いよいよ夏本番の8月を迎えました!
そして待ちに待った梅雨明けですね!
夏の星座や天の川、流星群に見頃を迎えている木星と土星等々これからの季節大いに星空を楽しみましょう!

今年の東北南部での梅雨入りは平年よりもだいぶ早めの6月7日でしたので、この分ならいつもの年よりも梅雨明けも早いだろうと期待していたのですが・・今シーズンの梅雨はまさに「これが梅雨の季節です」の見本のようなお天気が続いていて本当に憂鬱な時期を過ごしてきました。
毎年のことながらこれは慣れませんね。
このまま8月まで梅雨明けにならないのではと心配な日々を過ごしていましたので7月中に梅雨明けを迎えて本当に良かったです。

星が好きな人ってお天気のことは多分普通の方よりもずっと気にしながら生活しているでしょう。
休日に星のきれいな場所へ出かけたり、珍しい天文現象がある時等は何としても晴れて欲しいと願ったりするものですが・・現実はなかなか思うように行かないことがありますね。
自分の周りのことだったら何とかなってもやっぱりお天気ばかりは運次第みたいなものなので。

先月公開された映画「天気の子」ではヒロインの女の子が晴れを願うとたちまち雨が止んで澄み切った青空と眩しい太陽が見えて来るシーンが何度もありましたが、あんな風に晴れて欲しい時にお天気を変えられたらどんなに有り難いかなと・・季節的に梅雨の時期だったのでよけいにそう思ったのかも知れませんが。

会津そらの会で毎月1回行っている観望会でも6月、7月とお天気が悪くて開催出来ませんでしたが、天気予報が雨や曇りでもやっぱり晴れて欲しいと空に向かって祈ったりすることも多いです。
ホンの少しだけでも見えてくれないかな??って微かな希望を持って・・。

そんな梅雨の時期での貴重な晴れ間の中からの1枚です。(2019-07-26 21:13撮影)
左上の明るい星が土星で、その右下にはいて座にある南斗六星が見えています!
北斗七星のひしゃくを伏せたような形は星のきれいなところなら肉眼でも見つけやすい形をしています。
そしてここにはもうひとつティーポットの形が隠れています!
左側の四角い形の持つ部分と四角い本体、三角形のふたとその右にやはり三角形の注ぎ口・・そこからはもやもやと湯気が立ち上って~天の川の明るい部分が広がっていっています!
下の画像には線を入れてみましたが、今年の夏は是非本物の星空で土星と一緒に星のティーポットの形を見つけてみて下さい!
双眼鏡をお持ちの方は星の色にもご注目ですよ!


はやぶさ2は先月11日に2回目の、しかも小惑星内部の砂を採取するという難しいタッチダウンに望み、そして見事に成功させてくれました!!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp

実はこの2回目のタッチダウンには様々なリスクもあったのでプロジェクトチーム内でも実際に行うかどうかはタッチダウンが行われる前までかなり判断に迷ったようです。:
それでも小惑星内部の試料を採取することの重要性がどれほど大きいかを考え、様々なトラブルをシミュレーションを行って成功の確率を高めていって・・・とスタッフの大変な苦労のかいあってほぼ予定通りの運用が行われたわけです。

ところで、今回のタッチダウンが人工クレーターからわざわざ離れた場所に降りたのはなぜですか?というような質問がいくつか入っていました。
小惑星内部の試料を確実に得るなら人工クレーター中心部に降りるのは当たり前なのにと思ってしまわれるかも知れませんが、実は今回のインパクターで作られたクレーターが予想よりも大きく深いものだったということが関係しています。
インパクターを使ったあとに人工クレーター付近まで降りての調査では直径約10m、深さがなんと2~3mもあるということでした!
遠くからの画像ではあまり深さがわかりませんが、クレーターの中に入ってしまうと長さ約1m程のサンプラーホーン(タッチダウン時には更に縮まります)での試料採取は不可能と判断されました。
なので人工クレーターの周辺に飛び散った内部の砂がある程度降り積もっているような場所でなおかつ付近に大きな岩が無い場所が選定されたわけです。

はやぶさ2は予定では今年末頃にりゅうぐうを離れて地球へ向かう軌道へ入り約1年後の来年末に地球に帰還する予定です。
このあとも無事に地球にカプセルを届けてくれるまで応援して行きましょう!

現在のはやぶさ2は明け方の空で3時頃では東北東の低い空にいます。
4日明け方にはふたご座カストルの足下、そしておうし座の角の先付近にあるようです!

8月の星空ではやはり見頃を迎えている木星と土星に注目ですね!
月初めの頃では木星が19時55分、土星が22時09分に真南に見える南中を迎えます。
中旬頃には木星が18時59分、土星が21時10分頃に南中を迎えるのでこの頃に合わせて望遠鏡で観察してみたいものです。
望遠鏡をお持ちでない方も是非明るい木星がどの付近に見えているのかも確かめてみて下さい!

今回、星空案内のアップが遅れてしまい事後報告になりました、毎月恒例の会津そらの会での観望会ですが、今月は8月9日(金)19時30分から開催、今回は月齢8の月と木星を中心に見て頂きました。後半には土星も見えてきて、望遠鏡では欠け際のクレーターの複雑な様子が見られました!
次回、リオン・ドール滝沢店での天体観望会は 9月6日(金)19:00から、月と木星が接近する様子、土星も見えます。
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2019年8月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  1日(木) : 新月 
  8日(木) : 上弦
 15日(木) : 満月
 23日(金) : 下弦
 30日(金) : 新月(2回目)
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星を眺めるにはやはり月明かりの影響が大きいので星見へ出かけるときの参考にしてみて下さい!
今月は1日が新月ですので月のみちかけの様子は旧暦のカレンダーの時と同じようになります。
注目のペルセウス座流星群の極大が予想される13日も満月近くの明るい月があるのが残念ですね。
そして8月は珍しく新月が2回あります。
新月の月は見えませんのでブルームーンみたいにはなりませんが・・。

毎月恒例の会津での8月の日の出、日の入り時刻を先月の7月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄明終了
7月  1日  2時 29分    4時 20分    19時 08分    20時 59分
8月  1日  3時 01分    4時 41分    18時 52分    20時 32分
8月 31日  3時 37分    5時 07分    18時 14分    19時 44分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

本格的な暑さの夏はこれからですが、8月もまた少しずつ夜の時間が延びていきます。
明け方や夕暮れ時の時間にその変化を感じてみましょう!
お時間があれば昼の時間と夜の時間を計算してみて下さいね!

それではそろそろ2019年8月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 8月 1日(木)~ 木星と土星が見頃を迎えている!

太陽系最大の惑星である木星と大人からお子さんまで人気の土星が見頃を迎えています!
8月初めでは19時半頃に南の空でまだ空の明るさが残っている時間帯でもポツンと光る木星を見つける
ことが出来ます!
木星の明るさはマイナス2.4等級で他の星よりもダントツで明るいので今の季節の1番星になっています。
6月に衝を迎えていますがこれからもまだしばらくは夕方から夜半まで夜空で明るく輝く姿を楽しむことが出来ます!
8倍くらいの双眼鏡や小型望遠鏡でもピントをきちんと合わせて手ぶれしないようにして木星に向けると横に並んだような4個のガリレオ衛星も見ることができますのでお持ちの方はぜひご覧下さい!
空が暗くなれば肉眼でも明るい木星の右には夏を代表するさそり座の1等星アンタレスも見えて来ます!
木星も星空の中を少しずつ動いていくように見えますので月初めにスケッチをしておいて来月にまた比較してみて下さい!
空が暗くなった頃、夏の天の川を挟んで東側のいて座の中では0.2等級と少し控えめの明るさの土星も見やすい時期を迎えています。
色が明るめのクリーム色っぽい感じなので肉眼でも土星だとわかるはずです。
また、木星や土星は他の明るい星のように瞬かないのが特徴なので区別しやすいでしょう!

土星は環のある惑星として人気がありますが地球からは遠いので環のある姿を見るには最低でも倍率30倍以上のきちんと作られた望遠鏡が必要になります。
土星はまだこのあと数ヶ月の間見ることができますので会津そらの会が毎月行っている観望会で是非本物の姿をご覧になってみて下さい!
今シーズンの土星はまだ環が大きく開いたように見えていて、図鑑などで見る姿とはまた少し印象が違いますのでそんな様子も確かめてみて下さい!

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☆ 8月 2日(金) 夕方の細い月を見つけよう!

今月は1日の昼過ぎに1回目の新月を迎え、その翌日2日夕方には月齢1.3の糸のように細い月が低い空に見えて来ます
19時15分頃に真西から15度程北寄りの低い空を双眼鏡で捜せば見つかるかも知れませんよ!
この頃の月の高度は6度くらいしかありませんのでなるべく低い空まで見渡せるような場所が必要です。
月がまだ細いことや空の明るさが残っているので低い空に靄などがあると見えなくなってしまうのでお天気次第ではありますが滅多に見られない細い月の姿、是非捜してみて下さい!
またこの時の月は地球からの距離が近いので見かけの大きさはスーパームーンの時に匹敵するような状態になるそうです。
低空ですが撮影できると良いですね!

また、この日にお天気が悪くてもし見えなくても翌日、3日(土)の夕方になればずっと見やすくなるのでこちらもお奨めです!
この時の月齢は2.3で文字通り三日月になります。
こちらも意外と細い月の姿なので、ホントの三日月ってこんな形なんだよとお子さんにも見てもらって下さい!

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☆ 8月 7日(水) 七夕!!

今年は8月7日に七夕を迎えます。
「七夕ってもう7月に終わっているでしょ?」と思う方も多いと思いますが、元々古くから行われて来た七夕の行事は今の暦でいうと旧暦で行われて来ました。
明治時代に西洋の暦に合わせて今の暦が使われるようになったわけですが・・・そのために時期が約1ヶ月程
ずれてしまうことになりました。
今年はタイミング良く?1ヶ月遅れの8月7日なので毎年月遅れで行っている仙台市の七夕祭りもちょうど良い時期に重なってくれたようです。

多くの方が星空を見上げるチャンスになるはずの七夕がなぜ梅雨の時期にあるのか??不思議に思われる方も多いと思いますが、そのような事情があったんですね。
ですのでやはり七夕というなら旧暦で行いましょう!
是非お子さんと一緒に短冊にお願い事を書いて、夜になったら夜空を見上げてみて下さい!
21時頃ならほぼ真上近くに織り姫星のベガが輝いていて夏の大三角もとても見やすい時期を迎えています。
わし座のアルタイルが彦星なので2つの星の間に天の川があることも教えてあげて下さいね!

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☆ 8月 9日(金) 「月齢8の月と木星&土星を望遠鏡で見てみよう!」 会津そらの会 観望会 開催!

毎月恒例の会津そらの会での観望会を9日夜、19時30分から開催いたします!
会場はいつものリオンドール滝沢店の駐車場北側になります。
参加は無料ですのでお気軽にお出かけ下さい!

梅雨のため、6月と7月の観望会は残念ながらお天気が悪くて「星のお話し会」になってしまいましたが今月
は是非とも晴れて欲しいですね!
今月の観望会では上弦を過ぎて欠け際のクレーターが見やすい月と見頃を迎えている木星を中心に見て頂く
予定です。
後半には人気の土星も見やすくなるはずなのでお楽しみに!
そして夏の時期に見られる星座も探していきましょう!
この夜は月と木星、そしてさそり座の1等星アンタレスがちょうど三角形に並んだ様子も見られそうです!

万が一お天気が悪い場合には19時半頃~2階TSUTAYA店左奥のコーナーにて「星のお話し会」を行う
予定です。
星の資料などの無料配布も行いますので万が一お天気が悪くても気軽にお出かけ下さい!
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☆ 8月 10日(土) 明け方の空で水星が西方最大離角を迎える!

夜明け前の低い空で水星が見やすい時期を迎えています!
日の出1時間前の3時50分頃には東北東の方角で約5度程の高さに見えています!
この頃の水星の明るさは0.1等程ですが空の薄明が始まっている時間帯なので見つけるには双眼鏡があった方が良さそうです。
水星の少し上にはふたご座が昇ってきていますので見つけるときの目安にして下さい!
明け方の水星が比較的見やすい期間は今月5日頃から16日頃までになります!

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☆ 8月 10日(土) 月齢9の月と木星が並ぶ!

10日夜には月齢9の月とマイナス2.4等と明るい木星が約6度程まで接近した様子が見られそうです!
1日前の9日夜に見ておけば月と木星、そしてアンタレスで三角形になっていた並びが一晩で月が木星の東に移動していく様子もわかりやすいので是非続けてご覧下さい!
今回は月と木星は時間と共に少しずつ離れていきますのでなるべく早い時間に見ておいて下さい!

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☆ 8月 12日(月) 月齢11の月と土星が大接近&ペルセウス座流星群の極大!

12日夜、20時頃に月をじっと見つめると・・すぐ右上にポツンと星があるのがわかるはずです。
月のそばに見えているのは土星で12日の20時頃には月と土星の間隔はわずか1.2度程とかなりの接近となります!
双眼鏡はもちろん、低倍率の視界の望遠鏡なら一緒に見られるという珍しい機会になります!
そんな様子是非見てみたいものですね!

そして毎年夏の話題となるあのペルセウス座流星群が極大を迎えます!
今年のピークは日本時間で13日の夕方頃の予報となっていますので狙い目はやはり12日夜~13日未明と13日夜~14日未明になりそうです。
ペルセウス座流星群の場合には出現期間が1ヶ月程続くので前後数日間は注目したいところです!
気になるのが月明かりの影響ですね。
15日に満月を迎えるので12日夜も明るい月が夜空を照らしていて、いつもより見られる流れ星の数は減ってしまいそうですが、流れ星は全天に広く出現するのでなるべく月明かりを眼に入れないように月の反対側の空を中心に見るのがお奨めとなりそうです。
それでも12日深夜になれば月もだいぶ西に傾いて来ますので月明かりの影響は少なくなるので13日未明まで頑張って夜空を眺めてみて下さい!

流れ星を見るときのコツはぼんやりと広い範囲を眺めるような気持ちで寝転んでみるのがお奨めです。
場合によってはそのまま寝てしまって・・という場合もありますのでその点だけはご注意下さい!
また、ペルセウス座流星群の場合、1時間に数十個見られるというアナウンスもありますがこの数は明るい流れ星だけでなく肉眼でやっと見えるような小さな流れ星まで数に入っているという点も知っておいて下さい!
そして流星群といっても流れ星は同じような間隔で見られる訳では無く、続けて流れる場合もあればしばらく見られないお休みの時間帯もあるということを頭の片隅に覚えておいて下さい!
流星群の流れ星・・実はあの彗星からこぼれ落ちた小さなチリが彗星の通ったあとに残されていったものが
彗星の軌道に沿って太陽の周りを回っていて、そこに地球が突っ込んでいくときに流れ星となって見ることが出来ます!
流れ星の元になるチリも均一に有る訳ではないので時間帯によって見える数も違ってくる訳です。

流れ星の一瞬の輝きは太陽系が誕生した頃に出来た物質が数十億年もの長い時間を彗星の中で氷漬けで保存されてきて、更に太陽の周りを何十周も回った後にようやく地球にぶつかってきた粒子の最後の光なんですね!
今年の夏にはたくさんの流れ星が見られますように!!

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☆ 8月 15日(木) 満月!

今月は15日の夜、21時半頃に満月を迎えます!
月の出は18時40分頃ですが、空が暗くなる20時頃には南東の空で13度程の高度に見えているので次第に見やすくなってくるでしょう!
この夜の満月はやぎ座にあって23時50分過ぎに真南の空に見えて来ます!
この時の月の高度は約35度程です。
夏の満月は低いと言いますので是非そんな様子も実際の空で確かめてみて下さい!

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☆ 8月 23日(金) 下弦の月

23日深夜、日付が変わるちょっと前に下弦を迎えます。
この夜の月はおうし座にあってまだこの時間帯だと東の空で高度も15度程ですが下弦の月が昇る様子もなかなか雰囲気があるのでお天気が良さそうでしたらぜひこの頃の時間に眺めてみて下さい!!
高度が上がって見やすくなるのは2時から3時になります。
同じ月でも上弦と下弦では月の模様の違いなどもあるので意外と印象が違って見えますので是非双眼鏡で
眺めてみて下さい!

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☆ 8月 30日(金) 今月2度目の新月!

30日19時半過ぎには今月2度目の新月を迎えます!
新月から次の新月までの周期はおおよそ29日半くらいなのでたまに1ヶ月の間に2回満月や新月が起こる場合があります。
今月はタイミング良く1日に1回目の新月を迎えたので30日に再び新月となったわけです!
2度目の満月はブルームーンという別名もあるようですが・・新月の場合には世空では見ることができませんのでそうした別名も無さそうですが・・この機会に月の周期29日半というのを覚えてみて下さい!。

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☆ 9月 1日(日) 夕方の空に細い月を見つけよう!

1日夕方には西の低い空に月齢2.0の細い月が見えてきます!
19時頃には高度は7度程ですが次第に空が暗くなってくるので肉眼でも見つけられそうです。
こちらも意外と細い月なので是非双眼鏡で形をしっかりと確かめてみて下さい!
また、今回の三日月もタイミング良く見かけの大きさがスーパームーンに近い大きさになっているようなので条件が良ければ望遠レンズなどで撮影してみて下さい!

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