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画像提供アストロアーツ http://www.astroarts.co.jp/

今年もようやく3月を迎えて長い冬の合間から時々春の訪れを感じられる機会も増えて来そうです。
仕事帰りなど夕方もだいぶ暗くなる時間が遅くなってきていることが感じられる時期ですね。
ここしばらくはあまり寒くてなかなか星空を眺める機会も少なくなっていたでしょうからこれからの季節、お天気の良さそうな時、ちょっとだけでも外に出て眺めてみて下さい!
同じ時間に見えている星座もずいぶんと変わっていることに気が付くはずですよ!!

3月初めの頃、空がすっかり暗くなった19時頃には冬の星座が南の高い空で見えているこの時期でも、東の空に眼を向ければ しし座が空を駆け上ってきている様子を見ることができます。
北東の空には北斗七星も昇ってきて春の季節が近付いていることを教えてくれています。
賑やかな冬の星空も今のうちに眺めておいてください!
今月末になると夕方の時間帯でも次第に西空に傾いて行ってしまいますので。

今月に入ると西空ではまだちょっと低い空ですが待ち遠しかった宵の明星の金星が姿を見せてくれるようになります。
さらに3月中旬にかけてはなかなかお目にかかれない水星も金星と一緒に比較的見やすい位置にありますのでこの機会にぜひ探し出して自分の眼で確かめてみて下さい!

さらに、肉眼ではもちろん、望遠鏡でも見えませんが・・金星の右上の方には小惑星探査機はやぶさ2と小惑星「りゅうぐう」もあります。
先月発表されたされた「はやぶさ2」ミッションスケジュール(暫定版)もご覧ください!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/mission_schedule/

順調に行けば今年6月後半にも接近となる予定なのでぜひまた皆様からの応援もよろしくお願いいたします。

はやぶさ2関連の話題では先月には神奈川県のJAXA相模原キャンパスに新しい施設「宇宙科学探査交流棟」がオープンしました!!
http://www.isas.jaxa.jp/visit/index.html

こちらにははやぶさ2の実物大モデルやなかなかお目にかかれない展示がいっぱいありますのでぜひこの機会にお出かけ下さい!

さらに注目はあの「はやぶさの帰還カプセル(こちらは撮影禁止区域)」も展示してあってじっくり見られますよ!
小惑星「りゅうぐう」は展示でもまだ仮の姿ですがはやぶさ2がこの夏に接近して詳細な姿を捉えてくれるのにも期待が膨らみますね!
そして宇宙科学探査交流棟へ出かけた際には忘れずに道路を挟んで向かい側の相模原市博物館にもお立ち寄りください!
こちらにははやぶさとのぞみも展示されていましたので合わせてご覧ください!

相模原交流はや2

はやぶさ2プロジェクトサイトも更新されて1秒毎に距離が近くなっていく様子も表示されていますので時々チェックしてみて下さい!
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

他にも小惑星探査機はやぶさ2やマスコットキャラクター「はやツー君」のツイッターも最新情報が載るはずなのでそちらもご覧ください!!
https://twitter.com/haya2_jaxa
https://twitter.com/haya2kun

そういえば2月は満月が1度も無かったのですが・・その代わりに3月は今年1月に続いて一月に2回見られるチャンスがあります。
特に2回目の満月はブルームーンとも呼ばれていて珍しいものという意味合いもあるのでぜひ見ておいてください!
3月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
2日(金) : 満月 3月1度目の満月!
9日(金) : 下弦
17日(土) : 新月
25日(日) : 上弦
31日(土) : 満月 3月で2度目の満月:ブルームーン!!

宇宙といえば日本人宇宙飛行士の金井宣茂さんが昨年12月から国際宇宙ステーションにて滞在中です。
およそ半年にわたる宇宙滞在での金井宣茂さんのツイートも時々チェックしてみて下さい!
https://twitter.com/Astro_Kanai
JAXAのサイトでは日本の上空を通過する国際宇宙ステーションの予報がありますのでこちらも時々チェックして地上から手を振って金井宣茂さんを応援して行きましょう!
会津方面からの予報は下記サイトから見れますのでご確認ください!
https://goo.gl/SJVNuG

また、毎月恒例の会津での3月の日の出、日の入り時刻を2月と比べてみると以下のようになりました。
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月   日    日の出        日の入り
2月  1日  6時 42分    17時 07分
3月  1日  6時 10分    17時 36分
3月 31日  5時 26分    18時 04分

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(StellaNavigator10/AstroArts.にて会津若松市で計算)
3月に入ってもまだ雪の降ることはありますが、日没時間の方も2月初めに比べたら3月末では
1時間近くも遅くなっていますから着実に昼の時間が長くなっているのがわかります。
暖かい春の訪れが待ち遠しい季節・・頑張って乗り切りましょう!

それではそろそろ2018年3月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 3月 2日(金) 今月1度目の満月!!

通常ですと満月から次の満月までは29.5日程なので毎月満月になる日がずれて行きますが、その月の満月になるタイミングで先月のように満月が1度もない月があったり、今月のように2度もある場合が起こります。
今年は1月に続いて3月もまた満月が2回見られる珍しい月となっています。
3月は2日と31日に満月となります!!
その珍しい月の1回目の満月が2日になります。
但しちょうど満月を迎えるタイミングが2日の午前10時頃になるので2日の夕方に東の空から昇って来る時にはホンの少しだけ欠け始めていることになりますが肉眼ではほぼ真ん丸の満月となって見られそうです。
会津での月の出は17時50分頃で真東よりも10度くらい北寄りの地平線から見えて来るようです。
19時頃になれば東の空でも見やすくなってくるでしょうからぜひご覧ください!!

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☆ 3月 4日(日) 日没後30分程の空で金星と水星が接近!

夕方の空にようやく宵の明星の金星が帰ってきました。
但し、3月初めの頃にはまだ日没後30分頃の空(18時過ぎ)では地平線からの高度も5度くらいですので
下の画像を参考になるべく西の低い空まで見渡せるような場所で双眼鏡を使って捜してみて下さい!
金星の見える位置はこれから日毎に少しずつ高くなっていきますので今月中旬になれば肉眼でも見えるようになっていきそうなので楽しみです。
そして4日には今月半ばに今年の夕方では最も好条件になる水星が隣に見えるようです。
画像は18時10分頃のものですが、まだ空が明るい時間帯なので見つけるには双眼鏡が必要になりそうです。
水星もこの後今月半ばに向けて日毎に高度が高くなって見やすくなっていきますのでお天気が良さそうな夕方には時々見てみて下さい!

そして水星といえば日本とヨーロッパが共同で探査機による観測を行うベビコロンボ計画での探査機の愛称募集と搭載するメッセージ募集が始まっています!!
http://isas-info.jp/mmo/
4月9日までなのでぜひ素敵な名前とメッセージをじっくりと考えて応募してみて下さい!!

星図20180304_1810
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☆ 3月 8日(木) 未明の空で木星と月が接近!!

夜明けの空には早くも夏の星座達が昇って来ていて、てんびん座には明るい木星が見えています!
その左下には火星、そして少し離れて土星も見えて来ていてなかなか賑やかな様子となっています。
そして8日未明には月齢20の月が木星の近くにやってきます。
4時頃ですとほぼ南の空でマイナス2等級の明るさで輝いている木星と月が並んだ様子が見えているはずです。
まだ早朝は冷え込むので早起きはちょっと大変かもしれませんがせっかくの機会なので目覚まし時計をセットして少しの時間だけでも見てみて下さい!
この後月は火星や土星の方に移動して行きますのでそちらも見てみたいものですね!

星図20180308_0400
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☆ 3月 10日(土) 未明の空で火星と月が上下に並ぶ!!

10日未明の空ではこの夏に久しぶりの大接近となる火星のそばに月齢22の月が接近した様子が見られそうです!
こちらは5時頃が見やすくなりそうです!!
この頃の火星はまだ地球からの距離も遠いので明るさも0.7等星ほどですが今年の夏には木星を凌ぐような明るさで見えるはずなので今のうちから明るさの変化をチェックしてみて下さい!
火星は肉眼でも独特の赤っぽい色で見えているので意外と見つけやすいでしょう!
火星の少し西にはさそり座があって心臓で輝いている1等星アンタレスともよく比較されるので双眼鏡をお持ちでしたら火星とアンタレスの赤みを帯びた色の違いも確かめてみて下さい!!

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☆ 3月 11日(日) 未明の空で土星と月が接近!

夜明け前の空で木星、そして火星へと接近をしてきた月が11日未明には土星に接近した様子が見られそうです。
土星は明け方の空でいて座に0.3等級で見えています。
肉眼でもなんとなくクリーム色っぽい感じで見えているのでおおよその位置がわかればすぐに土星が見つかるでしょう!
11日未明には月齢23の細くなってきた月が土星の斜め上に3度程まで接近するので土星の場所を確かめておくまたとないチャンスになります!
双眼鏡でも並んだ様子が楽しめそうです。

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☆ 3月 16日(金) 夕方の空で水星が東方最大離隔を迎える!!

今月初めの頃から夕方の空で金星のそばに見えて来ていた水星が16日には太陽から東側に最も離れて見える
東方最大離隔を迎えます。
この頃には金星よりも少し上の位置にあって少し空が暗くなり始めた頃なら肉眼でも十分に見ることが出来そうです。
春の時期の夕方の空では太陽の通り道である黄道が地平線に対して立っているので水星も今年一番の見頃を迎えています。
なかなかお目にかかれない水星なのでこのチャンスを生かして何回見れるかチャレンジしてみて下さい!
まだ空の明るさが残っている空なので最初は双眼鏡を使って見つけるのがコツですよ!
最初に金星を見つけてその右上を捜してみて下さい!
下の画像の中に描かれている丸い円は一般的な双眼鏡の視界で7度の円を表していますので参考にしてみて下さい!
実際には見えませんが・・はやぶさ2も同じ方向にあるようですので!

星図20180316_1820
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☆ 3月 19日(月) 夕方の空で細い月が金星と水星の近くに見える!!

19日夕方18時20分頃に西の低い空では宵の明星の金星が見え始めています。
そしてまだ水星も金星の右斜め上に見えているはずです。
そんな夕方の空に月齢1.8のとっても細い月が見られるチャンスになります。
今月は新月になったのが17日ですから暦の上ではこの日の細い月も三日月ということになります。
実際の三日月ってずいぶんと細いんですよね!
月の位置は金星の左斜め上で視界が7度くらいある一般的な双眼鏡ならぎりぎり金星と一緒に見られそうです。
低空まで雲や靄などが無ければ空が少し暗くなる18時半頃には肉眼でも見えるかもしれませんので金星と一緒にぜひ見てみて下さい!
細い月の様子は双眼鏡か小型望遠鏡があればはっきりと確かめられそうです!

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☆ 3月 24日(土) 上弦前の月に月面Xが見える!

今月は25日に上弦を迎えます。(24日の深夜ですね)
上弦の月だとタイミング的に夕方に南の空で高い位置に見えていて深夜には沈んでしまうのでどちらかというと夕方の方が見やすいですね。
そして今月もまたあの月面Xが見えるチャンスがやってきます。
今回はまだ空が明るい16時頃がベストタイミングのようなので望遠鏡を使って見てみたいものです。

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☆ 3月 31日(土) ブルームーン 今月2度目の満月!!

31日は今月2度目の満月で滅多に見られないという意味合いでブルームーンとも呼ばれているそうです。
おそらく当日は天気予報などでも話題になりそうです。
今回は1月に続いて2度目ですがこの後はまたしばらくは起こらないようなのでぜひご覧ください!
会津での月の出は17時42分でほぼ東の空から昇って来るようです!

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