2013年12月

今年もとうとう12月を迎えてしまいました。

12月は師走と言われるように、廊下は歩きなさいと注意する先生もつい走ってしまう?
年末を迎えるということでなんとなく慌ただしく過ごしていると、あっという間に今年も
終わりを迎えるようになってしまいます。
残り1ヶ月ですので1日1日を大切に過ごしていきたいものですね。

今月5日以降には明け方の空で大彗星となって姿を見せるだろうと予想されていた
アイソン彗星ですが、29日未明に大陽のすぐそばを通過した際、太陽の強烈な熱に
よる影響で彗星本体が急速に加熱されて崩壊してしまったと見られています。
もしかしたら世紀の大彗星になるのではと期待が大きかっただけに、この突然の最後
を迎えてしまったことは本当に残念なことでした。
今回の出来事は今後のほうき星の活動や正体を解き明かす上で貴重な観測になるこ
とでしょう。

そんな状況ですが、明け方の空では12月もラブジョイ彗星(C/2013 R1)
が見えています。
 さすがに肉眼ですぐに彗星らしい姿を見るのは無理ですが、月や街明かりなど
のない星のきれいな場所でしたらぼんやりと丸い姿を見つけることが出来そうです。

双眼鏡があればかすかな尾も確認できそうなので、月明かりの影響の少ない月初め
に早起きして東北東の空を捜してみてください。
月初めの2日ですと、うしかい座の頭付近で地平線からの高さが約34度、10日頃
でも24度くらいに見えそうです。
今のところほぼ4等星程の明るさになっていますので、ぜひ双眼鏡を使って太陽系の
旅人である不思議な 尾っぽの生えた「ほうき星」を今のうちに見てみて下さい。

これからの時期、まだ暗い夜明け前にはかなり冷え込んみますので、念入りに防寒し、
また、出かける時等にはくれぐれも事故やケガなどに気をつけて下さい!!
できれば、明るい時間帯に一度観察場所を下見しておくのがおすすめです。

惑星では夕方の西空では今月も明るい金星が目立っています。

そして19時過ぎには東の空からふたご座の中でマイナス2.6等級と金星に次ぐ
明るさの木星も昇ってきて注目を集めそうです。
18日~19日頃には満月過ぎの月も木星の近くに来るので、ぜひそんな様子も見て
みて下さい!!

さらに夜中過ぎには赤っぽく見える火星も昇ってきます!
今月の火星は1等星の明るさで、しし座からおとめ座へ移動して行きます。

明け方の東南東の低い空には0.6等級の土星も見えてきます。
この時期の土星はまだ低い空に見えていますので早起きして5時頃にラブジョイ彗
星と一緒に見てみて下さい!

それではそろそろ12月の主な天文現象を見ていきましょう!!

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☆12月 5日(木)~6日(金) 夕方の西空で金星と三日月のツーショット

先月に続いて、今月も5日~6日にかけて、金星と三日月を一緒に見ることが出来
るチャンスとなります!!

5日には三日月と金星が横に、6日は縦に並びますのでお天気が良ければ2日とも
見て頂ければと思います。
2日連続で見られれば月の一晩での動きも良くわかることでしょう。

今回も両者の距離は約11度程度と少し距離はありますが、今シーズンの金星では
12月がラストチャンスとなりますので是非お見逃しなく!
さらにこの時期には金星が今シーズン中では最も明るくなる時期なので先月よりも
さらに見応えがあるでしょう!

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☆12月 7日(土)金星が今シーズンで最も明るくなる最大光度!

宵の明星の金星が今シーズンで最も明るくなる時期を迎えています。
明るさはなんとマイナス4.7等級!!

昼間の金星も見られるかもしれません! 透明度が良い冬の青空でしたら、
青空の中にポツンと浮かんでいる様子が肉眼でも見られそうです。
7日では14時25分頃に金星がちょうど南の空で、高度30度付近に見えます。

手をいっぱいに伸ばして作った握りこぶし1個分の高さは約10度くらいになります。
この日は土曜日なので時間があれば、眼の高さから握りこぶし3個分くらいの高さ
になるので、お天気が良かったら是非試してみてください!!

金星を探すときには太陽が視界に入ってしまうと眩しいので建物などで太陽の光を
さえぎって探すのがコツになります。

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☆12月13日(金)~14日(土) ふたご座流星群がピーク

今年最後、そして最大の流星群が13日~15日未明にかけて見られそうです。
ふたご座はこの時期には夕方18時過ぎには東の地平線から昇ってくるのでほぼ
一晩中流れ星の出現を楽しめそうです。

ただし今年は満月近くの明るい月が夜空を明るく照らしてしまっているのが残念です。
なるべく月明かりの影響を受けないように月を背にしてなるべく夜空を広く眺めて
いるのが良さそうです。

かなり寒い時期なので十分に防寒対策を行って、暖を取りながら楽しんで下さいね!

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☆12月17日(火)今年一番小さな満月!

12月の満月は地球から月までの距離が遠い時期で、見かけ上の大きさは今年の満月
の中では一番小さく見えるようです。

肉眼では差がそれ程大きくないのでわかりにくいですが、今年最大の満月だった6 月と
同じ条件で撮影した写真で比較すると、直径で約12%近く違っていることが確かめられ
そうです。

この日の会津での月の出は16時30分頃になります。
また今月は18時28分がちょうど満月の時刻なので、真ん丸満月をぜひ見てみて下さい!

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☆12月22日(日) 冬至

今年も22日に、1年で一番昼の時間の短い冬至を迎えます。

会津ので日の出時刻は6時49分、日の入り時刻は16時29分になります。

時間があるときにこれらの時刻から昼の時間と夜の時間をそれぞれ計算してみてく
ださい!
随分と時間差があることにきっと驚かれるのではないでしょうか??

また、昼と夜の時間差は緯度によっても異なります。
会津よりも北に行くにしたがって夜の時間がもっと長くなって・・・北極地方では
1日中太陽の昇らない極夜になります。

そんなことを考えると・・・この地球の中でも日本という場所は恵まれた住みやす
い場所なのでしょうね。
夜が長い季節、星の見えない夜はおうちの中で暖かくして楽しく過ごしましょう。

One Thought on “2013年 12月 の 星空”

  • アイソン彗星は期待が大きかっただけに本当に残念ですね。
    12月1日、SOHO衛星の画像ではかなり拡散してしまっているようです。
    こちらでは大陽接近から離れていくまでの変化が良くわかります。

     http://science.nasa.gov/media/medialibrary/2013/12/01/ghost_anim.gif

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