2018年もいよいよ12月を迎えました!
あと残り一ヶ月といっても12月の場合には師走というように、毎年のことながら気がつくといつの間にか
後半に入っていてクリスマス、そしてあっという間に年末年始を迎えることが多いのですが・・皆さんはいかがでしょうか??

そんな慌ただしい中ですが、会津そらの会では23日(日)に今年最後のイベント「組立て望遠鏡教室」を開催いたします。
自分の望遠鏡があれば好きなときに見ることができます!
お子さんのクリスマスプレゼントにいかがでしょうか??
詳しい内容はこちらのブログにありますのでご覧になってメールで申し込んでみて下さい!
http://aizusora.main.jp/archives/5572

星空の方も次第に賑やかな冬の星座たちが夕方の早めの時間から東の空に姿を見せるようになってきています。
寒さの厳しい季節ですが、お天気の良さそうなときにはぜひ夜空を見上げてみて下さい!
こんな季節には手軽に扱える小型望遠鏡や双眼鏡がお薦めです!!
外に出てみて「今夜は星がきれいだなあ~」っていうときにパッと準備して見て、またすぐにしまうことが出来れば必然的に使用回数も増えますし、いろんな星空のシーンを楽しむことが出来ますから!!
星を見るための双眼鏡は7倍~8倍程度のものがお薦めです!
手持ちで使うことが多いので手ぶれの影響が目立ってくる10倍以上のタイプは使いにくくなってしまいます。
レンズの大きさは3cm~4cmクラスがあれば十分でしょう!
ホームセンターなどで販売されているあまり廉価な双眼鏡は本体やレンズの組み立てや調整などの基準が甘いものが多いので星をしっかりと楽しみたいということであれば出来ればカメラ店などで1.5万円~2万円クラスのものを選んでおきたいところです。
これってちょっと高価かなと思われるかもしれませんが・・大事に使えば一生使うことが出来ますので星見の友に1台選んでみて下さい!
きっと星空がもっと好きになるでしょう!

12月になると夕方に見やすい惑星は火星だけになってしまってちょっと寂しい感じもします。
それでも12月初めで0等級、年末でもまだ0.5等級の明るさなので秋の星座たちの中ではまだまだかなりの存在感があります。
今月の火星はみずがめ座の中程から次第にうお座方向に移動していきますので近くのペガススの四辺形などとの位置関係を時々確かめてみて下さい!
また、滅多に見られない惑星の海王星がみずがめ座に、そして天王星がうお座にありますので大きな望遠鏡のある天文台に出かけた際にはぜひリクエストして皆さん自身の眼でどんな風に見えるのか確かめてみて下さい!

夕方の明るい惑星が少なくなってちょっと寂しい今月ですが・・代わりに明け方の空が賑やかです!!
前半には次第に見やすくなってきている明けの明星の金星と細くなった月の接近、そして後半には木星や水星も低い空に見えてくるようになりますので楽しみです!

また、12月には14~15日頃毎年のように話題を集めるふたご座流星群も控えていますので今のうちから計画的に防寒対策などを準備しておくのが良さそうです。
国立天文台では今年も「ふたご座流星群を眺めよう2018」キャンペーンを開催するそうです!
https://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/201812-geminids/
是非こちらのサイトもご覧下さい!

さらに今年は周期彗星46P/ウィルタネン彗星が街明かりの少ない場所なら肉眼でも見えるくらいまで明るくなるという嬉しい予報もあります!!
このウィルタネン彗星が明るくなるのは12月中旬で、その頃にはおうし座付近で見ることができそうです!
彗星の淡い尾を見るにはやはり街明かりの少ないきれいな星空が見える場所が必要になります!
さらに、肉眼等級になるといっても彗星はふわっとしたイメージでなんとかあるのがわかるくらいかもしれないのでぜひ今回の彗星が見たいという方は双眼鏡をご準備下さい!
彗星の淡い尾を見ようとする場合には望遠鏡に比べて倍率の低い双眼鏡の方が像が暗くならないので向いています!
また、両目で見ることで淡い光を感じやすくなる効果も期待できます。
5.4年毎に太陽に接近するウィルタネン彗星ですが、その時の地球との位置関係で見え方が大きく違ってしまいます。
今年の接近では彗星が太陽に最接近(といっても地球軌道の少し外側までですが・・)の僅か4日後に地球に接近するという最高のタイミングで観察できる貴重な機会です!
有名なM45すばる星団やぎょしゃ座の1等星カペラの近くを通過する機会もあるようなので今からとても楽しみです!
なるべく月明かりの無い頃に見ておきたいですね!

12月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
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  7日(金) : 新月
 15日(土) : 上弦
 23日(日) : 満月 
29日(土) : 下弦
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毎月恒例の会津での12月の日の出、日の入り時刻を11月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日    日の出    日の入り  
11月  1日  6時 02分    16時 45分
12月  1日  6時 33分    16時 25分
12月 22日  6時 49分    16時 29分 ※ 冬至
12月 31日  6時 52分    16時 35分   
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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)
今月22日には冬至を迎えます。
皆さんご存じのように昼の時間が最も短くなるのは冬至ですが、会津での夕方の日没時刻を細かく調べてみると12月1日~12日頃までがもっとも早く、それ以降は年末に向かってホンの少しだけ遅くなっていくようです。
日の出時刻が最も遅いのは12月30日頃~1月14日頃だというのも覚えておいてみて下さい!
ちょっと意外かもしれませんが、詳しい説明が国立天文台のサイトにありますのでご覧下さい!
https://www.nao.ac.jp/faq/a0104.html

それではそろそろ2018年12月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 12月上旬 周期彗星46P/ウィルタネン彗星が肉眼等級にまで明るくなる!!

12月13日に近日点通過、16日に地球へ最接近となるウィルタネン彗星が今月上旬に見頃を迎えます!
最も明るくなるのが14日頃から17日頃と予想されていますが、淡い光の彗星を見るには街明かりや月明かりの影響が大きいために15日の上弦頃までが見やすい時期となりそうです!
この時期のウィルタネン彗星は21時半頃に南の空で見やすい位置に来るのであまり夜更かしや早起きしてとならずに楽しめそうです。
予報では4.1等級まで明るくなりそうとのことですが、その姿を見るにはやはり双眼鏡は必要となりそうです。
下の星図を参考に捜してみて下さい!


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☆ 12月 2日(日) 明けの明星となっている金星が最大光度を迎える!

明け方の空で眩しい程の輝きを見せている金星が2日にマイナス4.7等級となる最大光度を迎えます!
これくらいの明るさになると日中の青空の中でも位置さえわかれば肉眼でも見ることができる程になっています。
見え方のイメージとしては、朝方に青空に見える白い月を凄く小さくしたような感じを想像してみて下さい!

本当に見えるのかな??と思ってしまいがちですのでお天気が良かったら是非確かめてみて下さい!
時間的に学校や仕事が休みの土日が良さそうです。

お薦めの方法は2通りあります。
そのひとつは日の出前に金星を見つけておいて、そのまま地上の景色との位置を確認しながら日の出過ぎまで見えているか確かめるやり方です。(この日の会津での日の出時刻は6時34分頃になります。)
まだ金星がはっきり確認出来るうちに、自分の見ている位置を前後左右で調整して、金星が地上の木や建物の上に来るような場所で見ていると見失わないでしょう!
念のため見失った時の為に双眼鏡があれば安心ですね。
この時に間違って絶対太陽には向けないようにくれぐれも気をつけて下さい!

もう一つの方法は金星がちょうど真南に来た頃を見計らって、双眼鏡で探し出してから肉眼でも見えるかどうか確かめる方法です。
この日の金星は会津では8時50分頃に真南の空にあって、地平線からの高さは43度くらいに見えているはずです。
方位はコンパスや方位を表示できるアプリなどでしっかりと南の方向を確かめて、地上の景色で目印を見つけておくのがポイントになります!
※金星を捜す場所は真南が見えていて、太陽は建物などで遮って見えない場所が良いでしょう!

会津での金星の南中時刻は以下を目安にして下さい!
 12月 2日 8時50分
     9日 8時39分
    16日 8時33分
    23日 8時29分

そして、高さを確認するには手を使った簡単な方法があるので是非ご活用下さい!
手を握って(この時に親指は上に乗せた状態で)、腕をいっぱい伸ばした時に握り拳の高さがほぼ10度くらいになります。
最初に片目で見ながら、握り拳の下を目線の高さに合わせます。
握り拳ひとつで高さが約10度くらいになるので4つ重ねればだいたい金星の見えている高さがわかりますのでその付近を双眼鏡で捜してみて下さい!

実際に青空の中で白く光る金星を見つけると感動しますよ!
自分ではちょっと難しいかなという場合には天文台へ出かけて見せてもらうという手もありますので是非ご覧下さい!!
12月中ならまだまだ金星が明るい状態なので!

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☆ 12月 4日(火) 明け方の空で金星と細い月が接近!

今月2日に最大光度になったばかりの金星に月齢26.2の細い月が約3度程まで接近した様子が見られそうです!
金星も見えてくる時間が早くなってきていますので5時頃でも東南東の方角で高度は20度くらいまで昇っているので見やすくなっています!
こうした接近の様子は徐々に空が明るくなる頃が最も美しく眺められますので寒い時期ですが是非早起きして眺めてみて下さい!
双眼鏡があれば一緒に並んだ素晴らしい様子を眺められそうです!

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☆ 12月 9日(日) 夕方の西空で土星と細い月が大接近!!

9日の夕方、南西から少し北寄りの低い空で月齢2のかなり細い月と土星が上下に並んだ様子が見られるかもしれません!!
今年の土星はもう見えなくなっていると思いがちな時期ですがまだなんとか低い空で頑張っています!
今年の土星を見るラストチャンスになるかもしれませんのでお天気が良ければ17時頃になるべく南西方向の低空まで開けた場所に出かけて、双眼鏡で捜してみて下さい!
この時の土星と月の間隔は約0.9度程とかなりの接近になります!
冬の時期なので低空に靄などが無くて透明度が良ければ意外と見える可能性がありますので是非捜してみて下さい!

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☆ 12月 10日(月) 夜明け前の空で水星が見える!!

今月15日に西方最大離角を迎える水星が夜明け前の空でそろそろ見やすくなってきています。
12月の水星は西方最大離角を過ぎると急に見える高度が低くなってしまいますので今のうちに見えておくのが良さそうです!
今の時期ならものすごく目立っている明けの明星が先に昇っていますので、そこから少し斜め左下の空を双眼鏡で捜せば見られそうです。
ただし、水星の高度は会津からだと5時半頃でもまだ5度弱と低めなので水星が昇ってくる東南東の方角でなるべく低い空まで見渡せる場所で捜してみて下さい!
この頃の水星は0等星の明るさがありますので低空に靄などが無ければ意外と見やすいかもしれません!

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☆ 12月 14日(金) ふたご座流星群が極大を迎える!

毎年12月中旬頃に活発な出現を見せてくれるふたご座流星群が14日~15日未明にかけて最大の出現となる見込みです!
今年のピーク予報が14日21時頃となっていますので特に14日夜は見逃せませんね!
実際にふたご座流星群の流れ星が見えてくるのは会津では18時以降となりますのでしっかりと防寒対策をして望んで下さい!
放射点が高く昇る深夜には1時間に50個前後の流れ星が見られると予想されていますので楽しみです!
昨年はマイナス6等級にもなるような明るい流星もありましたので明るい流れ星にも期待したいですね!
14日には月齢7の月もありますが、22時頃には西の空でだいぶ低くなってしまうので影響はさほど心配しなくても良さそうです。
早めの時間は月の反対側の夜空を中心に見ていけば大丈夫でしょう!
一晩でどれだけ見えたか数はしっかりと数えておいて下さいね!

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☆ 12月 15日(土) 夕方、南の空で上弦の月と火星が接近!

15日夕方、18時頃に南の空を眺めるともうすぐ上弦を迎える半月と火星が並んだ様子が見られそうです!
この頃だと火星も地球から太陽までの距離よりも遠ざかってしまっています。
それでも明るさは0.2等星なので月の少し右上で赤っぽい色で光っている様子は肉眼でもはっきりわかりそうです。
今回の接近では間隔が5度くらいなので、視界の広い双眼鏡なら一緒に眺められます。
肉眼では以前と比べるとだいぶおとなしくなってしまった火星ですが・・双眼鏡なら独特の色合いと存在感がまだまだ感じられるはずなのでゆっくりと眺めてみて下さい!

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☆ 12月 22日(土) 夜明け前の超低空にて水星と木星が大接近!

15日の西方最大離角を過ぎて次第に高度が下がってきている水星ですが、22日の夜明け前に東南東のかなり低い空でようやく太陽から離れて来た木星と1度弱までの大接近となるようです
空が明るくなって来ている5時45分頃でも水星と木星の高度はようやく5度近くまで昇ってきているくらいなので東南東の方角で地平線付近まで見渡せるような場所でないと厳しいでしょう。
この時期の木星は明るさがマイナス1.8等級、水星がマイナス0.4等級なので双眼鏡があれば並んだ様子が見られるかもしれませんので是非チャレンジしてみて下さい!

このあと木星は日毎に夜明け前の空で高度を上げて見やすくなってきます
月末になると近くにさそり座の1等星アンタレスも近くにあるのでそんな様子も見てみたいですね!

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☆ 12月 22日(土) 冬至!!

今月22日にはようやく冬至を迎えます。
冬至と言えば昼の時間が1年で最も短い日と言われています。
実際には昼の時間と夜の時間、それぞれどれくらいになるでしょうか??
調べてみると会津での日の出時刻は6時49分、日の入り時刻が16時29分になります。
1日の時間は24時間なのでこの日の出時刻と日の入り時刻からそれぞれ昼の時間と夜の時間を計算してみてください!
自分で計算して答えを見ると・・こんなに昼と夜の時間が違うの??と驚かれるかもしれませんよ!!
是非確かめてみて下さい!!

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☆ 12月 22日(土) 今年最も高く見える満月を見てみよう!!

今月は23日が満月となっていますが、実際に満月を迎えるのは23日の2時49分なので22日の深夜に見た方が満月に近い状態で見られます。
22日のちょっと遅い時間に月を眺めるとこの夜はちょうどオリオン座の上の付近に見えているはずです。

この日の注目は、月が真南にやってくる頃です!!
会津では23時31分頃になりますので是非この時間に夜空の月を見上げてみて下さい!
一般的に夏の時期の満月は夜空で低く、冬の季節は高く見えると言われていますが、22日夜の満月はまさにそのことを実感できるような高さに見えているはずです。
会津で計算するとその地平高度は73.2度になります。
こんな高さで満月が見えるのは今年では今回だけですので是非ご覧下さい!

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☆ 2019年1月 2日(水) 明け方の空で明けの明星と月が大接近!!

12月にも明け方の空で月と金星の接近がありましたが、今回は両者の間隔が僅か0.7度のかなりの大接近になります!!
月の見かけの大きさが約0.5度程度なので0.7度といえばかなりの大接近だということがわかると思います!

月と金星の間隔は昇ったばかりの3時半頃はまだ約1.5度程ですが、その後時間と共に少しずつ接近していきますのでそんな様子もじっくりと見てみて下さい!
昨年の夕方にも何度か月と金星の接近はありましたが・・このところしばらくの間はなかなかすぐそばにまで接近した様子は見られていませんでしたので今回は本当に見逃せませんよ!
滅多に見られない程の大接近なのでいろんなシチュエーションで見て頂ければと思います。

この頃は金星もだいぶ早めに昇ってくるようになってきていているので東南東の低い空まで見渡せる場所なら3時半頃には月と並んだ金星が見えているはずです!

山から昇ったばかりの低い空で並んだ様子等もなかなか見応えがありそうです。
徐々に高度が高くなって行くにつれてまた印象が違ってくるでしょうからそうした様子も楽しんでみて頂ければと思います。
そして、空が少しずつ夜明けを迎える中での並んだ様子は想像しただけでうっとりしそうです。
2019年年明け早々ですが今年の運勢を占う意味で是非早起きしてご覧になって見て下さい!

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