい!

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☆ 12月 15日(日) ふたご座流星群が極大!

毎年冬の寒い時期にたくさんの流れ星を見せてくれるふたご座流星群・・今年は12月14日の深夜がピークになると予想されています。
ちょうど土曜日の夜から日曜日の明け方にかけてなので日曜日にお仕事や学校が休みの方は一晩中起きて流れ星観察が出来そうなチャンスになります!
但し・・今年の場合は月の巡りの関係で12日に満月を迎えたばかりで月齢18の明るい月がなんとふたご座のそばで煌々と輝いています。
月明かりは気になりますが、ふたご座流星群は明るい流れ星もありますのでなるべく月が視界に入らないような方向を中心に観察してみて下さい!
月明かりのせいで多少見られる数は減ってもこのふたご座流星群は年間3大流星群のひとつにあげられるくらいなので十分に楽しめると思いますのでぜひご覧下さい!
寒い時期ですので風邪などひかないようにしっかりと防寒対策をして望んで下さいね!

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☆ 12月 26日(木) 新月&部分日食が見られる!

今年は1月にも日本で見られる部分日食がありましたが、26日には2回目となる部分日食が見られます!
日食は日本から見られない年もありますので今回のように2度も見られるチャンスは大事にしたいですね!
しかも、今回の部分日食は夕方の空でまだ少し欠けたまま沈んでいくという珍しい様子が見られそうです。
22日に冬至を過ぎたばかりなので部分日食が起こる太陽の位置も低めの空なのでなるべく西側の低い空まで見渡せるような場所で見たいですね。
会津での部分日食は予報では以下のようになるようです。
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欠け始め  14時29分  高度 17.5度
最大食分  15時34分  高度  8.2度
欠け終わり 16時31分  高度 ―0.7度
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こうしてみるとずいぶん低い空で起こる部分日食だということがわかります。

部分日食でも太陽の光はとても強烈ですので安全に観察するためには必ず日食メガネが必要になります。
前に使った日食メガネがある方は早めに捜しておきましょう!
使う前に必ずチェックして減光フィルターにキズなどが無いことを確かめて下さい!
まだお持ちでない方は科学館やカメラ店などでおいてあるところもあるはずなので早めに入手しておくのが良さそうです。

今回の部分日食は日本よりもずっと南のシンガポールやグアム島などでは金環日食を見ることができるようです。
もしかしたら現地からのネット配信もあるかもしれませんのでチェックしてみて下さい!

日本から見られる次の日食は2020年6月21日夕方になりますのでお楽しみに!
会津では太陽が4割程欠けた様子が見られそうです。

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☆ 12月 28日(土) 西の低い空で細い月を見つけよう!

26日に新月となった月が28日夕方には南西の低い空に見えて来ます!
この時の月の月齢は2.1でまだだいぶ細い形なのでぜひ双眼鏡でじっくり見てみたいものです。
17時過ぎになれば西の空で目立っている金星の少し右下の位置にいるはずなので双眼鏡で捜してみて下さい!
この日の金星と月の間隔は9度ちょっとなので双眼鏡なら視界の1.5倍程になるので目安にしてみて下さい!

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☆ 12月 29日(日) 西の低い空で細い月と金星が接近!

29日夕方には久しぶりに細い月と金星の並ぶ姿が見られそうです!!
この日の月は月齢3.1とまだ細めなので見応えがありそうです!
しかも月と金星の間隔は約2.8度程とわりと近いので肉眼でも双眼鏡でもそれぞれ楽しめそうです。
この頃になると金星の高度もだいぶ上がってきて見やすいはずです。
17時頃でもまだ高度が20度ほどあるのでまだ多少空の明るさが残っている時間帯から見始めておくと・・徐々に空が暗くなるにつれて空の色の移り変わりや細い月の見た目の印象も変化していくのでゆっくりと
眺めてみて下さい!
せっかくの素敵なツーショットなのでぜひ周りのお友達にも教えてあげてみんなでご覧下さい!

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