201709chart
画像提供 アストロアーツ astroarts.co.jp

今年の夏はいかがでしたでしょうか??
平年なら7月下旬に梅雨が明けて、しばらくは夏らしい青空と星空が楽しめるはずの季節になるはずですが・・特に8月のお天気の悪さはまだ梅雨が続いているかのようなお天気の日も多かったようです。
楽しみにしていた部分月食もタイミング悪く接近した台風の為に見られませんでしたし、夏の風物詩でもあるペルセウス座流星群も僅かの雲の切れ間から幾つか見れただけでした。
それでも全国的に見ればお天気に恵まれて流れ星が見れた地域もあったみたいです。
国立天文台「夏の夜、流れ星を数えよう 2017」キャンペーンの集計結果も発表されています。
https://www.nao.ac.jp/news/topics/2017/20170825-perseids.html

12月のふたご座流星群や来年のペルセウス座流星群に向けて参考になることも多いと思いますのでぜひご覧になって見て下さい!

9月は夏から秋へと季節の変わり目なので多少お天気がぐずつく事もありますが早く秋らしい星空が見たいですね!
これからの季節・・夜は気温が下がって星を見るのにも上着が必要になりますが、東の空からは次第に古代エチオピアの神話にも登場する秋の星座たちも次々と見えて来るのでお天気の良さそうな日を選んでゆっくり星空を眺める機会を作っておきたいものです。
そんな時に活躍するのが手軽に使える双眼鏡ですね。
星を見るには7~8倍くらいの倍率のものが使いやすいようで透明度の良い夜に寝転んで双眼鏡で眺める星空の美しさは格別ですのでまだお持ちでない方はぜひこの機会にカメラ店などでお求めになって見て下さい!
ホームセンターなどでも数千円程度で購入できるものもありますが・・・無限遠の星を観察するということは、いわばレンズのテストを行っているのと同様なので地上の景色を見る時よりもずっと双眼鏡の光学系に要求されるレベルがシビアになってきます。
もし星空観察用に使う双眼鏡を購入される場合にはなるべく有名メーカー製の数万円程度のものが安心して長く使えそうですね。
カメラ三脚に取り付けるアダプターがあれば手振れの影響が無くなるのでじっくりと観察する時にも便利です!
またちょっと変わった双眼鏡ですが、笠井トレーディングで扱っているワイドビノ等もお奨めですね!
眼鏡をかけての使用には向きませんが・・倍率が2.3倍ながら実視界が28度近くあるため(一般的な双眼鏡では7度程度)星座の星並びを覚えたりするのにも便利でそれ以上に星空を見るのが楽しくなる双眼鏡です。
観望会等でも持って行くことがありますので参加された時にはスタッフに聞いてみて下さい!

9月では木星が日暮れの頃に西の低い空に移っていて後半には見えなくなってしまいそうです。
土星はまだ今月中であればまだ見やすい位置にありますので環が大きく開いた珍しい姿を実際に見て頂ければと思います。
なるべく空が暗くなって早い時間帯に見ておきたいところですね!
今月は9日(土)にもキャンドルライブ2017での会場で観望会を開催予定です。
お天気が良ければ土星を望遠鏡で観察したり街中でも探せる星座案内などを行いますのでぜひご参加ください!
土星と言えば9月に大きな話題となりそうなのが土星探査機カッシーニですね!
4月から始まったラストミッションの「グランドフィナーレ」が9月15日にとうとう最後を迎える予定です!
https://www.youtube.com/watch?v=xrGAQCq9BMU

はやぶさの時と同じように最後は土星に落下して燃え尽きてしまうそうですが・・その直前で環や土星本体の細部にどこまで迫れるか本当に楽しみです。

夜明け前の東の空には今月も明けの明星の金星が眩しい輝きを見せています!
夜明け前の空には冬の星座もだいぶ見えてきていますのでお天気の良さそうな日を選んでちょっと早起きして東の空が見える窓か庭からでも眺めてみて下さい!
夜明けの時間も遅くなってきましたので4時くらいがお奨めでしょうか??

9月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
  6日(水) : 満月
 13日(水) : 下弦
 20日(水) : 新月
 28日(木) : 上弦

下弦から上弦の少し前までは月明かりの影響が少ないので天の川や流れ星を楽しむのに適していますので目安にしてみて下さい!

また、毎月恒例の会津での9月の日の出、日の入り時刻を8月初めと比べてみると以下のようになりました。
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     月   日    日の出        日の入り   
  8月  1日  4時 42分    18時 51分 
  9月  1日  5時 08分    18時 12分 
  9月 30日  5時 32分    17時 28分 
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これを見ると・・8月に比べて9月になると日の入りの時間もだいぶ早くなってくるのがわかります。
また、9月23日には秋分の日を迎えますのでその日を境に夜の時間が昼よりも長くなっていきます。
過ごしやすい季節になるのと同時に夜の時間が長くなって早目の時間に星空を眺められるのが楽しみですね!
日によっては意外と気温が下がる場合もあるのでしっかりと寒さ対策をしながら星空をゆっくりと眺めてみて下さい!!
それではそろそろ2017年9月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆ 9月 1日(金)~2日(土) 未明の空で明けの明星がプレセペ星団に最接近!!

夜明け前の空で眩しいほどの輝きを放っている明けの明星の金星が東の空の低空でかに座にあるM44プレセペ星団の近くを数日間にわたって少しずつ移動して行く様子が眺められそうです。
9月になれば夜明けの時間が少し遅くなりますし、3時半頃には金星の高度も10度を超えるので
なるべく東の低い空まで見渡せる場所で、空が明るくなる前に接近した様子を見ておきたいですね!
小さな星たちの群れのプレセペ星団と金星が接近した様子は双眼鏡だとしっかりと眺められそうです。
出来れば手持ちでなく双眼鏡を持った手を手すりなどを支えにして手振れの影響を少なくしてじっくりと眺めてみて下さい!
お天気が良ければ9月5日頃まで同じレンズで撮影しておくと移動して行く様子がはっきりとわかるはずです。
ぜひ早起きして見てみて下さい!!

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☆ 9月 6日(水) 満月

この日の満月は18時9分頃に東の地平線から昇ってきます。
ちょうど満月になる時刻は16時頃なので見える頃には満月を少しだけ過ぎた状態になっているようです。
21時頃には南東の空で見やすい空にあります。
この日の満月の右上には4.5度程離れて前日5日に衝を迎えた海王星があります。
海王星は衝の頃でも8等星なので満月のそばだと双眼鏡でも見えにくくなってしまいますが・・満月のそばに海王星があるということをちょっとだけ思い出してみて下さい!

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☆ 9月 8日(金) 夜明け前、東空の低空に水星が見えて来る!

今月12日に西方最大離隔を迎える水星が8日頃から夜明け前の東の低い空に見えてきます!
東の空には明けの明星の金星が見えていますので今回は明るい金星が水星を見つける時のちょうどよい目印になってくれそうです。
但し、水星の見える高さは下記の図の4時20分の時点で地平線から約4度程なのでなるべく東の低い空まで見渡せる場所でないと水星が見えて来る頃には空が明るくなってしまうといったことになるのでご注意を!
また、低い空なので双眼鏡は必要になりそうです!

水星の左下にはしし座の1等星レグルス、そして火星もあるはずですがはたして見られるでしょうか??
このあと水星と火星はそれぞれ1日毎に見える位置が変わっていくので水星が比較的見やすい18日頃までの間に何回水星が見られるかチャレンジしてみるのも面白そうです。
こうした時でないと普段はなかなか目にする機会の少ない水星なのでぜひお試しください!

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☆ 9月 9日(土)) キャンドルライブ会場で観望会!!

毎年恒例のキャンドルライブ・・会場は昨年と同じく七日町市民広場での開催となるようです。
会津そらの会では今年もライブ会場の一角で望遠鏡を持ちこんで無料観察会を開催いたします!
会場では19時頃から20時頃まで、お天気が良ければ土星や二重星などを中心に見て行く予定です!
https://www.facebook.com/CandleAIZU/?fref=ts
(キャンドルあいづさんFacebookページ)

但し、こちらは屋外なので万が一雨などの場合には観望会は中止となりますのでご了承ください!

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☆ 9月 17日(日) 未明の空で水星と火星が超大接近!!

明け方の東の低空での現象なので見るのは難しいかもしれませんが・・17日未明には水星と火星が殆ど重なって見える程の大接近となるようです!
両者の間隔は4時半頃でなんと0.04度!!
先日の水星西方最大離隔のあと徐々に夜明けの高度が下がってきている水星ですが、逆に日毎に高度が上がってきている火星とちょうどタイミングよく位置が重なるようです!!
ここまでの接近は滅多に起こらないはずですのでぜひ双眼鏡か望遠鏡で捉えて見てみたいものです!

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☆ 9月 18日(月) 未明の空で金星と細くなった月が大接近!!

18日未明には月齢27の細い月と明けの明星の金星が約2度程まで接近して並んだ様子を見ることが出来そうです!
明け方の空での月との接近はこれまでも月に1回程度の頻度で見ることが出来ましたが、ここ数ヶ月の間では今回が最も接近した様子が見られるようです!!
こちらの接近は双眼鏡があればもちろん、肉眼でも十分に美しい光景を楽しむことが出来ますのでくれぐれもお見逃しなく!!
まだ空が暗い4時頃なら金星の眩しいほどの輝きと細い月が並んだ様子が楽しめますし、そこから徐々に空が明るくなるにつれてまた違った印象で見られますので時間があればゆっくり眺めてみて下さい!

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☆ 9月 22日(金) 月と木星の接近!

このところ夕方の西空でずいぶん低くなってしまった木星に月齢2.2の月が3度程まで接近します!
金星のいない夕方の空でここ数ヶ月1番星となって目立っていた木星もそろそろ見納めの時期が近づいてきましたので見えなくなる前のこの接近はぜひ見ておきたいものです。
18時15分ごろ、真西よりもほんの少し南寄りの低空を双眼鏡で捜せばポツンと光る木星とその右上にとっても細い月の姿が見つかるかもしれません。
もし運良く見れたら撮影もしてみたいですね!

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☆ 9月 23日(土) 秋分の日!

23日には秋分の日を迎えます。
この日を境に昼よりも夜の時間が少しずつですが長くなっていきます。
この日の会津での日没は17時39分ですが、これ以降日毎に約1分半くらいずつ日没が早くなっていきます。
日暮れが早くなっていく・・ということは星が見られる時間も早くなってくるので星の好きな人にとっては嬉しいですね!
また秋分の日の太陽はほぼ真西に沈むといわれていますのでチャンスがあればぜひ確かめてみて下さい!
但し、目を傷める恐れもあるのでくれぐれも眩しい太陽はじっと見つめたりしないように気を付けて下さいね!

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☆ 9月 27日(水) 南西の空で月と土星が接近!!

27日夜には上弦の1日前の月と土星が接近した様子が見られそうです!
日暮れが早くなったので見やすい時間は18時半ごろになりそうです。
上弦前の月が南南西の空に見えていて、土星はその右下に約5度程離れてポツンと光っているはずです。
こちらも双眼鏡で一緒に眺められそうなので見ておきたいですね!!

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