新年あけましておめでとうございます。

今年もこちらの星空案内を参考に、様々な天文現象や美しい星空をお楽しみください!
「見れたよ!!」といった報告や、ちょっとした星や宇宙の質問などもぜひ、こちらのブログ下部からお寄せください!

 2015年を振り返ってみると、まだ記憶に新しいのが12月初めにあの「はやぶさ2」が地球スイングバイを見事に成功させて小惑星「Ryugu」へと向かう軌道に入ったこと、そして続けて金星探査機「あかつき」が5年越しの再挑戦となる金星周回軌道への投入という非常に難しい軌道変更をこれまた成功させてくれたことと、嬉しい話題が続きましたね。
金星探査機「あかつき」は今年4月からは本格的な観測が始まる予定となっています。
まだまだ謎の多い金星からどんな成果を見せてくれるか今からとても楽しみです。
そんな「はやぶさ2」と「あかつき」に関して、会津そらの会では展示を行っています。
レオクラブガーデンスクエア3階にて1月10日までの予定です。お早目にどうぞお越しくださいね。

会場パノラマ

「はやぶさ2」と言えば・・会津そらの会で行なっている応援企画「88232(はやぶさつう)折り鶴プロジェクト」があります。
「はやぶさ2」ミッションはあの「はやぶさ」に続いての2度目のチャレンジとはなりますが、遠くの小惑星から表面の物質を無人機で地球まで持ち帰るには相当難しい運用が必要なこと、そしてミッション自体が6年以上にもわたる長期間の運用になることから、今回も各ミッション担当者にはかなりの期待とプレッシャーがかかっていることでしょう。
そうした運用に携わる方々をみんなで応援しようというのが趣旨になっています。
その為に「はやぶさ2が地球に帰還する2020年12月までに88232羽の折り鶴を集めよう!」と行っています。
これまでに全国のはやぶさ2を応援する皆さんから送って頂いた折り鶴の数は2万羽を超えています。
全国の皆さんからのはやぶさ2ミッションの成功を願う気持ちを折り鶴に込めて、JAXAのはやぶさ2プロジェクトを担当している皆さんに届けましょう!!
詳しい内容は会津そらの会ブログをご覧ください! 

それではこの辺で2016年に見られそうな主な天文現象について見ていきましょう!
大きな天文現象といえば日食&月食ですよね。
今年日本で見られる日食は1回だけで、3月9日に部分日食が全国で見られます。
欠け具合は11時過ぎに会津で2割ちょっとまでなので、それ程大きく欠けるわけではありませんが、今回の部分日食は2012年5月の金環日食以来でほぼ4年ぶりに起こるものなので見逃せませんね。
日食を見る時に必要になるのが太陽観察専用に作られた「日食メガネ」です。
4年前に買った日食メガネをお持ちの方は今のうちに捜しておくと良さそうです。
ただし使用する場合には保管中にフィルター部分が傷ついたりしていないか、きちんと確認してから太陽に向けて下さいね!

月食では地球の影の薄い部分に月が入り込む半影月食が3月と9月の2回見られます。
肉眼ではちょっとわかりにくい現象ですがデジタルカメラなどで撮影してみたいですね。

惑星では今年特に注目を集めそうなのが、5月末に2年2か月ぶりに地球に接近する火星ですね。
5月末に地球に最接近となって、しばらくの間はマイナス2等級の赤っぽい色の星がさそり座付近の夜空でかなり目立っていそうです。
夏休み頃にもまだ見やすいので、なるべく大きな望遠鏡で火星の模様がどんな風に見えるのか確かめてみたいものです。

夜明け前の空で目立っていた金星もこのあと次第に明け方の空での高さも低くなっていき、見やすいのは2月半ばくらいまでになりそうです。
それ以降はしばらく太陽の近くになり、再び夕方の空で見やすくなるのは秋頃になってからです。
ですので、寒い時期ではありますがお天気の良さそうな日を狙って今のうちに美しい明けの明星の輝きをしっかりと楽しんでおいてください!
また、1月と2月には明け方の空で新月前の細い月と一緒に見られる日があるのでこちらも楽しみです。

しし座の後ろ脚付近で明るく目立っている木星は3月上旬に衝を迎え、この後しばらくの間見頃を迎えます。
会津そらの会で開催している観望会(春から再開予定)でも望遠鏡を使って縞模様や衛星の並んだ姿などを観察できそうです。

土星は5月後半になって今年の見頃を迎えます。
今シーズンの土星は15年ぶりに地球から見た環が大きく開いた状態になって見えてくるはずなので、昨年見ていたという方はぜひ今シーズンの土星を見て違いを確かめて見て下さい!!
観望会でも大人気の土星は10月初め頃までが見やすい時期となります。

また、11月の満月は68年ぶりの大きな満月スーパームーンになりそうだという話題もあります。
今年は4月の満月が一番小さいのでこちらも予め撮影しておいて11月の満月と並べて大きさの違いを確かめてみたいものです。

流星群では8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群に注目が集まりそうです。
今年はペルセウス座流星群極大には上弦の月が、そしてふたご座流星群の時には満月が夜空を明るくしてしまうようですが、なるべく月の影響の無さそうな方向を選びながら眺めてみたいですね。

昨年は油井宇宙飛行士が国際宇宙ステーションへの長期滞在で話題になりましたが、今年も日本人宇宙飛行士の大西卓哉宇宙飛行士が6月頃から初の長期滞在が予定されています。
JAXAのサイトから国際宇宙ステーションがいつ見えるかの予報をチェックして、みんなで応援していきたいですね。

会津方面での予報はこちらから。

まだ国際宇宙ステーションを見たことが無い方や、最近見ていないなあという方は、今のうちからどんな風に見えるのか確かめておいてください!
予報の中で真ん中にある最大仰角の数値が大きい日が、見えている時間が長いことや夜空の高い位置を通過して行くので見やすくなります!
予報時刻は国際宇宙ステーションの軌道変更等があったりするとちょっとずれることもあるので、少し早目の時間から見ておくことをお奨めします。
ちょっと遅れて見えて来る場合もありますのでもし予報時刻になっても見れなかったかな?という時にはあと5分くらいとかもう少しだけ粘ってみて下さい!

他にもまだまだありそうですが、そちらは毎月の星空案内でご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに!

毎月恒例の会津での1月の日の出、日の入り時刻を昨年の冬至と比べてみると以下のようになりました。
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 月   日   日の出      日の入り  
12月 22日 6時48分    16時29分 ※2015年冬至
1月  1日  6時52分    16時35分     
1月 31日  6時42分    17時05分 
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太陽が沈む時刻を見てみると、新年を迎える元旦でも冬至の日と比較すれば6分ほど遅くなっているのがわかります。
まだまだ寒さの厳しい冬の季節は続きますが、少しずつでも昼の時間が伸びているということを知っているだけでも気分的には違ってきそうです。
晴れれば本当に美しい星空が見られる冬の季節を楽しみながらお過ごしください!

それではそろそろ2016年1月の主な天文現象を見ていきましょう!!

201601chart

画像提供 アストロアーツ http://astroarts.co.jp

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☆ 1月 1日(金) 新年を迎えたところで月と木星が並ぶ!

 2016年の新年を迎えたばかりの真夜中に東の空にご注目を!!
 月齢20の月と明るい木星が1.5度程の距離に並んだ様子が見られそうです。
 夜中にお参りに出かけた際にはぜひご家族やお友達にもお知らせして一緒に眺めてみて下さい!
 肉眼でも楽しめますが、双眼鏡があるとさらに迫力がありそうです。

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☆ 1月 1日(金)~2日(土) 5等級のカタリナ彗星がアルクトゥールスの近くを通過 

 先月から5等級の明るさで見えているカタリナ彗星が1日~2日にかけてうしかい座の1等星アルクトゥールスの近くを通過して行く様子が見られそうです。
 最近はなかなか大彗星は現れてくれませんがそれでも久しぶりに見られるほうき星なので双眼鏡を使って見ておきたいところです。
 普段ならこの明るさのほうき星だと最初に見つけるのに苦労しそうですが・・今回は明るい1等星のそばにやって来るので簡単に見つけられるチャンスになります。
 カタリナ彗星が比較的見やすくなるのは3時過ぎですが少しでも高くなる5時頃が狙い目となります。
 今回は下弦の月が見えている時間帯ということや5等級の明るさなので見つけるには双眼鏡が必需品となりそうです。
 この後カタリナ彗星は北斗七星の柄の方へ進んでいきます。

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☆ 1月 1日(金)~6日(水) 夕方の空で水星を見るチャンス!

 お正月休みの夕方には今年初の水星を見るチャンスがやってきます!!
 なかなかお目にかかれない水星をもしお正月休みに見れたら今年1年良いことがあるかもしれませんね!
 チャンスは6日頃までで、17時15分頃くらいから南西の低い空を双眼鏡で捜してみて下さい!
 時間とともに低くなってしまうのでなるべく南西の方角で低くまで開けている場所がお奨めです。
  この頃の水星は0等級と比較的明るいので低空に雲などが無ければ冬の透明度の良い時期なので意外と見つけやすいかもしれません。
 見えている時間は意外と短くて17時40分頃までになりそうです。

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☆ 1月 4日(月) 明け方の空で月と火星の接近

 4日未明には下弦を過ぎた月のそばに赤っぽく見える火星が約1.2度程まで接近するようです。
 月の見かけの大きさは約0.5度くらいなので今回の接近もかなり近くになりますね!
 せっかくの機会なので双眼鏡で一緒に眺めてみたいものです。
 火星は今はおとめ座に見えていますがこのあと今月末にはてんびん座まで移動して行きます。
 今回の接近の後も時々星座の中で見える位置を確かめてみて下さい!

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☆ 1月 4日(月) しぶんぎ座流星群の極大日

年間3大流星群のひとつですが、ピークとなって見えている時間帯が他の2つに比べて短い関係で、年によってはさっぱり見られなかったということも時々ありますのであまり過度な期待はしないで眺めた方が良さそうです。
今年のピーク予報は4日夕方なので4日の明け方と5日の明け方を中心に眺めてみたいところです。
下弦過ぎの月明かりの影響もあるので北から西の空を中心に眺めるのが良さそうです。

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☆ 1月 7日(木) 明け方の空で月と金星、土星が接近!

明け方の空で眩しいほどの輝きを見せている明けの明星の金星も、このところちょっとずつですが見える高さが低くなってきたかな??と感じます。
が、7日未明にはそんな金星の近くに月齢26.4の細くなった月と、さらに金星のすぐ下には土星もあって、3天体を双眼鏡で一緒に眺めることができるという珍しい出来事があるようです。
土星はさそり座に見えていて、土星の右斜め下には赤っぽい色の1等星アンタレスもあるのでこちらも捜してみて下さい!
真冬の時期に眺めるさそり座というのも夏場と印象が違ってくるかと思いますので!
5時半ぐらいになれば月の高度も15度を超えるので南東の方角が見やすい場所てぜひ眺めてみて下さい!

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☆ 1月 9日(土) 明け方の空で金星と土星が大接近!

7日未明には3天体の接近があったばかりでしたが、9日未明には金星と土星がなんとたった0.4度まで大接近した様子が見られそうです。
金星が次第に地球から離れて行くのと地球がちょっとずつ土星に追いついて行く途中での今回の大接近はぜひ双眼鏡か望遠鏡で眺めてみたいところです。
見かけ上は日毎に金星が少しずつ低くなっていく事、そして土星は逆に高くなっていく関係で両者の位置関係は肉眼で見ていても日毎の変化は意外と大きく変わっていきますので、お天気が良ければ前後数日間は追いかけてみたいところです。
この時の金星までの距離は地球―太陽間の約1.2倍、土星までは約10.8倍も離れています。
地球からの見かけ上はかなりの接近ですが、それぞれの惑星までの距離がだいぶ違って見えているということを想像しながら眺めてみるともっと楽しめそうです。
ぜひお試しください!!

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☆ 1月 15日(金) 明け方の空でカタリナ彗星が北斗七星に接近!

 今年初めにアルクトゥールスのそばを通過して見えていたカタリナ彗星が、15日頃から北斗七星の近くで見られそうです。
15日~16日頃には北斗七星の柄の一番端のη星アルカイドの近くにあるので双眼鏡なら一緒の視野に見られそうです。
カタリナ彗星は少しずつ太陽からは離れてしまっていますが、この少しあと18日頃に地球との距離が最接近となるので、うまくいけばこの頃でもまだ5等級くらいの明るさを保っていると予想されています。
月明かりにも邪魔されない時期ですしこれから次第に暗くなってしまう前に見ておきたいところです。
お奨めの時間は北東の方角で割と高く見える4時頃が見やすいでしょう。

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☆ 1月 24日(日) 今年最初の満月!!

24日夜には今年最初の満月が見られそうです。
会津での月の出は17時13分ですが、今回は満月になる時刻が11時ちょっと前なので、東の空から見えてきたときにはほんの少し欠け始めた様子がわかるかと思います。
今年見られる満月は12回ありますが、同じ満月でも地球との距離の違いや月の振れなどで見え方や大きさも毎回違ってきます。
今年は11月には話題となりそうなスーパームーンも控えていますので同じ機材で撮影しておくと良い記録になりそうです。
カメラでの撮影が難しいかなという方はもしビデオカメラがあればお試しください!
ビデオカメラだとズーム倍率が大きいので月でもわりと大きく撮影出来ますし、ちょっとだけマニュアルで明るさを調整することで月の模様なども比較的簡単に撮影出来ます。
手持ちだとずれやすいのでなるべく三脚に載せて撮影してみて下さい!
ビデオカメラならデジカメよりも手軽にあとから大きなテレビ画面でみんなで眺めたりできそうです。

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☆ 1月 27日(水) 深夜から明け方にかけて月と木星の接近!

27日夜、月齢18の月が昇ってくるのは21時過ぎとなりますが、この夜には今月2回目となる木星と月が並んだ様子が見られそうです。
月と木星が見やすくなる27日23時頃には両者の間隔は5度近くありますが・・このあと時間とともに少しずつ接近して行って、28日未明の5時頃には3度くらいまで接近して行く様子が見られそうです。
ずっと見ているのは大変ですので、月と木星の並んだ様子を望遠レンズなどで撮影しておくと6時間ほどでどれくらい接近したかがはっきりとわかりそうです。

(M・T)