201606chart
画像提供 アストロアーツ astroarts.co.jp

今年も6月を迎えて・・そろそろまた梅雨の季節かなという心配をする時期になりました。
東北南部での梅雨入りは平年ですと6月12日前後のようですが・・昨年は6月26日頃でずいぶん遅かったようです。
それでも梅雨明けは平年並みの7月26日だったそうなので昨年の梅雨は短めだったようですが・・はたして今年はどうなるでしょう??
梅雨の季節に入ってしまうとすっきりときれいな星空が見れる日というのはなかなか巡って来なくなるので、6月前半の梅雨入り前の時期には晴れ間があればぜひ夜空を見上げてみて下さい!!
日暮れの頃、高い空で1番星になっている木星、そして5月末に地球に最接近となったばかりの火星、更には同じさそり座に6月3日に衝を迎える土星も見られますので一度に惑星をたくさん楽しめる時期ですので。

また、梅雨のイメージはあまり好きな人はいないかなとは思いますが・・しとしとと降る長い雨には春の時期の黄砂やPM2.5等も洗い落としてくれますし、梅雨の時期の雨は暑い夏の時期を乗り切るための貴重な水源でもあります。
もし仮に、夏至を迎えるこの時期に梅雨が無かったとしたら・・日本の夏もいまよりもずっと暑さの厳しいことになってしまうでしょう。
そう考えると梅雨の時期の大切さがきっと感じてもらえるでしょう。
実際、梅雨の晴れ間には本当に美しい星空に出会えることもありますし、しばらく見ていないことでより印象に残ることもありますのでお天気予報などをチェックして貴重な梅雨の晴れ間を見逃さないようにしてください!

また、会津そらの会では今年度も4月から月1回の観望会を開催しております。
今年第3回目となる6月は10日(金)19時半頃から開催予定です。
この日は月齢5.3の月と木星を中心に春の星空を観察して行く予定です。
後半には地球に接近中の火星も見られるかもしれません!!
観望会では大きな望遠鏡はもちろん、双眼鏡や小型望遠鏡なども準備してそれぞれの見え方の違いなども比べてみたいと思います。
参加は無料なのでお気軽にお子さんと一緒にご参加ください!
また、参加の際には小さなLEDペンライトとスケッチブックかノート、筆記用具などを準備されると実際に観察した様子などを忘れないうちに記録できますのでぜひご用意ください!
もし万が一星が見れないお天気の場合には2階キッズコーナーにてこの夏注目となる星空の話題などの「お話し会」を開催予定です。
                                                        
ところで、最近は日暮れ時間もだいぶ遅くなって、ずいぶんと日が伸びてきたというのを感じます。
会津での6月の日の出、日の入り時刻を5月初めと比べてみると以下のようになりました。
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  月   日   日の出       日の入り  
 5月  1日  4時 43分    18時 33分 
6月  1日  4時 18分    18時 58分   
 6月 30日  4時 20分    19時  8分 
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今月6月21日には夏至を迎えるので6月は夜の長さが1年中で最も短い時期でもあります。
もしお時間があれば、6月初めと月末とで昼と夜の時間を計算してみて下さい!
きっと意外な数字が出て夜の時間がこんなに短かったの?と驚かれるかもしれませんよ!

日暮れが遅いのは普段の生活では便利かなと思うこともありますが・・やはり星を見れる時間が短いことや梅雨の季節に入るとさらにきれいな星空を眺めるチャンスも減ってくるので、早くこの季節が過ぎてくれたらいいなと毎年のように思ってしまいますが皆さんはいかがでしょうか?? 

それではそろそろ2016年5月の主な天文現象を見ていきましょう!!
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6月 1日(水)~ 最接近を過ぎたばかりの火星に注目!!

5月31日に2年2ヶ月ぶりに地球に接近した火星が今月もまだ見やすい状態が続いています。
月初めの頃でしたら空が少し暗くなりかけた20時頃に南東の空で赤っぽく輝く明るい火星の姿をみつけることができますのでお天気の良さそうな日にぜひ眺めてみて下さい!

今回は火星接近としては中接近になるのですが、それでも100倍の望遠鏡で見ると肉眼で見た時の満月と同じくらいのイメージで見ることができますのでせっかくのこの機会に、できれば梅雨に入ってしまう前に星の村天文台などへ出かけて大きな望遠鏡で今の火星の姿を確かめておきたいところです。
今回の火星は最接近前後数日は木星並の明るさでマイナス2等級にもなるので街中でもわりと見つけやすいでしょう!!
そして今回の最接近時には見かけの大きさが18.6秒角に達し、さらに18秒角を超えている期間は5月17日~6月14日くらいと一カ月近くあります。

軌道上を移動して行く速度は地球の方が早いので最接近の頃には地球が火星に追いついて、それ以降は地球が追い越して徐々に離れて行くような状態になります。
そんな訳で火星の見える大きさも6月末には16.4秒角、7月末には13秒角と意外と早く小さくなってしまうのでできれば6月上旬の内に見ておきたいところです。

会津そらの会での観望会ですが、今月は10日(金)に予定しています。
お天気が良ければ後半に火星も見えるかもしれません。
望遠鏡では独特の赤っぽい色に加えて地表の黒っぽい模様が見えるので気流の落ち着いた瞬間を狙って確かめてみて下さい!

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☆ 6月 3日(金) 土星が衝を迎えて見頃を迎える!!

望遠鏡で見た姿が人気No.1の土星が今月3日に衝となり、これからしばらくの間見やすい時期が続きます。
今年の土星で特に注目して頂きたいのはいつもとちょっと違ったイメージの土星が見れるっていう点ですね!
その違いは・・地球から見た時の環の傾き具合!!
土星の姿っていつも同じじゃないの??と思われるかもしれませんが・・実は地球が23.4度程傾いたまま太陽の周りを回っているように、土星も25度くらい傾いて回っているため、土星が太陽の周りを1周する30年周期で毎年少しずつ傾き具合が違って見えるようです。
そして今年から来年にかけてが地球から見た時の環の傾き具合がほぼ最大となっているんですね!!
そんな姿を見れるのは15年ぶりの出来事になります。

土星の姿・・皆さんはどんなイメージを持っているでしょう??
試しに写真などを見ないで手近な紙に土星の形を描いてみましょう!
今年の会津そらの会での観望会では7月以降に見やすい位置にやって来るので、ぜひそのスケッチを手に観望会へ参加して今年の土星と見比べてみて下さい!!

そんな土星が今年は夏の星座のさそり座のアンタレスの左上に少し離れたところで輝いています。
土星の明るさは0等級なので意外と明るく、そして惑星などの見え方の特徴であるあまり瞬かない見え方、そして色がクリーム色っぽい感じの星が見つかればきっと土星でしょう。
今年のさそり座付近にはさらに目立つ火星も見えていて、火星と土星、そしてさそり座の赤っぽい1等星アンタレスとで作る小さな三角形が意外と目立ちます。
その三角形の形や大きさなどがちょっとずつ変わっていくのでその変化にも注目してみて下さい!

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☆ 6月 6日(月) 夕方の空、月齢1.3の月

5日に新月を迎えた月が6日夕方に見えるかもしれません。
この日の月齢は1.3なので条件はかなり厳しいのですが・・西空の低空でのお天気が良ければ見えるかもしれません。
チャンスは19時20分頃から20分間程ですが・・西北西の方角で地平線から5度くらいの高さ付近を双眼鏡で捜せば糸のように細い月が見えるかも??

下の画像は参考用ということで5月8日夕方に撮影した月齢1.6の月です。
もし今回見ることができればこの写真の月よりもさらに細い月になります。

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☆ 6月 10日(金) しし座のレグルスと月の接近! & 会津そらの会 観望会開催予定

10日夕方には月齢5.3の月がしし座の一等星レグルスに3度くらいまで接近した姿が見られそうです。
今回の接近では比較的距離が近いので双眼鏡でぜひ眺めてみたいところです。

また、この日は毎月恒例の会津そらの会での観望会を開催予定となっております。
今回は日暮れの時間が遅いので19時半ぐらいから開始して月と木星を中心に観察予定です。
お天気が良ければ観望会の後半にはもしかしたら火星も見れるかもしれませんよ!
他には街中からも見つかる春の星座案内や星の質問コーナー等も行う予定です。
望遠鏡は持っているけれど・・使い方が良くわからないという方もぜひ望遠鏡持参で参加してみて下さい!!
詳しい内容等は開催が近くなった頃に会津そらの会のツイッターやfacebookからご案内しますのでお楽しみに!!

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☆ 6月 11日(土) 木星と月の接近

10日にはレグルスのそばで見えていた月が一晩過ぎて今夜は木星の近くで見えています。
この夜の月は上弦の1日前の形で見えていて両者の間隔は4.5度くらいになっています。
なので視界の広い双眼鏡なら月と木星を一緒に眺めることが出来そうです。
望遠鏡ならすぐ近くなので交互に見比べて両者の大きさの違いなどを確かめる良いチャンスにもなりそうです。
この夜には時間とともにちょっとずつですが月と木星の間隔が接近して行きます。
空が暗くなりかけの20時頃には4.7度くらいだった間隔が木星が低くなった23時頃には3.7度くらいまで近くなるようです!
望遠レンズで撮影出来る場合には1時間ごとに撮影してみると接近して行く様子を記録に残せそうです。

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☆ 6月 20日(月) 夕方に満月!!

今月20日には満月を迎えます。
ところで満月と言っても実際には満月になる瞬間があって、一般的に満月の日というのはその日24時間の中のどこかで満月の瞬間を迎えることになるわけです。
ですので場合によっては満月の夜でも満月になった瞬間から24時間近く過ぎてしまっていることもありうるわけですね。
6月20日の場合には満月になる時刻がタイミングよく20時2分になるようなので、この時間に月を見れば満月になったところを見ることができることになります。
この時期だと平年では既に梅雨に入っている頃ですがもし運良く月が見えそうでしたら時計を確認してぜひ本当の満月をご覧になってみて下さい!
双眼鏡や望遠鏡があると様子がわかりやすくなりそうです。

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☆ 6月 21日(火) 夏至!!

本格的な夏はまだ先ですが・・今年も6月21日には夏至を迎えます。
夏至と言えば昼の長さが1年で最も長い日ということになります。
この時間もその土地の緯度によって違ってきて、同じ日本でも北ほど昼の時間が長くなります。

会津での夏至の日の日の出日の入り時刻を調べてみると以下のようになります。

日の出   4時17分
日の入り 19時 8分

これが北海道の稚内市ですと
日の出   3時42分
日の入り 19時28分

沖縄の那覇では
日の出   5時37分
日の入り 19時26分

それぞれの地域での昼と夜の時間を計算してみて下さい!!
更に北の北極圏ではこの時期には1日中太陽の沈まない白夜の季節を迎えます。
北の地域ほど昼の時間が長いというのであれば、この時期では北ほど気温が高くなりそうですが・・実際にそうならないのは太陽がお昼頃に真南に来た時の高さ(これを南中高度と呼びます)が北に行くほど低くなってしまう為です。
会津での南中高度は76度にもなりますが、北海道の稚内市では68度くらいになります。
そして会津よりもずっと南の沖縄県那覇市では87度くらいになります!!
これだとほぼ真上から太陽が照り付けることになるわけで想像しただけでも夏の暑さを感じてしまいます。

日本ではこの夏至の時期に幸いにも梅雨があるために暑さのピークとなる7月後半から8月にかけての気温上昇がだいぶ抑えられているんですね。
そんなことも考えながら憂鬱な梅雨の季節をうまく乗り切ってくださいね!!

星が見れなくて気分が落ち込んでしまいそうな時にはぜひ福島か郡山のプラネタリウムへお出かけ下さい!!
プラネタリウムの星空でも、「今、眼の前に広がっているのは本物の星空を見ているんだ」という気分の自己暗示をかけて眺めているとより一層楽しめますのでお試しください!!

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