星空案内の前に。
先月18日の当会イベント「宇宙をあそぼう!」は無事終了しました。
ご来場いただいた皆様、ご講演くださった平田 成先生、ご協力くださった會津稽古堂はじめ市職員様、ありがとうございました。
株式会社リオン・ドール コーポレーション様、みとみ学園様、ご協賛ありがとうございました!
ご報告は追ってさせていただきます。

ひとつ急ぎのご案内です!
8月4日の神明神社祭礼時にレオクラブガーデンスクエア3階にて会津そらの会のブースを出展、工作教室や夏の流星群の案内などを行い、星の村天文台からお預かりした今年の天文現象カレンダーや、郡山市ふれあい科学館、福島市こむこむのパンフも配布します。
お祭りにお出かけの際はお立ち寄りくださいね!

=============================

201608chart
画像提供 アストロアーツ www.astroarts.co.jp

長く続いた梅雨の時期もようやく明けて今年もいよいよ夏本番を迎えることができました!!
夏バテや熱中症に気を付けて素敵な夏をお過ごしください!
そして梅雨明けとなれば夏の星空を満喫したいところですね!
この時期には毎年恒例のスター・ウィークが8月1日~7日までありますので普段あまり星空を見上げることの少ないお友達にも教えてあげて下さい!

今年のスター・ウィークのキャッチコピーは「夜空のわくわくをキミと」になったそうです。
ぜひこちらのページも夏の星空を楽しむための参考に活用してみて下さい!
http://www.starweek.jp

swb_chara_234x114 (1)

また、普段は街中で生活しているとなかなか満天の星空を体験する機会は少ないでしょうから、この夏には家族そろって星のきれいな場所に出かけてみるのも良いですね!
今月ももうすぐやって来る流星群や惑星同士の接近など様々な天文現象がありますので、カレンダーにチェックをしてたくさんの思い出を作ってみて下さい!

8月の月は以下のようになっています。
新月: 3日
上弦:11日
満月:18日
下弦:25日

月明かりの無い夜が天の川や流れ星を楽しむのに適していますので目安にしてみて下さい!

夏の代表的な星座であるさそり座付近には赤っぽい色で輝く火星と落ち着いたクリーム色っぽい色の土星が見えています。
火星は今年5月末には地球におよそ7千5百万km程まで接近しましたが、その後は地球が火星を追い抜いていく形で8月初めにはおよそ1億840万km、そして8月末には1億3千3百万kmとここ数ヶ月でだいぶ遠ざかっています。
それに伴って火星の明るさも少しずつ下がっていますが今月半ば過ぎにはさそり座のアンタレスに久しぶりに接近するという珍しい様子も眺められそうです。

さそり座の一等星アンタレスはその名前の由来がアンチ・アーレス(火星に対抗するもの)からとプラネタリウムでの解説で時々聞いたりしますが、実際にそばで赤い色合いや明るさを競い合っている様子を見る機会はなかなかありませんのでこの夏にやってくるチャンスをぜひ見逃さないようにしっかりと眺めてみて下さい!
日毎に接近して行く様子もなかなか楽しめそうです!

例年の夏には、南の空を見た時さそり座のS字にくねった姿と明るい一等星が目につくところが、今年は一等星に加えて二つの明るい惑星で構成される右に向いた二等辺三角形が目立っています。
左下の星=さそり座の一等星アンタレス、左上=土星、右の星=火星がつくる今年限定の夏の小三角もそれに合わせて形が変化していくので、晴れた時にぜひそんな様子も確かめてみて下さい!

そして火星の近くに見えている土星もこれからしばらくの間見やすい時期を迎えます。
その土星ですが、今年から来年にかけて約15年ぶりに土星の環が大きく開いた珍しい姿を見ることができます。
毎月開いている会津そらの会の観望会、または滝根町・星の村天文台等の大きな望遠鏡でぜひ本物の姿を皆さん自身の眼で確かめてみて下さい!

今月の会津そらの会の観望会は8月19日(金)19時からリオンドール滝沢店駐車場にて予定しております。
参加は無料なのでお気軽にお子さんと一緒にご参加ください!
facebook会津そらの会のページにも先月の様子が載っていますので、どんな感じで開催しているかをご覧になってみて下さい!
https://www.facebook.com/aizusora/
今回は少し遠ざかってきた火星や人気の土星を中心に望遠鏡を使って観察する予定です。

観望会では大きな望遠鏡はもちろん、双眼鏡や小型望遠鏡なども準備してそれぞれの見え方の違いなども比べてみる予定です。
先月開催された会津そらの会での夏イベント「宇宙をあそぼう!」の組み立て天体望遠鏡教室に参加された方には、自分の望遠鏡と三脚を持っての参加も歓迎です!
実際に望遠鏡を使っての使い方や星を見つける時のポイント等のアドバイスも行いますよ!
使い方に慣れてきたら自分で月や惑星だけでなく見やすい二重星や星団などを観察してみるのも楽しそうです。
参加の際には小さなLEDペンライトとスケッチブックかノート、筆記用具などを準備されると実際に観察した様子などを忘れないうちに記録できますのでぜひご用意ください!

もし万が一星が見えないお天気の場合には2階キッズコーナーにてこの夏注目となる星空の話題などのお話し会を開催予定です。
今年は珍しくお天気に恵まれて4月から7月まで連続4回で観望会を開催できています。
8月も晴天に恵まれると良いですね!

そして忘れていけないのが大西卓哉宇宙飛行士が搭乗中の国際宇宙ステーションですね。
会津からの予報は以下のサイトから確認できますので時々チェックしてみて下さい!
http://goo.gl/C4osxD

予報の中で黄色の日時が見やすい条件なので、予め自宅付近で見やすい場所を選んで、さらにその場所での方角を確かめておいて捜してみて下さい!
条件が良ければ木星くらいの明るさになるので肉眼でも十分に見ることができます。
もし見れたらこちらにもぜひ様子などを書き込んでみて下さい!

毎月恒例の会津での8月の日の出、日の入り時刻を7月初めと比べてみると以下のようになりました。
  ——————————————-
 月   日   日の出        日の入り
7月  1日  4時 20分    19時  8分 
8月  1日  4時 42分    18時 51分 
8月 31日  5時  7分    18時 13分 
   ——————————————-
つい先日まで日暮れの時間もずいぶん遅いなあと感じていましたが、8月に入ってからは少しずつですが暗くなる時間も早くなってきます。
上の表でも8月後半になると意外と違いが大きいことがわかると思います。
空が早く暗くなると仕事帰りなどにも星空を見る機会も増えますので楽しみですね。

それではそろそろ2016年8月の主な天文現象を見ていきましょう!!

===============================
☆ 8月 1日(月)~ 今年限定・・夏の小三角の変化に注目!!

夏の代表的な星座のさそり座付近にはここしばらく火星と土星が見えていて、近くにあるさそり座の1等星アンタレスとでできる小さな三角形が目立っています。
夏の大三角に対して、こちらは今年限りの小さな三角形なんですが・・8月は見かけ上の火星の動きが早まる関係でこの三角形の形が意外なほどに変化していく様子を見ることができます。
お天気が良ければ同じレンズで毎回撮影しておくと変化の様子の良い記録となりそうです。
また、カメラが無くても小三角の形とさそり座の目立つ星並びとをいくつか加えてスケッチしておくという手法もお奨めです。
星座早見盤か本のさそり座付近を拡大コピーして、その夜の土星と火星の位置をプロットして記録というのも簡単ですが手軽にできそうですのでお試しください!

 —————————————————-

☆ 8月 3日(水) 新月=天の川を見るチャンス!

新月と言えば月と太陽がほぼ同じ方向にあるので月は一晩中見ることは出来ません。
でも、そんな新月前後は天の川を見るには絶好のチャンスとなります。
新月の後でも数日間は早目に月が沈むので、その頃の時間帯を狙ってお天気の良さそうな夜に街明りの少ない場所へ出かけてみましょう!
会津でのこの時期ですと20時半ぐらいになれば夜空もすっかり暗くなるのでそのくらいの時間帯が見やすそうです。
最初はちょっとわかりにくいかもしれませんが、余計な光を消して眼が暗さに慣れてくると・・南の低い空にあるいて座付近から夏の大三角付近を通りカシオペア座方面へと流れる雄大で、そして淡く美しい天の川が夜空に浮かび上がって見えてきます。
最近は街明りの影響も広がっているので意外と本物の天の川を見たことが無いという方も多いようですのでぜひともこの機会に見れますように!!
——————————————————

☆ 8月 4日(木) 夕方の空に、月齢1.6の月を捜そう! 一緒に水星&金星も!!

3日に新月を迎えたばかりですが、早くも4日夕方には月齢1.6のかなり細い月が西空の低空に見えるかもしれません。
狙い目の時間帯は19時前後。
実は先月末くらいからはまだまだ低い空ですが水星と金星が見えていて、4日になると細い月も加わって集まっている様子が見られそうです。
19時頃ですと西の低い空には肉眼でも木星が見えているでしょうから、そこから右下付近を双眼鏡で捜せば金星が、そして少し離れて水星も見つかるでしょう。
この日の月の位置は水星と金星の中間くらいで、金星から斜め左下方向に4度くらい離れて低い空にあります。
19時くらいだとまだ夕空の明るさが残っている時間帯なので月を見つけたり金星や水星を見つけるには双眼鏡が必要でしょう!

水星は今月17日に太陽から最も離れて見える東方最大離隔を迎えるのですが、夏場の夕方では比較的黄道が地平線に対して寝ているので意外と今月前半の早い頃の方が見やすいようです。
お天気の良さそうな日の夕方には双眼鏡を使って水星や金星を捜してみて下さい!!
1度でも自分の見ている場所で見つけられれば、次回からは地上の景色を目印にしてずっと簡単に見つけることが出来ますよ!

 —————————————————-
☆ 8月 6日(土) 木星と月が並んで見える!!

6日夕方には西の低い空で木星と月齢3.6の細い月が3度くらいまで近づく様子が見られそうです。
まだちょっと細い月と明るい木星が並んだ様子は肉眼でも楽しめそうなのでお天気が良さそうでしたらぜひ眺めてみて下さい!
時間は19時頃から19時半ぐらいまでがお奨めとなりそうです。
両者の間隔は3度くらいまで接近しているので一般的な双眼鏡なら一緒に見ることができるのでお持ちの方はぜひご覧になってみて下さい!
双眼鏡は意外と手振れの影響も大きいのでカメラ三脚に取り付けるか、もしくは適当な台に腕を載せた状態で眺めるとずっと見やすくなりますのでお試しください!
また、もし翌日の夕方にも月と木星を見ることが出来たら一晩で木星と月がどれくらい離れるのかもぜひ確かめてみて下さい!!

 —————————————————-
☆ 8月 9日(火) 伝統的 七夕を楽しもう!!

8月になって七夕??もしかして月遅れの仙台市の七夕の事なのかな?って思う方も多いと思いますが江戸時代の頃に行われてきた七夕は本来ですと旧暦の7月7日でした。
今年のカレンダーで確認すると七夕となる日は8月9日になるようです。
この日の夕方には旧暦のカレンダー通りに7日月が見えていて地方によっては天の川を渡る渡し船にも見立てていたそうです。
ちょっと時期外れとは思わないでせっかくなのでこの機会に短冊に願い事を書いて飾ってみてはいかがでしょうか?
夜、晴れたら夏の大三角を捜してみて下さい!
街明りの少ない場所でなら月が西に低くなれば天の川も次第に見えて来るでしょう。
織姫星になっていること座のベガは0等級で他の1等星よりも明るく目立ちます。
ベガまでは25光年ほどの距離があるので今見えている光は25年前にベガから出た光なんですよね。
そんなことを思いながらゆっくりと夜空を見上げてみて下さい!

 —————————————————-
☆ 8月 12日(金) 夏の風物詩 ペルセウス座流星群がピーク! & 月と土星の接近

毎年たくさんの流れ星を見せてくれるペルセウス座流星群・・今年のピーク予想は日本時間で12日夜21時頃とされています。
ですので一番の狙い目は12日の深夜から13日未明にかけてとなりそうです。
今年は11日が上弦の月でしたが、これくらいの月なら時間が遅くなるにつれて次第に西の低い空に移動して行くので流星群の数が増えてくる夜半~未明にかけては殆ど月明かりの影響が無い状態で楽しめそうです!!

お天気さえ良ければ夜中過ぎには1時間に50個くらいの出現が見込まれています。
※但しこの数字は天の川が肉眼ではっきり見えるくらいの星のきれいな場所で眺めていた場合です。街中ではその数分の1に減ってしまうのでご注意を!

流星群には他にもふたご座流星群のようにペルセウス座流星群に負けないほどの出現数のものもありますがそちらは真冬の装備が必要になりますので比較的楽に眺められるという点でも今回のペルセウス座流星群はお奨めとなります。
それでもちょっと高い山などでは夜中にはちょっと冷え込む場合もあるので念のため防寒用の衣類の準備をしておいた方が安心ですね。

星のきれいな場所に出かけられたら安全な場所に寝転んでゆったりとした気分でたくさんの流れ星を楽しんでみて下さい!
また、もし12日夜にお天気が悪かったとしても諦めないで数日間は粘ってみて下さいね!

そして今年も国立天文台企画「夏の夜、流れ星を数えよう 2016」キャンペーンが開催となります。
http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/201608-perseids/index.html

ペルセウス座流星群が活発に活動するこの時期に全国の方から実際に流れ星を見た数の報告を受け付けて、今年の流星群がどれくらいの出現を見せてくれたのかを集計しようという企画です。
予めこちらのサイトからどんな内容なのかを確かめて準備をしておいてください!!
たくさんの報告、お待ちしております!!

また、12日夜には月と土星が3度程まで接近した様子も見られます。
こちらは流星群の前に空が暗くなった頃にぜひご覧になってみて下さい!!
双眼鏡では環はわかりませんが土星の特有の色が見やすくなるので確かめてみて下さい!

——————————————————
☆ 8月 18日(木) 満月!

今月18日には満月を迎えます。
更に、今回の満月になる時刻を調べてみると・・うまい具合に18時27分ということなので夕方頃には「ほぼ満月」の状態で眺めることが出来そうです。
会津での月の出時刻は18時17分なので月の昇って来る東南東の方角で低い空まで見渡せる場所で満月が昇ってくる様子を眺めてみたいものです。

ところで、今回の満月では地球の影のぎりぎり上のところを月が通過して行くような位置にあるので惜しくも月食にならないようです。
ですが、1ヶ月後の9月17日には今年2回目の半影月食が起こるので今から楽しみです。

 —————————————————-
☆ 8月 19日(金) 火星&土星を見てみよう!! 会津そらの会 観望会!!

19日夜には毎月恒例となっている会津そらの会の観望会を開催いたします。
いつもは月が見やすい週を選んでいますが、今月はお盆の時期と重なっていることから1週遅らせてあります。
この日は満月の翌日なので月が昇ってくるのは19時頃になってからのようです。

ですので19時頃から南の空で見えている火星と土星を中心に望遠鏡で見てみたいと思います。
他には街中からも見つけやすい夏の星座探しなども行う予定です。

また、この日は海王星が月の後ろに隠される海王星食もあります。
20時ちょっと前には月の後ろから再び姿を現します。
この頃に望遠鏡で月を見ると月の右横に海王星が見えるかもしれませんので楽しみです。

他にも、望遠鏡は持っているけれど・・使い方が良くわからないという方はぜひ望遠鏡持参で参加してみて下さい!!
使い方のアドバイスも行いますよ!

——————————————————
☆ 8月 24日(水) 火星とアンタレスが最接近!!

今月に入ってから、火星と土星、そしてさそり座の1等星アンタレスで作る今年限定の小三角が徐々に小さくなって、24日には火星とアンタレスが1.8度くらいまで接近する様子が見られそうです。
火星も赤っぽく見えていますし、アンタレスも赤色巨星でやはり赤っぽい色が特徴です。
アンタレスの名前の由来が「アンチ・アーレス」から来ていることは夏場にプラネタリウムへ行くと時々説明があります。
「アーレス」または『アレス』は火星の意味があってアンチ・アーレスとなると火星の敵とか火星に対抗するものの意味になるそうです。
そばで輝く2つの星がお互いに明るさと赤さを競い合っているという様子はぜひこの機会に眺めてみたいものです。
火星は2年2カ月ごとに地球に接近しますが、今回ほど火星とアンタレスが接近して眺められるチャンスはなかなか無さそうなのでぜひ実際に見てみたいものです。
双眼鏡をお持ちでしたら肉眼よりも赤っぽい色がわかりやすくなるのでぜひ向けてみて下さい!

——————————————————-
☆ 8月 25日(木) 下弦の月!

 今回は25日の昼過ぎに下弦となるようです。
 朝、ちょっと早起きしてほぼ半分の形になっている月の姿をぜひご覧ください!
 双眼鏡や小型望遠鏡で眺めてみると上弦の月との違いも分かりやすいですね。

——————————————————–
☆ 8月 27日(土)~28日(日) 夕方の空で大接近となる木星と金星!

夕方の西空でなかなか高くなって来ない金星ですが27日から28日にかけて木星に大接近となる様子が見られそうです。
お天気が良ければ、その数日前から見ておきたいところですが、1日毎に接近して行く様子はかなり楽しめそうです。
実際には28日の朝7時半頃にはほぼ真東の低空で月の見かけの大きさの1/10くらいまでの超接近となりますが、空が既に明るくなっているのでその様子を見るのには望遠鏡が必要になりそうです。
28日夕方には少し離れますが、それでも両者の間隔は月の直径分ほどの距離なのでこの頃でも十分に見応えがありそうです。
これ以降、木星は日毎に早く沈むようになってこの後しばらくは見れない状態になりますのでチャンスがあれば離れて行く様子も数日間は追いかけたいところです。

==============================