画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp

2019年も6月を迎えました。
星の好きな人にとっては毎年6月と聞くと・・梅雨の何となく暗いイメージが真っ先に思い浮かんでしまうことが多いのかなと思ってしまいますが、皆さんはいかがでしょうか?
福島県のある東北南部での平年の梅雨入りの時期は平均すると6月12日頃のようで、昨年はほぼ平年通りの10日に梅雨入り宣言が出されました。
梅雨明けは平年並みだと7月下旬頃、この約1ヶ月半の梅雨の期間をいかに乗り切るかが大事になってきます。
普段何気なく見上げている星空が、普段の生活や仕事のストレスなどの解消にも意外な程役立っているというお話しも聞いたことがありますので、もしかするとこんな梅雨の時期が続くと知らない間に心の星成分の不足から気持ちがなんとなく落ち込んだりイライラしがちになってしまう場合もあるかもしれません。
なので6月に入って梅雨入り前の時期のお天気の良さそうな夜空は絶対見逃せませんよ!
また、梅雨の時期に入ってからでも梅雨の中休みみたいな時期もあるので天気予報をこまめにチェックしてつかの間の星空をゆっくりじっくり楽しんで下さい!
梅雨の時期のように雨が長く続くと・・普段上空に浮かんでいるたくさんのチリなどが雨と共に落ちるので、滅多に見られない梅雨の晴れ間の夜空ではもの凄くきれいな星の輝きを眼にすることがあります。
双眼鏡で眺めると普段目立たなかった小さな星たちまでいつも以上に輝いて見えたりするのでその違いが良くわかりますよ!

あとはプラネタリウムへ出かけてこの時期、そして夏の星空を早めに体験しておくのもお奨めです!
なるべくゆっくりと星空を見られるような番組を選んでおくのがポイントになります。
その際にはたとえプラネタリウムであっても本当の星空を見上げているような気持ちで見てみて下さい!
プラネタリウムの情報チェックには前に紹介しておいたPAO NAVIが便利ですよ!
http://paonavi.com/

また、雨や曇りで星空が見えないときには宇宙関連のニュースチェックも行ってみて下さい!
先月、インパクターで作った人工クレーター付近へ降りて行って次の着陸への準備段階としてターゲットマーカーを投下する予定だったはやぶさ2ですが・・今回は予想外の下降中断となって心配されましたが原因もほぼ特定されたことに加えて、今回の接近で人工クレーター付近の新たな様子がわかった情報も増えたので次のチャレンジを応援して行きたいですね!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

NASAのサイトでは来年打ち上げ予定の次の火星探査ミッション「MARS2020」で火星に名前を届けようキャンペーンを実施中です。
https://mars.nasa.gov/mars2020/

探査機に名前を載せて・・というのはこれまでにも日本の探査機「はやぶさ」や「はやぶさ2」、「あかつき」等でも行われて来ています。
一緒にNASAのミッションも応援して行きましょう!
応募は今年の9月30日までとなっていますのでぜひお友達にも声をかけて教えてあげて下さい!

以下のサイトにアクセスして名前、名字、国名(選択式)、郵便番号、メールアドレスを記入したあとに下にある送信ボタンを押すと登録完了となります。
https://mars.nasa.gov/participate/send-your-name/mars2020

そうすると探査機搭乗チケットが表示されるのでダウンロードしておいて下さい!

6月の星空ですが、今年は22日が夏至ですので日暮れの時間もずいぶん遅くなっています。
20時になってもまだ空の明るさが残っていますが、その頃の時間帯に南東の低い空には今月11日に衝を迎える木星が見えてきます!
先月24日に撮影した画像でも低い空に見えてきたマイナス2.6等の木星が夏の星座さそり座の左横で明るく目立っています!

そしてちょっと時間が遅くなるとこんな風に天の川の上で堂々とした輝きを見せてくれています!
また、画像の左側で明るく輝いているのが土星です!

梅雨入り前、そして梅雨の中休みの星が見れそうな夜には街中からちょっと離れた星のきれいな場所からはこんな景色が見られるはずです!
ぜひ出かけて見て下さい!

毎月恒例の会津そらの会での観望会ですが、今月は6月14日(金)19時30分から開催予定です!
場所は先月と同じリオンドール滝沢店の駐車場北側にて開催となります。

今回は月齢11の月を中心に見て頂く予定です。望遠鏡では欠け際のクレーターの複雑な様子が見やすくなりそうです!
数台の望遠鏡を準備しますので倍率によって見え方の違いを比べてみて下さい!
空の条件が良ければスマホのカメラでも望遠鏡で見た月の写真が撮影していただきながら、合間に春に見つけやすい星座も一緒に探してみましょう!
また、この日は20時半頃になると南東の低い空に木星が見られそうです。まだ低空なので条件的にはそれほど良くありませんが望遠鏡では4個のガリレオ衛星が見られそうです!

観望会への参加は無料ですし、予約などは不要ですのでお気軽にお出かけ下さい!
但し、お子さんは安全の為に必ず保護者の方と一緒にご参加下さい!
また、6月になっても夜になると日中との気温差もあって意外と寒く感じてしまうなる場合もありますので念のため上着などを準備しておくと安心です。

万が一お天気が悪くて星が見られない場合には2階ツタヤ店左奥のキッズコーナーにて星のお話会を開催予定ですのでお天気に関係なくお出かけ下さい!
せっかくの観望会なのでぜひ晴れて欲しいものですね!

2019年6月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  3日(月) : 新月 
 10日(月) : 上弦
 17日(月) : 満月
25日(火) : 下弦
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星を眺めるにはやはり月明かりの影響が大きいので星見へ出かけるときの参考にしてみて下さい!
今月なら6日頃までは月明かりの影響は少ないでしょう!
また、満月を過ぎると月の出は1日毎に40分から50分程遅くなっていきます。なので満月から数日後くらい過ぎると、そんなに遅い時間で無ければまた美しい星空が見れるようになります。
そして月明かりが無い夜に深夜になれば天の川も見えてきますよ!

毎月恒例の会津での6月の日の出、日の入り時刻を先月の5月と比べてみると以下のようになりました。
星の撮影をやっている方からのリクエストで薄明の始まりと終了時刻を追加してあります。 
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 月   日   薄明始まり      日の出        日の入り       薄明終了
5月  1日  3時 08分    4時 44分    18時 32分    20時 08分
6月  1日  2時 31分    4時 18分    18時 58分    20時 46分
6月 30日  2時 29分    4時 19分    19時 08分    20時 59分
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)

6月には夏至を迎えるので夕方暗くなる時間も5月よりも更に遅くなってきたことが感じられるでしょう!
夏至の日が昼の時間が1年中で最も長くなるのですが、実際には会津での日の出時刻を調べてみると・・最も
早く日の出を迎えるのは6月8日~20日頃で4時16分、最も日没時刻が遅くなるのは6月22日~7月5日頃までで19時8分になるようです。
夏至を過ぎればすぐに折り返しというわけではないことをちょっと覚えておいて頂ければと思います。
なかなか空が暗くならないこの時期なので夕食後の時間帯に夜空を見上げてみて下さい!
普段の忙しい生活や仕事の喧噪を忘れて心の安まる時間を作ってみて下さいね!

それではそろそろ2019年6月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 6月 5日(水) 西空の低空で細い月と火星が接近!

今月5日、19時40分時頃に西北西の低い空で月齢2の細い月と火星が上下に並んだ様子が見られそうです!
今回の接近は20時頃になればだいぶ見やすくなるはずですが時間と共に低くなって行ってしまいますので、なるべく西北西の低い空まで見渡せる場所がお薦めです!

まだ明るさの残る低い空なので最初に見つけるには双眼鏡が必要になるかも知れません。細い月が見つかればその少し上にポツンと光る赤っぽい星が火星になります!
今回は両者の間隔が約4度以内にまで接近するので視界が広い双眼鏡で見るのが最適ですよ!

この頃の火星は地球からの距離も3億7千万km程とずいぶん遠くなっているので明るさも1.8等と他の星と比べてもさほど目立たないくらいまでになってしまっているので、最近の観望会などでも火星ってまだ見えているの??と聞かれることも時々ありますがまだ西の低い空で頑張っていますので是非この機会に見ておいてみて下さい!
この日の月と火星はちょうど双子座の中にあって、月と火星の上にはふたご座のポルックスとカストルが、少し右手にはぎょしゃ座のカペラ、そして左手にはこいぬ座のプロキオンもあるので低空に雲などがなければそれらの明るい1等星に囲まれたような感じで見られそうです。

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☆ 6月 7日(金) 夕方の空で細い月とプレセペ星団が接近! 

7日夕方には月齢4.0の月が見えています!
今月は3日が新月でしたのでこの日の夕方の月は「5日月」になりますが実際に見てみるとこのくらいの形の月が一般には三日月だと思われていることが多いようです。
そして、この日の夜には月のそばにかに座にある散開星団M44が近くに見えるという珍しい天文現象もあります!
そんな様子は視界の広い望遠鏡や双眼鏡なら一緒に眺めることが出来そうです!
実際に見やすくなるのは20時過ぎになりそうですが、月のそばに小さな星たちが散らばっている様子はなかなか神秘的な感じになりそうです!

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☆ 6月 10日(月) 夕方の西空で水星が見やすくなってくる!

今月24日に東方最大離角を迎える水星が夕方の空で次第に見やすくなってきます!
10日頃なら20時頃でも西北西の空で高度が6度程あるので見晴らしの良い場所なら双眼鏡があれば十分に見つけることが出来そうです。
さらに、10日以降には視界の広い双眼鏡を使えば水星と一緒に火星(水星の左上方向)も見ることができますよ!
この頃の水星の明るさはマイナス0.3等級、火星が1.8等級です。水星と火星はこのあと次第に日毎に接近していって18日に最接近となっていきます。
そろそろ梅雨入りになってしまう頃なのでどれだけ見れるかわかりませんが夕方晴れていたらぜひ見て下さいね!

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☆ 6月 11日(火)深夜、太陽系最大の惑星 木星が衝を迎える!!

地球の直径の11倍もある太陽系最大の惑星 木星が11日深夜(10日の夜半過ぎ)に太陽と反対の位置に来る衝を迎えます!
6月11日での太陽系惑星たちの位置関係をステラナビゲーターで再現してみると以下のようになっています。

木星が衝を迎える頃には上の図でわかるように地球と木星の間隔も近くなるので撮影などには最適な時期になるのですが、実際には木星が見やすい南の高い空にやってくるのは真夜中になってしまいます。
なので観望会などで見やすくなるのは衝を過ぎて1ヶ月程あとになってからになります。
今年なら7月~9月ぐらいまでが見やすい時期になりますよ!

11日頃だとそろそろ今年も梅雨入りの時期ですが、この頃の木星が東南東の地平線上から昇って来るのは18時44分頃になります。
実際に木星が皆さんの家の近くから何時頃に見えて来るかお天気の良さそうな日があれば確かめてみて下さい!

今シーズンの木星はへびつかい座にありますが、普通に見たときにはすぐ隣のさそり座のほうが目立ちます。
さそり座の1等星アンタレスとの位置関係も徐々に変化していきますので木星を見たときには一緒に確かめてみて下さい!

また、木星のそばには今から400年程前にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによって発見された4個
の衛星(木星の月)があり、倍率が8倍程の双眼鏡でもピントをきちんと合わせて、手すりなどに肘を乗せて手ぶれの影響を少なくすれば比較的簡単に見ることができます。
4個のガリレオ衛星は1番内側を回っているイオが約1.8日、一番遠いカリストが約16.7日とそれぞれ木星を回っている周期が異なるので見る度に違った並び方になっているのが面白いですね。
衛星が木星の後ろに隠れたり、手前を通過していると日によっては衛星が2個とか3個しか見えない場合もありますので。

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☆ 6月 14日(金) 「月齢11の月を見よう!」 会津そらの会 観望会!

毎月恒例の会津そらの会での観望会を14日夜、19時30分から開催いたします!
会場はいつものリオンドール滝沢店の駐車場北側になります。
参加は無料ですのでお気軽にお出かけ下さい!

平年ですと梅雨に入ってしまっているかも知れませんが晴れることを期待しましょう!
今月の観望会では月齢11の月を中心に見て頂く予定です。
20時半以降には南東の低い空に木星も見えて来ますのでご期待下さい!

もしお天気が悪い場合には19時半頃~2階TSUTAYA店左奥のコーナーにて星のお話会を行う予定です。

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☆ 6月 16日(日) 月齢13の月と木星が接近!

16日夜には満月前の月齢13の月とマイナス2.6等とかなり明るい木星が並んだ様子が見られそうです!
20時頃には南東の低い空で上下に並んで見えていて、この頃の間隔は約4.2度程です。
視界の広い双眼鏡なら楽に一緒に見ることができますのでお持ちの方は是非ご覧下さい!
この時点ではまだ月が木星よりも西側にあるのでこのあと徐々に間隔が近づいて行きます!
月が真南に来る23時頃には約3度程まで接近しているはずです。
梅雨時なのでお天気が心配ですが月も木星も明るいので薄曇りくらいなら十分に見られそうです!
せっかくの接近なので晴れて欲しいものですね!

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☆ 6月 17日(月) 満月!

月と木星の接近があった翌日17日には満月を迎えます。
しかも今月は満月を迎える時刻が17時31分です!
会津での月の出は18時54分なので月が昇ってすぐに見ればほぼまん丸の満月が楽しめそうです。
しかも、今夜もまだ明るい木星とおよそ9度程くらいしか離れていませんし近くにはさそり座の1等星
アンタレスや東側に少し離れて土星もありますからので賑やかな様子が楽しめそうです!

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☆ 6月 18日(火) 西北西の低空で見頃の水星と火星が大接近!!

24日に東方最大離角を控えて夕方の空で見やすくなってきている水星に火星が僅か0.3度まで近付いて見えるというかなりの大接近となるようです!
月の見かけの大きさが約0.5度程なのでずいぶん近くに見えることがわかります!
但し20時頃でもまだ西空の低空には薄暮の明るさが残っていることや火星が約2等級の明るさなので見るにはやはり双眼鏡が必要になりそうです。
水星と火星の高度は20時頃で約8度程なのでなるべく西北西の低い空まで見渡せる場所が良さそうです。
18日以降は徐々に間隔が離れて行って今月末くらいまでは何とか見れそうです。

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☆ 6月 19日(水) 月齢16の月と土星が接近!

19日夜には満月を過ぎたばかりの明るい月と土星が5.5度程まで接近した様子が見られそうです。
月の出が遅いので月と並んだ土星の様子は22時頃になれば見やすくなるでしょう!月の右上に見えている0等級の明るい星が土星です!
今シーズンの土星はいて座の中に見えています。
土星の少し右側には南斗六星もあるので双眼鏡を使って捜してみるのも良さそうです。

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☆ 6月 24日(月) 水星が夕方の空で東方最大離角を迎える

梅雨の最中ですが24日には夕方の空で太陽から最も離れて見える東方最大離角を迎えます。
水星は内惑星なので夕方か明け方のこうした時期を狙わないとなかなか見るのも難しいわけです。実際には今月10日頃から西北西の低空で比較的見やすくなってきていました。
もし晴れていれば今月末頃までなら20時頃に西北西の低い空に双眼鏡を向ければ火星と一緒に水星を見ることができそうです。
梅雨の晴れ間があれば是非捜してみて下さい!

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