小惑星探査機はやぶさ2が打ち上げられてから早や10日余りが過ぎました。
今日も神奈川県相模原市にあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)相模原キャンパスの管制室では、多くのスタッフが「はやぶさ2」を見守っていると思います。
私も「はやぶさ2」の長い航海を見守るために、少々遅筆になるかもしれませんが、本ブログでその軌跡を残していきたいと思います。

2014年12月3日(水)13時22分04秒(日本時間)に種子島宇宙センターからH2-Aロケット26号機で、小惑星探査機はやぶさ2は打ち上げられました。

画像提供(C)JAXA
画像提供(C)JAXA

同日15時9分19秒(日本時間)、地球を一周した第二段ロケット(LE-5B)から「はやぶさ2」が無事に分離され、所定の軌道投入に成功しました。
合わせて、同ロケットのペイロードに相乗りされた小型衛星2機(しんえん2・ARTSAT2-DESPATCH)と小型探査機1機(PROCYON)も分離に成功し、各提供機関での運用が順調にされています。

その後、12月5日(金)にはクリティカル運用期間が終了しました。クリティカル運用期間とは、ロケットから探査機が分離した後、探査機の太陽電池パネル等の展開、姿勢制御機能及び探査機を追跡管制する地上系設備の機能の確認など、一連の健全性を確立するまでの期間ということです。

「隼」の文字通りに、宇宙を飛ぶための太陽電池パドルの翼を広げ、小惑星の試料を掴み取る脚であるサンプラーホーンの伸展などが無事に確認されました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、小型カメラで撮影された「はやぶさ2」の機体とサンプラーホーンの画像を公開されました。この小型カメラは、一般の皆様から集まった1200万円の寄付金で開発されたものです。そして、これが「はやぶさ2」が地球に送ってきた最初の画像になります。

画像提供(C)JAXA
画像提供(C)JAXA

この小型カメラは、いつの日か目標天体である小惑星1999 JU3でのタッチダウンの瞬間もしっかりと撮影してくれると思います。この後、約3か月の時間をかけて「はやぶさ2」の全てのミッション機器の初期機能確認が行われる予定です。イオンエンジンが点火されるのがとても楽しみですね。

参考資料
JAXAプレスリリース
小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)の探査機状態および軌道計算結果について(2014/12/03)
http://www.jaxa.jp/press/2014/12/20141203_hayabusa2_j.html
小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)のクリティカル運用期間の終了について(2014/12/05)
http://www.jaxa.jp/press/2014/12/20141205_hayabusa2_j.html

文責:会津そらの会 本田 幸司