201611chart

今年も11月を迎えて残りあと2ヶ月となりました。
季節も冬を感じる時期になってきています。
こうした季節の変わり目の頃だと体がまだ寒さに慣れておらず、思ったよりも寒く感じたりして体調を崩しやすいので、気を付けてお過ごしください!
星見の際にはしっかりと防寒対策をしてからお出かけ下さい!

今月の注目はなんといっても14日夜のスーパームーンの満月が話題になりそうです!
スーパームーンとは、地球との距離が近くて大きく見える月のことを最近そう呼ぶみたいです。
地球と月の距離で言えば今回の満月はなんと68年ぶりの接近となるそうなのでテレビやラジオなどでも取り上げられそうですね!
晴れていたら是非、見ておきたいですね。
今年の最小の満月は4月22日、その時の満月と写真で比較できると大きさの違いがはっきりとわかることでしょう!

11月は、他にも、数はそんなに多くはないものの明るい火球が時々見られる おうし座流星群や、久しぶりに好条件で見られそうなアルデバラン食などもありますので、しっかりと寒さ対策をして美しい星空を楽しみたいものですね!

先月くらいから、ようやく夕方の西空で見えてきた宵の明星の金星は、今月に入ってこのあと次第に見やすくなってくるのでこちらも楽しみです。
月の初めの頃には土星や月と並ぶ姿もみられそうなので、こちらもぜひ見ておきたいですね!

11月の月の満ち欠けは以下のようになっています。
 上弦: 8日(火)
 満月:14日(月)
 下弦:21日(火)
 新月:29日(火)

月明かりの無い夜が天の川や流れ星を楽しむのに適していますので目安にしてみて下さい!

毎月恒例の、会津そらの会で開催していた観望会ですが、今月から来年3月までの冬期間はお休みとなります。
2017年も4月からまた再開予定ですのでご期待ください!

今月は、11月13日(日)に、郡山スペースパークにおいて第30回 星の講演会が開催されます。
講題「はやぶさ2へのバトン ~受け継がれた小惑星探査~」JAXAはやぶさ2ミッションマネージャの吉川 真先生がいらっしゃいます!
2013年に県立博物館にお招きしてから3年。私達メンバーも伺いたいと思っています。
ご都合のつく方は是非お出かけください!
吉川先生写真
http://www.space-park.jp/events/star_lecture/2016/1113/index.html

毎月恒例の会津での11月の日の出、日の入り時刻を10月初めと比べてみると以下のようになりました。
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     月   日    日の出        日の入り    
10月  1日  5時 33分    17時 26分 
11月  1日  6時  2分    16時 45分     
11月 30日  6時 32分    16時 26分 
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11月になると日の出が6時過ぎに!!
そして夕方17時前に日が沈んでしまう・・。定時で終わっても帰りが暗いなんて思ってしまうかもしれませんが、夜が長くなってその分 星が見られる時間が長くなって良いな!!みたいに前向きに考えてみて下さい!
仕事帰りなどにもちょっと夜空を眺められるようになってくるので楽しみですね。

それではそろそろ2016年11月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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☆ 11月 2日(水) 夕方、南西の低空で細い月と金星、土星が並ぶ!!

10月後半頃からシーズン終了間際の土星と明るく輝く宵の明星の金星が南西の低空で近くに見えていますが、2日夕方にはさらに月齢2.6の細い月が加わって、3天体がほぼ同じくらいの高さに並んだ様子が見られそうです。

ちょっと空が暗くなりかけた17時半頃の高度は約10度程なのでこのくらいの時間だと並んだ様子が美しく眺められそうです。

ただし、これくらい低い空になってしまうと土星に望遠鏡を向けても上空の風などの影響もあって環の様子を見るのも難しいことが多いので(楕円形の様子が何とかわかるくらい??)今回は肉眼、または双眼鏡で眺めるのがお奨めとなります。

2日は向かって左側から金星・土星・月の順番で並んでいて、土星もまだ0.4等級の明るさなので雲などが無ければ肉眼でも楽に見えるはずです。

もしカメラがあればまだ少し空の明るさが残っている時間帯にカメラ三脚に載せて並んだ様子を撮影してみて下さい!
コンパクトデジカメでもまだ空の明るさが残っている時間帯ならオートモードでも意外と写ってくれる場合がありますのでお試しください!

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☆ 11月 3日(木) 金星と土星、月が三角形を作る!!

前日の2日には横に並んでいた金星と土星、細い月ですが、翌日の3日夕方には月が左上に移動してうまい具合に三角形に並んだ様子が見られそうです。
この時の月は月齢3.6でまだまだ細い月になります!

今回の3天体の接近の様子は肉眼でも十分見れますが、双眼鏡をお持ちでしたらぜひ向けて見て下さい!
細い月の様子等もずっと見やすくなりますので!!

こちらも見頃は17時半頃でしょうか??

ちょっと前まで土星の下に見えていた赤い色のさそり座の1等星アンタレスはこの時期になるとかなり低くなってしまうのでもう見えないかもしれませんね。

お天気が良ければ月が一晩で夜空の中をどれくらい動くのかを確かめる良いチャンスにもなりそうですので2日と3日でぜひ続けて見てみて下さい!
 
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☆ 11月 6日(日) 月と火星が並んで見える!!

6日夕方には南の空で月齢7の月と火星が4.7度まで接近する様子が見られそうです。
ちょっと視界の広い双眼鏡なら同時に見れますのでお持ちの方はぜひ向けて見て下さい!
火星の赤っぽい独特の色合いは双眼鏡などで月と一緒に見ることで意外とわかりやすくなるのでお試しください!

火星もこの頃になると地球―太陽間の距離の1.3倍近くまで遠ざかっていますが、夜空の中ではまだ0.4等級の明るさなのでまだまだ目立つ存在です。

先月頃にはいて座の南斗六星付近に見えていた火星も6日にはいて座とやぎ座の間付近にまで移動してきています。
これ以降も火星は少しずつ星座の中を東に移動して行きますのでそうした様子も時々確かめてみて下さい!
火星はこのあとまだしばらくは夕方の南西の空で眺めることが出来て、来年1月1日にはみずがめ座の中で海王星に大接近になるようなのでこちらも楽しみです。

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☆ 11月 6日(日)頃 おうし座南流星群がピーク

寒くなって星のきれいな季節に見てみたいものが流れ星ですね!!
11月といえば有名なしし座流星群がありますが、最近は流れ星の数も以前よりも少なめになってきているのであまり話題になりませんが、そんな中でも今月はぜひおうし座流星群に注目してみましょう!

実は11月に見られるおうし座流星群にはその放射点が二つあってそれぞれ南群、北群と呼んでいます。
流星群の場合には、空のどこに見えるかわからないいくつか見えた流れ星の飛んだ方向と反対方向に延長して、そのラインが交わる場所が放射点になり、流星群の名前もその位置がある星座の名前で呼ばれています。
おうし座流星群の場合には北群がすばる星団の近くに、南群の放射点がおうし座の胸の付近にあるのですが流れ星の見えた方角によっては区別しにくいのであまり区別しないでどちらもおうし座流星群ということで楽しんでみて下さい!

南群は6日頃が極大とされていますが、他の流星群と違って極大の頃に見える数はそんなに多くは無いものの今月後半頃まで割と長い期間で出現が見られます。

この時期だとおうし座流星群の放射点が南の高い空にやって来るのが夜半過ぎなのでその頃が狙い目となりそうです。
ぜひお天気の良さそうな時に夜空をゆっくり眺めてみて下さい!

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☆ 11月 13日(日)頃 おうし座北流星群がピーク

こちらはピークが満月の前日になりますので月明かりの影響をかなり受けてしまいそうです。
おうし座北流星群も南群と同様に11月下旬まで出現がありますので今年はあまり極大日にこだわらずに月の出が遅くなってからでも良さそうです。

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☆ 11月 14日(月) 満月 & 68年ぶりの接近となるスーパームーン!!

ここ数年ですっかり有名になった感のあるスーパームーンですが、今年の14日夜の満月はなんと68年ぶりの大きな満月になるそうです。
地球を回る月の軌道が少し楕円になっている関係で地球―月までの距離が変化しますが、どの位置で満月になるかのタイミングで見かけ上の大きさが変わります。
今年4月にあった今年最少の満月と比較すれば見かけの大きさが約14%程も違うことになるようです。

せっかくなのでこの機会に望遠レンズなどで撮影しておいて来月以降の満月と比較してみるのも面白そうです。

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☆ 11月 15日(火)~16日(水) おうし座ヒアデス星団 & アルデバランの星食が見られる!

15日夕方から夜半過ぎにかけて満月過ぎの月がおうし座にあるヒアデス星団付近を通過して行く様子が見られそうです。
そんな中でも見逃せないのが夜中過ぎに起こるおうし座の1等星アルデバランの星食ですね!
会津では16日2時20分頃に月に隠されて、3時29分頃に見えて来る予報になっています。
書いてある時刻は観察する場所によって多少異なって来る為におおよその目安にしてちょっと時間に余裕を持ってみてみて下さい。

アルデバランは1等星なので双眼鏡があれば月のそばにあっても十分に見られそうなのでぜひ
ご覧になってみてください! 

もし双眼鏡が無い場合には月のそばでどこまで確認できるか確かめてみるのも面白そうです。
月のそばになってくると月の眩しさで埋もれてしまいがちですが、ちょっと離れた木や建物などで月だけがぎりぎり隠れるような場所で見てみるのもお奨めですね!

こうした星食の時には普段はなかなか気が付かない地球の周りを月が回っているときの動きを実際に確かめることが出来る貴重な機会でもあります。

今回は明るいアルデバラン以外でも4等星の食が2回ほどあってひとつは15日夕方18時18分頃に隠れ、19時12分頃に出現。
そしてもうひとつが22時40分頃に月の南側のぎりぎりをかすめて行く接食という現象が見られそうです。

但し、今回は月が満月過ぎのかなり明るい状態なので肉眼では無理で、双眼鏡で何とか見られるくらいになるかもしれません。
望遠鏡だと月の縁の凸凹で星が見え隠れする珍しい様子が見られるかも??

寒い時期なのでずっと見ているのは難しいですので書いてある時刻を目安にアラームなどをセットしておいて見て頂けると良さそうです。
また、隠れる前後以外でもヒアデス星団と呼ばれる場所に月がやって来るので双眼鏡でなら月の周りに星がいくつも見える様子も楽しめますので合間の時間でも時々眺めてみると楽しめそうです。

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☆ 11月 17日(木) しし座流星群の極大!

2001年には次から次へとたくさんの流れ星が見えて一躍注目を集めたしし座流星群ですが最近は数も少なくなってそれほど目立ちませんが極大日の頃にはたまに明るい流れ星も時々見られますのでお天気が良かったらぜひ眺めてみて下さい!
今年のピーク予報では17日19時頃と予想されているのですが、会津でしし座流星群の放射点が見えて来るのが22時頃になるので実際には17日の深夜から翌朝の夜明け前がチャンスとなりそうです。

但し、今年の場合には月齢18の明るい月がふたご座に見えているのでなるべく月の無い方角の空を中心に眺めてみて下さい!

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