画像提供 アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp
南に向かって見上げた空。初旬は21時頃、中旬20時頃、下旬には19時頃

2019年もようやく3月を迎えました。
3月と聞くと一気に春が近くなって来ているように感じますが、年によってはまだ雪が積もることもあります。
今年の冬は例年に比べるとずいぶんと雪が少なかったようですが今月はどうでしょうか?

ところで最近の大きな話題といえばやはり「はやぶさ2」ですね!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

つい先日、2月22日には会津そらの会がずっと応援してきたあのはやぶさ2が小惑星リュウグウへの最初のタッチダウンに成功したという大変嬉しい出来事がありました!
地元の会津大でも、初号機はやぶさの時代からJAXAの小惑星探査には色々と関わりが続いており、新聞やテレビでもインタビューの様子などが取り上げられていて、とても嬉しく感じています。
小惑星リュウグウの観測は今後も継続、二回目以降のタッチダウンでは「インパクタ」による表面爆破で地下の岩石を採取する予定が計画されています。
はやぶさ2が小惑星から離れるのが今年末、そして地球への帰還が来年末の予定になっていますので皆さんと一緒に無事に地球へカプセルを届けてくれるまで応援していきましょう!
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/

先月5日に発売されていた天文雑誌「星ナビ」3月号にも今回のタッチダウンに向けてわかりやすい特集記事が8ページ程載っていましたので4月号の記事も期待しています。
書店で見かけたら、ちょっと見てみて下さいね!

3月初めの頃では空が暗くなってきた19時頃にはちょうど冬の星座たちが南の高い空に見やすくなっています。
3月7日が新月なので月初めの頃は月明かりの影響も無く肉眼でも冬の星座を楽しめそうです。
後半になってしまうと次第に西の空に傾いてしまって行きますので今のうちにしっかりと賑やかな冬の星座たちを眺めておいてみて下さい!

そして最近はすっかり忘れられがちなんですがお天気が良ければ19時頃だとまだ西の中天に見えている火星にも眼を向けてみて下さい!
火星の明るさは地球からの距離も遠くなったこともあって月初めで1.2等級、月末には1.4等級と少しずつ落ちてはいるものの双眼鏡ならまだまだかなりの存在感を感じられますよ!
そして注目が星座の中を動いていく様子です。
お天気が良さそうなときに時々星座のどの付近に見えているかチェックしてみて下さい!
月初めにはおひつじ座の真ん中付近に見えているのが月末に向けてちょっとずつお隣のおうし座へ移動していって月末にはおうし座の肩付近まで動いていきます。
その頃だと双眼鏡でおうし座のすばるとも一緒に眺められるようなので是非ご覧下さい!

夕方の惑星では3月初めの頃だけになりますがまだ西の低い空では水星が見えています。
特に2日と3日は土日の週末なので普段仕事で夕方の時間だとなかなか見れない方にもお薦めです。
18時頃からほぼ真西の低い空を双眼鏡で捜してみて下さい!


上の画像は先月22日に撮影した水星ですが、低い空で他の星がまだ見えてこない中でポツンと見えている姿がなかなか印象的です。
低空で、まだ少し明るさの残っている空なので双眼鏡は必需品でしょう!
空が暗くなる頃にはだいぶ低くなってしまうのでなるべく西の地平線付近まで見渡せる場所でぜひ捜してみて下さい!
見つけたらぜひその様子を地上の景色と共にスケッチしてみて下さい!
今年はあと何回水星見れるでしょうか??
そして明け方の惑星にも注目ですね!
まだ朝は寒いからと言わずに早起きして夏の星座と共に木星、土星、そして金星の姿をご覧下さい!


この図は3月2日明け方5時頃、南東から南にかけての空になります。
2日未明には月と土星がかなり近くまで接近した様子が見られそうなので楽しみです。
丸い円が一般的な双眼鏡の視界の広さを示してあるのでこれを見ると距離感がわかりやすくなります。
双眼鏡で眺めてももかなり迫力がありそうです。
そして3日未明には月と金星のツーショットが見られそうです。
明けの明星の金星はこの後次第に太陽に接近して明け方の高度が低くなってしまうので今シーズンではこれがラストチャンスになりそうなのでお見逃し無く!

2019年3月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  7日(木) : 新月 
 14日(木) : 上弦
 21日(木) : 満月
 28日(木) : 下弦
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星を眺めるにはやはり月明かりの影響が大きいので星見へ出かけるときの参考にしてみて下さい!
今月なら10日頃までは月明かりの影響は少ないでしょう!

毎月恒例の会津での3月の日の出、日の入り時刻を先月の2月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日    日の出      日の入り   
2月  1日  6時 42分  17時  6分
3月  1日  6時 10分  17時 36分
3月 31日  5時 26分  18時 04分   
(StellaNavigator10/AstroArts. にて会津若松市で計算)
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3月21日には春分の日を迎えますので2月と比べると昼の時間がずいぶんと長くなっているようです。
特に早起きで無い人でも夕方の日没時間が2月初めと比べると3月初めで30分、3月末には1時間近くも遅くなっているので仕事帰りの暗くなる時間もずいぶんと違ってきていることを感じられるはずです。
年度末なので仕事なども忙しい方も多いとは思いますが、この時期ならではの春の訪れを感じさせられるような瞬間にもぜひ眼を向けて過ごしていきたいですね

それではそろそろ2019年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 3月 2日(土) 未明の空で月と土星が大接近!

月が変わって3月2日未明、南東の低い空ではちょっと細くなってきた月齢25の月と土星が僅か1.3度までの大接近となるようです!
ここまでの接近は滅多にありませんから是非見ておきたいですね!
双眼鏡だと土星の色合いが土星単独で見たときよりもわかりやすいのでこの点にも気をつけて観察してみてください!
その際にはぜひまた月と一緒にスケッチしてみてください!

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☆ 3月 3日(日) 夜明け前の空で細い月と金星が大接近!!

3月3日はひな祭りですが、その3日明け方の空で月齢26の月が明けの明星の金星へとわずか1.9度の
大接近した様子が見られそうです。
ただし、空が明るくなりかけた5時頃でも月の高度は7度もありませんので南東と東南東の方角でなるべく低いところまで見晴らしの良さそうな場所を選んで見てみて下さい!
このくらいの接近だと肉眼でも十分に並んだ様子が楽しめますが、双眼鏡で見るとさらに素晴らしい眺めに
なりそうです!

夜明けの金星も次第に高度が低くなってきていますのでこのような月と金星の並んだ様子が明け方に見られるのは今シーズンでは今回と4月2日の2回だけになってしまいます。
来月はさらに条件が厳しくなりますのでぜひこの様子をお見逃し無く!

下の画像は前回の2月1日6時10分に撮影したときのものです。
月と金星の間隔は約2度程なので今回の接近でもほぼ同じくらいの間隔になります。
この時にはまだ金星もだいぶ高い空で見えていたようです。
金星の右上には木星も見えています。
今ではだいぶ離れてしまいましたが。

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☆ 3月 4日(月) 明け方の空で月齢27の細い月が見られる??

3日未明には金星と並んでいた月がさらに細くなって金星の左下方向に11度程離れて昇って来ます。
但し、こちらは空が明るくなって来ている5時15分頃でも月の高度はわずか2.8度程しかありませんので条件はちょっと厳しいのですが、今回は目立つ金星が目印になってくれるので地平線付近まで見渡せる場所で低空に雲が無ければ見られるかもしれません。
お天気が良さそうでしたら5時くらいに双眼鏡を持って出かけてみて下さい!
ちなみに4日20時26分には月までの距離が今年1番遠くになるそうです。

下の画像は先月の2月3日未明のものです。
運良く見られたらこんなイメージになるはずなので参考にして下さい。

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☆ 3月 8日(金) 夕方の空に細い月を捜そう!

7日に新月となった月が8日夕方、西の低い空に姿を見せてくれそうです。
前日が新月なのでこの時の月は2日月なんですが、月齢が1.7なのでもし運良く見れたらかなり細い月だと感じるはずです!
18時15分頃からほぼ真西の低い空を捜してみて下さい!
もしお持ちでしたら双眼鏡で眺めると地球照で丸く見える様子と共に細い月の様子も楽しめそうです!

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☆ 3月 9日(土) 夕空で三日月を見よう!

今月は7日に新月を迎えましたので3日目となる9日夕方には三日月が見えてくるはずです。
18時頃には西南西の空で肉眼でも見やすくなっているはずです。
この時の月齢は2.7ですが、本当の三日月というのは一般に知られているよりもずっと細い月の形なのでこの機会にぜひ見て確かめてみて下さい!
ちょっと時間があればどのくらい細い月なのかを簡単にスケッチしておくことをお薦めします。
手帳でもノートでもかまいませんので形がわかりやすいようにちょっと大きめに描いてみて下さい!
一緒に日付と時刻や方角、そして見たときに感じたことを書いておくと良さそうです。
専用のノートかスケッチブックを1冊作れば自分用の星空観察ノートが出来ますのでお試し下さい!

ところで、先月までNHKでやっていた「みかづき」というタイトルのドラマでは時々月が登場していましたがご覧になられたでしょうか??
こちらに登場していた月の形は・・本当の三日月からすると数日後の形のようになっていたようです。
テレビや映画などでもたまに夜空に月が浮かんでいる様子を見ることがありますが、場合によっては夕方に明け方にしか見られないような月の形になっていることもあったりするのでチェックしてみて下さい!

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☆ 3月 11日(月) 月と火星が接近!

このところあまり注目されていない火星なので場合によってはまだ見えているの?と言われてしまうことも何度かありました。
そんな火星に11日夜には月齢4.7の月が接近します。
接近と言っても今回は両者の間隔が6.8度程なので一般的な双眼鏡だと一緒に見るのはギリギリといったくらいですが、今の火星がどこに見えているのかを確かめるには良いチャンスになります。
19時頃なら月の右上に7度程離れた位置に見えているのが火星です。
まだ1.3等星の明るさがあるので場所さえわかればすぐに見つかるはずです。
双眼鏡なら赤っぽい色もまだまだわかるはずです。
この頃はおひつじ座に見えている火星も月末にはおうし座の散開星団すばるに接近していく様子も是非追いかけて見て下さい!
お天気の良い日に時々見ていると次第に星座の中を移動していく様子がわかります。
見るだけではもったいないので周りの目立つ星と一緒に簡単なスケッチをしてみて下さい!

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☆ 3月 14日(木) 夕方に上弦を迎える月!

今月のカレンダーを見ると14日が上弦の月となっています。
さらに上弦となる時刻をチェックすると19時27分となっています!!
上弦の頃には夕方に南の高い空で月を眺められる訳ですが、今回はタイミング良くちょうど半分の月を眺められるチャンスになります!
普段は上弦といってもなかなかちょうど半分のタイミングにはならずに半日くらい早かったり、遅かったりするのことが多いのでぜひこの時刻を狙って月を見てみて下さい!
小型望遠鏡や双眼鏡ならきれいな半分の月の形がわかりやすいでしょう!

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☆ 3月 17日(日) かに座のプレセペ星団に月が大接近!

春を告げる星座のしし座とふたご座の間にあるかに座はあまり明るい星が無くてあまり目立たない星座ですが、双眼鏡を向けるといびつな四辺形の中程に小さな星がたくさん集まっているプレセペ星団の美しい姿を眺めることが出来ます。
そんなかに座の中を17日夜から18日にかけて月齢11の明るい月が通り抜けていきます!
特に注目は月がプレセペ星団の近くを通過する様子ですね。
会津よりももっと南ならプレセペ星団の星を月が次々と隠して行く様子も見られたかもしれません。
今回の様子は双眼鏡が必需品ですがお持ちの方は19時頃から1時間毎に眺めていると星空の中を月がゆっくりと動いていく様子がわかるはずです。
最接近は23時頃なのでお天気が良ければ夜中過ぎまで見てみて下さい!
月と一緒に小さな星が見えている様子もなかなか美しい眺めになりますので!

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☆ 3月 21日(木) 春分の日に満月を迎える!

3月21日には昼と夜の時間がほぼ同じくなる春分を迎えます。
春分の日を過ぎるとようやく春かなと感じられるような気温になってきますがまだまだ寒の戻りなどもあるでしょうから星見の際にはくれぐれも油断しないようにして風邪など引かないように気をつけて下さい!
そんな21日夜には満月を迎えることになります。
先月はスーパームーンということでかなり話題になりましたが、あいにくのお天気で見られなかった方も多いようです。
今月の満月は、実は今年の満月の中では1月に続き、3番目に大きな満月となるようです。
国立天文台のスーパームーンの記事が載っていたページのグラフをご覧下さい!
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2019/02-topics01.html

21日の満月が昇ってくるのは会津では18時3分なので19時頃には東の空から昇った月が見やすくなっているでしょう!
こちらの月も望遠レンズで撮影できる方はぜひ撮影してみて他の月の満月と大きさを比較してみて下さい!

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☆ 3月 27日(水) 未明の空で月と木星が接近!

27日の夜明け前、4時頃には南南東の空で月齢23の月と木星が約4度くらいまで接近した様子が見られそうです。
こちらも双眼鏡で見るのがお薦めですね!
8倍くらいの双眼鏡でもしっかりと固定してピントをきちんと合わせれば木星のガリレオ衛星も見つけることが出来ますのでまだ空が暗い時間帯に見ておきたいですね。
4時頃ならまだ薄明が始まる頃なので夏の星座のさそり座やいて座に見えている土星と一緒に眺めてみるのも良さそうです。

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☆ 3月 29日(金) 未明の空で月と土星が接近!

29日未明の4時頃、いて座の中で月齢22の月と土星の接近した様子が見られそうです!
この頃の土星の明るさは0.4等級で意外と明るく、月の少し左側に見えているはずです。
今回の接近は両者の間隔が4.7度程なので双眼鏡でも並んだ様子がよくわかりそうです。
双眼鏡だと土星の環は倍率が低すぎてわかりませんが、土星のややクリーム色っぽい色はこんな風に月と一緒に眺めたときが一番わかりやすいのでぜひこのチャンスに色合いもじっくりと眺めてみて下さい!

この時、8倍くらいの双眼鏡でもじっくり見ようとすると手ぶれの影響が結構目立ってしまうのでもし三脚に取り付けられるなら取り付けた状態で見るのがお薦めです。
また、双眼鏡を持った両肘を手すりなど適当な高さのところに載せて使うなどだけでも微妙な揺れが少なくなってかなり見やすくなりますのでお試し下さい!
その際にはピントを左右の眼できちんと合わせてじっくりと観察して下さい!
月の大きなクレーターも意外と見えるということに気がつくことでしょう!

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☆ 4月 2日(火) 未明の空で月と金星が接近!

4月2日未明、東の低空で月齢26の月と金星が並んだ様子が見られるかもしれません!
金星の高度も空が明るくなってきている4時半頃でもまだ4度ちょっとしかないので条件的にはちょっと厳しいかも??
この頃だと暖かくなったせいで低空には春霞の影響も出やすいので見られるかどうかはお天気+低い空の透明度次第になってしまいますが運良くお天気が良ければぜひ早起きして見に出かけて下さい!
明け方の金星と月のツーショットは今回が本当に今年のラストチャンスになりますので! 

こちらは4月の天文現象ですが、4月に入ってすぐなので入れておきました。

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