今年も、はや4月。新しい仕事や、進学・進級の季節です。
気持ちに新しい風を入れたいですね。

☆ 小惑星探査機「はやぶさ2」の近況です。
3月22日にイオンエンジンを点火し、目的地である小惑星Ryugu(リュウグウ)へスピードを上げていくことになりました。
2014年12月3日に地球を出発し、そのちょうど一年後にあたる昨年12月3日に地球スイングバイを行い小惑星へ進路を変えていましたが、これから2018年のリュウグウ到着まで、4つの青白い炎の帆で進んでいきます。
今回は800時間の連続運転を予定しているそうですが、週に一度止めて正確な位置や速度の確認をしていくのは、目的地へ向かう軌道に沿って正確に進むため。距離が長ければ、ほんの少しのズレが後々大きくなりますよね。
小惑星に近づいたら、「ランデブー」=スピードが同じになるよう減速する必要があることから、到着に2年半かかるのだそうです。
「はやぶさ2」搭載のイオンエンジンは、初号機「はやぶさ」当時の設計を踏襲しつつ、発生したトラブルへの対策を講じているということです。
また、奇跡の帰還につながった「キセノンガスジェット」や「クロス運転」、「1ビット通信」などの機能も健在。(クロス運転の機能は正式に採用されたということですね♪)
金星探査機「あかつき」の軌道投入失敗からもガスの配管を修正するなど、様々な技術や経験の積み重ねを経た新イオンエンジンに期待しましょう。

ISASコラム「イオンエンジン・化学推進の改良点」
http://www.isas.jaxa.jp/j/column/hayabusa2/03.shtml

そして、いよいよ「はやぶさ2」が日本からも見える位置になってきました!
4月1日4時にはちょうどさそり座の南側にあって、ほぼ真南の空で、会津だと地平線から2度弱の高さにいるはずです。
これ以降次第に見える位置が高くなっていくはずです。
hayabusa220160401_0400

たった”一人”で何もない宇宙空間を進む「はやぶさ2」を思えば、
多少のことなら頑張って乗り越えてみよう・・そんな気持ちになります!
夢が難しいものでも、目的地が遠くても、少しずつでも進んでいきたいものです!
(C)

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長かった冬の季節もようやく過ぎていよいよ待ちに待った春の到来の季節。
 季節の移り変わりと共に夜空でも春の星座たちが見やすくなってきています。
 寒い季節だと、なかなかゆっくりと夜空を眺めるのも厳しかったものですから、これからの時期、お天気の良さそうな日を選んで星空を見上げる時間を作ってみてはいかがでしょう??
 何度も見ているうち、いつの間にか春の星座を覚えてくると、夜空を眺める楽しみももっと大きくなりそうです。
 また、名残惜しい冬の星座たちも夕方のうちにはまだ西空で眺めることができます。
 西空に傾いた、ちょっと違った印象の冬の星座の姿にもぜひ眼を向けて見て下さい!

春の星座で先頭になって夜空を駆け上がってくるしし座には、見頃を迎えている明るい木星も加わって賑やかです。
肉眼で見ていてももちろん楽しめますが木星はやはり望遠鏡で眺めてみたいものです。
冬の間お休みとなっていた会津そらの会の星空観望会がいよいよ4月から再開となります。
第1回目は4月15日(金)19時から予定しております。開催決定しましたら、別途お知らせいたします。
この日は半月を過ぎたばかりのクレーターが見やすい月と木星をメインに春の星空を望遠鏡で観察して行く予定です。
観望会では大きな望遠鏡はもちろん、双眼鏡や小型望遠鏡なども準備してそれぞれの見え方の違いなども比べてみたいと思います。
参加は無料なのでお気軽にお子さんと一緒にご参加ください!
ただし、4月だと夜は日によってはちょっと寒くなってしまう場合もありますので寒さ対策はしっかりとご準備ください。
また、参加の際には小さなLEDペンライトとスケッチブックかノート、筆記用具などを準備されると、実際に観察した様子などを忘れないうちに記録できますのでぜひご用意ください!

4月半ばには夕方の空で水星も見やすい時期を迎えます。
普段はあまりお目にかかれない惑星なのでこのチャンスに見ておけると良さそうです。
双眼鏡があると見つけるのがぐっと楽になりますのでお奨めです。
                                                                   
最近は仕事帰りの夕暮れ時間も暗くなるのがずいぶん遅くなってきていて、だいぶ日が伸びてきたというのを感じますね。
先月、3月20日の春分の日にはほぼ同じ時間だった昼と夜ですが、それ以降は日毎に昼の時間が長くなって来ています。
 毎月恒例の会津での4月の日の出、日の入り時刻を3月初めと比べてみると以下のようになりました。
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    月   日   日の出       日の入り
   3月  1日  6時 09分    17時 37分
   4月  1日  5時 24分    18時 05分
   4月 30日  4時 44分    18時 32分 
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4月に入ってからもずいぶんと違ってくることがよくわかります。
 もし時間があれば、月初めと月末とで昼と夜の時間を計算してみて下さい!
 きっと意外な数字が出て驚かれるかも?
 また、春になってくると黄砂の影響などで(最近はPM2.5の影響もありますね・・)透明度が落ちて遠くの景色が霞んで見えるようなことも時々ありますが・・こんな時にはちょっと不思議なくらい赤い夕日が沈む様子が見られたり、赤く染まった珍しい月の出等が見られることがあるので時間があるときに見てみて下さい!

それではそろそろ2016年4月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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201604chart
画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp
1日は21時頃、15日は20時頃、月末は19時頃の南の空

☆ 4月 1日(金)~5日(火) 夜明け前の空に注目!

4月1日に下弦を迎えた月が夜明け前の空で見えています。
今の時期、4時頃の明け方の空ではもうすでに夏の星座が姿を見せていますが、下弦を過ぎて次第に細くなって見える場所も変わっていく月の姿を追いかけて行くのもなかなか楽しめます。
特に月が細くなってくる4日と5日の月が狙い目ですね!
夕方の三日月は比較的見るチャンスは多いと思いますが・・意外とこの頃のような、新月前の細くなってきた月の姿は目にすることがないと思います。
見るにはだいぶ早起きしないとお目にかかれませんので、新年度のこの季節に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

そして一緒に見ておきたいのがさそり座に集まっている火星と土星ですね。
さそり座の赤っぽく光る1等星アンタレスと3角形を作っている様子がかなり目立っています!
特に今年5月に地球と最接近となる火星は月初めには-0.5等の明るさが月末には-1.4等と次第に明るくなってきていますので今月後半までその明るさと赤っぽい色の変化に注目してみて下さい!
 
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☆ 4月 9日(土) 夕方の細い月と水星!!

今月7日に新月を迎えた月が9日夕方には西空に見えてきます。
7日が新月なので9日の夕方の月は三日月ということになりますが・・空が少し暗くなりかけてくる19時頃に西空を捜してみると・・意外なほど細い形に三日月ってこんなに細かったのかな??と思うかもしれませんね。
そんな月の様子は双眼鏡や小型望遠鏡があればさらに楽しめそうです。
しかもこの日の月は地球との距離が近くなっているので見かけの直径も33.3分角とスーパームーン並の大きさで見えているはずです。
チャンスがあれば望遠レンズなどでも撮影しておきたいところです。

また、月の少し斜め右下方向に手を伸ばした握りこぶし1個分ほど離れてポツンと光る星が見つかるかもしれません。
その星は水星です!!
今月18日に東方最大離隔を迎える水星はこの頃から次第に夕方の空で見やすくなってきます。
しかも今年の夕方に見られる水星としてはかなり条件が良さそうなのでぜひこの機会に水星を見つけてみて下さい!
まだ明るさの残っている西空で小さく光る水星を見つけるには双眼鏡があると便利です。
また9日には水星を見つける時の目印になってくれる月があるので最初にこの日に見ておくのがお奨めですね!
比較的見やすい時期はこの頃から今月後半まで2週間ほどありますが、東方最大離隔を過ぎてちょっとすると水星の見かけ上の明るさが次第に落ちて来るので今のうちの前半が見やすい時期となります。
水星の明るさはこの頃がマイナス1等級程ですが、東方最大離隔の18日には0.2等級程になるようです。
また、もし1回見れたらもういいやってならずにこの機会に何回見れるかにもチャレンジしてみて下さい!
西空の方向であまり障害物などが無さそうな場所を見つけておいて夕方の時間に双眼鏡を持ってちょっとだけでも見に行けるといいですね。

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☆ 4月 15日(金) 会津そらの会 観望会予定!

昨年も毎月開催してきた会津そらの会の観望会がこの4月から再開となります。
夜空で目立っている木星と半月過ぎたばかりの月をメインに春の夜空を眺めて見ましょう!
大きな望遠鏡で月のクレーターの様子や木星の縞模様、そして木星の周りを巡るガリレオ衛星の様子などをぜひご覧下さい!

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☆ 4月 17日(日)~18日(月) 月と木星の接近!

17日から18日夜にかけてしし座付近で月と木星が接近する様子が見られそうです。
今回は17日で両者の間隔は8.5度、18日でも5度弱と大接近というほどにはなりませんが明るい月と-2.3等の木星が接近した様子は夜空でも意外と目立って、さらにあまり星の見えない街中でも見やすいので普段あまり夜空に関心の無かった方にも見てもらえそうです。
一晩で木星と月の位置関係が変わってしまうことにも注目してみてください!
デジカメなどで写真を撮影しておいても良いですし、ちょっとしたスケッチでもただ見るだけよりもずっと比較しやすいのでお試しください!

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☆ 4月 22日(金) 満月 しかも今年の満月では一番小さな満月!

満月は毎月巡ってきますが、今月の22日に見られる満月は今年最少の満月となるようです。
ここ数年その年の最も大きく見える満月≒スーパームーンというのが話題になったりして注目を集めていますが、今回はその逆にミニマムムーンとも言えるような満月になります。
月までの距離は地球の直径のおよそ30個分程離れていますが、その軌道が楕円の為にどこで満月になるかのタイミングで約5万kmもの差があるそうです。
今年のスーパームーンは11月14日でさらに68年ぶりの距離にまでせっきんするということでかなり話題になりそうですが、その時と比較するためにも今月の満月もぜひ見てみて下さい!
肉眼だと大きさの比較が難しいのでできれば望遠レンズなどで撮影しておいてあとから画像を並べて比べてみたいものです。

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☆ 4月 24日(日) 月と火星の接近!

さそり座で明るくなってきている火星の近くに月が接近する様子が見られそうです。
この夜の月は月齢17で満月を過ぎて少し欠けて来ている形で23時頃に南東の方角を見ると上下に並んだ月と火星が見つかるはずです。
今回の月と火星の接近は両者の間隔が8.5度くらいなので大接近というほどではありませんがこの頃の火星は-1.3等級と月初めの頃より明るくなっているので肉眼で眺めた時には意外と楽しめそうです。
また、翌日の様子との比較のためにお天気が良ければ忘れずに見てみて下さい!!

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☆ 4月 25日(月) 月と土星・火星の接近!

前日に月と火星の接近がありましたが、25日夜には月と土星が3.5度まで、そして月と火星の間も6.5度くらい、さらに近くにはさそり座の1等星アンタレスもありますので肉眼でもこの明るい4天体が集まった様子はなかなか見事な眺めとなりそうです。
前日同様に23時頃には南西の空で見やすい位置まで昇ってきていますのでぜひご覧になってみて下さい!

夜中過ぎにはさそり座も地平線上にその大きな姿を見せて、月や惑星が接近した様子も南の空でさらに見やすくなるでしょうから目覚ましをセットしておいて1時~2時頃の様子も窓からちょっとだけでも見てみて下さい!!

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☆ 4月 26日(火) 月と土星・火星が並ぶ!

前日に月と火星の接近がありましたが一晩過ぎて26日夜には月は東に離れてしまいます。
ですが・・26日夜23時頃に見てみると月-土星-火星がほぼ1直線に同じような間隔で並んだ様子が見られそうです。
24日から連続で見ておけば一晩ごとに月の見える位置がかなり動いていく様子がわかるはずなのでこちらもぜひご覧ください!

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(M・T)